JPS6323440B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は液化ガス等を貯蔵するための低温タン
クにおけるメンブレン支持構造に係るものであ
る。

（従来の技術） 従来のこの種の低温タンクにおいては、極端に
低温の液体を貯溜するので、断熱を十分にするた
めと、冷却歪による破壊を回避するために、外槽
と内槽とからなる二重槽とし、内外両槽間には断
熱材を介在させる構造とし、且つまた内槽は熱に
よる表皮応力を小さくする必要から極めて薄い板
金を使用している。しかも材質のみでは吸収しき
れない熱歪を処理するため、内槽は単なる容器と
するのではなく、適当な形状にコルゲーシヨンと
称する襞を組合わせたメンブレンを連続させて局
所的に熱歪を吸収する構造としたものが近年多く
用いられるようになつた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら前記従来の構造においては、メン
ブレンは極めて薄いので剛性に乏しく、メンブレ
ン独自では内槽としての形態を保持できないの
で、何等かの手段で剛強な外槽に保持される必要
があるが、内外両槽間には断熱材が介在するので
実現が困難である。

また内槽を外槽に固定すると局所的に伸縮し、
或いは微小回転して熱歪を吸収する機能が抑制さ
れ、熱歪吸収効果が消失する。

（問題点を解決するための手段） 本発明はこのような問題点を解決するために提
案されたもので、タンク躯体内周面に張設され且
つ対向縁に凹部を有する相隣る保冷パネル間の間
隙に、溝型部片の両側片上端より外側に水平部片
を延設してなる〓型断面の支持金物を嵌合すると
ともに、前記各水平部片を前記保冷パネルの凹部
に係合し、前記支持金物の溝型部片に合板ブロツ
クを嵌合するとともに、タンク躯体に碇着された
アンカーボルトを前記溝型部片の底部並に合板ブ
ロツクに貫通してナツトを螺着緊締し、前記相隣
る保冷パネルの凹部間にアンカーフランジを嵌着
し、同アンカーフランジ内側面に取付けた相対す
る一双のメンブレンアンカー取付金物にメンブレ
ンアンカーを回動自在に取付けるとともに、同メ
ンブレンアンカーにメンブレンの端部を固定して
なることを特徴とする低温タンクにおけるメンブ
レン支持構造に係るものである。

（作用） 本発明においては前記したように、タンク躯体
内周面に張設された相隣る保冷パネルの対向縁に
設けられた凹部間に嵌着されたアンカーフランジ
によつて、保冷パネルのタンク躯体に対する熱変
形が拘束される。

またメンブレン端部が固定されたメンブレンア
ンカーが、前記アンカーフランジに設けた相対す
る一双のメンブレンアンカー取付金物に回動自在
に取付けられているので、同メンブレンに生起す
る熱応力に基づく回転が許容され、同メンブレン
の温度応力による面内回転変位が拘束されること
がない。

而して、その溝型部片が相隣る保冷パネルの間
隙に嵌入され且つその両側上端の水平部片が相隣
る保冷パネルの凹部に係合する〓型断面の支持金
物は、その溝型部片の底部及び同部片に嵌着され
た合板ブロツクを貫通する、タンク躯体に碇着さ
れたアンカーボルト及びナツトによつてタンク躯
体に固定されているので、メンブレンアンカーか
らの荷重がアンカーフランジより〓型支持金物、
合板ブロツク、ナツト、アンカーボルトを介して
タンク躯体に伝達され、保冷パネルには圧縮力以
外の荷重を負担させる必要がなくなる。

（発明の効果） このように本発明によれば、タンク躯体に張設
された相隣る保冷パネルの対向縁に設けられた凹
部に嵌着されたアンカーフランジによつて、保冷
パネルのタンク躯体に対する熱変形が拘束され、
低温パネルの低温反りが抑止されるとともに、前
記アンカーフランジ内側面に取付けた一双のメン
ブレンアンカー取付金物に回動自在に取付けられ
たメンブレンアンカーによつて、メンブレンの温
度応力によつて生起する面内回転変位が拘束され
ることがなく、同メンブレンの熱歪吸収効果が保
持される。

更にまた本発明によれば、前記したように、メ
ンブレンアンカーからの荷重が、アンカーフラン
ジより〓型支持金物と、同金物の溝型部片に嵌着
された合板ブロツクと、同ブロツク及び前記支持
金物の溝型部片底部を貫通するアンカーボルト及
びナツトとを介して同アンカーボルトが碇着され
たタンク躯体に伝達されるので、保冷パネルに
は、圧縮力以外の荷重を負担させる必要がなくな
り、保冷パネルを構成する断熱材料の選択範囲が
広くなる。

（実施例） 以下本発明を図示の実施例について説明する。

（実施例の構成） １は硬質ポリウレタンフオーム等、タンク内貨
物の自重、ガス層圧力等の圧縮力に耐えられる断
熱材より構成された保冷パネルで、相隣る一双の
保冷パネル１の対向縁の内周面、或いは４個の保
冷パネル１の集合する隅角部の内周面にアンカー
フランジを納める凹部２が設けられている。

相隣る保冷パネル１の各凹部２に亘つて、同パ
ネルの低温時における反り変形を防止するための
１個の合板製の保冷パネル取付用アンカーフラン
ジ３を嵌着する。同アンカーフランジ３の下面に
は溝型部片の両側片上端より水平部片を延設して
なる〓型断面の支持金物５の上端両側水平部片が
木螺子６で固着されており、同支持金物５におけ
相隣る保冷パネル１，１の間隙に嵌入する溝型部
片に合板ブロツク７を嵌着するとともに、同合板
ブロツク７及び前記溝型部片の底部片に亘つてタ
ンク躯体４に碇着されたアンカーボルト８を貫通
してナツト９を螺着緊締し、かくして前記保冷パ
ネル１をアンカーフランジ３とタンク躯体４との
間に挾着するものである。

なお前記アンカーフランジ３の中心透孔及び相
隣る保冷パネル１，１の間隙には軟質断熱材１０
が填装され、同断熱材１０、アンカーフランジ３
及び合板ブロツク７によつてメンブレン１４とタ
ンク躯体４とが熱的に遮断される。

前記アンカーフランジ３には木螺子１１を介し
てメンブレンアンカー取付金物１２が取付けら
れ、同取付金物１２にメンブレンアンカー１３が
タンク躯体４と直交する軸まわりに回転可能なよ
うに取付けられ、更にメンブレンアンカー１３に
メンブレン１４が溶接１５よつて固定されている
ので、メンブレン１４はタンク躯体４と直角な軸
まわりに回転するため、メンブレン１４の温度応
力によつて生起する面内回転変位が拘束されず、
メンブレンの熱歪吸収効果が保持される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る低温タンクにおけるメン
ブレン支持構造の一実施例を示すタンク内側面平
面図、第２図及び第３図は夫々第１図の矢視―
図並に矢視―図である。 １……保冷パネル、２……凹部、３……アンカ
ーフランジ、４……タンク躯体、５……支持金
物、７……合板ブロツク、８……アンカーボル
ト、９……ナツト、１２……メンブレンアンカー
取付金物、１３……メンブレンアンカー、１４…
…メンブレン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ タンク躯体内周面に張設され且つ対向縁に凹
   部を有する相隣る保冷パネル間の間隙に、溝型部
   片の両側片上端より外側に水平部片を延設してな
   る〓型断面の支持金物を嵌合するとともに、前記
   各水平部片を前記保冷パネルの凹部に係合し、前
   記支持金物の溝型部片に合板ブロツク を嵌合す
   るとともに、タンク躯体に碇着されたアンカーボ
   ルトを前記溝型部片の底部並に合板ブロツクに貫
   通してナツトを螺着緊締し、前記相隣る保冷パネ
   ルの凹部間にアンカーフランジを嵌着し、同アン
   カーフランジ内側面に取付けた相対する一双のメ
   ンブレンアンカー取付金物にメンブレンアンカー
   を回動自在に取付けるとともに、同メンブレンア
   ンカーにメンブレンの端部を固定してなることを
   特徴とする低温タンクにおけるメンブレン支持構
   造。