JPS6322609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は光電陰極を有する入力窓と、電子光学
系と、チヤネルプレート形増倍器と、出力窓とを
具える像増強管装置に関するものである。

このような形式の像増強管装置は米国特許第
3868536号明細書から既知である。しかし、そこ
に記載された像増強管では、なおチヤネルプレー
ト形増倍器で放出されたイオンの一部が光電陰極
に到達すると共に増倍器のチヤネルプレートの入
力面に入射する光電子のランデイング角度が相当
変化し、これにより正しい像形成が乱れる恐れが
ある。

本考案の目的はこれらの欠点を軽減せんとする
ものである。

本考案による像増強管装置は、光電陰極を有す
る入射窓と、チヤネルプレート形増倍器と、出射
窓と、前記チヤネル形増倍器に支持され前記光電
陰極に向けて延在する入力電極、及び光電陰極と
前記チヤネルプレート入力電極との間に位置する
円筒状の中間電極を有する電子光学系とを具え、
前記円筒状中間電極が、光電陰極に近い側が一層
狭くなる載る截頭円錐部の光電陰極と対向する端
部において前記円筒状入力電極の開口よりも一層
狭い開口を有する端部とを具え、この中間電極を
入力電極に対して正極性となるようにバイアスし
たことを特徴とするものである。

本考案によれば、このように光電陰極、中間電
極及びチヤネルプレート形増倍器の入力電極を配
置し、これら電極に適当な電位を与えることによ
り、即ち前記入力電極の電位を中間電極の電位よ
りも低くすると共に、中間電極の形状を光電陰極
に近い側を狭い方の端部とする截頭円錐部を有す
る円筒状にすることにより、チヤネルプレートか
ら光電陰極に到達するイオンを殆ど或は全つたく
なくすることができ、増倍器の入力電極で反射さ
れた電子の略々全部を中間に配置した截頭円錐部
を有する円筒状中間電極で捕獲することができる
と共に、光電子を増倍器のチヤネルプレートの周
縁部に至るまで一層均一なランデイング角度で入
射させることができ、チヤネルプレート形増倍器
の入力面に歪みなく画像を形成することができ
る。

図面につき本考案を説明する。

第１図は本考案の像増強管の一実施例を示し、
本例の像増強管の外匣１に光フアイバより成る入
力窓３と、出力窓４と、円筒管壁部５とを設け
る。入力窓３の凹状の内壁６に光電陰極７を設け
る。像増強管の反対側端部近くにチヤネルプレー
ト形増倍器８を設け、そのプレートには入力面９
と出力面１０を設ける。前記光電陰極７とこのチ
ヤネルプレート形増倍器８との間に、円筒状中間
電極１１を設け、その光電陰極に近い方の部分を
截頭円錐形とする共に截頭円錐部の端部の開口を
後述する円筒状入力電極１２の開口よりも狭くす
る。チヤネルプレート形増倍器８の入力面９の近
くに円筒状の入力電極１２を設ける。この入力電
極１２はチヤネルプレート形増倍器の入力面に設
ける通常のチヤネル入力電極と一体に形成するの
が好適である。普通用いられる光電陰極１の導電
率はそれらを電子光学系の電極と認め得る程度に
なつている。また、電極と認めることができない
場合は、測定しようとする放射線に対して透明な
付加電極を設けることができる。出力窓４の内側
には発光層１３を設ける。外匣１の頂部１４に、
例えば溶接やシール止めによりリング１５を固着
する。このリング１５の端面１６は本願人の出願
に係るオランダ国特許願第7702261号（特開昭53
−110270号）明細書に開示されているように基準
面として機能する。

第１図に示す実施例では、光電陰極７を導電性
壁部２０及び導線２１を経て電源２３に接続し、
中間電極１１を導線２２を経て電源２３と電源２
５との接続点に接続する。電源２３は光電陰極に
対して正の電位（例えば4.5kV）を中間電極１１
に与える。入力電極１２はチヤネルプレート形増
倍器の入力面９に設けられたチヤネル入力電極と
電気的に一体にし、導線２４を経て電源２５と電
源２６との接続点に接続する。電圧源２５は中間
電極１１に対して負の電位（例えば1kV）を入力
電極１２に与える。チヤネルプレート形増倍器８
の出力面１０に設けられる出力電極（図示せず）
は導線２７を経て電源２６と電源２８との接続点
に接続し、入力電極１２に対して正の電位をこの
出力電極に与える。電源２８は導線２７と２９を
経てチヤネルプレート形増倍器の出力電極と出力
窓窓４との間に出力窓４を正とする電圧を与え
る。実際の像増強管では、チヤネルプレート形増
倍器８上に光電子の像を結像させるに要する諸電
位は普通共通電源からとつている。その主たる理
由は、こうすれば如何なる電圧変動も全部の電位
に比例的に影響し、電位の電子光学的調整の乱れ
を相当小さくできるからである。

順次の諸電極の形状と電位は像増強管の光軸３
０にそつて延在する電位分布が第２図に曲線４０
で示すような形となるように選定する。このグラ
フに関連電極その他の部品の位置に第１図と同じ
参照番号を夫々付してある。

上述した実施例のような幾何的構造及び電位分
布に決定することより以下の利点が得られる。

中間電極１１を入力電極１２の電位に対して一
層高い電位となるようにバイアスしているから、
このバイアスによつて光電効果に悪影響を及ぼす
ことなくチヤネルプレート形増倍器８に対する光
電子のランデイング速度を適切に調整することが
でき、この結果増倍器における二次電子放出を最
適なものとすることができると共にチヤネルプレ
ート増倍器に対する入射光電子のランデイング角
度の変動をより一層低減することができる。特
に、周辺部におけるランデイング角度の変動が低
減されるので歪のない均一な画像を形成すること
ができる。

光電子がチヤネルプレート形増倍器に入射する
際に生ずる不所望なイオン並びにチヤネルプサー
ト形増倍器で反射された電子は、入力電極と中間
電極との間に形成される電界によつて中間電極方
向に加速され、中間電極によつて速やかに捕獲さ
れる。この結果、これらイオンや反射電子が増倍
器の付近に浮遊して空間電荷を形成することがな
くなり、一層画像歪みのない均一な画像を形成す
ることができ、全長が高さ８cm程度の小さい増倍
管によつて高い像倍率を達成することができる。
また、截頭円錐部の光電陰極と対向する端部の開
口を小さいものとしているから、不所望なイオン
や反射電子が中間電極によつて確実に捕獲され、
光電陰極の損傷を防止することができる。

本考案は上述した実施例だけに限定されず種々
の変形が可能である。例えば、光電陰極上にシン
チレーシヨン層を形成することができる。この型
式の像増強管装置は光フアイバの出力窓を形成す
ることができ、一方入射窓には光フアイバ窓を形
成しなくてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の像増強管の一実施例を示す断
面図、第２図は斯かる像増強管の電位分布曲線を
示す説明図である。 １……外匣、３……入力窓、４……出力窓、５
……円筒管壁、６……凹状内壁、７……光電陰
極、８……チヤネルプレート形増倍器、９……入
力面、１０……出力面、１１……中間電極、１２
……入力電極、１３……発光層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 光電陰極を有する入射窓と、チヤネルプレート
   形増倍器と、出射窓と、前記チヤネル形増倍器に
   支持され前記光電陰極に向けて延在する入力電
   極、及び光電陰極と前記チヤネルプレート入力電
   極との間に位置する円筒状の中間電極を有する電
   子光学系とを具え、前記円筒状中間電極が、光電
   陰極に近い側が一層狭くなる截頭円錐部と、この
   截頭円錐部の光電陰極と対向する端部において前
   記円筒状入力電極の開口よりも一層狭い開口を有
   する端部とを具え、この中間電極を入力電極に対
   して正極性となるようにバイアスしたことを特徴
   とする像増強管装置。