JPS63259969A - 燃料電池の電解質体製造法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はアルカリ炭酸塩を電解質とする燃料電池の電解
質体製造法に関するものである。

従来の技術 アルカリ炭酸塩を電解質とする燃料電池の電解質体はア
ルカリ炭酸塩が常温では固体状態であるため、その製造
法に多くの困難な点がある。従来、実験段階の電池にお
いてはアルカリ炭酸塩とセラミクス粉末または繊維の混
合物を５００℃前後でホットプレスすることにより製造
が行なわれていた。しかしこの方法では極めて効率が悪
いため、現在ではテープキャスティング法による製造法
が一般的なものとなっている。テープキャスティング法
による製造法も電解質の扱いによって次の２つの方法に
分けられる。第一はまずセラミクス粉末等の電解質保持
材料のみからなるテープを製造し、これを電池に組み込
んだ後に炭酸塩を含浸させて電解質体として機能させる
方法である。第二は電解質保持材料のセラミクス粉末と
炭酸塩の混合物を用いてこれをテープキャスティングす
る方法であり、この場合は後から炭酸塩を含浸させる必
要がないものである。

テープキャスティング法による電解質体製造法は効率の
良い方法であるが現在のところは以下のようないくつか
の問題点を有している。

まず、セラミクス粉末と炭酸塩の混合物をテープキャス
ティングする方法においては、セラミクス粉末と炭酸塩
粉末を単純に混合しただけの原料から電解質体テープを
製造した場合、炭酸塩が融解する段階で炭酸塩によって
セラミクス粒子が凝集するため、電解質体全体に微細な
りラックが発生する間組がある。

これを防ぐためには、セラミクス粒子が炭酸塩に完全に
包まれた状態としてからテープキャスティングする必要
がある。しかしセラミクス粉末と炭酸塩を炭酸塩の融点
以上の温度で混練しても、使用するセラミクス粒子が極
めて微粒子であるために炭酸塩と馴染みに（（、たとえ
ば継投を生じたりする。

発明が解決しようとする問題点 従来このような粉体の粒子を炭酸塩に完全に包まれた状
態とするには高温下での高粘度混合物の混練に引続き、
冷却同化状態での粉砕を行い、再度高温下での混練、粉
砕を繰り返すといった作業を必要とした。このため多く
の時間とエネルギーを要するという問題があった。

また、後から炭酸塩を含浸させる方法においては、セラ
ミクス粉末の粒径やテープの製造条件等によっては上記
の場合と同様の理由で、炭酸塩を含浸させる過程で電解
質体にクラックを生じる問題があった。

問題点を解決するための手段 本発明は前記の問題点を解決するため電解質体の製造に
おいて使用するセラミクス粉末または繊維の表面にあら
かじめアルカリ金属の炭酸塩または水酸化物を含む層を
コーティングしてお（ものである。

作用 セラミクス粉末等の表面にあらかじめコーティングされ
たアルカリ炭酸塩等の層は、電解質として加える炭酸塩
と昇温状態において相溶するものである。つまり当初か
らセラミクス粒子が電解質に完全に包まれた状態となっ
ている。このためセラミクス粉末または繊維と炭酸塩と
の馴染みを大きく改善する作用がある。

また表面の電解質層の形成過程においてセラミクス粒子
相互の凝集がかなりの程度起こるため、前述したような
電解質含浸過程での新たな凝集を抑制する作用がある。

これらの作用によって電解質体の製造を容易にするとと
もに、炭酸塩の融解または含浸過程における電解質体へ
のクラック発生を抑制することができる。

実施例 （１）本発明による第１の実施例は電解質保持材料とし
てアルミン酸リチウム粉末を用い、その粒子表面に炭酸
カリウムの層をコーティングした後、この粉末と炭酸塩
を炭酸塩の融点以上の温度で混合し、これを原料として
テープキャスティングする電解質体製造法である。

炭酸カリウム層のコーティングは次のようにして行なっ
た。まず炭酸カリウム２０ｇを水１００ｇに溶解した水
溶液にアルミン酸リチウム粉末６０ｇを混合し、減圧下
に置（。これによりセラミクス粉末の微小な間隙にまで
炭酸カリウム水溶液を含浸させることができる。続いて
これを減圧乾燥すると図に示すようにアルミン酸リチウ
ム粒子に炭酸カリウムの層がコーティングされる。

これを粗粉砕したものに、炭酸リチウムと炭酸カリウム
の混合塩粉末を所定量加えて混合し、６５０℃に昇温し
た。この際、加える炭酸塩はコーティングされている炭
酸カリウムの量とあわせて炭酸リチウム６２　ｍｏ１％
、炭酸カリウム３８　ｍｏ１％となるようにした。用い
たアルミン酸リチウム粉末は比表面積が１３＋Ｊ　／ｇ
前後のものであるため、この粉体に単に炭酸塩を加えて
も炭酸塩と馴染みにくく継投を生じるなどするが、本実
施例においては炭酸塩はすみやかにアルミン酸リチウム
粉末に吸収され、均一な混合物となった。

次にこれを原料として電解質のテープキャスティングを
行なった。まず前記の混合物を粉砕し、さらにボールミ
ルを用いて有機溶媒、有機バインクとともに粉砕、混合
してスラリー化した。

これをキャリアシート上にドクターブレード法によりテ
ープ成形した。

得られた電解質テープを電池に使用してみたところクラ
ックの発生もな（、良好な電解質体として機能した。

このように本実施例による製造法では高温状態で高粘度
のペーストを混純したり、粉砕を繰り返すことな（、ク
ラック発生のない電解質体を製造することができる。

（２）本発明による第２の実施例はアルミン酸リチウム
粉末の粒子表面に炭酸カリウムの層をコーティングした
後、これを用いてアルミン酸リチウム粉末のみからなる
テープを製造し、これを電池に組み込んだ後に炭酸塩を
含浸させて電解質体として機能させる製造法である。

まず炭酸カリウムの層は実施例（１）と同様にして形成
した。続いてこれを原料としてテープキャスティングを
行なうため、まず炭酸カリウムで軽（凝固しているアル
ミン酸リチウム粉末を粉砕し、これをボールミルを用い
て有機溶媒、有機バインダとともにさらに粉砕、混合し
てスラリー化した。次にスラリーを用いドクターブレー
ド法によりテープ成形した。得られた電解質保持体テー
プを電池に組み込み、昇温状態で炭酸塩を含浸させたと
ころ、クラックの発生もなく、良好な電解質体として機
能することが確認できた。

以上２つの実施例においては炭酸カリウムの水溶液を用
いてコーティングする方法を採用しているが、これは全
く異なる他の方法を用いても良いＯ 例えばナトリウムメトキシドのメタノール溶液を用いて
セラミクス粒子表面にまずナトリウムメトキシド層を形
成し、後でこれを分解して水酸化物、あるいは炭酸塩と
する方法等を用いても良い。

また本実施例ではセラミクス粉末としてアルミン酸リチ
ウムを用いているが、これは他の材料であっても良（、
またその形状も粒子状や繊維状等どのようなものであっ
ても良い。要するに本発明は電解質保持材料として使用
するセラミクス粉末または繊維の表面にアルカリ金属の
炭酸塩または水酸化物を含む層をコーティングする過程
を含むことを特徴とする電解質体製造法であって、それ
に係わる材料や手法はどのようなものであっても良い。

発明の効果 本発明による電解質体製造法では、電解質保持材料セラ
ミクス粉末表面に形成したアルカリ金属の炭酸塩または
水酸化物を含む層が炭酸塩との馴染みを改善するため、
セラミクス粒子を炭酸塩に完全に包まれた状態とするこ
とが極めて容易となる。またこの層の形成過程において
セラミクス粒子相互の凝集がかなりの程度起こるため、
炭酸塩の融解または含浸過程において溶融した炭酸塩に
よってセラミクス粒子が凝集することに起因する電解質
体のクラック発生を抑制することができる。さらに、電
解質体製造法における工程と時間の削減を実現すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例における電解質体構成材料セラミ
クス粉末表面に形成したアルカリ金属の炭酸塩または水
酸化物を含む層の概念図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）電解質保持材料として使用するセラミクス粉末ま
   たは繊維の表面に溶液を用いることによりアルカリ金属
   の炭酸塩または水酸化物を含む層をコーティングする過
   程を含むことを特徴とする燃料電池の電解質体製造法。
2. （２）少なくとも炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸
   化リチウムのうちの一種を含む水溶液にセラミクス粉末
   または繊維を加え、含浸した後これを乾燥することによ
   り前記セラミクス粉末または繊維の表面に炭酸塩または
   水酸化物を含む層をコーティングする過程を含むことを
   特徴とする特許請求の範囲第１項記載の燃料電池の電解
   質体製造法。