JPS6325112B2 - - Google Patents
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- JPS6325112B2 JPS6325112B2 JP59173493A JP17349384A JPS6325112B2 JP S6325112 B2 JPS6325112 B2 JP S6325112B2 JP 59173493 A JP59173493 A JP 59173493A JP 17349384 A JP17349384 A JP 17349384A JP S6325112 B2 JPS6325112 B2 JP S6325112B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carpet
- water
- oil
- curing
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Carpets (AREA)
- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は防汚性を備えたカーペツトの製造方法
に関するものであり、更に詳しくは繊維に撥水撥
油性能を付与することにより防汚性を与えたカー
ペツトの製造方法に関するものである。 従来の技術 近年、建築洋式の近代化、建築内装材の発展或
いは工法の進展に伴い、床の全面に亘つてカーペ
ツトを施工する例が増加して来ている。また一方
では、一般の住居内においても、洋間はもとより
和室においても、保温、吸音、踏み心地の良さ、
弾力性などの点でカーペツトを居室内に敷きつめ
る例が増えてきている。かかるカーペツトの飛躍
的な増加に伴い必要性が強く打ち出されてきた問
題に、カーペツトの防汚性の問題がある。カーペ
ツトは、仮に繊維製インテリヤ製品のみに限つて
考えてみても、他のインテリヤ製品には見られぬ
ところの汚れのつきやすさ、洗浄やシミ落しの行
ない難さという困難な問題を有する。即ち、カー
ペツトは、施工型のものにせよ、和室内に広げて
置くだけのいわゆるビース物と呼ばれるものにせ
よ、大型の物品であるだけに、洗浄によつて汚れ
を除去することの非常に困難な物品である。かか
る状況からしてもカーペツトに対して防汚性を与
えようという要望は極めて強いものがある。この
対策としては、撥水撥油剤を用いて繊維表面に撥
水撥油性樹脂被膜を形成せしめることが最も有効
であるとされ、これに関する薬剤製造法、処理方
法もまた種々知られている。薬剤製造法の場合で
は、例えば特開昭56―131687号公報においてはポ
リウレタン化合物主剤にポリフルオロアルキル基
を含有させたものが、また特開昭57―190008号公
報においてはポリフルオロアルキル基とアルキル
アクリルアミド基の重合体の例がそれぞれ記載さ
れている。また、処理方法の例としては、例えば
特公昭57―37711号公報においては弗素化合物を
合成樹脂溶液中に溶解した溶液を繊維上に塗布乾
燥せしめる方法が提案されている。 これらにみられる技術内容は主として繊維表面
に撥水撥油加工剤を付与するものであるが、その
技術的な手段としては殆んどカーペツトの製織後
に薬剤の水溶液もしくは乳化液を噴霧することに
よつて繊維表面に被膜を形成する形式の加工法で
ある。このような方法によると、加工がカーペツ
ト製造の最終工程で行なわれるだけに簡便で、か
つ生産性も高いものの、薬剤の内部浸透が悪く、
極端な場合はカーペツト表面の繊維の先端の僅か
数mmの区間だけが加工されるに留まるという欠点
があつた。いうまでもなく、カーペツトは使用中
において使用者の足の裏、もしくは履物の裏面等
によつて踏みつけられ続けるものである。その結
果当然のことながらカーペツトの毛房すなわちル
ープパイルやカツトパイル等の繊維は横に倒れ根
元が露出するに至るという性格を有するものであ
る。 発明が解決しようとする問題点 前述の如く、既に知られた手段の多くは噴霧と
いう形式で薬液を繊維表面に与えるため繊維の先
端のみが薬剤で覆われるに留まり繊維の根元部分
は未加工部分が残り易く、これがために加工直後
の製品においては撥水撥油性能を有しているもの
の、かかるカーペツトを室内に敷きつめて後、ま
もなくその撥水撥油機能が低下を始め、したがつ
て防汚機能が低下し、時間とともに汚れが蓄積し
て行くという過程を辿るものが多かつた。 本発明はかかる従来の欠点に鑑み、長期間使用
を続けてもその撥水撥油性能が低下することのな
いようにカーペツトを構成する繊維のすべての部
分を撥水撥油性被膜にて十分に被覆し、それによ
り耐久性のある防汚加工カーペツトを製造する方
法を提供するものである。 問題点を解決するための手段 本発明は弗素系加工剤で処理したルーズフアイ
バーを紡績した糸条を用いてタフテツド・カーペ
ツトを製造するに際し、バツキング後赤外線によ
りキユアリングを行なうことを特徴とする撥水撥
油性カーペツトの製造方法である。 繊維製品に防汚性を与えることを目的として撥
水撥油加工剤を付与するにあたり、繊維の全部分
を完全に加工薬剤による皮膜にて被覆するに最も
有効な手段としては、まず浸漬法が挙げられる。
カーペツト製造工程中、浸漬によつて薬液付与の
手段をとり得る工程は繊維が未だルーズフアイバ
ーの形態をとつている時期、紡績を終了した時
期、タフテイングを終了してバツキングに至る時
期の3箇所が挙げられいずれも適用可能である。
しかし、浸漬処理に引き続いて脱液及び乾燥処理
が必要であることを考えあわせると、浸漬処理を
行う工程を染色加工を行う時期に合致させること
は経済的にも好都合であり望ましいものである。
一方、カーペツト製造に関する染色加工法は、ワ
タ染、糸染、反染、捺染のいずれの方法も広く行
なわれているのであるが最も広範囲に採用されて
いる方法はワタ染である。このような観点からす
ると、ワタ染と同一の時期にルーズフアイバーに
対し撥水撥油加工を施すことが得策であるかの如
くみえるがここに問題がないわけではない。すな
わち、フルオロカーボン鎖をもつ弗素樹脂加工を
繊維に対して施し、繊維上に該樹脂による強力な
皮膜を形成せしめることが耐久性のある加工の基
本となる部分であるが、周知の如く弗素樹脂自身
が繊維上に架橋結合を行い強固な皮膜を形成せし
めるためには末端官能基の結合を開始せしめるに
必要な高温度の乾熱処理を行うことを要する。こ
こにいうところの高温度処理とは、通例100℃以
上、180℃以下の乾燥空気中にて行なういわゆる
高温キユアリングを指す。しかるに、ルーズフア
イバー染色と同時期にかかる加工を実施する場合
にはルーズフアイバー状すなわち未開繊の乱塊状
繊維束に対して高温キユアリングを施さねばなら
ない。しかし、このような繊維束に対し均一な熱
処理を行なうことは全く不可能であり、したがつ
て弗素樹脂の均一、かつ強靭な皮膜を形成するこ
とは望み難い上、さらに肝要なことはかかる高温
キユアリングによつて生ずべきフルオロカーボン
鎖の空気―固体界面における一様な配向が低温、
かつ不充分な熱処理条件においては起こり難いこ
とである。固体表面すなわち繊維表面が―CF3
基、もしくは―CF2基に覆われてこそ所期の撥水
撥油性能の生ずべきものであるが、低温かつ不十
分な熱処理によつては、かかる機能が生じ難い。
これが対策として、カーペツトの製織後のいずれ
かの時期に改めて該カーペツトに対して高温キユ
アリングを施して気―固界面、すなわち繊維表面
に一様なフルオロカーボン鎖の配向を起さしめよ
うという処置は当業者が容易に想到し得るところ
である。しかしながら、該処理方式においてもさ
らに問題点が存在する。 すなわち、アクリル繊維製カーペツトに対し高
温キユアリングの目的を達成させるべく乾燥機を
通過させるに際し、短時間にて所期の熱の伝達を
図ろうとすると乾燥空気気流の流速ないし風量を
相当に高めてさえも該カーペツトのパイル地の根
元部分にまで熱風が到達し得ないことが指摘され
る。のみならず、かかる大きな流速の熱風を該カ
ーペツトのパイル上に吹きつけることによりパイ
ルの均整な配列は全く乱れ商品価値が著しく低下
することが多かつた。特にこの傾向は熱可塑性繊
維であるアクリルカーペツトにおいて顕著であ
る。 本発明者等は、かかる従来の欠点及び問題点を
解決すべく鋭意研究の結果、赤外線によるキユア
リング方法を採択すると撥水撥油性能が飛躍的に
向上する上、外観、風合いにおいても極めて良好
であることを見出し新規な撥水撥油性カーペツト
の製造方法を確立したものである。すなわち、本
発明はバツキング後に赤外線によりキユアリング
を行なうことを特徴とする撥水撥油性カーペツト
の製造方法である。キユアリングの方式は一般式
に高温空気をつくり乾燥室内を走行するカーペツ
トに高温度の空気を吹きつける型式のものが多か
つた。かかる方式をもつてカーペツトのキユアリ
ングを行なう場合、キユアリングの目的は達成で
きても熱風によつてパイルの配列が乱され商品価
値が著しく低下する。この傾向は熱可塑性繊維の
場合に特に大きく中でもアクリル繊維の場合にお
いては顕著である。このような観点からしても、
赤外線乾燥機を使用して繊維表面、殊に表面樹脂
皮膜のみを迅速に加熱する本発明の如きキユアリ
ング方式は、全くカーペツトの外観、触感を損ね
ることなく、かつ瞬間的にパイル根元部分の繊維
表面にまで熱を行きわたらせることができる故、
均一かつ斑のない加工が期待でききわめて好都合
である。 本発明に用いる赤外線キユアリング装置の赤外
線波長域は特に限定されるものではいが、弗素樹
脂皮膜を有効かつ短時間に加熱する遠赤外領域で
ある0.75μ以上1mm以下の範囲が好ましい。しか
し、本発明においてはこの波長域に限られるもの
ではなく、要は該赤外線が弗素樹脂分子の固有振
動数と概ね同レベルの周波数を有し、該赤外線の
エネルギーが無駄なく弗素樹脂皮膜に吸収される
ような範囲の波長の赤外線であれば良い。したが
つて、赤外線の熱源としては、タングステン電
球、炭化珪素を焼結して棒状にしたグローバー、
酸化亜鉛を主体にイツトリウムの酸化物を加えて
高温度で焼いたネルンスト・グローアー、水銀灯
等を用いることができるが、この範囲の熱源に限
られるものではない。また、本発明においては、
まず、ポリフルオロアルキルアクリレート又はポ
フルオロアルキルメタクリレート等を主成分とす
る弗素系加工剤により処理を行なうが、樹脂皮膜
の形成ならびにフルオロカーボン鎖の一様な気―
固界面への配向を達成せしめる如き加工を施す場
合、その温度は100〜180℃の範囲内にあり、好ま
しくは120〜140℃の温度条件にて所望の撥水撥油
性能が得られる。もとより樹脂剤組成、付着量、
付着厚み等により温度条件は一定するものではな
い。 発明の効果 本発明の加工法を採用することにより高い撥水
撥油性能に加えて、該性能の耐久性に優れ、しか
も外観、風合いを損なうことのない耐久性のある
撥水撥油性カーペツトを容易かつ安定して製造し
得る。 実施例 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中%とあるのは重量%を意味す
る。 実施例 1 7デニールのアクリル繊維をオーバーマイヤー
染色機に充填し、カチオン染料、緩・均染剤の投
入に続いて、撥水撥油加工剤(GSガードK337,
東海製油(株)製)3%を投入し、昇温操作を行なつ
た後、105℃の温度にて2時間、染色兼撥水撥油
加工を施した。この加工綿をコンベアラチス式ル
ーズフアイバー乾燥機にて130℃の温度で7分間
乾燥後、セミ梳紡績方式で4.8番単糸の紡績糸と
した。この紡績糸を用い、1/10ゲージのタフテイ
ングマシーンにてパイル長8mmのカツトパイルの
タフテツド・カーペツトとなした後、常法により
ラテツクス塗布、バツキング、乾燥の工程を経
て、次に赤外線乾燥機(イノキンエンジニアリン
グ(株)、アフターセツターIAS―40―30K型)にて
波長域100〜200μ、温度130±5℃にて15秒間キ
ユアリング処理を施したところ、第3表にみられ
る如き撥水撥油性能を有し、かつ外観、触感に優
れたカーペツトが得られた。 この加工方法の効果、すなわち加工工程の進行
段階と撥水撥油性の変化との関係を確認するため
に(1)加工綿のルーズフアイバー乾燥機における乾
燥直後、(2)紡績終了直後、(3)カーペツト製造工程
乾燥ならびにシヤーリング終了直後、(4)赤外線キ
ユアリング終了直後のそれぞれの点でルーズフア
イバー、糸、カーペツトの形の試料を採取して繊
維軸方向に束ねた撥水撥油性能試験用試験片を調
整し、撥水性については第1表の方法で行なつ
た。また、撥油性についてはAATCC118―1975
法(第2表)の方法にて評価を行なつた。すなわ
ち、撥水性については第1表組成の試験液の小滴
(5mm径又は0.05ml)を試験面状に静かに置いて、
10秒間球状又は半球状を維持するかどうかを観察
し、また、撥油性については同じ方法で30秒間の
観察を行なつて第3表の結果を得た。
に関するものであり、更に詳しくは繊維に撥水撥
油性能を付与することにより防汚性を与えたカー
ペツトの製造方法に関するものである。 従来の技術 近年、建築洋式の近代化、建築内装材の発展或
いは工法の進展に伴い、床の全面に亘つてカーペ
ツトを施工する例が増加して来ている。また一方
では、一般の住居内においても、洋間はもとより
和室においても、保温、吸音、踏み心地の良さ、
弾力性などの点でカーペツトを居室内に敷きつめ
る例が増えてきている。かかるカーペツトの飛躍
的な増加に伴い必要性が強く打ち出されてきた問
題に、カーペツトの防汚性の問題がある。カーペ
ツトは、仮に繊維製インテリヤ製品のみに限つて
考えてみても、他のインテリヤ製品には見られぬ
ところの汚れのつきやすさ、洗浄やシミ落しの行
ない難さという困難な問題を有する。即ち、カー
ペツトは、施工型のものにせよ、和室内に広げて
置くだけのいわゆるビース物と呼ばれるものにせ
よ、大型の物品であるだけに、洗浄によつて汚れ
を除去することの非常に困難な物品である。かか
る状況からしてもカーペツトに対して防汚性を与
えようという要望は極めて強いものがある。この
対策としては、撥水撥油剤を用いて繊維表面に撥
水撥油性樹脂被膜を形成せしめることが最も有効
であるとされ、これに関する薬剤製造法、処理方
法もまた種々知られている。薬剤製造法の場合で
は、例えば特開昭56―131687号公報においてはポ
リウレタン化合物主剤にポリフルオロアルキル基
を含有させたものが、また特開昭57―190008号公
報においてはポリフルオロアルキル基とアルキル
アクリルアミド基の重合体の例がそれぞれ記載さ
れている。また、処理方法の例としては、例えば
特公昭57―37711号公報においては弗素化合物を
合成樹脂溶液中に溶解した溶液を繊維上に塗布乾
燥せしめる方法が提案されている。 これらにみられる技術内容は主として繊維表面
に撥水撥油加工剤を付与するものであるが、その
技術的な手段としては殆んどカーペツトの製織後
に薬剤の水溶液もしくは乳化液を噴霧することに
よつて繊維表面に被膜を形成する形式の加工法で
ある。このような方法によると、加工がカーペツ
ト製造の最終工程で行なわれるだけに簡便で、か
つ生産性も高いものの、薬剤の内部浸透が悪く、
極端な場合はカーペツト表面の繊維の先端の僅か
数mmの区間だけが加工されるに留まるという欠点
があつた。いうまでもなく、カーペツトは使用中
において使用者の足の裏、もしくは履物の裏面等
によつて踏みつけられ続けるものである。その結
果当然のことながらカーペツトの毛房すなわちル
ープパイルやカツトパイル等の繊維は横に倒れ根
元が露出するに至るという性格を有するものであ
る。 発明が解決しようとする問題点 前述の如く、既に知られた手段の多くは噴霧と
いう形式で薬液を繊維表面に与えるため繊維の先
端のみが薬剤で覆われるに留まり繊維の根元部分
は未加工部分が残り易く、これがために加工直後
の製品においては撥水撥油性能を有しているもの
の、かかるカーペツトを室内に敷きつめて後、ま
もなくその撥水撥油機能が低下を始め、したがつ
て防汚機能が低下し、時間とともに汚れが蓄積し
て行くという過程を辿るものが多かつた。 本発明はかかる従来の欠点に鑑み、長期間使用
を続けてもその撥水撥油性能が低下することのな
いようにカーペツトを構成する繊維のすべての部
分を撥水撥油性被膜にて十分に被覆し、それによ
り耐久性のある防汚加工カーペツトを製造する方
法を提供するものである。 問題点を解決するための手段 本発明は弗素系加工剤で処理したルーズフアイ
バーを紡績した糸条を用いてタフテツド・カーペ
ツトを製造するに際し、バツキング後赤外線によ
りキユアリングを行なうことを特徴とする撥水撥
油性カーペツトの製造方法である。 繊維製品に防汚性を与えることを目的として撥
水撥油加工剤を付与するにあたり、繊維の全部分
を完全に加工薬剤による皮膜にて被覆するに最も
有効な手段としては、まず浸漬法が挙げられる。
カーペツト製造工程中、浸漬によつて薬液付与の
手段をとり得る工程は繊維が未だルーズフアイバ
ーの形態をとつている時期、紡績を終了した時
期、タフテイングを終了してバツキングに至る時
期の3箇所が挙げられいずれも適用可能である。
しかし、浸漬処理に引き続いて脱液及び乾燥処理
が必要であることを考えあわせると、浸漬処理を
行う工程を染色加工を行う時期に合致させること
は経済的にも好都合であり望ましいものである。
一方、カーペツト製造に関する染色加工法は、ワ
タ染、糸染、反染、捺染のいずれの方法も広く行
なわれているのであるが最も広範囲に採用されて
いる方法はワタ染である。このような観点からす
ると、ワタ染と同一の時期にルーズフアイバーに
対し撥水撥油加工を施すことが得策であるかの如
くみえるがここに問題がないわけではない。すな
わち、フルオロカーボン鎖をもつ弗素樹脂加工を
繊維に対して施し、繊維上に該樹脂による強力な
皮膜を形成せしめることが耐久性のある加工の基
本となる部分であるが、周知の如く弗素樹脂自身
が繊維上に架橋結合を行い強固な皮膜を形成せし
めるためには末端官能基の結合を開始せしめるに
必要な高温度の乾熱処理を行うことを要する。こ
こにいうところの高温度処理とは、通例100℃以
上、180℃以下の乾燥空気中にて行なういわゆる
高温キユアリングを指す。しかるに、ルーズフア
イバー染色と同時期にかかる加工を実施する場合
にはルーズフアイバー状すなわち未開繊の乱塊状
繊維束に対して高温キユアリングを施さねばなら
ない。しかし、このような繊維束に対し均一な熱
処理を行なうことは全く不可能であり、したがつ
て弗素樹脂の均一、かつ強靭な皮膜を形成するこ
とは望み難い上、さらに肝要なことはかかる高温
キユアリングによつて生ずべきフルオロカーボン
鎖の空気―固体界面における一様な配向が低温、
かつ不充分な熱処理条件においては起こり難いこ
とである。固体表面すなわち繊維表面が―CF3
基、もしくは―CF2基に覆われてこそ所期の撥水
撥油性能の生ずべきものであるが、低温かつ不十
分な熱処理によつては、かかる機能が生じ難い。
これが対策として、カーペツトの製織後のいずれ
かの時期に改めて該カーペツトに対して高温キユ
アリングを施して気―固界面、すなわち繊維表面
に一様なフルオロカーボン鎖の配向を起さしめよ
うという処置は当業者が容易に想到し得るところ
である。しかしながら、該処理方式においてもさ
らに問題点が存在する。 すなわち、アクリル繊維製カーペツトに対し高
温キユアリングの目的を達成させるべく乾燥機を
通過させるに際し、短時間にて所期の熱の伝達を
図ろうとすると乾燥空気気流の流速ないし風量を
相当に高めてさえも該カーペツトのパイル地の根
元部分にまで熱風が到達し得ないことが指摘され
る。のみならず、かかる大きな流速の熱風を該カ
ーペツトのパイル上に吹きつけることによりパイ
ルの均整な配列は全く乱れ商品価値が著しく低下
することが多かつた。特にこの傾向は熱可塑性繊
維であるアクリルカーペツトにおいて顕著であ
る。 本発明者等は、かかる従来の欠点及び問題点を
解決すべく鋭意研究の結果、赤外線によるキユア
リング方法を採択すると撥水撥油性能が飛躍的に
向上する上、外観、風合いにおいても極めて良好
であることを見出し新規な撥水撥油性カーペツト
の製造方法を確立したものである。すなわち、本
発明はバツキング後に赤外線によりキユアリング
を行なうことを特徴とする撥水撥油性カーペツト
の製造方法である。キユアリングの方式は一般式
に高温空気をつくり乾燥室内を走行するカーペツ
トに高温度の空気を吹きつける型式のものが多か
つた。かかる方式をもつてカーペツトのキユアリ
ングを行なう場合、キユアリングの目的は達成で
きても熱風によつてパイルの配列が乱され商品価
値が著しく低下する。この傾向は熱可塑性繊維の
場合に特に大きく中でもアクリル繊維の場合にお
いては顕著である。このような観点からしても、
赤外線乾燥機を使用して繊維表面、殊に表面樹脂
皮膜のみを迅速に加熱する本発明の如きキユアリ
ング方式は、全くカーペツトの外観、触感を損ね
ることなく、かつ瞬間的にパイル根元部分の繊維
表面にまで熱を行きわたらせることができる故、
均一かつ斑のない加工が期待でききわめて好都合
である。 本発明に用いる赤外線キユアリング装置の赤外
線波長域は特に限定されるものではいが、弗素樹
脂皮膜を有効かつ短時間に加熱する遠赤外領域で
ある0.75μ以上1mm以下の範囲が好ましい。しか
し、本発明においてはこの波長域に限られるもの
ではなく、要は該赤外線が弗素樹脂分子の固有振
動数と概ね同レベルの周波数を有し、該赤外線の
エネルギーが無駄なく弗素樹脂皮膜に吸収される
ような範囲の波長の赤外線であれば良い。したが
つて、赤外線の熱源としては、タングステン電
球、炭化珪素を焼結して棒状にしたグローバー、
酸化亜鉛を主体にイツトリウムの酸化物を加えて
高温度で焼いたネルンスト・グローアー、水銀灯
等を用いることができるが、この範囲の熱源に限
られるものではない。また、本発明においては、
まず、ポリフルオロアルキルアクリレート又はポ
フルオロアルキルメタクリレート等を主成分とす
る弗素系加工剤により処理を行なうが、樹脂皮膜
の形成ならびにフルオロカーボン鎖の一様な気―
固界面への配向を達成せしめる如き加工を施す場
合、その温度は100〜180℃の範囲内にあり、好ま
しくは120〜140℃の温度条件にて所望の撥水撥油
性能が得られる。もとより樹脂剤組成、付着量、
付着厚み等により温度条件は一定するものではな
い。 発明の効果 本発明の加工法を採用することにより高い撥水
撥油性能に加えて、該性能の耐久性に優れ、しか
も外観、風合いを損なうことのない耐久性のある
撥水撥油性カーペツトを容易かつ安定して製造し
得る。 実施例 以下、実施例によつて本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中%とあるのは重量%を意味す
る。 実施例 1 7デニールのアクリル繊維をオーバーマイヤー
染色機に充填し、カチオン染料、緩・均染剤の投
入に続いて、撥水撥油加工剤(GSガードK337,
東海製油(株)製)3%を投入し、昇温操作を行なつ
た後、105℃の温度にて2時間、染色兼撥水撥油
加工を施した。この加工綿をコンベアラチス式ル
ーズフアイバー乾燥機にて130℃の温度で7分間
乾燥後、セミ梳紡績方式で4.8番単糸の紡績糸と
した。この紡績糸を用い、1/10ゲージのタフテイ
ングマシーンにてパイル長8mmのカツトパイルの
タフテツド・カーペツトとなした後、常法により
ラテツクス塗布、バツキング、乾燥の工程を経
て、次に赤外線乾燥機(イノキンエンジニアリン
グ(株)、アフターセツターIAS―40―30K型)にて
波長域100〜200μ、温度130±5℃にて15秒間キ
ユアリング処理を施したところ、第3表にみられ
る如き撥水撥油性能を有し、かつ外観、触感に優
れたカーペツトが得られた。 この加工方法の効果、すなわち加工工程の進行
段階と撥水撥油性の変化との関係を確認するため
に(1)加工綿のルーズフアイバー乾燥機における乾
燥直後、(2)紡績終了直後、(3)カーペツト製造工程
乾燥ならびにシヤーリング終了直後、(4)赤外線キ
ユアリング終了直後のそれぞれの点でルーズフア
イバー、糸、カーペツトの形の試料を採取して繊
維軸方向に束ねた撥水撥油性能試験用試験片を調
整し、撥水性については第1表の方法で行なつ
た。また、撥油性についてはAATCC118―1975
法(第2表)の方法にて評価を行なつた。すなわ
ち、撥水性については第1表組成の試験液の小滴
(5mm径又は0.05ml)を試験面状に静かに置いて、
10秒間球状又は半球状を維持するかどうかを観察
し、また、撥油性については同じ方法で30秒間の
観察を行なつて第3表の結果を得た。
【表】
【表】
撥水等級数値については、数値の大きいも
のが撥水性が高いことを示す。
のが撥水性が高いことを示す。
【表】
撥油等級数値については、数値の大きいものが
撥油性が高いことを示す。
撥油性が高いことを示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 弗素系加工剤で処理したルーズフアイバーを
紡績した糸条を用いてタフテツド・カーペツトを
製造するに際し、バツキング後赤外線によりキユ
アリングを行なうことを特徴とする撥水撥油性カ
ーペツトの製造方法。 2 弗素系加工剤がフルオロカーボン鎖をもつ弗
素樹脂である特許請求の範囲第1項記載の製造方
法。 3 ルーズフアイバーがアクリル繊維である特許
請求の範囲第1項記載の製造方法。 4 キユアリングを乾燥工程後に連続して実施す
る特許請求の範囲第1項記載の製造方法。 5 キユアリングの温度が100〜180℃である特許
請求の範囲第1項記載の製造方法。 造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17349384A JPS6155266A (ja) | 1984-08-21 | 1984-08-21 | 撥水撥油性カ−ペツトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17349384A JPS6155266A (ja) | 1984-08-21 | 1984-08-21 | 撥水撥油性カ−ペツトの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6155266A JPS6155266A (ja) | 1986-03-19 |
| JPS6325112B2 true JPS6325112B2 (ja) | 1988-05-24 |
Family
ID=15961528
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17349384A Granted JPS6155266A (ja) | 1984-08-21 | 1984-08-21 | 撥水撥油性カ−ペツトの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6155266A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0433908U (ja) * | 1990-07-10 | 1992-03-19 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS602776A (ja) * | 1983-06-13 | 1985-01-09 | 三菱レイヨン株式会社 | 撥水,撥油性を有するアクリル繊維の製造方法 |
-
1984
- 1984-08-21 JP JP17349384A patent/JPS6155266A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0433908U (ja) * | 1990-07-10 | 1992-03-19 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6155266A (ja) | 1986-03-19 |
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