JPS6325117B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、媒体を別の媒体の中へ分配し混入
するための装置特にパルプ工業において気体また
は液体の状態の処理媒体を繊維懸濁液の中へ分配
し混入するための装置に関する。この発明は特
に、液体の中に約５―15％望ましくは約８―12％
の繊維を懸濁させた中間濃度のパルプの中に化学
剤を混入するための装置に関する。

この発明による装置は例えばスウエーデン国特
許第172981号および同第354789号の明細書に示さ
れているようなパルプが処理媒体の１個または多
くの可動出口開口を通過するようになつている混
合装置の形式である。前記両明細書の場合にはパ
ルプが多かれ少なかれ直線的に流れ開口が円の中
を動くから、出口開口はパルプの中にうず巻形状
の「軌跡」を形成する。これら装置の１つの欠点
は、パルプの１部が出口開口から離れたところを
通過しよつてパルプの或る部分が処理媒体のその
部分を受取らないということにある。さらに上述
した場合の双方においては開口がパルプの貫流横
断面の中を回転する羽根すなわち腕に関連するよ
うに配置されているので、かなりの抵抗が生じこ
れによつて動力の消費が増大し、これはまたパル
プの濃度が高くなる場合にも増大する。

よつてこの発明の目的は最小の動力消費ででき
るだけ有効かつ入念に分配し混入することを可能
にすることであり、それでパルプ懸濁液が強制的
に添加の場所を通過させられるという事実によつ
て第１の処理媒体がパルプ懸濁液の中に均等に分
布され第２の均等さが確保される。これによれば
有効な方法で比較的少量の処理媒体を懸濁液の中
に分配し混入することも可能になる。

かかる分配および混入の有効度は、例えば加え
るべき液体または気体の量に対するパルプ濃度、
加えられる液体または気体の懸濁液への溶解度、
並びにパルプ懸濁液の構成成分に対する添加媒体
の反応速度のような多くの要因に依存する。一般
に、パルプ懸濁液の中の固体粒子または繊維の濃
度が高くなるとすなわち懸濁液の中に存する液体
が少なくなると懸濁液の中に均等に分配されるよ
うに処理媒体を混入することが困難になると言え
るであろう。一般にまた、加えられる媒体がパル
プと迅速に反応するに従つて媒体をできるだけ迅
速かつ均等に分配し混入することが重要になると
言うこともできる。かかる場合は例えばパルプの
漂白に関連してパルプを塩素で処理する際に起
る。塩素は特に迅速な初期反応を有し、欲しない
量の液体でパルプが希薄されないようにするため
塩素は概して比較的少量の液体に分散された気体
として加えられる。しかしながらこれはこの比較
的少量を分配し混入するという問題が容易に生起
できるということを指す。故にこの発明の主な目
的はこの問題およびそれに類似の問題を解決する
ことであり、またパルプ懸濁液が比較的高い繊維
濃度を有するときに起る問題を解決することであ
る。工業的漂白プラントにおける多くの他の処理
段階でパルプ濃度は通常約10％に保たれるから、
統一された装置が漂白プラントで使用できるよう
にするために塩素処理以外の処理を同じ濃度で遂
行できるようにすることも望ましい。これは特に
処理段階間で同じ洗浄装置を使用できるようにす
るために重要である。

上述した問題はこの発明によつて解決される。
この発明によれば、処理媒体の源に連結された空
洞を有する軸によつて駆動される回転体を主とし
て備え、前記空洞が回転体内の空洞に連結されて
いる、容器の中を通つて動く懸濁液例えばパルプ
の中に処理媒体を混入するための混合装置におい
て、回転体が軸に直角な平面の中で円板形状をな
し、回転体が主として容器の流れ横断面で充分に
広がつて回転体の周が容器の内壁面の近くを運動
し、回転体が懸濁液の貫流開口を少くとも１個有
し、この貫流開口が回転体の空洞を通して処理媒
体を懸濁液に加えるように連結されることを特徴
とする混合装置、が提供される。

この発明についてその適用例を図解的に示す図
面を参照しながら以下に詳述する。

第１図の装置は軸２に固く取付けられた円板形
状の回転体１からなり、軸２はパツキン箱３を貫
通して支持駆動装置４に達する。パツキン箱３は
わん曲した容器すなわちハウジング５に配置さ
れ、ハウジング５は入口管との連結フランジ６お
よび出口管との連結フランジ７を有する。これら
両管は図示されない。回転体１は主として容器５
の貫通横断面で充分に広がり、回転体の周は容器
の内壁面に接近しかくこれに対して運動できる。
軸２は長手内側空洞１１を有し、これは回転体の
中に設けられた空洞１２に連通し、この空洞１２
は貫通開口２０に設けられた１つの大きなノズル
開口またはいくつかの小さいノズル開口２２で終
る。空洞１２は第２図に詳しく示されているよう
な形状を有する。軸空洞の他端には１個または多
くの開口１３が配置され、これは回転の際に処理
媒体の入口１４と連通する。

第２図には第１図と同じ符号が付され、これに
おいて扇形形状の貫流開口２０は回転体を軸線方
向に貫通する。回転体空洞１２と開口２０の間の
壁２１にはいくつかの開口２２が存し、これは丸
い開孔または溝孔にできる。或る場合には、空洞
１２が開口２０の全半径方向および軸線方向の広
がりの半径向き溝孔で終るように壁２１全体を開
くことが有利であり得る。ここで図面に示されて
いるような空洞の末ひろがり形状は、装置が停止
しているときにパルプがさらに処理媒体入口の中
へはいり込んでおそらくはこれをふさぐようにな
ることを阻止するに役立つ。末ひろがり形状は処
理媒体に圧力が加えられたときに起り得る目詰り
の解放を容易にする。開口２２が図示のように配
置されるときには回転体は矢印２３で示すように
時計回り方向に回転すべきである。

同じ符号は別の図面でも使用される。第３図か
ら第６図は貫流開口２０が次の形状を有する第２
図の回転体の上方部分を示す。

第３図は半径方向に延びる長方形の開口２０を
示す。

第４図は半径方向に延びさらに回転体の周まで
達してこれを破断する長方形の開口２０を示す。

第５図は円形の貫流開口２０を示す。

第６図は示されたような内部空洞１２をそれぞ
れ有する２個の貫流開口２０を示す。

第７図は軸２の１部分を示す。この軸は第４図
に示されるような回転体１と貫流開口２０を備え
るがそれは角度をなす半径方向の側面２５，２６
を有し、従つて矢印２３の方向の回転の際にこれ
ら側面は或る推進効果によつてこの開口を通る右
方へのパルプの輸送を援ける。第１図および第７
図に示される設計においてパルプは左から右へ流
れるようになつているが、逆の方向も可能であ
る。第７図による回転体円板を備えた例では回転
方向はもちろん矢印２３の逆にすべきである。

注目すべき点として、数個の貫流開口２０だけ
が第６図に示されているけれども明らかに開口の
個数は図示されるその他の設計のどれについても
必要に従つて選択できる。最も望ましい設計は周
方向よりも半径方向に大きく延びる長方形の溝孔
である。この方式で、加えられる処理媒体のため
の出口ノズルと粒子の間の間隔はすべての粒子に
対してほぼ等しく、さらにせまい開口を使用する
ときには開口全体に乱れが生じこれは混入および
貫流の双方について有利である。

装置は次の方法で働く。

或る濃度例えば８から12％のパルプが第１図の
入口フランジ６に連結された図示なしの水平管路
を通つて連続流で装置に加えられる。駆動装置４
は例えば毎分約300から1500回転の間で変化でき
る回転速度で軸２および回転体１を回転させる。
パルプ流に面する回転体１の面は平滑であり従つ
て消費される動力は極めて小さい。パルプは管路
圧力によつて強制的に開口２０を流過し、同時に
所望の処理媒体が入口１４、開口１３および空洞
１１，１２を通つて回転方向２３に見た開口２０
の前壁の中のノズル開口２２へ加えられる。回転
体１はその周が例えば0.5mmの間隔でハウジング
５に接近するようにして回転し、故にハウジング
と回転体の間を通過するパルプは無視できる。開
口２０を流過したパルプはハウジング５の中を流
れ続け、出口フランジ７に連結された図示なしの
配管を通つてハウジングから離れる。開口２０の
通過の際に比較的強い速度増大が生じ、これは回
転体の迅速な回転と組合わされて必要な乱流とパ
ルプの流動化を生じさせ、これが開口２２を通つ
て流出する処理媒体の有効な混入のための最良の
可能な状態を確保する。開口２０の寸法および周
速は開口を通るパルプの相対速度が実際の種類お
よび濃度のパルプの流動化範囲の中にはいるよう
に選択されるべきである。これによつてまた開口
の前方での濃厚化および目詰りの可能性も解消さ
れる。開口２０は一般に回転体の最大45゜の扇形
の中に位置できるよりも大きくない寸法でなけれ
ばならない。

実際の実験において装置が他の知られている装
置と比べて最小の動力を取ることがわかつた。動
力消費は主としてパルプ繊維と回転体の間の摩擦
によつて起る。開口２０における軸線方向の圧力
差は１メートルと３メートル水柱（0.1―0.3Kg／
cm²）の間にあることが見出された。毎分300―
1500回転の可変駆動が使用された際に、動力消費
は主として装置を通過するパルプの量に依存して
40馬力以下であることが見出された。低い動力消
費はパルプの流れが１秒の何分の１かだけ乱れ運
動を受けるという事実に因るのであろう。液体、
気体、粉末またはそれらの混合物が処理媒体とし
て加えることができる。生じる混入は主として、
流れ開口を通つて比較的迅速に流れるパルプへの
処理媒体の均等な配分とこの開口を通過する際に
またその後に生じる乱れとの結合された結果であ
る。

この発明は上述した典型的実施例に限定される
ものではなく特許請求の範囲に記載の発明の枠の
中で変形できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は曲がり管として形成された容器の中に
配置された回転体と軸を主として備える装置の長
手断面図、第２図はパルプの貫流開口を持つ回転
体の横断面図、第３図から第７図は貫通開口の各
種形状を示す図である。 図面において、１は回転体、２は軸、５は容
器、１１は軸の空洞、１２は回転体の空洞、１４
は処理媒体源、２０は貫通開口（回転開口）、２
２はノズル開口、２５および２６は半径方向面を
示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 処理媒体の源に連結された空洞を有する軸に
   よつて駆動される回転体を主として備え、前記空
   洞が回転体内の空洞に連結されている、容器の中
   を通つて動く懸濁液例えばパルプの中に処理媒体
   を混入するための混合装置において、回転体が軸
   に直角な平面の中で円板形状をなし、回転体が主
   として容器の流れ横断面で充分に広がつて回転体
   の周が容器の内壁面の近くを運動し、回転体が懸
   濁液の貫流開口を少くとも１個有し、この貫流開
   口が回転体の空洞を通して処理媒体を懸濁液に加
   えるように連結されることを特徴とする混合装
   置。 ２ 貫流開口が回転体横断面の45゜の扇形の中に
   位置する特許請求の範囲第１項に記載の混合装
   置。 ３ 貫流開口が周方向よりも大きい半径方向広が
   りを持つ溝孔形状である特許請求の範囲第２項に
   記載の混合装置。 ４ 貫流開口の半径方向面が角度をなし、よつて
   回転体の回転の際にこれら半径方向面が貫流開口
   を通る懸濁液の輸送を積極的に加速する特許請求
   の範囲第３項に記載の混合装置。 ５ 回転体の空洞が回転方向に見た貫流開口の前
   面に配置される少くとも１個のノズル開口で終る
   特許請求の範囲第１項から第４項のいずれかに記
   載の混合装置。 ６ ノズル開口が貫流開口の広がりにほぼ等しい
   半径方向広がりを持つ溝孔形状をなす特許請求の
   範囲第５項に記載の混合装置。