JPS6326368Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、長尺物送り出し装置に係り、特に光
ケーブル、電気ケーブル等の長尺物をマンホール
等の比較的狭い場所での送り出し作業に好適な長
尺物送り出し装置に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

本考案者等は先に特願昭54−140136号に示すよ
うな長尺物送り出し装置を開開発した。この装置
は上記同様マンホール等比較的狭い場所での長尺
物の送り出し作業に適することを目的とし、搬入
の便、組み立て、分解作業、あるいは設置作業の
容易化等の要請に基づき、装置全体の小型化並び
に装置の駆動源であるモータ部と、このモータ部
と動力伝達機構を介して連結された無端ベルト等
から成る一対の上、下回転体とを備えた長尺物送
り出し機構部本体とを係脱可能としたものであ
る。しかるに、上記発明の場合、装置の小型化、
組み立て、分解作業等の容易化は実現できたが、
装置組み立て後の重量バランスに問題があり、設
置位置での不安定性を免れ得なかつた。

すなわち、上記送り出し装置はマンホール等の
設置場所に架台を置き、この架台上に載置するも
のであるが、これらの重量バランスを分析する
と、動力伝達機構、上、下回転体等を含む長尺物
送り出し機構部本体が最も重く、次いで前記送り
出し機構部の駆動源であるモータ部、最も軽いの
が架台となる。また、モータ部は長尺物送り出し
機構部本体上に配置されるが、この機構部本体を
構成する各種ギヤ、軸等の構成部品の位置上の制
約を受けて前記機構部本体との重量バランスを考
慮して配置することを困難であり、一般に前記機
構部本体上のいずれかの端縁側に配置され、しか
もモータが倒立した状態で取り付けられる場合も
多い。上記の場合には、前記送り出し装置全体の
重心位置が高く、かつ偏心しているために架台上
に載置した場合にきわめて不安定であり、特に前
記送り出し装置の駆動時には長尺物の送り出しに
伴う張力が加わるために不安定性が増大する。

さらに前記機構部本体上にモータ部が突出して
いるために狭い場所での作業に種々の支障があつ
た。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情にかんがみてなされたもの
で、水密構造にした架台兼用モータボツクス内に
モータを収納し、このモータボツクス上に長尺物
送り出し機構部本体を係脱可能に配置し、装置全
体の重量バランスを良好にするとともに装置の小
型化、組み立て、分解作業の容易性、運搬の便宜
等を図つた長尺物送り出し装置を提供する。

〔考案の実施例〕

以下に、本考案を図面に示す実施例に基づき説
明する。

第１図〜第３図において、長尺物送り出し装置
１は２分割構成とした長尺物送り出し機構部本体
２とモータ部３とから成る。このモータ部３は水
密構造とした架台兼用のモータボツクス４と、こ
のボツクス４内に収納されたモータ５と、このモ
ータ５の出力軸６に電磁クラツチ７を介して取り
付けた平歯車８とから構成されている。前記ボツ
クス４の底部３ａには複数本のベースピン９が固
定され、必要に応じ別個に設けた架台への結合を
可能にしている。

長尺物送り出し機構部本体２は光ケーブル、電
気ケーブル等の長尺物１０を挾持するように相対
向して配置された上回転体１１と下回転体１２を
有し、前記モータ部４のモータ５と動力伝達機構
を介して連結されている。前記上、下回転体１１
及び１２は水平方向に配置された上回転軸１３及
び下回転軸１４と、これら上、下回転軸１３及び
１４に対応して設けた従動上回転軸１５及び従動
下回転軸１６とを備え、これら回転軸１３，１
４，１５及び１６にはそれぞれスプロケツト１
７，１８，１９及び２０が固定され、これらスプ
ロケツト１７及び１９間並びにスプロケツト１８
及び２０間には硬質ゴム等から成る無端ベルト２
１がそれぞれ張架されている。

上回転軸１３はベアリング２２を介してギヤボ
ツクス２３の一側に支持され、後端に傘歯車２４
を有する。この傘歯車２４に噛み合う傘歯車２５
は、前記上回転軸１３に対して直角になるように
設けたスプライン軸２６に摺動可能に取り付けら
れている。このスプライン軸２６の一端はギヤボ
ツクス２３内のベアリング２７及び２８によつて
回転自在に支持された上駆動スプライン２９に嵌
合し、ギヤボツクス２３から突出した他端は前記
長尺物送り出し機構部本体２の突出口緑部３０に
ベアリング３１及び３２を介して支持されてい
る。

前記突出口緑部３０内のスプライン軸２６の端
部に固定した傘歯車３３は下回転軸１４の後端に
固定した傘歯車３４と噛合する。

すなわち、上回転軸１３と平行に配置された下
回転軸１４はフレーム３５にベアリング３６，３
７及び３８によつて回転自在に支持され、その一
端に平歯車３９を有する。この平歯車３９はフレ
ーム３５にベアリング４０及び４１を介して回転
自在に固定した減速機４２の出力軸４３の平歯車
４４と噛み合う。前記減速機４２の入力軸４５は
ハウジング４８の口縁部にベアリング４６及び４
７を介して支持され、かつ端部に平歯車４９を有
する。この平歯車４９は前記モータ５の出力軸６
に固定した平歯車８と噛合する。

次に上回転体１１及び下回転体１２の間隔調整
のためのスライド機構Ｓについて説明する。すな
わち、上回転体１１は前記フレーム３５上に植立
された２本のガイド軸５０及び５１とこのガイド
軸５０及び５１の略中間位置に設けたねじ軸５２
によつて支持され、ねじ軸５２の回転により上下
方向に水平移動できるように構成されている。ね
じ軸５２はフレーム３５に着脱可能に固定された
保持部材５３に一端側がねじ込まれ、他端側は上
回転体１１のフレーム１１ａにベアリング５４及
び５５を介して支持され、かつ他端側の一部はフ
レーム１１ａを貫通して外部へ突出している。

したがつて、この突出端部５２ａを所定の工具
によつて回動させることにより、上回転体１１は
フレーム１１ａに固定されているためにねじ軸５
２の上下方向の移動に随伴して移動し、結局、上
回転体１１及び下回転体１２との間隙が調整され
ることとなる。

上記送り出し機構部本体２とモータ部３とは係
脱可能な構造となつている。すなわち、前記本体
２の構成部材であるフレーム３５の底面に設けた
複数の突出ピン５６を、モータボツクス４の上面
に前記突出ピン５６の位置に対応して形成した穴
に嵌合させることにより両者を一体的に結合させ
るとともに運搬時には両者を分割し得るように構
成したものである。

次に、上回転体１１及び下回転体１２の駆動作
用について説明する。

すなわち、モータ５の出力軸６の出力は電磁ク
ラツチ７の作動により、平歯車８に伝達され、こ
の平歯車８の回転は平歯車４９を介して減速機４
２に入力され、所定の減速比に減速された回転力
が出力軸４３から取り出され、この出力軸４３に
取り付けた平歯車４４と噛み合う平歯車３９を介
して下回転軸１４に伝達される。この下回転軸１
４の回転は傘歯車３４及び３３を介してスプライ
ン軸２６に伝達され、このスプライン軸２６に嵌
合する上駆動スプライン２９に固定した傘歯車２
５と噛み合う傘歯車２４を介して上回転軸１３に
伝達される。かくして、上回転軸１３と下回転軸
１４とは同期的に回転し、これら上、下回転軸１
３及び１４に対応して設けた従動上、下回転軸１
５及び１６にそれぞれ取り付けたスプロケツト１
７，１８，１９及び２０間に張架した無端ベルト
２１を同期的に回転させ、上、下回転体１１及び
１２間に適当な押圧力で挾持した長尺物１０を一
方向へ送り出す。

〔考案の効果〕

上記構成の長尺物送り出し装置１は、長尺物送
り出し機構部本体２とモータ部３とを２分割する
ことが可能であるために運搬、保管等に便利であ
る。またモータ５を水密構造のモータボツクス４
内に収納したためにマンホール等の地下水に対し
て防水効果があるとともに前記モータボツクス４
を架台兼用にしたために所定高さを得るために複
数積み重ねられる架台個数の減少を計ることがで
きる。特にこのことは面積ないし容積の狭いマン
ホール等に送り出し装置を設置する場合にはきわ
めて有効である。さらにまた本考案では、モータ
部３を最下部に配置し送り出し装置全体の重量バ
ランスを良好にしたため、設置位置での安定性が
良く転倒等の事故が防止される。

さらに、従来のようにモータが外部へ突出しな
いために損傷事故の防止あるいは取り扱いの便等
に寄与するところ大である。

なお、必要に応じモータボツクスに把手を取り
付けることにより、さらに運搬等の取り扱いが容
易になるとともに、この把手を利用してマンホー
ル等内の地面にロープを張架することにより送り
出し装置のより安定した設置が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の長尺物送り出し装置の一実施
例を示す正面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿
う断面図、第３図は第１図のＢ−Ｂ線に沿う断面
図である。 ２……長尺物送り出し機構部本体、４……モー
タボツクス、５……モータ、６………出力軸、１
１……上回転体、１２……下回転体、１３……上
回転軸、１４……下回転軸、１５……従動上回転
軸、１６……従動下回転軸、Ｓ……スライド機
構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 移動用架台に着脱可能に取り付けられ、内部に
   モータを収納した水密構造で架台兼用のモータボ
   ツクスと、このモータボツクス上に着脱可能に取
   り付けられる長尺物送り出し機構部本体とから成
   る二分割構成の長尺物送り出し装置において、前
   記本体は、前記モータの出力軸に連結され、動力
   伝達機構を介して駆動される水平方向配置の下回
   転軸と、この下回転軸に対して直交するように配
   置され、前記回転軸の回転を伝達するスプライン
   軸と、このスプライン軸の回転が伝達され、かつ
   前記下回転軸と同期して回転する平行配置の上回
   転軸と、これら上、下回転軸に対応して水平方向
   に設けた一対の従動上、下回転軸と、前記上、下
   回転軸及び前記従動上、下回転間に張架された一
   対の長尺物挾持用上、下回転体と、この上、下回
   転体の間隔調整用のスライド機構とを有すること
   を特徴とする長尺物送り出し装置。