JPS632385Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 二輪車のフロントフオークは一般に有底円筒状
のボトムケースにフオークパイプを摺動自在に嵌
合したもので、その摺接間隙に塵埃が侵入するこ
とを防止するためにゴム等で作られたダストシー
ルが用いられる。従来はこのダストシールをボト
ムケースの上端における外側に嵌合して取付を行
つていたから、外径が増大すると共に外観も損わ
れる等の欠点があつた。また固定金具を設けてボ
トムケースの内側に嵌合したものもあるが、フオ
ークパイプの摺動運動によつてボトムケースから
ダケストシールが次第に脱出し易い欠点がある。
従つて本考案はダストシールをボトムケースの内
側に嵌合して、前述のような欠点を除去すると共
に脱出等のおそれがなく、ボトムケースに確実に
固定することができて、しかも必要に応じてはこ
れを容易に取り外すことの可能なダストシールを
提供するものである。

第１図は本考案実施例のダストシールを取付け
たフロントフオークの側面図、第２図は第１図の
一部を縦断した図、また第３図は第２図の一部を
拡大して更に縦断した図である。このようにフロ
ントフオークは有底円筒状のボトムケース１にフ
オークパイプ２を摺動自在に嵌合して内部に油を
充填したもので、ボトムケースの下端を二輪車に
おける前輪の軸に結着しフオークパイプの上部に
車体の前部を結着する。本考案のダストシールは
このようなフロントフオークのボトムケース１に
取付けて、ゴムあるいは合成樹脂のような弾性体
のリツプをフオークパイプ２に摺接させるもので
固定金具３にゴムあるいは合成樹脂のような弾性
体のリツプ４を固着してある。固定金具３は円筒
状部５の上端に外方へ折り曲げた円環状のつば６
を設けると共に上記円筒状部の下端附近の周壁部
がく字形をなすように屈曲させて外方に突設壁部
７を突出させ、かつ前記の字形に外方に突出した
突設壁部７に複数個からなる軸方向の割溝８を形
成してある。また弾性体のリツプ４は例えばゴム
によつて截頭円錐状に形成したものでその底面を
固定金具のつば６の上面に焼付けることにより該
固定金具と一体に形成されている。このようなダ
ストシールにおける固定金具の円筒状部５をボト
ムケース１の上端における内側に嵌合し、その上
端附近の内周面に形成した環状の凹溝９に前述の
突設壁部７を弾発状に圧接係合させると共につば
６をボトムケースの上側開口端周面に対設してリ
ツプ４をフオークパイプ２に摺接させるものであ
る。なおこのダストシールの下部にはオイルシー
ル１０を設けてスナツプリング１１で押えてあ
る。

このように本考案のダストシールはボトムケー
ス１の内側に嵌合して用いられるから、該ボトム
ケースの外径が増大して、かつこのため外観が損
われるような欠点もないものである。また固定金
具の円筒状部に突設壁部７を形成すると共に割溝
８を設けてあるから、各割溝に挾まれる突設壁部
が弾性舌片として作用し、ボトムケースの凹溝９
に圧接する。このためフオークパイプ２の摺動運
動等でダストシールがボトムケースから脱出する
ようなおそれがなく、しかもそれらは固着されて
いないから、例えばオイルシール１０の取替え等
に際してはこれをボトムケースから容易に取外す
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例のダストシールを取付け
たフロントフオークの側面図、第２図は第１図の
一部を縦断した図、第３図は第２図の一部を拡大
して更に縦断した図である。 なお図において、１はボトムケース、２はフオ
ークパイプ、３は固定金具、４はリツプ、５は円
筒状部、６はつば、７は突設壁部、８は割溝、９
は凹溝、１０はオイルシール、１１はスナツプリ
ングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端附近の周壁部をく字形に屈曲させて外方に
   突出させた突設壁部を有する円筒状部の上端に、
   外方へ折り曲げた円環状のつばを設けると共に、
   前記突設壁部に複数個からなる軸方向の割溝を形
   成して前記つばの下面をボトムケースの上側開口
   端周面に対設する固定金具を設け、この固定金具
   における前記つばの上面に、フオークパイプの外
   周面と摺接するほぼ截頭円錐状をなした弾性体リ
   ツプの底面を固着し、前記突設壁部を、フロント
   フオークのボトムケース側の上端附近の内周面に
   形成した環状凹溝に弾発状に圧接係合せしめたこ
   とを特徴とする二輪車のフロントフオークにおけ
   るダストシール。