JPS63230632A - リポキシゲナ−ゼ代謝刺激剤 - Google Patents

リポキシゲナ−ゼ代謝刺激剤

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JPS63230632A
JPS63230632A JP6425987A JP6425987A JPS63230632A JP S63230632 A JPS63230632 A JP S63230632A JP 6425987 A JP6425987 A JP 6425987A JP 6425987 A JP6425987 A JP 6425987A JP S63230632 A JPS63230632 A JP S63230632A
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JP
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lipoxygenase
acid
docosahexaenoic acid
soluble
oil
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JP6425987A
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Hidehiko Hibino
日比野 英彦
Nobuo Fukuda
信雄 福田
Osamu Nakachi
仲地 理
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Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は医薬品製剤に関し、特にリポキシゲナーゼ代謝
産物の産生不足に起因する疾患の予防や治療に用いるリ
ポキシゲナーゼ代謝刺激剤に関するものである。
(従来の技術) 近年、細胞膜の構成成分であるリン脂質のグリセロール
骨格の2位にエステルとして結合しているアラキドン酸
は、細胞膜に対する種々の刺激に応じて遊離型脂肪酸と
なり、シクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼの基質
となり、プロスタグランディン、トロンボキサン、ロイ
コトリエンやリボキシンに酵素的に転換されることが証
明されている。
特にアラキドン酸の炭素鎖の特定位置のみに酸素を添加
する酵素であるリポキシゲナーゼが、血小板や白血球、
リンパ球などの細胞質中に存在することが注目され始め
た。−リポキシゲナーゼは、アラキドン酸の炭素の5.
 8. 9.11.12.15位にヒドロペルオキシ基
を導入して、ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸と
呼ばれるヒドロペルオキシ酸をつくり、このものは、不
安定で水酸基ラジカルを放出してヒドロオキシエイコサ
テトラエン酸と呼ばれるヒドロキシ酸に変化する。
自己免疫疾患などの免疫異常においては、各種の免疫担
当細胞の機能低下が知られている。これらの免疫担当細
胞の活性九進には、免疫異常の予防および治療から多大
の期待がかけられているが、満足すべき薬剤の開発が進
んでいない。
(発明が解決しようとする問題点) リポキシゲナーゼ代謝産物としては、5−リポキシゲナ
ーゼによって5−ヒト゛ロペルオキシエイコサテトラエ
ン酸に変換された後に、ロイコトリエンA4を経由して
、5位に水酸基を持ち、6位にグルタチオンのシスティ
ン部分の硫黄がチオエーテル結合しているロイコトリエ
ンC4〜F4の一連の化合物が平滑筋の収縮、血管透過
性や粘膜分泌の亢進に関与することで有名である。
12−リポキシゲナーゼの代謝産物の12−ヒドロペル
オキシエイコサテトラエン酸や、12−ヒドロオキシエ
イコサテトラエン酸や、5 (S)、 12(S) −
ジヒドロオキシ−6,10−)ランス−8,14−シス
−エイコサテトラエン酸は、白血球遊走作用、好中球誘
引作用、血小板のトロンボキサン合成阻害作用などの多
彩な生理作用を示す、さらに、免疫担当細胞が発現する
機能のうち、ナチュラルキラー細胞抑制、スーパーオキ
サイド産生、脱顆粒、プロティンキナーゼC活性化の作
用を司るリボキシンは、5−115−リポキシゲナーゼ
によって生成された5 (S)、 15(S)−ジヒド
ロオキシ−6,10−トランス−8,14−シス−エイ
コサテトラエン酸に、再度各リポキシゲナーゼが作用し
たトリヒドロキシアラキドン酸誘導体である。
以上に述べた如くアラキドン酸のリポキシゲナーゼ代謝
産物は、免疫機能に非常に強く関与していることが知ら
れている。
しかしながら、アラキドン酸の5−リポキシゲナーゼ産
物の5−ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸を経由
するロイコトリエンが平滑筋収縮比活性において、ヒス
タミンよりも1 、000倍強く、さらに血管透過性亢
進を惹起し、粘膜浮腫や粘膜への細胞浸潤を促し、粘液
分泌を亢進することから炎症や喘息の原因物質と考えら
れるようになった。
さらに生体内の過酸化脂質が内皮障害により動脈硬化病
巣の形成原因物質であり、その産生は、動脈硬化の原因
とも考えられている。
これらの理由により、生体内の過酸化代謝物の産生全般
を危険視するため、多くのりポキシゲナーゼ阻害剤やロ
イコトリエン産生産物の抑制が多数提案され、リポキシ
ゲナーゼ代謝産物の抑制が各病態で必須条件であるかの
如(考えられている。
しかしながら、最も危険視されている気道収縮、喘息発
作に関与している物質としては、ロイコトリエンを始め
として、ヒスタミン、PAF、)ロンホキサンA!、プ
ロスタグランディンF t&、最近は、プロスタグラン
ディンD2も原因物質として注目されている。従って、
特異的にロイコトリエンの合成を阻害するものやアンタ
ゴニストが作られても、それで本当に喘息の治療が解決
できるか疑問である。
現在の如くロイコトリエン産生阻害薬を全身投与すると
、全身のロイコトリエン産生を阻害することにより、何
らかの予期せぬ副作用を生じる可能性がある。事実、ロ
イコトリエンが脳内で神経内分泌に重要な役割を担って
いることが明らかになった。
結局、リポキシゲナーゼ代謝産物のあるものが、白血球
を誘引し、活性化させる。しかし、ロイコトリエンが異
常に増えると、喘息やアレルギー免疫が引き起こされる
ので、この阻害剤の検討例はあるが、リポキシゲナーゼ
代謝を刺激する例は非常に少なく、こうした薬剤の開発
が待たれている。
本発明者らは、リポキシゲナーゼ代謝産物の産生低下に
起因する疾患に対する予防治療薬を探索した結果、ドコ
サヘキサエン酸とドコサヘキサエン酸誘導体が、血小板
、白血球でリポキシゲナーゼをきわめて強力に刺激し、
その代謝産物の産生を亢進することにより、リポキシゲ
ナーゼ代謝産物の産生低下に起因する疾患の予防治療薬
として有用であることを見出し、本発明を完成した。
(問題点を解決するための手段) すなわち、本発明の代謝刺激剤は、リポキシゲナーゼ刺
激活性を有するドコサヘキサエン酸またはその誘導体を
含有することを特徴とする。
本発明に使用されるドコサヘキサエン酸は、水産動物油
や海産クロレラ等の藻類、卵黄脂質、哺乳類の血球や肝
臓の脂質中に存在することが知られ、これらの単離法も
多数報告されている。
ドコサヘキサエン酸の誘導体には、脂溶性化合物として
トリグリセリド化物、エチルエステル化物、リン脂質化
1’J 、コレステロ°−ルエステル化物、トコフェロ
ールエステル化物、3−アミノメチルピリジンアミド化
物等があり、水溶性化合物としては、α−アミノ酸誘導
体化物がある。
ドコサヘキサエン酸およびドコサヘキサエン酸誘導体は
、極めて毒性が低く、経口、静注、腹腔投与による急性
毒性から得られるLD、。は、その物理的投与限界量ま
で安全であり、長期間に及ぶ大量投与でも止血時間の延
長が一部に報告されているのみである。
リポキシゲナーゼは、カルシウム依存性であり、アデノ
シントリホスフェートやアデノシンジホスフェートの如
き細胞由来ヌクレオチドで活性化される。その他、細胞
内の数種の蛋白質性因子がアクティベーターとして発見
されているが、外来の刺激因子に関しては、白血球に対
して免疫的刺激、血小板に対してはトロンビン刺激がリ
ポキシゲナーゼ代謝を亢進することが知られているのみ
である。
そこで本発明者らは、エイコサペンクエン酸がリポキシ
ゲナーゼによって、ヒドロペルオキシ酸、ヒドロキシ酸
、5型ロイコトリエンに変換されるがリポキシゲナーゼ
代謝は、それほど強く抑制しないことが知られているの
で、ドコサヘキサエン酸も同様の作用を示すものと考え
た。ドコサヘキサエン酸は、シクロオキシゲナーゼの基
質にはなりえず、かつシクロオキシゲナーゼ反応を強く
抑制する。一方、ドコサヘキサエン酸は、リポキシゲナ
ーゼの基質にはなりえるがリポキシゲナーゼ反応に対す
る効果は、これまで不明であった。
ドコサヘキサエン酸およびドコサヘキサエン酸誘導体の
作用がエイコサペンタエン酸と同様の作用を有するか否
かを確認するために、次のような検討を行った。
ラットの多血小板血漿をアデノシンジホスフェートによ
って誘導される血小板凝集に対しては、ドコサヘキサエ
ン酸、ドコサヘキサエン酸誘導体およびエイコサペンク
エン酸は、いずれも50μg/ m1以上でも凝集抑制
は認められなかった。
培養血管内皮細胞からのプロスタグランディンI2放出
に関して、5〜20μg’/dで、エイコサペンクエン
酸は、60%程度の放出抑制が観察されたが、ドコサヘ
キサエン酸やドコサヘキサエン酸誘導体には、10〜2
0%程度の放出抑制が認められたのみである。
プロスタグランディンI2は、各種の生物活性が知られ
ており、特に免疫作用に関与するアナフィラキシ−の抑
制、血管透過性凡退、あるいはライソゾーム膜安定化へ
の応用が期待されている。
ドコサヘキサエン酸やドコサヘキサエン酸誘導体がプロ
スタグランディンI2産生に影響しないので生化学的に
好ましい物質である。
血小板から生成されて、血小板凝集を促進するトロンボ
キサンB2の合成に及ぼすドコサヘキサエン酸、ドコサ
ヘキサエン酸誘導体、エイコサペンクエン酸の影響につ
いて、ラット洗浄血小板を用いて検討した。
4μgのアラキドン酸から産生されるトロンボキサンB
zMは、1μgのエイコサペンクエン酸で生成量の70
%が生成阻害される。ドコサヘキサエン酸やドコサヘキ
サエン酸誘導体は、同−景で、トロンボキサンB2生成
量の40%しか生成阻害しないことが再確認された。
シクロオキシゲナーゼ代謝に対して、ドコサヘキサエン
酸は、エイコサペンクエン酸に類似した効果を持つが、
エイコサペンタエン酸よりもその効果は弱いと考えられ
た。そのため、リポキシゲナーゼ代謝に関しても同様の
傾向を示すものと考えていた。
しかし、本発明者らは、トロンボキサンB2の合成に対
する効果を測定する際に、予想外の現象を見出した。
血小板によるトロンボキサン82合成の測定は、血小板
とラベル化したアラキドン酸をインキユベートシ、その
反応液のエーテル抽出物を薄層クロマトグラフィーで分
離して得た後、オートラジオグラムで行われる。この際
、アラキドン酸は、トロンボキサンB2以外に、12−
ヒドロキシ−5゜8.10−へブタデカトリエン酸や1
2−ヒドロキシエイコサテトラエン酸や12−ヒドロペ
ルオキシエイコサテトラエン酸に代謝され□て、それら
がオートラジオグラム上に現れる。何故なら、血小板に
は、トロンボキサンA3合成系と12−リポキシゲナー
ゼ系の二つのアラキドン酸代謝経路が存在するからであ
る。
特に12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸の量がエイ
コサペンクエン酸とドコサヘキサエン酸群に差のあるこ
とに注目して詳細に測定した結果、エイコサペンクエン
酸は、12−ヒドロキシエイコサテトラエン酸の産生量
を25%も抑制するが、ドコサヘキサエン酸群は、逆に
30〜40%も産生を促進することが判った。そこで、
他の細胞におけるリポキシゲナーゼ代謝を検討するため
、ラット好塩基性白血病細胞、すなわち、RBL−1細
胞に対するエイコサペンクエン酸やドコサヘキサエンM
群の効果を調べた。RBL−1細胞は、5−リポキシゲ
ナーゼに始まるロイコトリエンの生合成系をもち、可溶
性画分に12−リポキシゲナーゼが存在し、培養によっ
て多くの均一な細胞を得ることができる。
この白血球に対するエイコサペンタエン酸やドコサヘキ
サエン酸群の効果は、血小板に対する効果と全く同一の
傾向を示した。1μgのアラキドン酸から産生される5
−ヒドロオキシエイコサテトラエン酸量、12−ヒドロ
オキシエイコサテトラエン酸量、5 (S)、 12(
S)−ジヒドロオキシ−6゜10−トランス−8,14
−シス−エイコサテトラエン酸量は、18gのエイコサ
ペンクエン酸で、その産生量を20〜40%も抑制する
が、ドコサヘキサエン酸群は、逆に30〜100%も産
生を促進することが判った。すなわち、エイコサペンタ
エン酸は、血小板や白血球の5−リポキシゲナーゼ、1
2−I7ボキシゲナーゼを共に抑制的に作用するが、ド
コサヘキサエン酸群は、両者に促進的に働いていること
が判った。現在まで、これら両方の酵素の活性をあげる
物質は、見つかっていなかった。
(発明の効果)  ・ 本発明によって提供されるリポキシゲナーゼ代謝刺激剤
は、ドコサヘキサエン酸、油溶性ドコサヘキサエン酸誘
導体、水溶性ドコサヘキサエン酸誘導体を含有するので
、リポキシゲナーゼ代謝産物の産生不足に起因する疾患
め予防や治療に有用である。
ドコサヘキサエン酸と油溶性ドコサヘキサエン酸誘導体
は、そのもの単独あるいは、各種の油溶性物質と相溶さ
せて、軟カプセルにすることができ、乳化剤や高圧乳化
機を使用すれば、乳剤、輸液、粉末製剤等ができる。
特に水溶性ドコサヘキサエン酸誘導体は、注射用蒸留水
への溶解のみで注射剤となり、さらにこの油分量やグリ
セリン量を調整すれば、強力な乳化剤や超音波乳化機を
使用せずに、予防治療剤としての脂肪輸液が調製できる
(実施例) 以下、調製例、実施例および試験例を示して本発明をさ
らに具体的に説明する。
ここで使用したドコサヘキサエン酸は、アプライドサイ
エン又社製、ドコサヘキサエン酸エチルエステルは、日
本油脂型のDHA−90E (00面積値95.7%)
である、水溶性ドコサヘキサエン酸誘導体であるドコサ
ヘキサエン酸のし一α−アミノ酸誘導体の調製法を以下
に記す。
!IJ製法 窒素雰囲気下でL−グルタミン酸14.7 g(0,1
モル)を、60%含水アセトン中に溶解した。その溶液
に攪拌下、水酸化ナトリウム8.0 g (0,2モル
)を加えて水冷(2〜5℃)下で反応し、反応液が透明
な二相になるまで行い、L−グルタミン酸ジナトリウム
溶液とした。次に30%水酸化ナトリウム水溶液20d
 (0,15モル)とドコサヘキサエン酸クロライド4
1.6 g (0,12モル)を各々滴下漏斗を通して
同時に約40分かけて滴下した。さらに水冷下で2時間
攪拌すると白濁し、一部結晶が析出した0次いで50〜
60℃で1時間加熱還流し、反応物に水300−を加え
、6N塩酸40dでpH1に調整した0反応液中の澄明
なアセトン層を分取し、溶媒を留去してから、この固形
残渣を少量のエタノールに溶解し、無水硫酸ナトリウム
層に通して不溶物を濾別した。この沈澱物をさらに大量
のエタノールで稀釈し、10%水酸化ナトリウム溶液で
pH11に調整し、沈澱が生じたことを確認してから、
エタノールを留去してN−ドコサヘキサエノイル−し−
グルタミン酸ジナトリウム塩の白色粉末状結晶を43.
7 g得た。
分析値 IRニジM、、 (cm−’ ) 1300.
1420゜1650、1550.1050〜940cm
−’孤立トランス異性体 痕跡 UV:233++l  共役ジエン酸 5%268mμ
 共役トリエン酸O% FAB−MS:  (M+H)″ 502キャピラリー
カラムGC:カーボワックス20M。
液相50m、 200℃恒温分析。
加水分解して得たドコサヘキサエン酸をジアゾメタン法
でエステル化した。二重結合のマイグレーションが原因
となるアーティファクトに由来するピークの崩れやシフ
トは認められなかった。
物性:注射用蒸留水に室温で完全溶解し、その溶液は無
色透明であった。
バイオアッセイ: 0.088モルのN−ドコサヘキサ
エノイル−し−グルタミン酸ジナトリウムの95%エタ
ノール溶液を47mM燐酸緩衝液(p H7)で稀釈し
た。ダイズリボキシゲナーゼ(シグマ社製)を、緩衝液
で1■/M#1に溶かした0反応は、基質濃度0.00
1 Mに対し、酵素10.000単位/−を加え、25
℃で5分間行った。氷冷したエチルエーテル/メタノー
ル10.2 Mクエシ酸(30/40/1. v/v)
で酸性(pH4)にすることによって反応を停止させた
。有機相からエチルエーテル中の反応生成物を抽出回収
した。低温でシリカゲルの薄層クロマトグラフィープレ
ートに回収した有機相を4℃以下でスポットし、石油エ
ーテル/エチルエーテル/酢酸(15/8510.1.
 v/v)の溶媒で、−10℃の冷凍庫に展開槽ごと入
れて、50分間展開した。プレートは、沃素蒸気に暴露
する方法で発色した。
その結果を第1図に示す0図に示すように、N−ドコサ
ヘキサエノイル−し−グルタミン酸ジナトリウムのドコ
サヘキサエン酸は、リポキシゲナーゼによって、正常な
ドコサヘキサエン酸として基質認識された。
試験例1 ラットの好塩基性白血病(RBL−1,ATCCNo、
 CRL 137B)細胞を白血球として用い、この細
胞と、エイコサペンクエン酸、ドコサヘキサエン酸、ド
コサヘキサエン酸エチル、N−ドコサヘキサエノイル−
グルタミン酸ジナトリウムとを反応させた。
RBL−1細胞は、燐酸緩衝液を含む生理食塩水で2〜
3回洗浄し、浮遊液とした。PBL−1細胞(0,2X
106個)をディツシュにまき、5日目に細胞を集め、
2X10’個の細胞を2n+Hの塩化カルシウム、10
μ門カルシウムイオン−イオノフオアA23187.1
n (1−”C)アラキドン酸と、30℃で10分間反
応させ(総量200μm)、氷冷したエチルエーテル/
メタノール10.2 Mクエン酸(30/40/1゜v
/v)を0.3−加えて反応を停止し、有機層に反応生
成物を抽出した。4℃でシリカゲル薄層クロマトグラフ
ィープレートに有機層をスポットして、石油エーテル/
エチルエーテル/酢M(15:85:0.1. v/v
)の溶媒で、展開槽ごと一10℃で50分展開した。
展開プレートは、ラジオクロマトグラフィーで放射能の
分布を調べ、標準試料でRf値が確認されている5−ヒ
ドロキシエイコサテトラエン酸(5−HHTE)、 1
2−ヒドロキシエイコサテトラエン酸(12−HETE
) 、5 (S)、 12(S)−ジヒドロキシ−6,
10−トランス−8,14−シス−エイコサテトラエン
酸(5,12−DHETB)の位置の放射能ピーク量を
コントロール量とした。上記と同一条件にて、RBL−
1細胞と1n(1−”C)アラキドン酸および試験試料
1■を同時に反応させ、各代謝物の放射能ピーク量を測
定した。ラベル化アラキドン酸単独時の各代謝産物の放
射能量をコントロール量とし、その量を100として試
験試料を併用した場合の放射能量を表示した。その結果
を第1表に示す、この表に示すように、エイコサペンク
エン酸は、各リポキシゲナーゼに対して阻害作用を示し
ているが、ドコサヘキサエン酸群は、各リポキシゲナー
ゼに対して促進作用を示す刺激剤であることが明らかに
なった。このように5−リポキシゲナーゼと12=リポ
キシゲナーゼの両方に特異性を示す化合物の報告は今ま
でに見られなかったものである。
第1表 コントロール    100   100   100
ドコサヘキサエン酸 174   158   130
試験例2 3.8%のクエン酸ナトリウム水溶液を加えたラット血
液を室温で15分間、1200 rpmで遠心分離を行
い、多血小板血漿を調製した。多血小板血漿1−に4μ
g  (1−+4C)アラキドン酸を加え、30℃で4
時間反応した。反応後、多血小板血漿を15分間300
Orpmで遠心分離を行い、血小板中に取り込まれた放
射活性を測定した。
得られた血小板にあらかじめ一20℃に冷やしたエチル
エーテルを加え、ポルテックスミキサーで30秒攪拌し
た。4℃で3分間120Orpmで遠心分離を行った後
、有機層をミクロピペットで薄層クロマトグラフィーの
端から2cmの位置に4℃でスポットした。エチルエー
テル/石油エーテル/酢酸(85/15/ 0.1. 
v/v)を展開溶媒として、展開槽ごと一10℃の冷凍
庫で50分展開した。フジX線フィルムに薄層クロマト
グラフィーを密着させ、XvAフィルム用カセントの中
で一晩暴露してオートラジオグラムを得た。標準試料で
Rf値が確認されているトロンボキサンB2と12−ヒ
ドロキシエイコサテトラエン酸(12−H1l!TE)
の位置の放射能量をコントロール量とした。上記と同一
条件にて、多血小板血漿1−に−4μg  (1−14
C)アラキドン酸および試験試料1μgを同時に反応さ
せ、各代謝物の放射能量を測定した。ラベル化アラキド
ン酸単独時の各代謝物の放射能量をコントロール量とし
、その量を100として試験試料を併用した場合の放射
能量を表示した。
その結果、第2表に示すように、エイコサペンクエン酸
やドコサヘキサエン酸群はシクロオキシゲナーゼからト
ロンボキサン合成酵素のいずれかの段階を阻害し、その
阻害程度はエイコサペンクエン酸の方がドコサヘキサエ
ン酸群より約2倍強く阻害することから血小板凝集抑制
効果はエイコサペンクエン酸の方が強く、ドコサヘキサ
エン酸群にはこの効果が低いと思われる。エイコサペン
クエン酸は、アラキドン酸のシクロオキシゲナーゼ代謝
は強く抑制し、リポキシゲナーゼは弱く抑制することは
従来の報告と一致する。
しかし、ドコサヘキサエン酸群は、シクロオキシゲナー
ゼを弱く抑制するのに対して、12−リポキシゲナーゼ
に対して促進作用を示す刺激剤であることが明らかにな
った。このようにドコサヘキサエン酸が血小板の12−
リポキシゲナーゼを特異的に刺激するという報告は今ま
でに見られなかった。
第2表 コントロール    100     100ドコサヘ
キサエン酸  56      130試験例 血、 シクロオキシ゛ −ゼに・ る  の2ラット培
養動脈平滑筋細胞からのプロスタグランディンI2放出
に関する測定をした。測定方法は、アイ・モリタ(1,
Morita)らが報告した方法に従った(Lipid
、 18. (1) 42〜49. (1983))。
正常培養条件下で、37℃にて、10%ウシ胎仔血清を
補給した1−の培養液中(直径30mmのペトリ皿)に
本細胞および本細胞と試験試料5〜20pg/−を添加
して一夜培養した。この培養細胞を無血清イーグルの最
小必須培養液で2回洗浄し、さらに10%ウシ胎仔血清
を補給された1艷の培養液で正常条件下で18時間再培
養した。その後、培養液中に放出された6−ケト・プロ
スタグランディンFICx(プロスタグランディン■2
の加水分解産物)をラジオイムノアッセイで測定した。
その結果を第3表に示す。この表は、血管シクロオキシ
ゲナーゼに対する作用を示しており、表に示されている
ように、エイコサベンクエン酸はシクロオキシゲナーゼ
からプロスタグランディン■2のいずれかの段階を阻害
するが、ドコサヘキサエン酸群はかなり多量に添加して
もその阻害は少ない。すなわち、血管から免疫に至る広
い生物活性を示すプロスタグランディン■2の血管平滑
筋(大動脈)での産生能をドコサヘキサエン酸群は、低
下させないことが明らかになった。
第3表 コントロール          1.4以上の如くド
コサヘキサエン酸とドコサヘキサエン酸誘導体とは、そ
の生理活性効果に差がなく、リポキシゲナーゼに関して
も全くエイコサペンクエン酸と異なる生物活性を示し、
その刺激剤となることがわかった。
実施例1  く軟カプセル剤〉 ドコサヘキサエン酸5,000 gを真空脱気し、窒素
気流下において、10%のグリセリンを含むゼラチンカ
プセルのオパール型に常法により、1カプセル当りドコ
サへキサエン酸を330 mgずつ充填し、軟カプセル
剤とした。
実施例2  く注射液〉 N−ドコサヘキサエノイル−し−グルタミン酸ジナトリ
ウム400gと局方グリセリン100gを注射用蒸留水
に混合して全液量を41にして、145℃にて3秒間、
超高温瞬間加熱(Ul(T)殺菌装置で殺菌後、10m
1ずつ褐色透明アンプル中に真空充填し、1アンプル当
り本則が1 、000mg含まれる注射液とした。
実施例3 く脂肪輸液) ドコサヘキサエン酸エチルエステル400gト局方グリ
セリン100gと卵黄リン脂質48gを80℃に加熱し
た注射用蒸留水に加えて全液量を41にした。この混合
液をホモミキサーで分散させ、さらに二段式高圧噴射ホ
モゲナイザーにて精乳化した。
この液を145℃にて3秒間、超高温瞬間加熱(OHT
)殺菌装置で殺菌後、100−ずつ三層ラミネートのピ
ュアバック包装中に真空充填し、1パフク当り本則が1
0g含まれる脂肪輸液とした。
実施例4 く粉末製剤〉 5gのリン酸水素二ナトリウムを1.51の水に溶解し
、この液を80℃に加熱しながら110 gのカゼイン
ナトリウム、70gの大豆蛋白質、20gの全卵粉末、
650gのデキストリンおよび7゜5gのN−ドコサヘ
キサエノイル−し−グルタミン酸ジナトリウムを加え、
その混合液をホモミキサーで分散させた後に、2gの卵
黄リン脂質を含むドコサヘキサエン酸140.5 gを
、上記の水溶液に混合し、規定のビタミン製剤やミネラ
ル製剤をはかりとった。この製剤の固形分100gに対
する栄養素組成が蛋白質20g、糖質65g、脂質15
gに調整した。
この混合物を145℃にて3秒間、超高温瞬間加熱(U
 HT)殺菌装置で殺菌後、二段式高圧噴射ホモゲナイ
ザーにて精乳化した。さらにアトマイザ一式噴霧加熱乾
燥機で約800gの粉末製品を得て、10gずつ三層ラ
ミネート包装中に真空充填し、1バック当り本則が1.
48g含まれる粉末製剤とした。
この粉末製剤は、水に易溶性であり、25%水溶液とす
ると、この溶液のエネルギーは、1kcal/+dで、
粘度も20 c、p、以下である点から、経管栄養素組
成液剤として用いた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、15−ヒドロペルオキシドコサへキサエン酸
(15−ヒドロペルオキシDHA)とドコサヘキサエン
酸(DHA)の薄層クロマトグラフィーの展開図である
。 図面の浄古(内容に変更なし) 第1図 展 間y巨ル屹 [cml 手続補正書 昭和62年 6月 1日 特許庁長官  黒  1) 明  雄  殿1、事件の
表示  昭和62年特許願第64259号2、発明の名
称 リポキシゲナーゼ代謝刺激荊 3、補正をする者 :″! 事件との関係 特許出願人 東京都千代田区有楽町1丁目10番1号(434)日本
油脂株式会社 代表者岡本甲子男 4、代理人

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)リポキシゲナーゼ刺激活性を有するドコサヘキサ
    エン酸またはその誘導体を含有するリポキシゲナーゼ代
    謝刺激剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2628419A1 (fr) * 1988-03-09 1989-09-15 Biorex Kft Nouveaux sels antiviraux, compositions pharmaceutiques les contenant et procede pour les preparer
CN104193640A (zh) * 2014-07-31 2014-12-10 石家庄海力精化有限责任公司 一种n-乙酰-l-谷氨酸的制备方法

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