JPS63273790A - 伝熱体およびその製造方法 - Google Patents

伝熱体およびその製造方法

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JPS63273790A
JPS63273790A JP10997587A JP10997587A JPS63273790A JP S63273790 A JPS63273790 A JP S63273790A JP 10997587 A JP10997587 A JP 10997587A JP 10997587 A JP10997587 A JP 10997587A JP S63273790 A JPS63273790 A JP S63273790A
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heat transfer
porous
plating solution
transfer body
tube
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JP10997587A
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Tsutomu Takahashi
務 高橋
Yoshio Takizawa
与司夫 滝沢
Yasuo Masuda
保夫 増田
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Mitsubishi Metal Corp
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Mitsubishi Metal Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、例えば空調用の熱交換器の蒸発管や凝縮管、
あるいは道路の融雪装置などにおいて伝熱体として使用
されるヒートパイプ等の伝熱体、およびその製造方法に
関する。
「従来の技術」 上記の蒸発管、凝縮管、あるいはヒートパイプは、いず
れも管の内外の温度差により管内に封入された熱媒体の
相変態(気体−一液体)を行なわせ、さらにこの熱媒体
を移送して管の長手方向の伝熱を行なうものである。
この種の伝熱体において、伝熱性能を向上させるために
は、 (1)伝熱面積を大きくする (2)核沸騰を起こしやすくする (3)毛細管現象を起こしやすくする (4)乱流を起こしやすくする ことが有効とされている。
従来、前記(1)、(4)を満たず手段としては、例え
ば鋼管の内面に螺旋状の溝を転造法などにより形成する
方法などが用いられている。
また、前記(2)を満たすものとしては、伝熱体の表面
に核沸騰の核となる多孔質層を形成する方法が知られて
おり、特に板状の伝熱体においては焼結あるいはロウ付
法によりその種の多孔質層を形成することが行なわれて
いる。
「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、上記の伝熱体においては、それぞれ次の
ような問題点があった。
すなわち、螺旋溝を形成する場合には、上記の−3〜 伝熱効率を上げる方法のうち最も効果の高い核沸騰現象
を利用しておらず、また、転造工具の製作技術上および
転造の技術上から螺旋溝の条数やねじれの角度に制限が
あるため、通常の溝無し管と比べても熱特性値が1.2
〜1.5倍程度にしかならず、コストがかかる割には効
果が少なかった。
また、溝を転造する際には、転造工具と管内面との摩擦
が大きいので、大きな加圧力を発生できる大規模な装置
を用いなければならず、さらに摩耗により転造工具の寿
命が短かく制限されるため、設備コストおよび製作コス
トが高くつくという問題があった。
一方、多孔質層を形成する方法においては、伝熱管のよ
うな管状構造のものの内面に、焼結やロウ付などにより
多孔質層を形成することは極めて困難であった。また、
金属表面にスクリーン印刷等によりパターンマスキング
を施した後、電気めっきにより多孔質層を形成すること
も考えられるが、実施にはかなり困難を伴い、印刷・焼
き付は等の複雑な工程を必要とするため製造コストが高
くっくという問題があった。
「問題点を解決するための手段」 上記のような問題を解決するため、本発明の伝熱体は、
金属製基体の表面に多孔質金属層を形成するとともに、
この多孔質金属層に開口部が相対的に狭められた多数の
有底円筒状の凹所を形成したことを特徴とする。
なお、前記多孔質金属層は、電析金属により構成されて
いてもよい。
また、前記金属製基体は、管体であってもよい。
一方、本発明の伝熱体の製造方法は、表面に疎水性の薄
膜を形成した金属製基体を陰極とし、導電性粒子を分散
させためっき液および不溶性陽極を用いて電気めっきを
行ない、前記基体の表面に、開口部が相対的に狭められ
た多数の有底円筒状の凹所を有ししかもそれ自体が樹枝
状または粒状の多孔質構造である多孔質金属層を形成す
ることを特徴とする。
なお、前記導電性粒子は、粉末銅粒子であってもよい。
また、前記導電性粒子を分散させためつき液として、予
め可溶性電極を用いて電解を行なうことによりアノード
スライムを発生させためつき液を使用してもよい。
さらに、本発明の別の伝熱体の製造方法は、不溶性陽極
を用いてめっき液の電解を行ない、該めっき液中に微細
気泡を発生させたのち、このめっき液を前記気泡の消え
ないうちに金属製基体の被めっき部に供給し、この金属
製基体を陰極として可溶性陽極との間にアノードスライ
ムが生じる陽極電流密度で通電することにより、開口部
が相対的に狭められた多数の有底円筒状の凹所を有する
樹枝状あるいは粒状の多孔質めっき層を析出させること
を特徴とする。
なお、前記電気めっきを行なう際には、パルス電流を使
用してもよい。
また、前記金属製基体として銅製基体、めっき液として
硫酸銅めっき液を用いてもよ、い。
「作用」 本発明の伝熱体では、基体上に形成された金属層そのも
のが多孔質であり、しかもこの多孔質金属層には多数の
凹所が形成されている。したがって、■金属層表面の伝
熱面積が極めて大きく、■多孔質の微細な気孔により熱
媒体が沸騰する際の核生成を促し、■多孔質金属層の毛
細管現象によって熱媒体の移送効率を高めるとともに凹
所を通じて多孔質金属層内部に熱媒体を供給し、■さら
に金属層に沿って流れる熱媒体を乱流とし、これら■〜
■の相乗作用により伝熱性能を高める。
また、本発明の伝熱体の製造方法においては、次のよう
な機構により多数の凹所を有する多孔質金属層を形成す
る。
■不溶性陽極を用いてめっきを行なうことにより、めっ
き液中の水が電気分解されて酸素ガスを生じ、この酸素
ガスの一部が基体の被めっき部に運ばれ、基体の表面に
形成されている疎水性薄膜に気泡として付着する。
■一方、基体の気泡が付着していない部分からは電析金
属が漸次成長していくが、その際、この成長しつつある
電析金属にめっき液中に分散されている導電性粒子が付
着し、この付着した導電性粒子からもまた電析金属が成
長を始めるということを繰り返し、複雑な多孔質構造の
金属層が形成されていく。
■この多孔質金属層は、基体に付着している気泡を包み
込む形でさらに成長を続けるため、最終的には、開口部
が相対的に狭められた多数の凹所を有する樹枝状または
粒状等の多孔質金属層が形成される。
「実施例」 以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明す
る。
(伝熱体の第1実施例) 第1図および第2図は、本発明を伝熱管として実施した
例を示すもので、第1図は伝熱管の横断面゛性状、第2
図は内面性状を示す拡大平面図である。
これらの図において、符号1は銅などの金属からなる管
体(基体)、2は管体1の内面全面に形成された多孔質
めっき層(多孔質金属層)である。この多孔質めっき層
2は、開口部が相対的に狭められた有底円筒状の凹所3
を多数有し、しかもそれ自体が、粒状の電析金属が集積
した多孔質構造となっている。
前記凹所3の表面積比率は10〜50%とされている。
この比率が10%よりも小さいと伝熱性能向上効果が少
なく、また50%より大きいと製造が困難となるうえ、
コストの上昇に見合う程伝熱性能が向上しない。
このような構成からなる伝熱管にあっては、■管体1上
に形成されためっき層2そのものが粒状の電析金属が集
積した多孔質構造であるうえ、このめっき層2には多数
の凹所3・・・が形成されているため、めっき層2表面
の伝熱面積が極めて大きい。
■粒状電析金属により構成されている多孔質めっき層2
の表面には微細な凹凸部が無数に存在するため、この伝
熱管を熱媒体の沸騰部として使用した場合には、これら
凹凸部によって熱媒体が沸騰する際の核生成を促し、熱
媒体の核沸騰を著しく促進することができる。
■めっき層2に形成された多数の凹所3・・により、め
っき層2に沿って流れる熱媒体を乱流とすることができ
るので、熱媒体との接触効率が高い。
■多孔質めっき層2の毛細管現象により、液体となった
熱媒体を伝熱すべき方向へ移送する作用が得られるうえ
、凹所3・・を通じて熱媒体が多孔質めっき層2の内部
へ浸透するので、この毛細管効果が一層顕著になってい
る。
■この伝熱管を熱媒体の凝縮部として使用した場合には
、凝縮して液体となった熱媒体が凹所3・・・に流れ込
むため、液体凝縮量が多い場合にも多孔質めっき層2の
表面が液体中に埋没しにくく、多孔質めっき層の埋没に
よる上記■、■効果の低下が防止できる。
したがって、この伝熱管では、以上■〜■の効果により
、従来のものよりも格段に伝熱性能を向上することが可
能である。
(伝熱体の第2実施例) 第3図は、本発明の第2実施例の伝熱管(伝熱体)の内
面性状を示す拡大図である。前記実施例では、多孔質め
っき層2が粒状電析金属により構成されていたのに対し
、この実施例では樹枝状の電析金属により多孔質めっき
層4が構成されている点が異なる。この相異は、多孔質
めっき層4を形成する際の電気めっき条件によって決定
されるものである。
このような伝熱管にあっては、樹枝状構造の多孔質めっ
き層4が前記粒状構造のものよりもさらに微細かつ鋭利
な凹凸に富み、熱媒体の核沸騰効果をいっそう促進する
ため、伝熱性能を一段と高めることができる。
また、樹枝状構造の多孔質めっき層4によれば、粒状構
造の多孔質めっき層よりも顕著な毛細管現象が得られる
ので、この毛細管現象によって凝縮液体の移送効率を向
上することができ、この点からも伝熱性能向上が図れる
(伝熱体の製造方法の第1実施例) 次に、以上のような伝熱管の製造方法の第1実施例を説
明する。
この方法では、まず、管体1の内面に疎水性物質の薄膜
を形成する。そのためには、疎水性物質をエタノール等
の揮発性溶剤で希釈したものを管体1の内面に塗布し、
その後、溶剤を蒸発させて疎水性の薄膜を形成する。こ
の疎水性薄膜の厚さは、0.1〜5μmであることが好
ましく、0.1μm以下では凹所3・・・の生成が少な
くなり、他方、5μmを超えると絶縁性が高くなりすぎ
て均一な多孔質めっき層2が得られなくなる。なお、場
合によっては、このような工程を設けずに、管体lの加
工成形時において付着した潤滑油をそのまま利用しても
よい。ずなわち、銅管を抽伸機により製品寸法に抽伸し
た後に、通常の洗浄・脱脂工程を行わずにおくと、抽伸
の際に使用された潤滑油がそのまま薄膜として、はどよ
い厚さで残留するのである。
こうして薄膜を形成した管体1の内面に多孔質めっき層
2を形成するには、第4図に示すような装置を使用する
。この装置は、Ti−PL製などの不溶性の陽極ワイヤ
5を管体1の軸線に沿って張力をかけて張り渡し、ワイ
ヤ5の周囲に絶縁性のスペーサ6・・を適当な間隔で設
け、硫酸銅めっき液を貯留する貯槽7と、めっき液を管
体1内に流すケミカルポンプ8とを設けたもので、この
貯槽7でめっきによる銅イオンの減少を塩基性炭酸銅を
添加して補い、循環使用するように構成されている。め
っき液の流速は0.5〜5m/sec、であることが好
ましく、0 、5117 sec未満では比較的もろい
電析膜しか得られず、他方5x/sec、より大きいと
エネルギーコストが増すばかりで効果がない。
また、この場合、使用する電気めっき液には、通常の成
分の他にめっき層2を多孔質とするための粉末銅粒子等
の導電性粒子が適量添加され、均一に分散されている。
この導電性粒子の粒径は、良好な核沸騰促進効果を得る
ために200μn以下、望ましくは50μm以下とされ
る。
この装置を用いて管体lをめっきする際には、前記不溶
性陽極ワイヤ5と管体1との間に、断続電流1通常のパ
ルス電流またはPR電流などを適宜使い分けて通電する
。ここでパルス電流を用いると、直流電流の場合に比べ
て空孔内への金属イオンの搬送が容易となり、電析速度
を増大させることができ、しかも直流の場合に生じやす
い局部的な配状析出を抑えてそれによる短絡を防止でき
る利点がある。また、PR電流を用いた場合には、圧電
と逆電を交互に周期的に通すので、電析銅の成長速度を
一様とし、多孔質めっき層2の厚さをより均一にできる
利点がある。いずれの場合も、めっき時の陽極電流密度
は20A/dm’以上であることが好ましく、それ以下
では酸素ガスの発生が不十分となって凹所3・・が十分
に形成されない。
なお、これらめっき条件を適宜調節することにより、電
析銅の形状を粒状あるいは樹枝状のいずれかに設定する
ことができる。また、陰極電流密度を大きくするほど、
また、めっき液の流速を速くするほど、凹所の開口部が
相対的に小さく形成される傾向がある。
さて、陽極ワイヤ5と管体1との間に通電すると、陽極
ワイヤ5は不溶性であるために、めっき液中の水が電気
分解され、陽極ワイヤ5から酸素ガスが発生ずる。そし
て、この酸素ガスはめっき液とともに運ばれ、その一部
が、陰極である管体1の内面に塗布された疎水性薄膜に
付着する。
その一方で、管体1内面の気泡が付着していない部分か
らは電析銅が漸次成長していくが、その際、成長しつつ
ある電析銅にめっき液中に分散されている導電性粒子が
付着し、この付着した導電性粒子からもまた電析金属が
成長を始めるということを繰り返していく。こうして、
電析銅は集積して複雑な粒状(あるいは樹枝状)の多孔
質構造を形作りながら、管体1に付着している気泡を包
み込むように成長を続け、開口部が狭められた多数の凹
所3・・を有する粒状(または樹枝状)の多孔質めっき
層2が構成されていく。そして、この多孔質めっき層2
が所定の厚さに達したら、管体lを装置から取り外して
洗浄し、伝熱管を得る。
この伝熱管製造方法によれば、上述のような比較的簡単
な操作により、多数の凹所3・を有する複雑な多孔質構
造のめっき層2を管体lの内面に形成することができ、
核沸騰を促進して伝熱特性を著しく向上させた伝熱管を
効率的に製造することが可能である。しかも、設備とし
ては前記のように単純な構成のめっき装置を使用するだ
けでよく、転造装置等の大規模でしかも消耗の激しい設
備を必要としないため、設備コストおよび製造コストが
安く済むという利点を有する。
(伝熱体製造方法の第2実施例) 上述の第1実施例の製造方法では、導電性粒子として銅
粉末をめっき液中に分散させていたが、この第2実施例
の方法では、製造装置の構成を第5図のように変更する
ことにより、めっき液中に予め陽極スライムを発生させ
、これを導電性粒子として利用することを特徴とする。
この装置では、管体1にめっき液を流入させる直前の部
分に、新たに別の銅製等の金属管9を設け、この金属管
9の軸線に沿って銅製等の可溶性陽極ワイヤlOをスペ
ーサ11・・・を介して配置し、この金属管9内をめっ
き液が通るように構成している。
そして、管体1の内面を前記実施例と同じ方法によりめ
っきすると同時に、金属管9を陰極とし、可溶性陽極ワ
イヤ10との間にまた同様の方法で通電する。陽極ワイ
ヤ10における陽極電流密度は2OA/dm2以上であ
ることが望ましく、それ未満であると陽極スライムを十
分に生成できない。
なお、他の装置構成およびめっき条件等は前記第1実施
例と全く同様でよい。
そして、金属管9および可溶性陽極ワイヤIOに通電す
ると、ワイヤ10からは銅イオンが溶出すると同時に、
導電性を有する細粒状の陽極スライムが発生する。そし
て、このスライムがめつき液の流れに乗って管体1内に
運ばれ、管体1の内面に析出する電析金属に付着し、こ
の電析金属を多孔質構造に成長させる。
このような伝熱管製造方法によれば、生成される陽極ス
ライムが極めて微細であり、しかもこの陽極スライムが
めつき液中に均一に分散されるため、銅粉末をめっき液
中に混入する第1実施例の方法に比べて、より均質な微
細構造を有する多孔質金属層を形成することができ、こ
れにより核沸騰促進効果の高い伝熱管を製造できる。
また、この方法では、金属管9と可溶性陽極ワイヤlO
との間の通電量を増減することにより、多孔質めっき層
2の成長状態に応じて陽極スライム分散量を即時に制御
できるという利点を有する。
したがって、例えば管体lのめっき開始直後はスライム
を発生させないでおき、その後、徐々にスライム分散量
を増していくなどといったことも可能であり、その場合
にはめっき層2の下層部が多孔質ではない緻密な金属層
となるので、多孔質めっき層2と管体1との接合強度を
高めることが可能である。
(伝熱体製造方法の第3実施例) 以上の第2実施例の伝熱管製造方法では、予め陽極スラ
イムを分散させためっき液を用いて、気泡を発生させつ
つ多孔質金属層2を形成していたが、この第3実施例で
は順序を逆にし、気泡を分散させためっき液を用いて、
陽極スライムを発生させつつめっきを行なうことを特徴
とする。
再び、第5図を用いて説明する。
前述の方法では、この図において符号5を不溶性陽極ワ
イヤ、10を可溶性陽極ワイヤとしていたが、今度は逆
に、5を可溶性ワイヤ、10を不溶性ワイヤとする。他
の構成、めっき条件等は前記実施例と全く同様である。
この装置によりめっきを行なうと、不溶性陽極ワイヤI
Oから酸素ガスが発生し、この酸素ガスがめつき液の流
れに乗って管体Iに運ばれ、管体1の内面に形成されて
いる疎水性薄膜に付着する。
一方、可溶性陽極ワイヤ5からは銅イオンが溶出すると
ともに、細粒状の陽極スライムが生成する。
そして、このスライムが、管体l内面の気泡の付着して
いない部分から成長する電析金属に付着するため、あと
は前記同様の作用により、凹所3・・・を有する多孔質
めっき層2が形成される。
この方法によれば、不溶性ワイヤIOと金属管9との間
の通電量を調節することにより、このワイヤlOからの
気泡発生量を容易に制御でき、多孔質めっき層2におけ
る凹所3 の密度等を任意に設定できる利点が得られる
なお、前記の実施例ではいずれも、多孔質めっき層2の
凹所3・・が管体lの内面に垂直に形成されていたが、
めっき層2を電着する際にめっき液の流速を速く設定し
て、前記凹所3・・・をヒートパイプ内の液体が流れる
方向に傾けて形成することにより、さらに伝熱特性を高
めることもできる。
また、管体1の内面に予め螺旋状あるいは直線状の溝を
形成しておき、そのうえで前記各実施例のように凹所3
・・・を有する多孔質めっき層2を形成してもよく、そ
の場合には、溝の毛細管現象により凝縮液体の移送速度
をいっそう増し、伝熱性能をさらに向上することができ
る。
また、多孔質めっき層2を形成した後に管体lを焼鈍し
てもよく、そうすれば管体lの柔軟性を高めるとともに
、めっき層2と管体1との密着性を高めることが可能で
ある。
また、本発明は、凝縮管や蒸発管、ヒートパイプに限ら
ず、板状伝熱体や、管体の外面に多孔質層を形成した伝
熱体等にも適用可能である。
「実験例」 =20− 次に、本発明の実験例を挙げて、効果を実証する。
(実験例1) 外径9.35■、肉厚0.35zmの銅管を抽伸により
成形し、LOOh+zの長さに切断して、内面に潤滑油
被膜を残したまま先に説明したように第4図の装置にセ
ットした。不溶性陽極ワイヤ5としては、外径4mmφ
のTi−Pt製ワイヤを用いた。
次いで、以下のめっき液・めっき条件により、この銅管
lの内面に、平均開口径が250μmの凹所を多数有し
、これら凹所を除くめっき層の気孔率が60vo1%、
厚さ力<120μ*の多孔質めっき層2を形成した。
めっき液組成 硫酸銅・200g/Q、硫酸: 509/ρ銅粉末(平
均粒径30μ肩):5M/ρ塩基性炭酸銅をめっき時に
適宜補充 めっき条件 液温:30℃、陰極電流密度:35A/dm”めっき液
流速:2z/s、めっき時間+l0m1n。
こうして得られた伝熱管の内面を水洗し、乾燥した後、
銅管1を万力で押し潰すテストを行ない、また、銅管1
を530°Cで20分焼鈍し、マンドレルによる拡管を
試みたが、いずれの場合においても多孔質めっき層2の
剥離や脱落は全く見られず、優れた密着性と強度を示し
た。
さらに、この伝熱管について、第6図に示すような熱特
性試験装置により、後記の第1表に示すような条件下で
熱特性を測定した。
この装置の構成を説明すると、図中符号Tは温度センサ
、Pは圧力計、PDは差圧計、10はポンプ、2Iはバ
ルブ、22は流量計、23は膨張弁、24はコンプレッ
サ、25はサブエバポレータ、26はサブコンデンザ、
27は恒温水槽であり、28が供試管としての伝熱管(
または鋼管)である。
この熱特性試験装置においては、供試管28の内部にコ
ンプレッサ24から供給される冷媒が流され、外部には
恒温水槽27からの温水が冷媒に対向して流されるよう
になっている。恒温水の温度は各冷媒流量に対応して、
冷媒系が安定するように制御した。なお、図において矢
印A、A’は、それぞれ蒸発試験の場合の冷媒及び水の
流れる方向を示し、矢印B、B’はそれぞれ凝縮試験の
場合の冷媒及び水の流れる方向を示している。
第1表 この試験の結果、本発明の方法によって得られた実験例
1の鋼管は、その内側の境膜伝熱係数が第7図にCとし
て示すような値を示し、同図にDとして示した通常の鋼
管に比べ、9〜IO倍の優れた伝熱特性を有することが
わかった。
(実験例2) 上記実験例1と同一の銅管の内面に、転造により螺旋溝
を形成し、次いで、転造時の潤滑油を除去せずに、前記
実験例1と同様の方法により、螺旋溝の傾斜壁に狭口空
孔を有しそれ自体が多孔質である多孔質金属層を形成し
た。そして、前記同様の方法で伝熱特性の測定を行った
結果、通常の鋼管と比べてほぼ15倍の伝熱特性を示し
た。
(実験例3) 上記実験例Iと同一の鋼管を、内面に潤滑油被膜を残し
たまま先に説明した第5図の装置にセットした。なお、
不溶性陽極ワイヤ5としてはTi−pt製ワイヤ、金属
管つとして銅管、可溶性陽極ワイヤ10として銅線を使
用した。
そして、以下のめっき液およびめっき条件により、この
銅管1の内面に、平均開口径が200μmの凹所を多数
有し、これら凹所を除いた気孔率が40vo1%、厚さ
120μ肩の多孔質金属層を形成した。
めっき液組成 硫酸銅:200@/(、硫酸:501p/ρ=24− 塩基性炭酸銅をめっき時に適宜補充 銅管1のめっき条件 液温:30℃、陰極電流密度:50A/dm”めっき液
流速: 1 m/ s、めっき時間:l0m1n可溶性
陽極ワイヤIO側の電解条件 陽極電流密度:50A/dm2、他は上と同じこうして
得られた伝熱管に対し、前記実験例1と同様の方法で伝
熱特性の測定を行った結果、通常の鋼管と比べてほぼ1
0〜!1倍の伝熱特性を示した。
(実験例4) 次に、以上の実験例3で使用した装置の構成を変更し、
第5図中符号5を銅線(可溶性陽極ワイヤ)、符号10
をT i −P を製ワイヤ(不溶性陽極ワイヤ)とし
、前記実験例1と同一の銅管1を、内面に潤滑油被膜を
残したまま、この装置にセットした。
次いで、実験例3と同じめっき液を用い、以下のめっき
条件により、この銅管1の内面に、凹所の平均開口径が
100μm、凹所を除いた気孔率が4.5vo1%、厚
さ150μmの多孔質金属層を形成した。
銅管1のめっき条件 液温、30℃、陰極電流密度ニア0A/dm2めっき液
流速: I m/ s、めっき時間:10m1n。
不溶性陽極ワイヤIO側の電解条件 陽極電流密度: ] 50 A/dm2、他は上と同じ
こうして得られた伝熱管に対し、前記実験例1と同様の
方法で伝熱特性の測定を行った結果、通常の鋼管と比べ
て、はぼ13倍の伝熱特性を有することがわかった。
「発明の効果」 以上説明したように、本発明の伝熱管によれば、■基体
上に形成された金属層そのものが多孔質構造であるうえ
、この金属層には多数の凹所が形成されているため、金
属層表面の伝熱面積が極めて大きい。
■多孔質金属層には気孔や凹所等により形成された微細
な凹凸部が無数に存在するため、この伝熱管を熱媒体の
沸騰部として使用した場合には、これら凹凸部によって
熱媒体が沸騰する際の核生成を著しく促進することがで
きる。
■金属層に形成された多数の凹所により、金属層に沿っ
て流れる熱媒体を乱流とするので、熱媒体との接触効率
が高い。
■多孔質金属層の毛細管現象により熱媒体を伝熱すべき
方向へ移送する作用が得られるうえ、凹所を通じて熱媒
体が多孔質金属層内部へ浸透するので、この毛細管効果
が一層促進される。
■この伝熱体を熱媒体の凝縮部として使用した場合には
、凝縮して液体となった熱媒体が凹所に流れ込むため、
液体凝縮量が多い場合にも多孔質金属層の表面が液体中
に埋没しにくく、多孔質金属層の埋没によって上記■、
■の作用が低下することが防げる。
したがって、この伝熱管では、以上■〜■の作用により
、従来のものよりも格段に伝熱性能を向上することが可
能である。
一方、本発明の伝熱管の製造方法によれば、比較的簡単
な操作により、多数の凹所を有する複雑な多孔質構造の
金属層を管体の内面に形成することができ、熱媒体の核
沸騰および凝縮を促進して伝熱特性を著しく向上させた
伝熱体を効率的に製造することが可能である。
しかも、本方法では転造装置のように大規模でしかも消
耗の激しい設備を必要としないため、設備コストおよび
製造コストが安く済むという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は、本発明の伝熱体の一実施例であ
る伝熱管の内面性状を示す断面図および平面図、第3図
は第2実施例の伝熱管の内面性状を示す平面図である。 また、第4図は本発明の一実施例の伝熱管製造方法を実
施するための装置の構成図、第5図は本発明の第2実施
例の伝熱管製造方法のための装置の構成図、 第6図は本発明の実験例の効果を測定するための装置の
構成図、第7図は本発明の実験例の効果を示すグラフで
ある。 ■・・・管体(基体)、 2・・・多孔質めっき層(多孔質金属層)3・・・凹所
、      4・・・多孔質めっき層、5・・・不溶
性陽極ワイヤ (または可溶性陽極ワイヤ)、 6・・・スペーサ、   7・・・貯槽、8・・・ケミ
カルポンプ、9・・・金属管、IO可溶性陽極ワイヤ (または不溶性陽極ワイヤ)、 11・・・スペーサ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)金属製基体の表面に多孔質金属層を形成するとと
    もに、この多孔質金属層に、開口部が相対的に狭められ
    た多数の有底円筒状の凹所を形成したことを特徴とする
    伝熱体。
  2. (2)前記多孔質金属層は、電析金属によって構成され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の伝
    熱体。
  3. (3)前記金属製基体は、管体であることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の伝熱体。
  4. (4)表面に疎水性の薄膜を形成した金属製基体を陰極
    とし、導電性粒子を分散させためっき液および不溶性陽
    極を用いて電気めっきを行ない、前記基体の表面に、開
    口部が相対的に狭められた多数の有底円筒状の凹所を有
    ししかもそれ自体が樹枝状または粒状の多孔質構造であ
    る多孔質金属層を形成することを特徴とする伝熱体の製
    造方法。
  5. (5)前記導電性粒子は、粉末銅粒子であることを特徴
    とする特許請求の範囲第4項記載の伝熱体の製造方法。
  6. (6)前記導電性粒子を分散させためっき液は、予め可
    溶性電極を用いて電解を行なうことによりアノードスラ
    イムを発生させためっき液であることを特徴とする特許
    請求の範囲第4項記載の伝熱体の製造方法。
  7. (7)不溶性陽極を用いてめっき液の電解を行ない、該
    めっき液中に微細な気泡を発生させたのち、このめっき
    液を前記気泡の消えないうちに金属製基体の被めっき部
    に供給し、この金属製基体を陰極として可溶性陽極との
    間にアノードスライムが生じる陽極電流密度で通電し、
    これによって開口部が相対的に狭められた多数の有底円
    筒状の凹所を有する樹枝状あるいは粒状の多孔質金属層
    を金属製基体の表面に形成することを特徴とする伝熱体
    の製造方法。
  8. (8)前記電気めっきを行なうに際し、パルス電流を使
    用することを特徴とする特許請求の範囲第4項または第
    5項または第6項または第7項記載の伝熱体の製造方法
  9. (9)前記金属製基体として銅製基体を用いるとともに
    、めっき液として硫酸銅を含有するめっき液を用いるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4項または第5項また
    は第6項または第7項または第8項記載の伝熱体の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013177695A (ja) * 2007-03-02 2013-09-09 Furukawa Electric Co Ltd:The 表面粗化銅板の製造方法及び表面粗化銅板
JP2015045432A (ja) * 2013-08-27 2015-03-12 株式会社東芝 伝熱体及びその製造方法
KR20190110333A (ko) * 2018-03-20 2019-09-30 (주)피멘토르 스프레이 건으로 공급되는 컴프레서 압축공기의 수분제거 및 온도제어 장치
WO2023167087A1 (ja) * 2022-03-01 2023-09-07 国立大学法人九州大学 冷却部材、冷却器、冷却装置及び冷却部材の製造方法

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