JPS6325088B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は結束防績糸製造機における糸形成装置
の改良に関するものである。

近年、空気渦流を使つた極めて生産性の高い結
束紡績法が開発され、生産機として実用化されつ
つある。

一般的な結束紡績糸製造機はステープル繊維束
を一定の幅をもたせて供給し、ドラフト装置によ
り所定のドラフト処理を行つた後に、繊維分離管
および仮撚ノズルからなる糸形成装置によつて繊
維束を加撚収束させて結束紡績糸を形成し巻取装
置に巻取る構成のものが使用されている。

（従来の技術） 上述の糸形成装置としては、第３図のような構
成の装置が使用されている。該装置は保持部材１
に固着された吸入口２ａを有する繊維分離管２
と、該吸入口と同軸心で負圧室１ａを介して装着
された仮撚ノズル３とで構成し、該保持部材１に
接続された負圧配管４により負圧室１ａ内に負圧
力を作用させると共に、負圧配管４に隣接して装
着された圧空供給配管５により仮撚ノズルの繊維
束通過用孔３ａ内に対し細孔３ｂを介して圧空を
噴出させるようになつている。

上述の糸形成装置を使用して結束紡績糸の形成
操作を行い繊維分離管２吸入口２ａに綿屑等が滞
留した場合には、綿屑巻付棒を使用して吸入口２
ａ内の綿屑を除去するか、あるいは可動式の圧空
噴出ノズルを繊維分離管２の繊維束供給部に位置
させて吸入口２ａ内に圧空を噴射させ、綿屑を負
圧室１ａ側に吹飛ばして負圧配管４に吸引させ除
去する方法がとられている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしこのような除去方法では、ドラフト装置
（図示せず）と糸形成装置の繊維分離管２の間に、
綿屑巻付棒あるいは可動式圧空噴出ノズルを操作
するための空間が必要であり、製造機全体が大き
くなるという問題があつた。また綿屑巻付棒ある
いは可動式圧空噴出ノズラを準備しておく必要が
あつた。

本発明は上述のような問題を解決し、特別な装
置を付加せず簡単な操作により繊維分離管内に詰
つた綿屑を確実に除去できるようにすることを目
的に検討の結果得られたものである。

（問題点を解決するための手段） すなわち、本発明は保持部材に形成された、位
置決め段部を有し負圧配管および圧空供給配管に
連通する孔に、吸入口および負圧室を穿設した繊
維分離管と仮撚ノズルを連設して一体物にした状
態で摺動自在に嵌着せしめた糸形成装置を提供す
るものである。

ここで繊維分離管は吸入口と負圧室を一つの部
材の内部に形成したが、別の部材に夫々形成して
連通させてもよい。また吸入口の形状が横長スリ
ツト形で、そのスリツトの両端部が中央部より大
きくなつているような形状の場合には、該繊維分
離管を二つ割りの半円柱体とし、その接合面に吸
入口を形成する溝を穿設し、それを円柱体に組合
せるような構成にすることもできる。該吸入口の
形状は繊維の材質、太さ、必要とする結束紡績糸
等の形態により適宜設定する。該繊維分離管の繊
維入側には吸入口と略同一形状かあるいは吸入口
の断面積より小なる孔を有する耐摩耗性ガイド板
を装着することもできる。

仮撚ノズルはホルダーを介して保持部材に装着
することもできるが、直接装着してもよい。

（実施例） 以下本発明の糸形成装置の概略断面を示した第
１図および繊維分離管内の綿屑除去操作時の各部
品の状態を示した第２図に基づいてその構成を説
明する。

糸形成装置は保持部材１１に着脱自在に装着さ
れた繊維分離管１２およびホルダー１３と、該ホ
ルダー１３に装着された仮撚ノズル１４とで構成
されている。

保持部材１１には繊維分離管１２およびホルダ
ー１３を装着するための孔１１ａと負圧配管１
５、および圧空供給配管１６が接続される孔１１
ｂ，１１ｃが所定の間隔をおいて穿設されてい
る。孔１１ａには繊維分離管１２の位置決め用段
部１１ｄが形成してある。

繊維分離管１２には繊維束を吸入するための吸
入口１２ａと保持部材１１の孔１１ｂに連通する
負圧室１２ｂが穿設されている。またその外周部
には位置決め用の鍔部１２ｃおよびＯリング１７
を装着する溝が形成されている。

ホルダー１３には仮撚ノズルを装着するための
孔１３ａと、保持部材１１の圧空供給用孔１１ｃ
に連通する孔１３ｂが穿設されている。またその
外周部にはＯリング１８を装着するための溝と、
圧空室を形成するための溝が形成されている。

仮撚ノズル１４にはその軸心に繊維束通過用孔
１４ａが穿設され、該孔１４ａの周囲に放射状に
複数個の細孔１４ｂが穿設されている。またその
外周部にはＯリング１９を装着するための溝と、
圧空室を形成するための溝が形成されている。

上述の糸形成装置は第２図のように組立てた状
態で結束紡績糸製造機の所定の位置に取付けると
共に、負圧配管１５および圧空供給配管１６と接
続する。

該糸形成装置により結束紡績糸の形成操作を行
い、繊維分離管１２の負圧室１２ｂ内に負圧力を
作用させ、仮撚ノズル１４の繊維束通過用孔１４
ａに圧空を噴出させた状態で、ドラフト装置によ
りドラフトされた繊維束を繊維分離管１２の吸入
口１２ａに供給して結束紡績糸を形成する。

もし繊維分離管１２の吸入口１２ａ内に綿屑等
が詰つた場合には、ドラフト装置（図示せず）お
よび負圧配管１５の負圧力を停止させる。次いで
繊維分離管１２を繊維束供給側から押圧してホル
ダー１３と共に移動させ、保持部材１１の圧空供
給用孔１１ｃに繊維分離管１２の負圧室１２ｂを
連通させて負圧室１２ｂに圧空を供給し、吸入口
１２ａ内に詰つている綿屑を繊維束の供給側入口
から圧空と共に噴出させる。負圧室１２ｂに供給
された圧空の一部は仮撚ノズル１４の繊維束通過
用孔１４ａから放出されるが、繊維分離管１２の
吸入口１２ａ側に大部分が流入し綿屑と共に放出
される。

吸入口１２ａ内の綿屑を除去した後、ホルダー
１３を押圧して繊維分離管１２の鍔部１２ｃが保
持部材の段部１１ｄに当接するまで移動させ、該
繊維分離管１２と共にホルダー１３を元の位置に
復帰させる。次いで負圧配管１５の回路を切換え
て負圧室１２ｂ内に負圧力を作用させる。

該状態でドラフト装置（図示せず）を作動させ
て繊維束を糸形成装置の繊維分離管１２の吸入口
１２ａに供給すると共に糸継ぎを行ない結束紡績
糸の形成を継続する。

（発明の効果） 本発明の糸形成装置は、保持部材に形成され
た、位置決め段部を有し負圧配管および圧空供給
配管に連通する孔に、吸入口および負圧室を穿設
した繊維分離管と仮撚ノズルを連設して一体物に
した状態で摺動自在に嵌着せしめるようにしたこ
とにより次のような効果を奏する。

(1) 特別な装置を用いることなく単にニユーマ管
を移動させるだけで、繊維分離管の吸入口内に
詰つた綿屑を確実に除去することができる。

(2) 繊維分離管の吸入口内に詰つた綿屑の除去に
綿屑巻付棒あるいは可動式圧空噴出ノズルを使
用しないため、ドラフト装置と糸形成装置の繊
維分離管との間に綿屑除去操作用の空間を必要
とせず製造機全体をコンパクトにすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の糸形成装置の１実施例を示す
概略断面図である。第２図は繊維分離管内の綿屑
除去操作時の各部品の状態を示す概略断面図であ
る。第３図は従来の糸形成装置の１実施例を示す
概略断面図である。 １１：保持部材、１２：繊維分離管、１３：ホ
ルダー、１４：仮撚ノズル、１５：負圧配管、１
６：圧空供給配管、１７，１８，１９：Ｏリン
グ、１１ａ，１１ｂ，１１ｃ：孔、１１ｄ：段
部、１２ａ：吸入孔、１２ｂ：負圧室、１２ｃ：
鍔部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 保持部材に形成された、位置決め段部を有し
   負圧配管および圧空供給配管に連通する孔に、吸
   入口および負圧室を穿設した繊維分離管と仮撚ノ
   ズルを連設して一体物にした状態で摺動自在に嵌
   着せしめたことを特徴とする糸形成装置。