JPS6321853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は光源と点灯装置とを収納する本体を
天井に埋込んで取付けるダウンライト形式の埋込
形非常用蛍光灯器具に関するものである。

〔従来の技術〕

従来この種の小形（例えば直径15cm位）のダウ
ンライト形式の非常用照明器具において、使用さ
れる光源はその大きさから白熱電球がほとんどで
あり、しかも白熱電球は点灯電圧が一定である。
このためこの種の非常用照明器具は、例えば実公
昭59−23292号公報に示すように常用電源電圧
（主にAC100V）に適合する常用ランプと、非常
用電源の電池電圧（例えばDC12V程度の低電圧）
に適合する非常用ランプとを別々に組み込む構成
になつている。これは、常用ランプを停電時に電
池で点灯しようとすると非常に大型の電池が必要
となつて本体に収納できず、一方現在の非常用ラ
ンプは定格寿命が極端に短く常用点灯に適さない
等により実用的ではないからである。

そこで上記光源として蛍光ランプのような放電
灯を用いれば、常用電源はもちろん小容量の低電
圧電池（例えばDC3.6V）でも高周波点灯技術に
よつて点灯することができ、経済的でもあるが、
この場合蛍光ランプの外形が大きく実用化するの
は困難であつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

最近片口金で小形の蛍光ランプが開発され、上
述した蛍光ランプによる非常用照明器具は技術的
には可能となつた。しかしここで新たに問題とな
るのが各部品の熱的影響である。すなわち、蛍光
ランプを常用電源で点灯するために必要な安定器
は、その表面温度が70℃以上になる発熱部品であ
るが、非常用電源として内蔵する電池はJISで規
定する常温の範囲（５℃〜35℃）で有効な性能を
発揮するもので、高温になると出力が低下し蛍光
ランプを点灯できなくなる性質がある。従つて本
体内でいかに安定器の熱を電池に伝えないように
するかが蛍光ランプによる非常用照明器具を実用
化する上での問題点であつた。また常用と非常用
の複数の白熱電球を用いていた非常用照明器具は
構造的にも意匠的にも複雑となり、一般の白熱灯
ダウンライトと意匠的に合わせることができない
不便さを有するものであつた。

この考案は上記問題点を解決するためになされ
たもので、併設する一般照明器具と意匠合わせが
でき、また非常点灯装置の電池を常に良好な温度
条件に保つことができる埋込形非常用蛍光灯器具
を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る埋込形非常用蛍光灯器具は、発
熱体である安定器を収納する安定器ボツクスと、
電池、蛍光ランプ等を収納する埋込本体とを別々
に設け、この安定器ボツクスを埋込本体の上方に
配置させ、各々の間に外気を通じた空間を介在さ
せたものである。

〔作用〕

この考案においては、安定器より発生する熱
は、安定器ボツクスと埋込本体とが別体であるた
め埋込本体に伝わることが少なく、さらに空間部
によつて断熱されて電池への伝熱が減少する。

〔実施例〕

第１図および第２図はこの考案の一実施例によ
る埋込形非常用蛍光灯器具を示し、これらの図に
おいて、１は下面に開口部を有する有底筒体の埋
込本体で、切込穴２ａが形成された天井２内に埋
込まれている。３はこの埋込本体１内に配設され
た片口金の蛍光ランプ、４，５は埋込本体１底面
に取付けられた非常点灯装置であるインバータお
よび電池、６はインバータ４下面に固定された蛍
光ランプ３のソケツトで、前記インバータ４は電
池５の直流電流を高周波の交流に変換して蛍光ラ
ンプ３を常用電源の停電時に非常点灯させるもの
である。７は、その底面に蛍光ランプ３を常用電
源で常時点灯させるための安定器８が固定された
有底筒体の安定器ボツクスで、埋込本体１と略等
しい外径に形成され下面が開口されている。ま
た、７ａは安定器ボツクス７の下端よりその相対
向する２個所に所定巾で延出され、先端部をそれ
ぞれ内側に向けた略Ｌ字形の取付足、９はこの取
付足７ａを埋込本体１の上面に固定するための取
付ネジ、１０は安定器ボツクス７下面と埋込本体
１上面との間に形成され、取付足７ａの長さに相
当する巾を有し外気と連通する空間部である。

このように構成された埋込形非常用蛍光灯器具
は、取付ネジ９によつて埋込本体１と安定器ボツ
クス７とを固定し、通常は安定器８を介して常用
電源で蛍光ランプ３を点灯させ、常用電源の停電
時には電池５により点灯させるものである。そし
て安定器８より発生する熱は、安定器ボツクス７
の底部より上方へ放熱されると共に、下方への熱
は安定器ボツクス７と埋込本体１との接触部が取
付足７ａのみであるため、熱伝導も極めて少な
く、さらに空間部１０が断熱層となるため埋込本
体１への伝熱を著しく減少させることができる。

〔考案の効果〕

以上のようにこの考案の埋込形非常用蛍光灯器
具によれば、安定器を備えた安定器ボツクスと非
常点灯装置を有する埋込本体とを別体に設け、か
つこれらの間に外気と連通する空間部を介在させ
て構成したので、電池を常に良好な温度条件に保
つことができ、その性能を十分に維持できる。ま
た空間部より導入される外気によつて安定器の冷
却も行われ、安定器の性能維持も良好である。そ
して常用と非常用の複数の白熱電球を必要として
いた従来器具の問題点を一掃したので、 (1) 併設する一般照明器具と意匠合わせができる
デザイン上の利点。

(2) 非常用の電池容量を大幅に小さくすることが
できる経済上の利点。

(3) 白熱電球に比べ長寿命の蛍光ランプの採用で
ランプ交換費が削減できる。

(4) ランプ効率の改善による省電力効果。

など数多くの効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による埋込形非常
用蛍光灯器具の断面図、第２図はその分離斜視図
である。 １……埋込本体、３……蛍光ランプ、４……イ
ンバータ、５……電池、７……安定器ボツクス、
８……安定器、１０……空間部。なお、図中同一
符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下面に開口部を有する有底筒体の埋込本体内
   に、蛍光ランプと、この蛍光ランプを常用電源の
   停電時に点灯させる電池、インバータからなる非
   常点灯装置とを収納し、かつ該埋込本体上方に所
   定の空間部を介して前記螢光ランプを常用電源で
   点灯させるための安定器を有する安定器ボツクス
   を配設したことを特徴とする埋込形非常用蛍光灯
   器具。