JPS6325200B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、吸引管と吐出管とが一直線上で連続
する形態の液体ジエツト流を用いた流送装置の改
良に関し、流送物と管内壁との摩擦を最小限に抑
えると共に、吸引管周囲の液体ジエツト噴射によ
る吸引吐出効率を高めて優れた流送能力を発揮す
るところの流送装置を提供することを目的として
いる。

この種のジエツトポンプとしては、高圧気体を
用いて繊維フイラメントを流送するものがあるが
（英国特許第1282176号明細書）、これをそのまま、
高圧液体を用いて固形物を含有する流送対象物を
吸引流送する装置として利用することは出来な
い。なぜならば、液体ジエツトを用いる場合に
は、筒形となるジエツト噴射部分内部に生じるキ
ヤビテーシヨンを効果的に解消することが出来な
いと共に吸引管経路及び吐出管経路での流送阻害
を生じて、流送効率が低下するからであり、又吸
引管と吐出管のセンター維持が困難であつて、円
滑な流送ができず、また、吸引管の自由端に振動
を生じこれが騒音となるからである。

本発明装置は、上記従来装置を、液体ジエツト
を用い且つ固形物の含有される対象物を極めて高
い効率でもつて、吸引流送すべくしたものであつ
て、吸引管と吐出管とが一直上で連続し、吸引管
周囲に同心円に形成された液体分配室となる胴体
内へ加圧流体が供給されるようになつたジエツト
ポンプにおいて、胴側に高圧液体供給口が開口す
る胴体の一端開口端に、吐出管の始端部を分離自
在に且つ液密に結合すると共に通路面積を一定と
した吸引管の周囲であつて液体分配室の終端部
に、吸引管支持孔の周囲同心円上に多数のノズル
を等間隔で開設した液体ジエツト形成リングが、
噴射口を吐出管内方向として脱着自在に装設され
且つ噴射口の開口する側の負圧形成室の側壁に空
気導入口を開設したことを特徴とするジエツト流
を用いた流送装置を要旨としている。

以下図に示した実施例において詳説する。

第１図及びそのＡ―Ａ断面図である第２図に示
す装置は、液体供給口６が液体分配室５の胴体７
の側壁に設けられ、該胴体７の一端開口部に吐出
管２が螺合されている。そして、ストレートの吸
引管１を、その終端部が吐出管２へ突出する状態
に液体分配室５の他方端から該室内を貫通させ、
吐出管２内へ突出した部分の後方であつて胴体７
内となる吸引管１の終端部に、吐出管２の軸線と
平行に噴射されるノズル３の多数が吸引管支持孔
の周囲同心円上に開設された平行直進用の液体ジ
エツト形成リング４（第２図参照）が被冠支持さ
れ、吐出管２の始端部内壁と吸引管終端部外壁間
に形成された負圧空室１１に空気導入口８が開設
され調節弁１２で調節するようになつている。
尚、調節弁１２は導入空気を調節して、キヤビテ
ーシヨン解消のための最小限の空気量とするため
である。

第３図は螺旋流形成用の液体ジエツト形成用リ
ング４であつて、ノズル３の入口と出口の中心が
同一半径線上で食い違つており、液体ジエツト噴
射が吐出管内壁に沿つて螺旋状に旋回しながら吐
出方向へ流動するようになつている。

第４図は第１図、第２図の実施例の変形であつ
て、同一半径線上の多数のノズル３の夫々の中心
が、吐出管２の中心に収束するように開設された
ものであつて、その断面図は第６図に、また装着
した装置構造断面図は第７図に示している。

第５図は噴射液体が螺旋状に旋回しながら吐出
管の中心へ向かつて流動するようにした旋回収束
流用の液体ジエツト形成リング４であつて、第３
図及び第４図に示す液体ジエツト形成リングを組
み合わせた形式のものである。

上記構成した本発明装置は、液体供給口６に圧
力液体供給源（図示せず）から高圧液体を供給す
る。供給された液体は、液体分配室５において液
体ジエツト形成リング４の各ノズル３へ分配され
て吐出管２内へ噴射され、その噴射負圧力と吐出
管２内に生じる吐出負圧力によつて、吸引管１か
ら流送対象物である固形物含有流体例えば、掘削
土砂、沈澱汚泥、ヘドロ等を吸引しこれを流送す
るようになるのであるが、吸引管を通路面積を一
定として且つストレートに開口させているので、
吸引対象物が固形物を含む汚泥や土砂等であつて
も吸引管内で詰ることなく、従つて、吸引通路損
失が少くなると共に液体ジエツト形成リングを、
吸引管支持孔の周囲同心円上に多数のノズルを等
間隔で開設したから、液体分配室に対する吸引管
の中心及び該中心に対するノズルの関係位置が、
吸引管支持孔に吸引管を挿入支持させることによ
り狂うことなく正確に維持されるようになり、負
圧或いは吸引流体によつて振動したりこれによる
騒音を発生することを解消する。また、液体分配
室から吐出管内への噴流の形態を筒形とせずに、
多数のノズルで形成される多数の噴流で吸引管の
始端部を囲繞する構成とし且つノズルの噴射口の
開口する側の負圧形成室の側壁に空気導入口を開
設したから、導入された空気は各噴流の周囲にま
で回つてキヤビテーシヨンが解消されるようにな
り、吸引管の中心に対する周囲のノズルの位置の
確保と共同して高い吸引流送効果が達成される。
更に、液体ジエツト形成リングが、液体分配室の
終端と吐出管の始端部の結合部に、脱着自在に装
着されているから、これの交換使用が簡単とな
り、吸引流送対象物に応じたノズル口径のものを
交換使用して、さらに高い流送能率を具備させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明装置の実施例であつて、第１図は
軸線平行噴射用の液体ジエツト形成リングを具備
したものの断面図、第２図は第１図のＡ―Ａ断面
図、第３図は螺旋を描く液体ジエツト噴流を形成
するための液体ジエツト形成リングの正面図、第
４図は液体ジエツト噴流が吐出管中心へ収束する
場合の液体ジエツト形成リングの正面図、第５図
は液体ジエツト噴流を螺旋を描きながら中心に収
束させるための液体ジエツト形成リングの正面
図、第６図は第４図のＣ―Ｃ断面図、第７図は第
６図に示す液体ジエツト形成リングを装着した場
合の装置断面図である。 １…吸引管、２…吐出管、３…ノズル、４…液
体ジエツト形成リング、５…液体分配室、６…液
体供給口、７…胴体、８…空気導入口、１１…負
圧空室。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 吸引管と吐出管とが一直上で連続し、吸引管
   終端部周囲に同心円で形成された流体分配室とな
   る胴体内へ加圧流体が供給されるようになつたジ
   エツトポンプにおいて、胴側に高圧液体供給口が
   開口する胴体の一端開口端に、吐出管の始端部を
   分離自在に且つ液密に結合すると共に通路面積が
   一定であつてストレートの吸引管の周囲であつて
   液体分配室の終端部に、吸引管支持孔の周囲同心
   円上に多数のノズルを等間隔で開設した液体ジエ
   ツト形成リングが、噴射口を吐出管内方向として
   脱着自在に装設され且つ噴射口の開口する側の負
   圧形成室の側壁には空気導入口が開設されている
   ことを特徴とする液体ジエツト流を用いた流送装
   置。