JPS6322141Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は台車利用の搬送装置に関するものであ
る。

台車が被搬送物を支持して走行するに際して、
その走行経路中において該被搬送物の向きを変え
ることがたびたびある。従来では台車上に回転テ
ーブルを設け、この回転テーブル上に被搬送物を
載置した状態で該回転テーブルと共に被搬送物の
向きを変え、そしてその向きをロツクピンなどで
固定していた。ところで回転テーブルの回転やロ
ツクピンの操作は作業員の手作業によつて行なつ
ていたのであり、向き変更が何度も行なわれる場
合においてはわずらわしい作業となる。また、例
えば被搬送物に塗装作業を施こす場合には、塗装
むらなどを防止するために該被搬送物を連続回転
させる必要があるが、この場合に手作業で連続回
転させることは、塗装作業中であることから非常
に困難となる。

そこで本考案は、被搬送物の所定角度置きの向
き変更ならびにロツク装置を自動的に行なえ、し
かも被搬送物の連続回転をも自動的に行なえる台
車利用の搬送装置を提案するものである。

上記目的を達成するために、本考案の台車利用
の搬送装置は、一定経路上を走行可能な台車上に
回転装置を介して荷支持部を設け、前記回転装置
は、前記台車上から縦軸芯の周りに回転可能に立
設され且つ前記荷支持部を連設した縦軸と、この
縦軸に取付けた歯輪と、この歯輪から設定角度置
きに連設した突起と、前記縦軸と台車との間に設
けた設定角度位置決め装置とから構成し、前記一
定経路中の台車停止位置に、前記突起に作用する
設定角度送り装置を設け、さらに別の台車停止位
置に、前記歯輪に噛合する駆動輪を有する連続回
転駆動装置を設けている。かかる構成によると、
台車停止位置において、突起に設定角度送り装置
を作用させることによつて、被搬送物を支持する
荷支持部を縦軸芯の周りに自動的に設定角度だけ
回転させることができ、また回転後においては設
定角度位置決め装置によつて、その向き変向姿勢
を自動的にロツクすることができる。さらに別の
台車停止位置においては、回転駆動装置の回転力
を、駆動輪と歯輪とを介して荷支持部に伝えるこ
とができ、この荷支持部を自動的に連続回転させ
ることができる。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。１は駆動チエン装置で、機枠２に取付けた
レール３に支持案内される。すなわち駆動チエン
装置１は、縦軸の周りに折曲可能なチエン４と、
このチエン４の下位アウトプレートに取付けた下
位ローラ５と、前記チエン４の上位アウトプレー
トに取付けた上位ローラ６とからなり、全体を無
端長円状に配設すると共に、駆動装置（図外）に
より連続駆動され、その際に下位ローラ５がレー
ル３に支持案内される。７は機枠２に取付けた横
振れ防止レールで、チエン４の横振れを防止すべ
く該チエン４の両側に配設される。８は一定経路
９上を走行可能な台車で、前記上位ローラ６上に
載置され、該上位ローラ６との摩擦によつて駆動
チエン装置１により走行される。この台車８の両
側には、機枠２側には、機枠２側に取付けたパイ
プ状のガイド体１０に案内される遊転ローラ１１
が取付けられ、また前後に防振ゴム１２が取付け
られる。前記台車８上に回転装置１３を介して荷
支持部１４を設けている。すなわち回転装置１３
は、前記台車８上に設けた軸受装置１５に支持さ
れて縦軸芯１６の周りに回転可能に立設された縦
軸１７と、この縦軸１７に取付けた歯輪１８と、
この歯輪１８の下面から設定角度（90度）置きに
垂設した突起１９と、前記縦軸１７と台車８との
間に設けた設定角度位置決め装置２０とから構成
される。前記縦軸１７の上端に荷支持部１４が固
着されるもので、この荷支持部１４は被搬送物２
１を支持するのに適した形状にしてある。前記設
定角度位置決め装置２０は、前記縦軸１７に取付
けられ且つ外面の設定角度（90度）置きの位置に
凹部２２を有する円板２３と、軸受装置１５側か
らのブラケツト２４に取付けた揺動杆２５と、こ
の揺動杆２５の先端に取付けられ且つ前記凹部２
２に対して係合可能なローラ２６と、このローラ
２６を係合付勢するべく揺動杆２５とブラケツト
２４との間に設けたばね２７とから構成される。
前記一定経路９中には、エヤシリンダ駆動のカム
式ストツパ２８が設けられ、このカム式ストツパ
２８を台車８に作用させることによつて、該台車
８を一定経路９中の台車停止位置で停止させ得
る。特定の台車停止位置には、前記突起１９に作
用する設定角度送り装置２９が設けられる。この
設定角度送り装置２９は、エヤシリンダ駆動方式
であつて、そのピストンロツド３０には前記突起
１９に作用するレバー３１が設けられる。このレ
バー３１は、その後退時に別の突起との衝突によ
り逆回転させることを防止しなければならず、そ
のために枢支位置にばね３２を設けるなどしてレ
バー３１の折曲り逃げを可能としている。別の台
車停止位置（なお図においては便宜上設定角度送
り装置と同一の台車停止位置を示している）に
は、前記歯輪１８に噛合する駆動輪３３を有する
連続回転駆動装置３４が設けられる。すなわち駆
動輪３３は円板３５と、該円板３５の外周面に取
付けたチエン３６とからなり、このチエン３６が
前記歯輪１８に噛合可能となる。そして円板３５
は、一方向クラツチ３７を介してモータ３８の出
力軸に連動している。

台車８の走行は、駆動チエン装置１の上位ロー
ラ６上に該台車８を載せることにより行なわれ
る。そして台車停止位置において台車８にカム式
ストツパー２８が作用し、以つて台車８は停止さ
れる。このとき駆動チエン装置１は連続駆動され
ており、その際に上位ローラ６は台車８の下面を
転動する。台車８を停止させた状態で設定角度送
り装置２９を作動させる。するとレバー３１が第
３図実線の位置から仮想線の位置に移動し、以つ
て対向していた突起１９を後押しして歯輪１８を
縦軸芯１６の周りに90度回転させる。これにより
縦軸１７ならびに荷支持部１４を介して被搬送物
２１が90度回転し、以つて作業者（作業機械）側
に向いた被搬送物２１の面に対する作業が行なわ
れる。次いでレバー３１を仮想線の位置から実線
の位置に後退させ、そして再び仮想線の位置に前
進させることにより、被搬送物２１を再度90度回
転させ得る。このように被搬送物２１を順次90度
置きに回転させながら、対向面に対する作業を行
なうものである。90度回転を行なう開始時におい
ては、ばね２７に対抗してローラ２６が凹部２２
から退出し、そして90度回転終了時においては、
ローラ２６はばね２７力によつて新たに対向した
凹部２２に係合する。これにより90度向き変更姿
勢を自動的にロツクし得る。台車８が別の停止位
置に達する直前において歯輪１８は駆動輪３３に
噛合する。その際に一方向クラツチ３７の存在に
よつて駆動輪３３は遊転（第３図Ａ方向）する
が、歯輪１８は回転しない。そして台車停止位置
に停止した状態でモータ３８を始動させる。する
とモータ３８の回転力は一方向クラツチ３７を介
して駆動輪３３に伝達し、この駆動輪３３を回転
（第３図Ｂ方向）させる。この駆動輪３３の回転
力は歯輪１８に伝わり、以つて被搬送物２１を連
続回転させることになる。したがつて被搬送物２
１に対する例えばば塗装作業を連続して行なえる
ことになる。

以上述べた本考案における台車利用の搬送装置
によると、突起に設定角度送り装置を作用させる
ことによつて、被搬送物を支持する荷支持部を自
動的に設定角度だけ回転させることができ、また
回転後においては設定角度位置決め装置によつ
て、その向き変更姿勢を自動的にロツクすること
ができる。これによつて被搬送物の向きを変えな
がら該被搬送物に対する各種作業を行なうことが
できる。さらに別の台車停止位置においては、回
転駆動装置の回転力を、駆動輪と歯輪とを介して
荷支持部に伝えることができ、この荷支持部を自
動的に連続回転させることができる。したがつて
被搬送物を連続回転させながら、例えば被搬送物
に対する塗装作業をむらなく能率的に行なうこと
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は側面
図、第２図は背面図、第３図は平面図である。 １……駆動チエン装置、８……台車、９……一
定経路、１３……回転装置、１４……荷支持部、
１６……縦軸芯、１７……縦軸、１８……歯輪、
１９……突起、２０……設定角度位置決め装置、
２１……被搬送物、２２……凹部、２３……円
板、２６……ローラ、２７……ばね、２８……カ
ム式ストツパー、２９……設定角度送り装置、３
３……駆動輪、３４……連続回転駆動装置、３７
……一方向クラツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定経路上を走行可能な台車上に回転装置を介
   して荷支持部を設け、前記回転装置は、前記台車
   上から縦軸芯の周りに回転可能に立設され且つ前
   記荷支持部を連設した縦軸と、この縦軸に取付け
   た歯輪と、この歯輪から設定角度置きに連設した
   突起と、前記縦軸と台車との間に設けた設定角度
   位置決め装置とから構成し、前記一定経路中の台
   車停止位置に、前記突起に作用する設定角度送り
   装置を設け、さらに別の台車停止位置に、前記歯
   輪に噛合する駆動輪を有する連続回転駆動装置を
   設けたことを特徴とする台車利用の搬送装置。