JPS6327052B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は大量の低沸点有機溶剤ガス（蒸気）を
長時間にわたつて安定して供給するための大容量
ガス発生装置に関するものである。 動物実験などにおいて、種々の濃度の有毒ガス
成分を含む空気流を吸入曝露させる実験では、か
なりの長時間にわたつて、安定した混合気流を調
製して提供する必要がある。 従来、一定濃度の混合気体試料の調製は目的と
する濃度に調製して、容器に貯えておく貯蔵法
と、一定濃度のガスと希釈空気とを混合気流とし
て供給する気流法とがある。しかし、生物化学実
験等における有毒ガスの曝露実験では相当長時間
にわたるので、貯蔵法ではガス濃度の調製は比較
的簡単であるが、ガスの容器への吸着や準備すべ
き容器の大きさに限界がある。 本発明は後者の気流法による一定濃度のガス発
生装置で、コンプレツサーにより送られる同一の
清浄空気を利用して、ガスの発生、希釈、混合を
行い、一定濃度の、特に大容量のガスを安定して
供給するとともに、同時に数機の曝露実験装置が
操作できるように構成された発生装置を提供しよ
うとするもので、清浄化装置を備えたコンプレツ
サーと、コンプレツサーに連設されたネブライザ
ーと、ネブライザーに２段に連設された１次およ
び２次の恒温槽付き熱交換器と、熱交換器に接続
され、かつチヤンバーへ流量計を介して接続する
接続管を有するバツフアータンクとからなると共
に、前記コンプレツサーからの清浄空気を三方に
分岐し、それぞれに流量を介して、その一つをネ
ブライザーの噴霧用のノズルに、他の一つをネブ
ライザーで生成されたガスのキヤリアーの補充用
導入口に、さらに他の一つを２次熱交換器内の希
釈混合用の希釈エアー導入口にそれぞれ接続した
ことを特徴とする。 本発明に係る大容量ガス発生装置の実施例を別
紙図面に従つて説明すると、ネブライザー１はマ
ントルヒーター２によつて所定温度に保持され、
先端にノズル３が形成されたエアーの導入口４と
試料タンク５と、試料タンク５からノズル５から
ノズル３の先端まで配設された吸引管６と、上方
に還元部７、ドレイン８及びその還流液送出管
９、生成ガスのキヤリアーエアー補充用導入口１
０よりなり、試料タンク５には液体注入口１１が
開口され、ネブライザー１の上方の還元部７には
１次および２次熱交換器１２，１３が直列に２段
に連設され、夫々恒温槽１４，１５によつて温度
コントロールされ、２次熱交換器１３の上端には
希釈エアーの導入口１６が開口されている。 ネブライザー１のエアー導入口４およびキヤリ
アーエアー補充用導入口１０および２次熱交換器
１３の希釈エアーの導入口１６には、公知の清浄
化装置を備えたコンプレツサー１７により作製さ
れた清浄空気が、レギユレーター１８、流量計、
一次側圧力１９、電磁弁２０を通して三方に分岐
され、夫々流量計２１，２２，２３を介して送り
込まれるように配管されている。 ２次熱交換器１３の下方にドレインコツク２４
がとりつけられ、その上方に側部に混合希釈ガス
の送出管２５が配置され、他の一部がバツフアー
タンク２６に接続されている。バツフアータンク
２６にはドレインコツク２７、希釈ガスの送気口
２８が設置され、送気口２８に接続された接続管
２９は、流量計３０を介して送入管３７により別
に送入される気体と合流させて、チヤンバー３１
に送り込まれる。 バツフアータンク２６には、数機のチヤンバー
を接続して濃度を異にした実験が同時にできるよ
うに、複数の流量計３８，３９への接続管４０，
４１が配備されている。 又、バツフアータンク２６には別に圧力上昇を
チエツクする接点付圧力計３２と、そこで検知さ
れ余剰ガスを排気するための安全用電磁弁３３が
配置されている。 つぎに本装置を用いたCCl₄の大容量のガスの
作製方法を説明する。 先ず、バツフアータンク２６、実験チヤンバー
３１の容積と実験に必要とする濃度とから、各流
量計における流量を算出しておき、目的ガスを発
生させるための試験試料を試料タンク５に液体注
入口１１より入れて蓋をしたのち、コンプレツサ
ー１７の電源を入れる。ネブライザー１のマント
ルヒータ２をONにし、約40℃になるように設定
する。ここはネブライズされた蒸気が気化熱を奪
われて凝縮されるのを防止するためである。さら
に、恒温槽１４，１５をONにし、恒温槽１４は
約５〜15℃に設定し、恒温槽１５は20℃〜25℃に
温度設定を行う。 操作電源（図示せず）をONにすると、コンプ
レツサー１７の電磁弁２０が開き、マントルヒー
ター２の温度指示調節３５、熱交換器温度指示計
３６の電源が入り、夫々の温度調節及び温度の指
示がなされる。 レギユレーター１８を調節して流量計２１，２
２，２３への一次圧力計１９を決められた値に設
定する。 次に流量計２１，２２，２３の流量を設定す
る。このとき一次圧力計１９の設定圧が変化した
ときは再調整する。かくして、すべての操作が開
始すると、試料タンク５の試験物質はネブライザ
ー３から噴霧され、１次熱交換器１２へ運び込ま
れる。該１次熱交換器１２は恒温槽１４によつて
温度調節されているから、発生する試験物質の濃
度は一定となる。 一定となつた試験ガスはさらに次段の２次熱交
換器１３に送り込まれた希釈エアーの導入口１６
より送り込まれたエアーによつて希釈混合される
とともに、約25℃の恒温にされて、バツフアータ
ンク２６に送り込まれる。バツフアータンク２６
内の試験ガスの濃度が安定したら（バツフアータ
ンクからオートサンプリング又はサンプリングし
てガスクロマトグラフで濃度をみる）、チヤンバ
ー３１への流量計３０のニードルバルブを開にし
て流量を設定し、チヤンバー３１内へ送入管３７
から所要気体と共に送り込み、生物化学的実験に
供する。 又、必要に応じてバツフアータンク２６から
種々の流量範囲の流量計３８，３９を設置して他
のチヤンバー（図示せず）へ接続できるようにし
ておくことによつて種々の濃度における実験を同
時に行なうこともできる。因みにチヤンバー３１
の気積を1065として、チヤンバー内流量を
266.25／minとしたときのチヤンバー内要求濃
度に対する各流量計における流量は次のようであ
る。

【表】 本実施例装置によるガス発生機構では、バツフ
アータンク２６内の圧力が上昇すると該タンク２
６に継設された接点付圧力計３２が設定圧力に達
し、コンプレツサー１７の電磁弁２０が閉じ、同
時に安全用電磁弁３３が開き、余剰ガスが排気さ
れる。 又、チヤンバー３１の設定流量がオーバーする
と、警報がなり、電磁弁２０が閉じ、安全用電磁
弁３３が開くようになつており、排気されたガス
は別に吸収剤等によつて吸収され、無害化されて
放出される。濃度が元に戻れば安全用電磁弁３３
が閉じコンプレツサー１７の電磁弁２０が開き、
操作が続行される。 以上のように本発明に係る大容量ガス発生装置
によれば、大量の低沸点有機溶剤のガスを長時間
に亘つて発生させることができ、発生ガスの濃度
の安定時間が早く、さらに流量の設定値を変える
のみで、容易に実験に供する試料ガスの濃度の調
製ができ、又試料タンクへの試料の供給を試料注
入口より連続して行ない、複数のチヤンバーを備
えておけば、生物化学実験等における有毒ガス暴
露実験等において、１機の装置で濃度の異なる数
機の同時実験も容易にできる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る大容量ガス発生装置の実施
例を示す機構説明図である。 １……ネブライザー、３……ノズル、４……エ
アー導入口、５……試料タンク、６……吸引管、
７……還元部、８……ドレイン、９……還元液送
出管、１０……キヤリアーエアー補充用導入口、
１１……液体注入口、１２，１３……熱交換器、
１４，１５……恒温槽、１６……希釈エアー導入
口、１７……コンプレツサー、２１，２２，２３
……流量計、２６……バツフアータンク、２９，
４０，４１……接続管、３１……チヤンバー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 清浄化装置を備えたコンプレツサーと、コン
   プレツサーに連設されたネブライザーと、ネブラ
   イザーに２段に連設された１次および２次の恒温
   槽付き熱交換器と、熱交換器に接続されかつチヤ
   ンバーへ流量計を介して接続する接続管を有する
   バツフアータンクとからなると共に、前記コンプ
   レツサーからの清浄空気を三方に分岐し、それぞ
   れに流量計を介して、その一つをネブライザーの
   噴霧用ノズルに、他の一つをネブライザーで生成
   されたガスのキヤリアーの補充用導入口に、さら
   に他の一つを２次熱交換器内の希釈混合用の希釈
   エアー導入口にそれぞれ接続したことを特徴とす
   る大容量ガス発生装置。