JPS6323073Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はスキー用等のスポーツ用ゴーグルに関
するものである。

ゴーグルレンズ及びゴーグル着用者の視力矯正
用眼鏡のレンズの曇りを防止するために、ゴーグ
ル枠の上側周壁部に、換気用フアンとこれを駆動
する電動機とを取付台を介して装着し、換気フア
ンで強制的に換気するようにしたものが、特開昭
54−139290号公報によつて既に提供されている。

しかし、従来は取付台がプレート状であつて、
この取付台を接着等によつてゴーグル枠の上側周
壁部に装着しているので、換気用フアンの近傍、
即ち取付台の部分からゴーグル枠内部の空気を積
極的に外部に排出することができず、換気効率が
悪いという欠点があつた。

また取付台が接着によつてゴーグル枠に固定さ
れているため、換気用フアン、電動機の保守、点
検等に際して、取付台を取外すようなことは不可
能であり、保守、点検等の作業が困難であつた。

本考案は、このような従来の問題点を解消する
ことを目的とするものであつて、その特徴とする
ところは、ゴーグルレンズ２を支持するゴーグル
枠１の上側周壁部１０に、換気用フアン３とこれ
を駆動する電動機４とを備えた取付台５を設けた
スキー用ゴーグルにおいて、ゴーグル枠１の上側
周壁部１０の前後幅内に収まるように、取付台５
を左右の爪３５，３６を介してゴーグル枠１の上
側周壁部１０に着脱自在に取付け、この取付台５
に、外部に連通する上部開口部２７を左右方向に
長く形成すると共に、この上部開口部２７の左右
中央部に設けた台部３３に上方から電動機４を取
付け、この電動機４の台部３３よりも下方に突出
する出力軸３９に換気用フアン３を設け、取付台
５の下側に、換気用フアン３の下方に対応する換
気口３４から左右上方に広がる下壁３０を設け
て、換気口３４から取付台５の上部開口部２７に
至る上広がり状の換気ダクトを形成し、取付台５
上に、上部開口部２７に対応する通気孔２１を有
するカバー体１７を設けた点にある。

以下、本考案の一実施例を図面に基き説明すれ
ば、第１図及び第２図はスキー用ゴーグルを示
し、このゴーグルは、ゴーグル枠１と、ゴーグル
枠１に嵌着されたゴーグルレンズ２と、換気用フ
アン３と電動機４を備え且つゴーグル枠１に装着
された取付台５と、電源装置６を備え且つゴーグ
ル枠１に連結されたゴムバンド７等から成る。

ゴーグル枠１はビニール、ゴム等の軟質材から
形成されており、第５図にも示すように、このゴ
ーグル枠１は、レンズ嵌込縁８と、顔面当座９
と、その両者を連結する周壁部１０とから構成さ
れ、レンズ嵌込縁８にはゴーグルレンズ２が着脱
自在に嵌着されている。顔面当座９にはスポン
ジ、モントプレーン等の密接用材１１が貼着さ
れ、この密接用材１１を介してゴーグル枠１が全
周にわたつて顔面に密接されるように構成されて
いる。下側周壁部１０の左右両側には複数の通気
孔１２が形成されると共に、その外面側に、通気
孔１２を覆い且つポリウレタンフオーム、スポン
ジ等の連続発泡体等から形成された通気性を有す
る帯状覆被材１３を埋込状に貼着して、通気孔１
２からの雪や埃等の侵入を防止している。また、
上側周壁部１０の中央部には円弧状の取付口１４
が形成されると共に、その左右両側には複数の通
気口１５が形成されている。そして、上側周壁部
１０上面側には、取付口１４及び通気口１５を覆
い且つ上記同様の連続発泡体等から形成された通
気性を有する帯状覆被材１６が備えられると共
に、カバー体１７が覆被材１６を内有状として嵌
脱自在に嵌着又は貼着されている。カバー体１７
はビニール、ゴム等の軟質材から形成され、中央
部には取付口１４と対応する盛上部１８が形成さ
れている。盛上部１８は、中央の平坦部１９と左
右の斜面部２０とから成り、これら斜面部２０及
びカバー体１７の盛上部１８両側には複数の通気
孔２１が形成されている。

ゴーグルレンズ２は第５図に示すように着色透
明プラスチツク製のレンズ板２２，２３を内外２
枚備え、その内外レンズ板２２，２３間に所定の
内部空間２４が形成されている。内レンズ板２２
には、内部空間２４への通気孔２５が形成される
と共に、この通気孔２５に対応して撥水性フイル
ター２６が貼着されている。このフイルター２６
は内部空間２４に対する空気の流通のみを許すも
のであつて、水の上記空間２４に対する侵入は阻
止する。

取付台５は中空状で合成樹脂材等の硬質材から
成り、第３図乃至第６図に示すように、上部開口
部２７が形成されると共に、下方に突出状とされ
ている。取付台５は、前後壁２８，２９と、これ
ら両壁２８，２９を連結する左右一対の彎曲状下
壁３０と、前後壁２８，２９中央部に一対宛の板
状部３１を介して固設され且つ下面に円板部３２
が固設された円錐台部３３とから主構成されてお
り、両下壁３０間には、取付台５の下部中央に位
置する円形の換気口３４が形成されて、取付台５
内部が、換気口３４と、これから左右上方に広が
る上部開口部２７とを備えたダクト構造とされて
いる。取付台５の各下壁３０外端部には、前後一
対の三角形状の上爪３５と、これら上爪３５間に
位置し且つ先端部に三角形状の下爪３６を備えた
張出部３７が外側方突出状に固設されている。そ
して、取付台５がゴーグル枠１の取付口１４に下
方側から嵌め込まれ、また、これと同時に、ゴー
グル枠１の上側周壁部１０の取付口１４とこれに
左右で隣接する通気孔１５間の帯状部が、弾性変
形を介して、上爪３５、下爪３６及び張出部３７
間に挿入されることにより、取付台５がゴーグル
枠１に下方に突出状として脱着自在に装着されて
いる。なお、取付台５は上方側を覆被材１６及び
カバー体１７の上部開口部２７に対応する山形状
盛上部１８により覆被状とされている。ところ
で、円錐台部３３には上下方向に開口する装備孔
３８が形成されており、この装備孔３８に円柱状
の電動機４が上方突出状として嵌脱自在に嵌着さ
れて、電動機４の出力軸３９が円板部３２の小孔
４０を通して下方に突設されている。この出力軸
３９には、換気口３４と対向するフアン３が取付
台５に内有状として固設されている。このフアン
３としては、所定に設定される回転数と寸法で最
大の風圧を得るべく、ターボ式の遠心フアンが使
用されており、フアン３は、円型基台４１と、該
基台４１に固設された複数の羽根４２とから成
り、電動機４による駆動によつて、ゴーグルレン
ズ２と顔面間に形成される内部空間４３の空気を
外部に排出する。なお、フアン３としては、軸流
式フアンを使用してもよい。

電源装置６は電動機４と結線されてその電源と
なるもので、蓄電池又は乾電池等を内蔵すると共
に、電動機４を運転・停止させるスライド式スイ
ツチ４４を備えている。電源装置６はその一端部
が連結片４５を介してゴーグル枠１一端部に連結
されている。連結片４５はビニール、ゴム等の軟
質材から形成されており、屈曲自在である。ま
た、電源装置６の他端部にはゴムバンド７の一端
側が長さ調整自在に連結され、このゴムバンド７
の他端側がゴーグル枠１一端部に連結されてい
る。上記のように、電源装置６がゴムバンド７の
一端部とゴーグル枠１の一端部間に介装されてい
るので、電源装置６が嵩張ることはない。なお、
電源装置はゴーグルの他の部分に備えてもよく、
また、電源装置をゴーグルとは別体としてゴーグ
ル着用者が身につけるようにしてもよい。

上記のように構成した実施例によれば、スキー
ヤーがゴーグルを寒冷下で着用した際において、
滑走中には、ゴーグルレンズ２とスキーヤーの顔
面間に形成される内部空間４３には、カバー体１
７の通気孔２１、覆被材１３，１６及びゴーグル
枠１の通気孔１２，１５等を介して、乾燥した冷
たい外気が自然に流れ込むと共に、これに対応し
て内部空間４３内の空気も外部に排出されるの
で、ゴーグルレンズ２には曇りが生じにくい。と
ころで、滑走を停止すると、内部空間４３内に対
する外気の流通がなくなるので、スキーヤーの体
温や発汗作用によつて内部空間４３内の空気は温
かい湿つたものとなり、その水蒸気量は略飽和水
蒸気量となる。ここにおいて、ゴーグルレンズ２
が外気によつて冷却されていることから、ゴーグ
ルレンズ２の内レンズ板２２内面には、内部空間
４３内の空気に含まれる水蒸気が凝結して水滴が
形成され、曇りが発生する。この場合には、電源
装置６のスイツチ４４をON操作し、電動機４を
運転して、フアン３を駆動するのである。する
と、フアン３が内部空間４３内の空気を取付台５
の換気口３４を介して吸込み、この吹込まれた空
気が取付台５内部のダクト構造を介して開口部２
７に導かれる。そしてこの開口部２７に導かれた
空気が、覆被材１６を通り、カバー体１７の主に
その盛上部１８の通気孔２１を介して外部に排出
される。この排出によつて、内部空間４３内が負
圧となるので、カバー体１７の通気孔２１、覆被
材１３，１６及びゴーグル枠１の通気孔１２，１
５を介して乾燥した冷たい外気が内部空間４３内
に流れ込む。このようにして、フアン３の駆動に
より、内部空間４３内の空気が乾燥した冷たい外
気と入れ換えられるので、内レンズ板２２の曇り
は除去される。また、フアン３の駆動により内部
空間４３内には空気の移動が生じるが、これも曇
りの除去に対して有効に作用する。更に、フアン
３の駆動により内部空間４３にはゴーグル枠１の
通気孔１２，１５から外気が一様に侵入してくる
ので、睫が激しく揺れたり、あるいは、眼に強い
刺激が作用したりすることはなく、従つて、スキ
ーヤーに不快感を与えることはない。なお、滑走
を停止する直前に、電源装置６のスイツチ４４を
ON操作するようにすれば、ゴーグルレンズ２の
曇りの発生を未然に防止できる。ところで、スキ
ーヤーが視力矯正用眼鏡をかけてゴーグルを着用
している場合において、滑走を停止した際には、
内部空間４３内に流れ込む冷たい外気によつて冷
却されていた眼鏡のレンズに湿つた温かい空気が
触れることにより曇りが生じるが、この曇りもフ
アン３の駆動により上記同様に除去乃至はその発
生を未然に防止できる。なお、ゴーグルレンズ２
を内外２枚のレンズ板２２，２３から構成し、両
レンズ板２２，２３間に断熱層とされる内部空間
２４を形成しているので、ゴーグルレンズ２と顔
面間の内部空間４３内の気温と外気温の差が比較
的大きくても、ゴーグルレンズ２には曇りが生じ
にくく、これにより、フアン３として換気量の比
較的小さなものを用いることも可能となる。

本考案によれば、次のような作用効果を奏す
る。

取付台５を左右の爪３５，３６を介してゴー
グル枠１の上側周壁部１０に着脱自在に取付け
ているので、上側周壁部１０に対する取付台５
の取付け、取外しが容易であり、製作時におけ
る組立作業が容易である他、換気用フアン３、
電動機４の保守、点検等の作業を容易に行なう
ことができる。

取付台５の上部開口部２７の左右中央部に設
けた台部３３に上方から電動機４を取付け、こ
の電動機４の台部３３よりも下方に突出する出
力軸３９に換気用フアン３を設けているので、
台部３３に対する電動機４の取付けが容易であ
る。

上部開口部２７の左右中央部に台部３３を設
けて電動機４を取付けているにも拘らず、上部
開口部２７を左右方向に長く形成しているた
め、上部開口部２７の開口面積を十分広く取る
ことができる。

取付台５の台部３３の下方側に換気用フアン
３があるにも拘らず、取付台５の下側に、換気
用フアン３の下方に対応する換気口３４から左
右上方に広がる下壁３０を設けて、換気口３４
から取付台５の上部開口部２７に至る上方広が
り状の換気ダクトを形成しているので、この下
壁３０で換気用フアン３を下方側からおおうこ
とができ、換気用フアン３に指等が接触するこ
ともなく安全である。

換気口３４から取付台５の上部開口部２７に
至る上広がり状の換気ダクトを形成し、上部開
口部２７の左右中央部の台部３３に電動機４を
取付け、この電動機４で換気用フアン３を駆動
するようにしているので、換気用フアン３から
取付台５の上部開口部２７を経て直接外部に排
気でき、換気効率が非常に良好であると共に、
換気時に電動機４の両側を空気が流れることに
なり、電動機４の冷却効果が良好である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を例示し、第１図は全
体斜視図、第２図は全体平面図、第３図は一部除
去した要部斜視図、第４図は第３図の分解斜視
図、第５図は要部の縦側断面図、第６図は取付台
の取付構造を示す断面図である。 １……ゴーグル枠、２……ゴーグルレンズ、３
……フアン、４……電動機、５……取付台、６…
…電源装置、７……ゴムバンド、４３……内部空
間。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ゴーグルレンズ２を支持するゴーグル枠１の
   上側周壁部１０に、換気用フアン３とこれを駆
   動する電動機４とを備えた取付台５を設けたス
   キー用ゴーグルにおいて、ゴーグル枠１の上側
   周壁部１０の前後幅内に収まるように、取付台
   ５を左右の爪３５，３６を介してゴーグル枠１
   の上側周壁部１０に着脱自在に取付け、この取
   付台５に、外部に連通する上部開口部２７を左
   右方向に長く形成すると共に、この上部開口部
   ２７の左右中央部に設けた台部３３に上方から
   電動機４を取付け、この電動機４の台部３３よ
   りも下方に突出する出力軸３９に換気用フアン
   ３を設け、取付台５の下側に、換気用フアン３
   の下方に対応する換気口３４から左右上方に広
   がる下壁３０を設けて、換気口３４から取付台
   ５の上部開口部２７に至る上広がり状の換気ダ
   クトを形成し、取付台５上に、上部開口部２７
   に対応する通気孔２１を有するカバー体１７を
   設けたことを特徴とするスポーツ用ゴーグル。 (2) 取付台５の上部開口部２７の左右中央部に、
   その前後壁２８，２９を連結するように一対宛
   の板状部３１を介して台部３３を設け、この台
   部３３に、上方に開口する装備孔３８を形成
   し、この装備孔３８に上方から電動機４を装着
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のスポーツ用ゴーグル。 (3) 台部３３の下端に円板部３２を設け、この円
   板部３２の下方に換気用フアン３を設けたこと
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項ま
   たは第２項記載のスポーツ用ゴーグル。 (4) 取付台５の左右両端部に爪３５，３６を設け
   たことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
   １項記載のスポーツ用ゴーグル。 (5) 取付台５の上部開口部２７に対応してカバー
   体１７の下側面に、通気性を有する覆被材１６
   を設けたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のスポーツ用ゴーグル。