JPS6324131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は特に空気流を利用した加撚紡機に使用
される開繊ローラの構成に関するものである。

従来の開繊ローラは第１図イ，ロに示すように
ローラ本体１の周面に設けた螺旋溝に、メタリツ
クワイヤ２を嵌挿しつつ捲付けて構成している
が、捲付作業時にメタリツクワイヤの固定が困難
であつたり、メタリツクワイヤが部分的に損傷し
た場合にその部分のみを補修したり、または取替
えたりするのが困難であつた。

本考案は上記従来の欠点を解消し、嵌挿が容易
で、かつ固着が確実な開繊ローラを提供するもの
であり、以下本考案の開繊ローラの実施例を図面
に基き説明する。

実施例 第２図イ，ロは本考案の開繊ローラに用いる針
板の１実施例を示す。

上部に針頭３を有する針基部４と、蟻形状の針
挿入部５とよりなり、上記針挿入部に孔６、およ
び孔に連通するスリツト７を設けて本考案の鋼製
の針板８を形成する。

上記針板は第２図イ，ロのごとく隣設する針板
８の針頭３が、開繊ローラの回転方向の前後にず
れて、千鳥状に配設するよう複数枚積層し、各針
板間に第２図ハの如き合成樹脂製スペーサ９を介
在する。

上記積層した針板８およびスペーサ９の孔６
に、金属製又は合成樹脂製等の帯状の連設体１０
を嵌合すると共に、スリツト７に接着剤１１を流
し込んで固着して針板積層体１２を第３図の如く
形成する。

上記針板積層体１２を第４図に示すごとく開繊
ローラ本体１３のローラ軸方向に穿設した溝１４
に挿入列設し、ローラ両端をフランジにて固設し
て本考案の開繊ローラを構成する。

なお、開繊ローラ本体１３に蟻溝だけ穿設し、
針板の針挿入部を挿入すると共に、針基部の側面
がローラ回転方向に隣設する針板の針基部と接す
るよう列設することもできる。

この場合、針深さは針基部の高さを変えること
により自由に変更することができる。

また、針頭配列は図の様にローラ軸方向に千鳥
状に設けることができるが、１つの針板に複数枚
の針頭を設けることにより針頭密度をより細かく
することもできる。

また、針頭のローラ軸方向の間隔は、針板の厚
さを変更するか、適当な厚みのスペーサを挿入す
ることにより自由に変更することができる。

また、針板積層体の固着には針板の孔に連設体
を挿入するだけでも、また、孔に接着剤を流し込
むだけでもよいが、上記実施例のごとく連設体の
挿入と接着剤の併用によつたり、接着剤中に金属
の芯棒を内在すると固着がより強固となる。ま
た、孔の形状は円形、三角形、四角形等と種々の
形状とすることができる。

本考案の開繊ローラは上記の如き構成であるた
め、針板積層体を針板および連設体により容易に
製造することができ、また、開繊ローラ本体の蟻
溝に針板積層体を挿入、固着しているため、針板
は開繊ローラが高速回転しても抜け出すことがな
く、適度な嵌合状態を長年にわたり維持すること
ができる。

さらに、針板積層体の一部が損傷した場合、従
来はメタリツクワイヤ全部を取替えなければなら
なかつたが、本考案の開繊ローラにおいては損傷
した部分の針板積層体を取替えるが、あるいは針
板積層体を抜取り、損傷した部分のみをタガネに
より切断し、損傷部を容易に除去することができ
る。

また、ローラ軸方向、およびローラ回転方向の
針頭ピツチを自由に変更することができるので、
開繊作用を一層向上することができる等の実用的
効果を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来の開繊ローラの正面図およ
び側面図、第２図イ，ロは本考案の開繊ローラに
用いる針板の１実施例を示す正面図、第２図ハは
同スペーサの正面図、第３図イ，ロは本考案の開
繊ローラに用いる積層体の１実施例を示す正面
図、および側面図、第４図は本考案の１実施例を
示す開繊ローラの正面図である。 １……ローラ本体、２……メタリツクワイヤ、
３……針頭、４……針基部、５……針挿入部、６
……孔、７……スリツト、８……針板、９……ス
ペーサ、１０……連設体、１１……接着剤、１２
……針板積層体、１３……開繊ローラ本体、１４
……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部に針頭を有する針基部と、蟻形状の針挿入
   部とよりなる針板を複数枚積層し、上記針挿入部
   に設けた孔に連設体を固設することにより針板積
   層体を形成し、開繊ローラ本体のローラ軸方向に
   穿設した溝に上記針板積層体を挿入列設してなる
   開繊ローラ。