JPS6323048Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内視鏡のアングル装置に関する。

内視鏡を体腔内部に挿入して腫瘍やポリープ等
の患部を観察及び治療する際、柄部のアングルダ
イアルを操作してアングルワイヤを引張又は弛緩
させ、観察窓を有する先端硬性部を４方向又は２
方向に湾曲させ、この観察窓を観察対象に対向さ
せるようにしている。すなわち、先端硬性部を方
向操作するため、該先端硬性部に続く部分を、環
状の駒体等を多数連結して湾曲可能としたアング
ル部となし、このアングル部を前記アングルダイ
アル及びアングルワイヤによつて特定の方向に湾
曲させている。

アングルワイヤに関し、従来は、ステンレス製
撚り線を用いていたが、このようなステンレス製
のアングルワイヤは繰り返しの曲げによる永久歪
や疲労が大きいため、断線を生じ易く、しかも、
一旦断線すると内視鏡の外部に飛び出して人体に
危害を加えるおそれがある。そこで、このような
危害を防止するため、内視鏡の外周を強化するた
めウレタンチユーブ等の外被の内側を金属ブレー
ドによつて被覆していた。またアングルワイヤは
繰り返し曲げによる疲労から逃れるために撚り線
構造とし、その素線を充分に細くすると、こんど
は摩擦による疲労を受けて素線が切れ易く、結局
断線につながる。また、アングルワイヤが断線す
ると、内視鏡の他の内包物、例えばイメージガイ
ドを損傷させてしまう。更に、ステンレス製のア
ングルワイヤは、それ自体を湾曲させる際に反力
が生じるため、アングル操作時に多大な力が必要
である。

本考案は、上記した問題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、アングルワイヤの断線を防
止すると共に、もし断線しても外部に飛び出した
り、他の内包物を損傷しないようにすると共に、
アングル操作に必要な力を減少させることにあ
り、このため、アングルワイヤをタングステン製
の編組ワイヤによつて構成したものである。

以下、図面を参照して本考案の実施例を説明す
る。

図面は、本考案に係る内視鏡のアングル装置の
一実施例を示す概略説明図であり、１はライトガ
イドを示し、該ライトガイド１は、光源２からの
照明光を先端硬性部３に導き、観察対象を照射す
る。また、４はイメージガイドを示し、該イメー
ジガイド４は、先端硬性部３の観察窓５から入光
した観察対象の像を、柄部６の接眼レンズ部７に
送り、術者がこの像を観察できるようにする。

前記観察窓５等を有する先端硬性部３を観察対
象に適確に対向させるため、該先端硬性部３に続
く部分は、例えば駒体又は節輪を連結したアング
ル部８となつており、該アングル部８は、以下に
記述するように、２方向又は４方向に湾曲制御可
能である。すなわち、アングル部８を所望の方向
に湾曲させて先端硬性部３を方向操作するため、
１対又は２対のアングルワイヤ９が設けられてい
る。該アングルワイヤ９の一端は、先端硬性部３
に連結され、他端は、アングルダイアル１０によ
つて回動されるプーリ１１に巻回されている。そ
して、該アングルダイアル１０を術者が回動させ
ると、該アングルダイアル１０と同軸のプーリ１
１が回動してアングルワイヤ９を引張又は弛緩さ
せ、これにより、アングル部８が湾曲されて先端
硬性部３が方向操作されるのである。なお、アン
グルワイヤ９をプーリ１１に巻回する代わりに、
ラツク及びピニオンによつて該アングルワイヤ９
を引張、弛緩させても、同じである。

このようなアングルワイヤ９として、微細なタ
ングステン線を多数編み合わせて網状体とした編
組ワイヤを用いる。該編組ワイヤは、微細線の集
合であるため、曲げ反力を生じることなく、屈曲
自在であることは勿論のこと、引張強度及び耐摩
耗性に優れ、断線しにくい。しかも、たとえ断線
してもタングステンの素線は微細で柔軟なため
に、断線が肉視鏡の外部に飛び出したりイメージ
等他の内包物を損傷したりすることはない。従つ
て、内視鏡アングル部の外周を強化するためウレ
タンチユーブ等の外被の内側に設けられていた金
属ブレードを不要にすることができる。すなわ
ち、該金属ブレードは、多数の金属線を密な織布
状に編み合わせて成る補強部材であるが、その存
在理由は、専ら従来のステンレス線のアングルワ
イヤが断線した際に、これが内視鏡の外部に飛び
出して人体に危害を加えることのないようにする
ためであつた。しかし、タングステン製の編組ワ
イヤはしなやかなので断線して張力が加わらない
ようになると、容易に変形し、外被や人体に突き
刺さることがないため、金属ブレードは、不要に
なる。また、編組ワイヤの引張強度は高いため、
アングルワイヤ９を細径化することができる。こ
のため、金属ブレードを不要にしうることと合わ
せて、内視鏡を一層細径化することができる。

また、アングル操作時にワイヤー自体の曲げ反
力が著しく少ないので、操作に必要な力を減少さ
せることができる。例えば４方向アングルではア
ングル操作事に外被、保護ブレード、内容物等の
他の操作用ワイヤー４本分の余分な反力を受ける
ことになる。

以上述べたように、本考案に係る内視鏡のアン
グル装置によれば、アングルワイヤをタングステ
ン製の編組ワイヤによつて構成したことにより、
断線が防止されると共に、もし断線しても、外部
に突き刺さつたり、他の内包物を損傷したりする
ことがなく、このため、内視鏡の外周の金属ブレ
ードが不要になり、内視鏡の細径化を実現するこ
とができ、また、アングル操作に必要な力を減少
させることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案に係る内視鏡のアングル装置の
一実施例を示す概略説明図である。 ３……先端硬性部、５……観察窓、８……アン
グル部、９……アングルワイヤ、１０……アング
ルダイアル、１１……プーリ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アングルダイアルの操作によつてアングルワイ
   ヤを引張、弛緩させ、これにより該アングルワイ
   ヤの一端を取りつけた先端硬性部の方向操作を行
   う内視鏡のアングル装置において、アングルワイ
   ヤを、微細なタングステン線を編み合わせた網状
   体の編組ワイヤとしたことを特徴とする内視鏡の
   アングル装置。