JPS632795Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、熱交換器の機器ケーシングへの固定
構造に関し、特に、蛇行状に折曲する冷媒管の直
管部に多数のフインが嵌挿支持されたクロスフイ
ンコイル形熱交換器の固定構造に関する。

従来より、このような熱交換器の固定構造は、
冷媒管の直管部両端に固定用部材としての管板を
設けて、該管板に該冷媒管を嵌挿せしめて固定支
持し、前記管板をフアンガイド等の機器ケーシン
グ内の構造物に取付けることにより、熱交換器を
該機器ケーシング内に固定するようにしていた。

ところが、製氷器等の小形機器においては、熱
交換器も小形軽量であるため、強度部材としての
役割も有する管板を用いることは、重量の増加を
招くとともにコスト的にも高くつくという問題が
あつた。

また、そのため、熱交換器のフインあるいは冷
媒管の一部を直接ケーシング構造物に別個の固定
用部材で固定することが考えられるが、組付作業
性の面で問題があり、また、固定用部材を新たに
設けることはコストおよび重量の面からも好まし
くないという問題がある。

本考案は、かかる諸点に鑑みてなされたもので
あり、ケーシングの底板並びに該底板に立設され
るフアンガイドの左右両側板および天板にそれぞ
れ係止片部を設けて、該各係止片部で熱交換器を
係止することにより、管板を用いずに熱交換器を
ケーシングに固定し、軽量化およびコストダウン
化を図り、かつ組付作業性を向上させることを目
的とするものである。

この目的を達成するため、本考案の構成は、蛇
行状に折曲する冷媒管の直管部に多数のフインが
嵌挿支持されたクロスフインコイよりなる熱交換
器を機器ケーシングに固定する構造において、該
ケーシングの底板に該底板の一部を上部に切起し
てなる第１係止片部を設ける一方、該底板に立設
されるフアンガイドの左右両側板に該側板の一部
を内方に切起してなる第２係止片部を設けるとと
もに、該フアンガイドの天板の端縁に該端縁を下
方に折曲してなり、上記第１係止片部上方に対向
する第３係止片部を設け、上記熱交換器前後面を
上記第１および第３係止片部と第２係止片部とに
より係止するとともに、フアンガイドの左右両側
板により該熱交換器左右両側面を係止するように
して、管板を用いずに熱交換器を機器ケーシング
に固定するようにしたものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図および第２図は、本考案を製氷機に適用
した場合を示し、１はクロスフインコイル形熱交
換器であつて、複数の直管部（図示せず）および
隣接する直管部端部を接続する曲管部２ａ，２ａ
…からなる蛇行状に折曲した冷媒管２と、該冷媒
管直管部に嵌挿支持された多数のフイン３，３…
とにより構成されている。４はケーシング底板で
あつて、該ケーシング底板４央部には取付穴５，
５が穿設され、また、前部には該底板４の一部を
上方に起起してなる矩形状の第１係止片部６が設
けられている。

７はフアンガイドであつて、該フアンガイド７
は、中央の開口８ａにフアンＦが取付けられるフ
アン取付板８と、該フアン取付板８下端を後方へ
折曲して形成され上記取付穴５，５に対応する位
置にビス穴９，９を有する固定部１０と、該フア
ン取付板８の左右両側端および上端を前方へ折曲
して形成された左右両側板１１，１２および天板
１３とからなり、前記固定部１０のビス穴９とケ
ーシング底板４の取付穴５とにビス１４を挿通螺
合することにより立設固定されている。そして、
上記左右両側板１１，１２の前端縁は該前端縁の
上下２ケ所を矩形状の内方に切起してなる第２係
止片部１５，１５が設けられるとともに、該第２
係止片部１５，１５の間および該第２係止片部１
５と側板１１，１２の上下辺との間に挾持部１６
が形成される一方、上記天板１３の前端縁には該
前端縁を下方に折曲げてなり上記第１係止片部６
上方に対向する第３係止片部１７が設けられてい
る。

而して、上記熱交換器１は上記ケーシング底板
４の第１係止片部６により上記熱交換器１前面下
部を係止し、フアンガイド７の第２係止片部１５
により該熱交換器１後面の左右両側端を係止し、
かつ第３係止片部１７により該熱交換器１前面上
部を係止して、前後面を挾持するとともに、左右
両側板１１，１２の両挾持部１６，１６により熱
交換器１左右両側面の後部を挾持し、さらに天板
１３と底板４とにより上下面を挾持することによ
りケーシング内に固定されている。

したがつて、上記熱交換器１は、従来の如き管
板を用いずに機器内の周囲の構造物（ケーシング
底板４、フアンガイド７）の一部に設けた第１〜
第３係止片部６，１５，１７および挾持部１６に
よつて固定されていることにより、強固にかつ確
実に固定することができるとともに、コストダウ
ンおよび軽量化を図ることができる。また、既存
のケーシング底板４およびフアンガイド７の一部
を加工した第１〜第３係止片部６，１５，１７お
よび挾持部１６を利用するため、部品点数および
重量を増加させることがない。加えて、ビス等を
用いずに該熱交換器１を挾持して固定したので組
付作業性を向上させることができる。

尚、上記実施例では本考案を製氷機に適用した
場合について説明したが、ケーシング内にクロス
フインコイル形の熱交換器を固定する各種機器に
対して広く適用できるものである。

以上説明したように本考案によれば、ケーシン
グの底板とフアンガイドの左右両側板および天板
に係止片部を設けてクロスフイン形熱交換器を係
止固定するようにしたものであるので、管板を用
いずに熱交換器をケーシング内に確実に固定で
き、コストダウン化および軽量化を図ることがで
きるとともに、組付作業性を高めることができる
という効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示し、第１図は斜視
図、第２図は縦断面図である。 １……熱交換器、２……冷媒管、３……フイ
ン、４……底板、６……第１係止片部、７……フ
アンガイド、１１……側板、１２……側板、１３
……天板、１５……第２係止片部、１７……第３
係止片部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 蛇行状に折曲する冷媒管２の直管部に多数のフ
   イン３，３…が嵌挿支持されたクロスフインコイ
   ルよりなる熱交換器１を機器ケーシングに固定す
   る構造において、該ケーシングの底板４に該底板
   ４の一部を上方に切起してなる第１係止片部６を
   設ける一方、該底板６に立設されるフアンガイド
   ７の左右両側板１１，１２に該側板１１，１２の
   一部を内方に切起してなる第２係止片部１５…を
   設けるとともに、該フアンガイド７の天板１３の
   端縁に該端縁を下方に折曲してなり、上記第１係
   止片部６上方に対向する第３係止片部１７を設
   け、上記熱交換器１前後面を上記第１および第３
   係止片部６，１７と第２係止片部１５…とにより
   係止するとともに、フアンガイド７の左右両側板
   １１，１２により該熱交換器１左右両側面を係止
   するようにしたことを特徴とする熱交換器の固定
   構造。