JPS6323399B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は浮遊物もしくは沈澱物を含む液体また
は粉塵の多い気体など排除すべき固体を含む流体
中から流体だけを吸出す際に用いるフイルター付
のポンプにかかわり、特に、該フイルターの目詰
りを防止しながら連続して長期間流体の吸出しが
できる自浄機構付フイルター装置を組込んだ汚濁
流体連続ろ過採取ポンプに関するものである。

［技来の技術］ 吸い上げポンプ等により下水、工業排水等の汚
水を吸い上げ、これらに含まれる溶存物質を測定
する場合、河川、池または海等の水を吸い上げ冷
却水として用いる場合、切屑を含む冷却油を再生
して循環する場合、または粉塵の多い気体をろ過
する場合など、これら流体中に浮遊または沈澱し
ているごみ、木の葉、水中生物等の除去または気
体中の粉塵の除去のための吸入口をフイルターで
囲うことが必要となる。

しかるに、連続して液体または気体の吸上げも
しくは分離作業を行つていると、固体がフイルタ
ーの周囲に付着し、フイルターが目詰りを生じ、
流体の吸上げもしくは分離が不良または不能とな
る。

このため、実開昭50―143101号公報（従来技術
１）には、「たて型ドレンサンプポンプのサクシ
ヨンストレーナー底板を貫通し環状のスプレー管
と接続して構成しストレーナー内側からポンプの
吐出圧力水をストレーナー小径穴に向つて噴出す
るようにしたドレンサンプポンプのストレーナー
目詰り防止装置」が提案されている。また実開昭
53―76205号公報（従来技術２）には、「筒状ハウ
ジングの上部にストレーナーが周設され、モータ
中間に羽根車を配置した水中ポンプ」が開示され
ている。さらに特開昭42―17556号公報には（従
来技術３）には、「タンク内に円筒状のフイルタ
ーを設けて、このフイルター中心部に通水口を有
する汚濁水の吸い上げパイプを位置せしめつつ、
上記吸い上げパイプには通水口と連通し汚濁水を
フイルター内面に接触するブラシ部とよりなる水
車を回転自在に嵌装したことを特徴とする液体の
浄化装置」が記載されている。

［発明が解決しようとする問題点］ しかるに、従来技術１においては、スプレー管
が固定されているため、ストレーナーの全周面を
効率よく確実に洗浄することは困難であり、スト
レーナーにスプレーによる目詰まりの除去部分
と、スプレー管が到達できず目詰りしたままの部
分とができるという欠点がある。

また、従来技術２では、フイルターの目詰りを
防止しながら連続して長期間流体の吸出しができ
る自浄機構付フイルター装置を備えず、ポンプの
運転を停止してストレーナーを掃除する必要があ
り、連続運転は不可能であつた。

さらに従来技術３では、ブラシ部がフイルター
内面との擦れて摩耗するため定期的に分解修理す
る必要があり、水車板を水中で使用する場合に
は、造波抵抗が大きく、安定性が悪く、円滑に回
転しないという問題点があつた。

したがつて、従来技術１の場合には、目詰りの
除去部分は、スプレー管の噴流により内から外へ
向つて流れているため、水の吸入はできず、もつ
ぱらストレーナーの目詰りした部分のみから水の
吸入がなされる結果となり、吸入効率が低い。ま
た、従来技術２，３では、しばしば上記液体また
は気体の吸上げもしくは分離作業を停止し、フイ
ルターまたはストレーナーを洗浄または交換する
必要が生じ、著しく面倒であると共に長期間連続
して流体を吸込むことができなかつた。

本発明の目的は、造波抵抗が少なく、回転噴流
口金が安定して円滑に回転し、フイルターの全周
面を効率よく確実に洗浄できるとともに、洗浄直
後の清浄なフイルター面から流体を吸込むことが
できるため、比較的小さなフイルター面積で多量
の水が吸込め、かつ長期間メンテナンスフリーで
固体を含む流体中から連続して流体を分離しかつ
採取できる汚濁流体連続ろ過採取ポンプの提供に
ある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するため本発明は、上部にフイ
ルター付吸入口が周設された筒状ハウジング内の
底部にモータを設置し、一対の円盤の間に所定方
向に湾曲した複数の放射状ブレードを狭んでな
り、周囲に噴口を一定間隔で設けてなる水車状の
回転噴流口金を上記ハウジングの上部に回転自在
に遊嵌し、上記回転噴流口金の下側の支軸内に流
入路を設け、上記回転噴流口金の上側の支軸内に
吐出路を設け、該吐出路の吐出量と上記噴口の噴
出量とを制御するバルブを上記吐出路に取付け、
上記モータで駆動される回転羽根車により、上記
フイルター付吸入口を通して流体を吸入し、吸入
流体の一部を、上記回転噴流口金内に上記流入路
から導き、上記複数の噴口より半径方向に対し
て、傾斜させて噴出することにより、上記回転噴
流口金を噴出の反動で自転させながら上記フイル
ターを内側から浄化し、吸入流体の他部を、上記
吐出口より吐出し、上記バルブを閉成することに
より水撃作用で上記フイルターの洗浄力を増強す
る構成を採用した。

［作用および発明の効果］ 本発明の汚濁流体連続ろ過採取ポンプは上記構
成によりつぎの作用および効果を有する。

吸入流体の一部を、回転噴流口金内に流入路か
ら導き、複数の噴口より半径方向に対して、傾斜
させて噴出することにより、回転噴流口金が噴出
の反動で自転しつつフイルターを内側から浄化
し、流体の他部を、吐出口より連続して吐出す
る。またバルブを閉成することにより水撃作用で
フイルターの洗浄力を増強することができる。こ
れによりフイルターの掃除、メンテナンスなどの
ためのポンプの運転の停止が不用となる。よつて
汚濁流体中から長期間連続して流体のみを吸い上
げることが可能となる。また、一対の円盤の間に
所定方向に湾曲した複数の放射状ブレードを狭ん
でなり、周囲に噴口を一定間隔で設けてなる水車
状の回転噴流口金をハウジングの上部に回転自在
に遊嵌しているので、造波抵抗が少なく、水中で
安定性良く、円滑に回転することができる。

［実施例］ つぎに本発明を図に示す一実施例に基づき説明
する。

１はハウジング、２は該ハウジング１内底部に
設置されたモータ、３はモータ２の駆動軸に取り
付けられた回転羽根車、４は水車状をしている回
転噴流口金でハウジング１の上部中央に上下方向
に設けられた支持軸５，６に回転自在に遊嵌され
ている。７はハウジング１上部に周設された流体
の吸入口、８は吸入口７を囲むように吸入口７に
取り付けた円筒状のフイルター、９は吸入口７か
ら回転羽根車３の中央上部に設けられた流入口１
０へ接続する流路、１１は回転羽根車３の流出
口、１２は支持軸６および回転噴流口金４の支軸
４１内を貫通する流入路であり流出口１１に接続
している。１３は回転噴流口金４の中央上部に設
けられた吐出口で支持軸５内を貫通する吐出口１
４に接続している。１４は流体を取り出す吐出
路、１５は回転噴流口金４の回りに適当な間隔と
半径方向に対して一定の傾斜をもつて周設された
噴口、１６は水車状をした回転噴流口金４のブレ
ードで半径方向に対して適当な傾斜をもつて取り
付けられている、１７は防水電線、１８は吐出路
１４に設けられ、吐出路１４の吐出量と噴口１５
の噴出量とを制御するバルブを示す。

本実施例の汚濁流体連続ろ過採取ポンプの作用
を図に基づき説明する。

汚濁流体連続ろ過採取ポンプは、下水、浄化槽
などの底に設置され、モータ２に通電されるとモ
ータ２が回転して回転羽根車３を回して、外部か
ら第２図矢印Ａの如く吸入口７のフイルター８を
経てろ過水を吸入する。この時、水中に浮遊また
は沈澱しているごみ、木の葉、水中生物等の浮遊
物や固形物がフイルター８の外面に付着し、フイ
ルター８が目詰りを生じて経時的に吸入が困難と
なつてくる。

吸入したろ過水は、流路９を通り回転羽根車３
で加圧され流入路１２を通つて水車状回転噴流口
金４内に導かれ一部は吐出口１３を経て吐出路１
４から吐出され、又他部はブレード１６に沿つて
流れ噴口１５から矢印Ｂの如く半径方向に対して
一定の傾斜方向に噴出される。この噴流の反動で
回転噴流口金４は自転し、フイルター８は該フイ
ルター８を通して外に出る噴流（矢印Ｃ）で内側
から洗浄され目に詰つた浮遊物や固形物が除去さ
れる。

このようにしてフイルター８は噴流で常時洗浄
されているので、目詰りは防止され、ろ過水が連
続して吸入口７から吸入され、且つ吐出口１３お
よび吐出路１４を通して吸上げが可能となる。

またバルブ１８の開度を制御することで回転噴
流口金４の噴口１５からのろ過水の噴出を制御す
ることによつて噴口１５からの噴出流によるフイ
ルター８の洗浄力を軽減できる。なかなか除去で
きない固形物がフイルター８に目詰りした場合に
は、バルブ１８を閉成することにより水撃作用で
噴口１５からの噴出流の流速が急に減少し急激な
圧力の上昇によつて、フイルター８の洗浄力を増
強して、フイルター８に目詰りした固形物を除去
できる。

またモータ２がハウジング１の底部に設けられ
ているため設置安定性が良く、吸入口７がハウジ
ング１の上部に設けられているので底から一定の
高さにある水を吸い上げることができる。さらに
吐出口１３を上部支持軸５中に設けているので回
転フイルター部の構造が簡単となる。

また、一対の円盤の間に所定方向に湾曲した複
数の放射状ブレード１６を狭んでなり、周囲に噴
口１５を一定間隔で設けてなる水車状の回転噴流
口金４をハウジング１の上部に回転自在に遊嵌し
ているので、造波抵抗が少なく、水中で安定性良
く、円滑に回転することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の汚濁流体連続ろ過採取ポンプ
の縦一部断面図、第２図はその一部切かき平面図
である。 図中、１…ハウジング、２…モータ、３…回転
羽根車、４…回転噴流口金、７…吸入口、８…フ
イルター、１２…流入路、１４…吐出口、１５…
噴口、４１…支軸。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部にフイルター付吸入口が周設された筒状
   ハウジング内の底部にモータを設置し、一対の円
   盤の間に所定方向に湾曲した複数の放射状ブレー
   ドを狭んでなり、周囲に噴口を一定間隔で設けて
   なる水車状の回転噴流口金を上記ハウジングの上
   部に回転自在に遊嵌し、上記回転噴流口金の下側
   の支軸内に流入路を設け、上記回転噴流口金の上
   側の支軸内に吐出路を設け、該吐出路の吐出量と
   上記噴口の噴出量とを制御するバルブを上記吐出
   路に取付け、 上記モータで駆動される回転羽根車により、上
   記フイルター付吸入口を通して流体を吸入し、 吸入流体の一部を、上記回転噴流口金内に上記
   流入路から導き、 上記複数の噴口より半径方向に対して、傾斜さ
   せて噴出することにより、上記回転噴流口金を噴
   出の反動で自転させながら上記フイルターを内側
   から浄化し、 吸入流体の他部を、上記吐出口より吐出し、 上記バルブを閉成することにより水撃作用で上
   記フイルターの洗浄力を増強することを特徴とす
   る汚濁流体連続ろ過採取ポンプ。