JPS63274865A - 酸性ないし中性で安定な正及び負荷電の鉄コロイド溶液 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は酸性ないし中性で安定な正及び負荷電の鉄コロ
イド溶液に関する。さらに詳しくは、本発明は、医学生
物学実験における光学顕微鏡、及び電子顕微鏡観察のた
めの組織の酸性多糖体及びタンパク質の荷電基の組繊細
胞化学的検出用として有用な水酸化鉄コロイド溶液に関
する。

（従来の技術） 酸性多糖体及びタンパク質の荷電基の組繊細胞化学的検
出には、現在一般にヘイル（Ｈａｌｅ）の水酸化鉄コロ
イド［Ｈａｌｅ、Ｃ，Ｗ、（１９４６）、　Ｎａｔｕｒ
ｅ、１５６゜８０２〕、その改良方法（Ｍｏｗｒｙ、　
Ｒ，Ｗ、　（１９５８）　。

Ｌａｂｏｒａｔ、Ｉｎｖｅｓｔ、　７，５６６；　Ｍ、
ｕｅｌｌｅｒ、Ｇ、（１９５５）、ＡｃｔａＨｉｓｔｏ
ｃｈｅｍ、２．６８）　、アルシアン青ＣＳｔｅｅｄｍ
ａｎ、Ｈ。

Ｆ、（１９５０）、Ｑｕａｒｔ、Ｊ、　Ｍｉｃｒ、　Ｓ
ｃｉ、９１．４７７；　Ｐｉｏｃｈ。

Ｗ、（１９５７）、Ｖｉｒｃｈｏｅｙｓ　Ａｒｃｈ、３
３０，３３７）　、塩基性フェリチン（Ｄｏｎａｎ、　
Ｄ、、　Ｇｏｌｄｓｔｅｉｎ、Ｔ、、　Ｍａｒｉｋｏｖ
ｓｋｙ。

Ｙ、ａｎｄ　５ｋｕｔｅｌｓｋｙＪ、（１９７２）、Ｊ
、Ｕｌｔｒａｓｔｒｕｃｔ、Ｒｅｓ、。

３８、５００）等が主として使用されている。

これらの中、ヘイルの水酸化鉄コロイドはベルリン青反
応陽性で光学顕微鏡で観察可能であるのみならず、粒子
は電子線を通さず、電子顕微鏡的観察にも利用できるが
、ｐＨ２以上では不安定で沈澱するので、ｐＨ２以上で
解離する多くの多糖体のカルボキシル基、及び等電点以
上で解離するタンパク分子のカルボキシル基の検出には
利用できない。アルシアン青はヘイルのコロイドよりや
や高いｐＨ領域で使用できるが、染色性にむらがあり結
合が不安定で、強く水洗すると容易に脱色する。

またこれらは、何れもｐｌ＋　７付近にある生体組織の
荷電基の検出には利用できない。従って、生体内の負荷
電基検出にはフェリチンが広く利用されている。フェリ
チンは、自然界にあるものは酸性タンパクであるが、カ
ルボキシル基のメチル化、その他により、塩基性に変え
ることができ、而もｐＨ７付近でも非常に安定であり、
固定組織切片上でも生体内でも利用することができる。

しがし、フェリチンはプルシアン青反応陰性であり、電
子顕微鏡観察には利用できるが、光学顕微鏡用には利用
できない。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明の目的は、このような問題点を解消し、生体内巨
大分子表面の荷電基を正確に検出できる鉄コロイド溶液
を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 本願発明者は、この目的達成のため、ｐＨの巾広い域で
安定で、而も光学顕微鏡用にも、電子顕微鏡用にも利用
でき、゛又固定組織の上でも生体内でも使用でき、さら
に鮮明な像を与える鉄コロイド調剤を開発すべく鋭意研
究を行った結果、この度上記のごとく、有機酸ないしア
ミノ酸を用いて巾広いｐＨ域で安定な水酸化鉄コロイド
を得ることに成功した。

本発明に依れば、安定化のための有機酸、又はアミノ酸
の種類により、酸性ないし中性ＯｐＨ域で安定な正荷電
、又は負荷電を持つコロイド溶液を作ることができ、こ
れらを利用してＭｉ織を構成する巨大分子表面の負荷電
基を、また正荷電基を生体内で、また固定組織の上で、
光学顕微鏡、或いは電子顕微鏡を用いて検出することが
できる。

（実施例） 次に、実施例によって本発明をより具体的に説明する。

ス１」Ｌ−上 １容の０．１モルの塩化第二鉄溶液に９容の０．１モル
の酢酸溶液を加えて煮沸した。液の色が赤褐色に変わり
、コロイドが形成された時点で、煮沸を止め、室温に冷
却してコロイド溶液を得た。この溶液中のコロイド粒子
は正荷電を持ち、ｐＨ２〜５の間の弱酸性域で安定であ
った。使用前に、１規定の塩酸、又は１モルの重炭酸ナ
トリウム溶液で、ｐＨを希望の点に調整した。

爽止附−１ １容の０．１モルの塩化第二鉄溶液に９容の０．１モル
のプロピオン酸溶液を加えて煮沸した。液の色が赤褐色
に変わり、コロイドが形成された時点で煮沸を止めて、
室温に冷却し、コロイド溶液を得た。この溶液中のコロ
イド粒子は正荷電を持ち、ｐＨ２〜４の間で安定であっ
た。使用直前に１規定の苛性ソーダ溶液、又は塩酸で、
ｐＨを希望の点に調整した。

去施脳−１ １容の０．１モルの塩化第二鉄溶液に９容の０．１モル
のカコヂル酸溶液を加え、アムモニア水を加えて水素イ
オン濃度をｐＨ７，３とし、この液を煮沸した。液の色
が赤褐色に変わり、コロイドが形成された時点で煮沸を
止めて、室温に冷却した。得られたコロイド溶液のコロ
イド粒子は正荷電を持ち、ｐＨ２〜７の間で安定であっ
た。使用直前に１規定の塩酸、又は重炭酸ソーダ溶液で
ｐＨを希望の点に調整した。

実施±−↓ ０．１モルの塩化第二鉄溶液１容を９容の沸騰蒸留水に
、該蒸留水の温度が低下しないように注意しながら、徐
々に加えた。加え終ったら液を室温まで冷却して水酸化
鉄コロイド溶液が得られた。

該コロイド溶液に０．１モルのヒスチヂンナトリウム溶
液、又は０．１モルのアスパラギントリウム溶液３容を
加えた。得られたコロイド粒子は正荷電を持ち、中性域
で安定であった。必要に応じて、使用直前に１規定の塩
酸、又は苛性ソーダ溶液でｐＨを希望の点に調整した。

大庭斑−エ 実施例４におけると同様にして、水酸化鉄コロイドを得
た。このコロイド溶液１容に対し、０．１モルのアスパ
ラギン酸溶液３容を加え、さらに１規定の苛性ソーダを
加えてｐＨを中性として安定なコロイド溶液を得た。該
コロイド溶液のコロイド粒子は負荷電を有していた。必
要に応じて、１規定の塩酸、又は苛性ソーダ溶液を用い
て、ｐＨを使用直前に調節した。

（Ｕ機内荷電基検出法の概要） 以上のようにして得られた鉄コロイド溶液で光学顕微鏡
用の切片を染める場合には、原液を５倍に希釈したもの
の中に常温で２〜５分間浸し、水洗後、常法に従って、
ベニリン前反応を施し、ヘマトキシリン、又はヌクレア
ーファストレッドで後染色する（佐野層：組織学研究法
、南山堂１９７７．４６０頁）。

生体組織を潅流によって染める場合は、コロイド溶液を
グルコースを用いて等張とし、ｐＨを７．３に調整した
ものを用いる。潅流後は常法により、固定後項片として
光学顕微鏡にはベルリン青反応を施し、また電子顕微鏡
ではそのまま観察する。

電子顕微鏡用の組織染色には、カルノフスキー固定液で
０℃で５時間固定後ビフラトームで３５〜５０μｍに薄
切したものを６倍希釈のコロイド溶液で５時間浸漬した
ものを常法に従って切片とし、無染色のまま観察する（
Ｈａｙａｔ、Ｍ、Ａ、：　Ｆｉｘａｔｉｏｎｆｏｒ　ｅ
ｌｅｃｔｒｏｎ　ｍ１ｃｒｏｓｃｏｐｙ＋　　Ａｃａｄ
ｅｍｉｃ　Ｐｒｅｓｓ、１９８１ｐ６６）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 酢酸、乳酸、プロピオン酸、カコヂル酸等の低分子有機
   酸及びアスパラギン、アスパラギン酸、ヒスチヂン等の
   アミノ酸、及びそれらの塩によって安定化されているこ
   とを特徴とする酸性ないし中性で安定な正及び負荷電の
   鉄コロイド溶液。