JPS6323049A - 同期装置のクラツチギア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は自動車等に用いられている歯車変速機内におい
て円滑な変速を実現する同期装置の主構成部品であるク
ラッチギアに関する。

（従来の技術） 歯車のかみ合わせによ〕変速を行う歯車変速機において
は、一方の歯車の周速度が相手方の歯車の周速度と同期
しなければ変速の際に騒音を発し、時には歯の損傷を招
くこともある。そこで、歯車をかみ合わせる際に、双方
の歯車の周速度を同期させるための同期装置が従来よシ
用いられている。

第３図を用いて同期装置１の作動を説明する。

尚、図中の一点鎖線は回転中心軸を示す。まず、シフト
レバ−（図示せず）を動かすことによ逆回転するスリー
ブ２が矢印（→）方向へ移動するとシンクロナイザキー
３はシンクロナイｆ　ＩＪソングに当接し、これを押す
のでシンクロナイザリング４の内周テーパ面４０は相手
部材としてのクラッチギア５のコーン部５０に押し付け
られ、そのとき生じる摩擦力によってギア５は回り始め
る。そしてスリーブ２が矢印（→）方向へ更に移動する
とよ）大きな摩擦力が発生し、スリーブ２０回転とギア
５の回転はほぼ同じ周速度になる。同期が完了し、スリ
ーブ２とギア５の相対速度差が無くなっ次状態でスリー
ブ２を更に矢印（→）方向へ移動でせるとスリーブ２の
スプライン２１とギア５のスプラインチャンファ５１と
が噛合って変速が終了する。

シンクロナイザリング４は外周にスリーブ２のスプライ
ン２１と噛合う次めのシンクロスプラインチャンファ４
１全有し、内周テーパ面４０には同期化に引き込む所要
の摩擦係数を確保するための凹凸状トップランドが形設
されており、摺動時の摩擦力に耐えうるように黄銅又は
青銅系の特殊鋼合金で作られている。一方その摺動相手
部材であるクラッチギアは、母材がクロム鋼（ＪＩＳ　
　ＳＣｒ　　４２０　）、りｏ　Ａ　％　Ｕ　フデン鋼
（ＪＩＳ　　ＳＣＭ　　４２０）等でできており、それ
を浸炭焼入れして作られている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、最近のように小型軽量化された同期装置
では、同期化するのに必要な仕事量が大きくなって、シ
ンクロナイザリング内周のテーパ面に形設されているト
ップランドトキアコーン部との接触面圧が高くなる友め
に、トップランド及びギアコーン部の摩耗が激しくなっ
てきている。この摩耗は坂道が多いため変速操作が多く
な）がちな地域を走る自動車や高速回転化が図られてい
る自動車において著しい。

そして上記の摩耗が進行するにつれて、シンクロナイザ
リングとクラッチギアのシ１ルダークリアランスω（第
３図）が零となり几シ或いはギアコーン部の摺動面が鏡
面化して、摺動部位の摩擦係数が低下し、シンクロ不良
に至るという問題がある。

その対策として特に摩耗されやすいトップランドを硬化
するために、シンクロナイザリング内周テーパ面に、Ｍ
ｏ（モリブデン）、ＡＩ（アルミニウム）−８ｔ（ケイ
素）　、ＡＪ−８ｔ−Ｍｏ、Ｆｅ　（鉄）　−Ｃｒ　（
クロム）　、Ｆｅ−Ｃ（炭素）等の溶射層を形成させる
ことが試みられている。

しかしその場合はシンクロナイザリングのトップランド
の摩耗は減少するものの、相手部材のギアコーン部表面
の摩耗が、従前の銅合金層との摺動に比べて、著しく増
大するため、上記の溶射層形成は同期装置の耐久寿命の
向上に十分寄与していない。

また、ギアコーン部の摩耗粉は、変速機内のベアリング
のピッチング寿命を短かくシ、すらに摩耗にともなって
騒音が大きくなるという問題がある。

本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、優れ九耐摩
耗性を示し大きな摩擦係数を維持しえるギアコーン部を
有する、同期装置のクラッチギアを提供することを目的
とする。

（問題点を解決するための手段） そのため本発明のクラッチギアはシンクロナイザリング
と摺動するギアコーン部の母材が炭素（Ｃ）α４〜１．
４重量％、クロム（Ｃｒ）４〜２３重量％、モリブデン
（Ｍｏ）α１〜６重量％、バナジウム（ｖ）２重ｆｆチ
以下及び残部鉄（Ｆｅ）よりなる鋼材であって、その摺
動部位には窒化もしくは軟窒化による硬でＨｖ　６００
以上で厚て１５μｍｂ上の硬化層が形成されているとと
もに最表層のポーラス層が除去されていることを特徴と
する。

以下に更に詳しく説明するが、これ以降間は特記しない
限り重量％を表わす。

母材中のＣはα４チ以下では基地がフェライトもしくは
オーステナイト組織になシ、硬さが低く充分な耐摩耗性
が得られない。逆ＫＣが１．４−以上を超えると炭化物
粒径が犬きくなシすぎて相手部品（シンクロナイザリン
グ）の摩耗を増大させるという欠点が現れ、マ几自身の
熱間成形性の低下が問題となる。

その他の含有成分Ｃｒ及びＭｏについてもＣの場合と同
様に、それぞれ上述した範囲以下の含有率では所望の硬
さが得られず、また多すぎるとその硬い炭化物によって
相手部材を摩耗させるので好ましくない。またＶは必須
成分ではないが基地を強化する几めに加えてよいもので
ある。しかし多すぎると相手部材を摩耗させるので５チ
以下にとどめることが肝要である。

上記の窒化および軟窒化はガス法、塩浴法、プラズマ法
のいずれの方法を用いてもよく、常法に従って行なって
よい。該熱処理で、硬嘔Ｈｖ　６００以上の硬化層を厚
さ１５μｍ以上形成させるととＫより必要とする使用寿
命を確保できる。

ま几、窒化もしくは軟窒化によって生じる最表面のポー
ラス層の除去については通常の研摩加工、シｌットプラ
スト、液体ホーニング、パフ研摩等の、機械的な研摩あ
るいは化学的な薬品による除去のいずれの方法によって
も良い。

加工後の表面あらさけ従来と同程度のＲｚ　５μｍ前後
でよい。

（作　　用） 母材を高炭素、高クロム鋼とし友ことＫよりＣｒｏＣａ
、　ＣｒｙＣｓ　　といりたクロム炭化物が晶出すると
ともに、固溶しているＣ＋Ｃｒの濃度上昇によって基地
が強化される几め耐摩耗性が著しく向上する。それとと
もに炭化物による引りかかシによシ、摺動面の摩擦係数
が増大し、摩擦特性が向上する。

ま几、非常に硬さが高く、もろい性質を有するポーラス
層を除去し大、ことによ）相手部材の摩耗が減少する。

従ってシンクロ容量およびシフトフィーリング（よシ低
いシフト操作力）を向上させる。

（実　施　例） 以下に本発明の、同期装置のクラッチギアの実施例につ
いて、比較例及び性能試験とともに説明する。

実施例１〜８ 実施例１〜８としてそれぞれ第１表に示すような組成の
鋼材を用いてクラッチギアの未熱処理品を製造し几。次
いでそれらをアンモニアガス雰囲気中てて５００〜６５
０℃に数時間加熱保持した。該窒化処理によって形成さ
れる硬化層の厚さは保持時間によって決まシ、１時間に
３０μｍ前後形成させることができる。次いで窒化処理
によシ生じた最表層の白眉（ｇ−ＦｅｓＮのポーラス層
）を常法の研摩加工によシ部分的に取シ除いた。即ち、
シンクロナイザリングと摺動する部位のポーラス層を除
き、その他の部位の白筒　　１　　表 層は残した。摺動部位のポーラス層を除くのは、該層が
シンクロナイザリングと摺動して容易に脱落し、比較的
硬さの低いシンクロナイザリングチャンファ４１（第３
図）を異常に摩耗するので、それを除ぐ九めである。一
方、ギアのチャンファ５１では相手スリーブのスプライ
ン２１がシンクロナイザリング４と異なシ硬さの高い３
（：’ｒ４２０鋼を浸炭焼入れしたもので、白層があっ
ても該チャンファ５１を異常摩耗させる心配がなく、む
しろ相手スリーブ２のスプライン２１との摺動によシ早
期になじみ面が形成され、摺動する際のエッヂ（チャン
ファ加工時ノパリ等）による引りかかシが無くな）、シ
フトがよシスムースに行なえるのでチャンファ５１部に
あるポーラス層は残し次男が優れた特性が得られる。な
お、該白眉の硬さは合金成分量が多くなるほど高くなり
、実施例１ないし７の白眉の硬さはＨｖ　９００ないし
１３００であった。。

非摺動部位の表層断面組ａは第１図及び第２図（第１図
のＡ部拡大図）のようになっている。

最表層にε−Ｆ　ｅ　３　Ｎ３化合物でできた白層Ｉが
形成され（第２図中、Ｉｂは化合物層、Ｉａはポーラス
層）、その下に炭窒化クロムＣｒ（Ｎ、　Ｃ）　６　ヤ
炭窒化鉄Ｆｅ５（Ｃ，Ｎ）７を生じた硬化層（拡散層）
■が形成されている。その下は窒化の及んでいない層■
で、８はクロム炭化物ＣｒｔＣｓである。

硬化層■中の炭化物６．７の大きさ及び量は。

母材中のＣ及びＣｒの含有量に比例する九め実施例７が
最も炭化物が多く分布する事になカ、摩擦係数もよシ高
く且つ安定したものとなる。

比較例 比較例として従来品を用い几。これはＪＩＳＳＣｒ４２
ｏ鋼を母材とするもので実施例と対比しやすいようにそ
の組成を第１表に示し友。この比較例は浸炭焼入れ品で
あシ、実施例との性能比較の友め、下記のシンクロ耐久
試験に供し友。

シンクロ耐久試験 実施例１〜８及び比較例の各クラッチギアを同期装置に
取付け、該装置を用いてトランスミフシ１ンを組立て、
以下の条件でシンクロ耐久試験を行なっ友。

シフト位置　：　セカンド→サード 車　　　　速　　：　　　７０７ａ／ｈシフト操作カニ
　レバー上６使 潤滑油（油温）：　通常のギア油（６０〜７０℃）なお
、本同期装置における、シンクロナイザリングのトップ
ランド摩耗とギアコーン部の摩耗によるショルダクリア
ランス変化の許容値は１６Ｂで、摩擦面のテーパ角θ（
第３図）は６ａ５０’である。

該試験結果ならびに顕微鏡観察によるｍａ中炭化物の平
均粒径の測定結果を第２表に示す。

第２表 第２表から、本実施例の各ギアはギアコーン部の摩耗が
著しく少なく、シンクロ寿命を現行の１＆５万回から少
なくとも２５万回まで延長できることが判る。そして、
シンクロ押し付は回数によるショルダークリアランスの
変化量が通常２５万回でｌ１５Ｂであることを勘案して
も、本実施例のギアの摩耗の少なさが判る。

ま几、本実施例のギアは比較例より高い摩擦係数を有し
、特に摩擦係数が一般的な許容値［１Ｌ０７の約２倍の
値を示している実施例３〜８において著しいが、これは
母材中のＣ及びＣｒの含有率が高くなるほど基地組織中
にクロム炭窒化物が析出し、該析出物がシンクロナイザ
リングとの摺動時に引っかかり作用を働らかせる之めで
ある。

（発明の効果） 以上の詳細な説明から明らか々ように、本発明の同期装
置のクラッチギアは優れた耐摩耗性と安定した摩擦係数
を有するものである友め、本発明のギアを採用した同期
装置は使用寿命が伸びるとともにスムースな同期化を発
揮する。

即ち、変速機内にあって変速機の耐久性、操作性を向上
ならしめ、自動車等の安全走行に貢献する。

また、上記のような特性を生かしてエンジンの高速回転
化あるいは変速機の小型化を計ることも可能となる女、
め、本発明のギアは自動車等の高性能化にも寄与する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明クラッチギアの一実施例の非摺動部位の
表層断面組織を模式的に示す図、第２図＃：ｒ、第１図
の部分拡大図、 第３し１は同期装置の要部断面図である。 図中、 １・・・同期装置　　４・・・シンクロナイザリング５
・・・クラッチギア　　５０−・・ギアコーン部ω・・
・ショルダークリアランス ■・・・白層　　　　　　　Ｉａ　・・−ポーラス層■
・・・硬化層（拡散層）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. シンクロナイザリングと摺動するギアコーン部の母材が
   炭素０．４〜１．４重量％、クロム４〜２３重量％、モ
   リブデン０．１〜６重量％、バナジウム２重量％以下及
   び残部鉄よりなる鋼材であって、その摺動部位には窒化
   もしくは軟窒化による硬さＨｖ６００以上で厚さ１５μ
   ｍ以上の硬化層が形成されているとともに最表層のポー
   ラス層が除去されていることを特徴とする同期装置のク
   ラッチギア