JPS632170Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は管のバルジ加工装置に係り、特に小型
で長尺なアルミニウム管に適用して最適な管のバ
ルジ加工装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に、管材にそれより小径の管材を接続する
ために、管材の側面に短管部を突出成形する手段
としてバルジ加工方法が用いられている。

しかして出願人は、上記のように小径で長尺な
アルミニウム管にバルジ加工により短管部を形成
する方法として、バルジ加工を施すべき管材の短
管部成形位置に下孔を穿設しておき、この管材の
内部に配置した駒の頂部に管材外から前記下孔を
通して挿入する引抜き杆の先端を結合し、前記引
抜き杆を管材外から引張ることにより前記駒で前
記下孔の周辺部分を外方へ突出させて短管部を能
率よく成形するバルジ加工方法を開発した。

ところで上記方法を実施する装置は、従来第１
図および第２図に示すように、基台１上に支持脚
２，２を介して固設される下型３と、この下型３
上に重ねられてボルト４，４により固定される上
型５とを有し、これら下型３と上型５との合せ面
に管材６を挾持する半円状凹部からなる管材保持
面７，８が形成され、下型３の管材保持面７の中
央底部には上下に貫通する通孔９が穿設されてい
てこれに引抜き杆１０が挿通自在とされている。
そしてこの引抜き杆１０の先端に管材６内に配置
された短管部成形用駒１１の頂部に螺合したのち
引抜き杆１０を引張ることにより前記駒１１を下
孔１２に通して短管部１３を形成するように構成
されていた。また上型５には、管材６の両側に短
管部１３を施す場合を考慮して、先きに加工した
短管部１３を逃がすためのばか孔１４があけられ
ている。

したがつて従来の上記装置では、第１図のよう
に管材６の一側に短管部１３をバルジ加工したの
ち、ボルト４，４を外して上型５および下型３を
管材６から外し、管材６を裏返して先きに加工し
た短管部１３を第２図のように上型５のばか孔１
４に挿入したうえ上下型３，５をボルト４，４に
より緊締して再度下型３の通孔９を通じ短管部１
３を形成することになる。

〔背景技術の問題点〕

上記の装置では、管材６の両側に短管部１３を
成形するには、その都度上型５と下型３とを解体
して管材６から外し、管材６を反転したうえで再
び上型５と下型３とを結合固定しなければならな
いため、その作業に多くの時間と労力とを要し、
バルジ加工能率が悪い欠点があつた。

〔考案の目的〕

本考案はこれに鑑み、管材の両側面に短管部を
バルジ加工により成形する場合においても、上下
の型を分解することなく管材に取りつけたまゝの
状態で単に反転させることにより両側のバルジ加
工を行なうことができるようにした管のバルジ加
工装置を提供することを目的としてなされたもの
である。

〔考案の概要〕

上記目的達成のため、本考案は、バルジ加工を
施すべき管材を挾持する管材保持面を有する上下
一対の型を有し、この一対の型の各管材保持面に
互いに対向するバルジ加工用通孔を穿設し、下側
となる型の通孔に引抜き杆を挿通自在に配設する
とともにその先端を管材内に配置された短管部成
形用駒に結合自在に形成し、前記引抜き杆を引抜
き方向に駆動する加圧装置に連結した構成を特徴
とするものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案を第３図および第４図を参照し、
前記第１図および第２図と共通する部材には同一
符号を付して説明する。

本考案の係る管のバルジ加工装置は、第３図に
断面を示すように、管材６を挾持する管材保持面
７，８を有する上下一対の型１５，１６を有し、
この一対の型１５，１６の各管材保持面７，８に
互いに対向するバルジ加工用通孔９，９′が上下
に貫通して設けられている。

前記通孔９に挿通される引抜き杆１０は、先端
にねじ１０ａが形成されており、このねじ１０ａ
は管材６の内部に配置される短管部成形用駒１１
の頂部端面のねじ孔に螺挿結合されるようになつ
ている。

前記引抜き杆１０の下部には作動板１７が挿通
固着され、この作動板１７の両端は前記支持脚
２，２間からその両側に突出されており、この突
出部分が図示しない加圧装置により矢印方向に加
圧されるようになつている。

前記短管部成形用駒１１は、成形すべき短管部
１３の内径に対応する外径を有する円筒形を有
し、その頂部は成形初期段階において管材６の下
孔１２に嵌合してその周辺部を拡出しやすくする
ため、先細となるテーパー状に形成され、その先
端面に前記のねじ孔が形成されている。なお、下
孔１２は、成形後の短管部１３の内径よりも小径
とされることはもちろんである。

つぎに作用を説明する。

管材６の両側に短管部１３を形成する必要があ
るときは、管材６の両側に下孔１２を穿設してお
き、この管材６の下側の型１５の管材保持面７上
に置き、下孔１２と該型１５のバルジ加工用通孔
９との位置を合わせ、ついで管材６内に配置した
短管部成形用駒１１の頂部のねじ孔に型１５の下
部から通孔９に挿通した引抜き杆１０の先端のね
じ１０ａを螺合締結する。

こうしたのち他の型１６を被せてボルト４，４
により両型１５，１６を固定し、作動板１７の両
端を加圧装置により矢印方向に加圧して前記駒１
１を引抜くことにより、管材６の下孔１２の周辺
部分が駒１１の通過によつて外方に拡出され、第
４図のように管材６の側面に短管部１３が突出形
成される。

このように管材６の一側に短管部１３が形成さ
れたのち上下の型１５，１６をそのまゝ上下反転
させ、下側となつた型１６において前記と同様の
手順により短管部１３の成形を行なう。これによ
り型１５，１６を解体することなく管材６に取り
つけたまゝで第４図示のように管材６の両側に短
管部１３，１３を形成することができる。

なお、型１５，１６のバルジ加工用通孔９，
９′の内径と短管部成形用駒１１の外径とは、短
管部１３が通孔９，９′内に圧出され得るに十分
なクリアランスを与え得る寸法とされる。また引
抜き杆１０と駒１１との結合は、ねじによるほか
バヨネツト結合等、適宜な手段を採用することが
できる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案は、管材を挾持す
る一対の型の管材保持面にそれぞれバルジ加工用
通孔を設け、いずれの型においても短管部成形用
駒と引抜き杆とにより短管部を成形し得るように
したので、管材の両側に短管部を形成する場合、
管材から型を外すことなく単に反転させるのみで
両側の短管部を成形することができ、したがつて
従来のようにその都度型を解体する必要がなく、
作業に要する時間および労力を著しく軽減するこ
とができ、バルジ加工能率を大巾に向上すること
ができるとともに高品質のバルジ加工を行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来のバルジ加工装置の
断面図で、第１図は管材の片側に短管部を形成し
た状態を、第２図は他側に短管部を形成する状態
を示し、第３図は本考案によるバルジ加工装置の
一実施例を示す断面図、第４図は本考案により成
形する短管部の配列形態例を示す斜視図である。 １……基台、２……支持脚、６……管材、７，
８……管材保持面、９，９′……バルジ加工用通
孔、１０……引抜き杆、１１……短管部成形用
駒、１２……下孔、１３……短管部、１５，１６
……型。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルジ加工を施すべき管材を挾持する管材保持
   面を有する上下一対の型を有し、この一対の型の
   各管材保持面に互いに対向するバルジ加工用通孔
   を穿設し、下側となる型の通孔に引抜き杆を挿通
   自在に配設するとともにその先端を管材内に配置
   された短管部成形用駒に結合自在に形成し、前記
   引抜き杆を引抜き方向に駆動する加圧装置に連結
   してなる管のバルジ加工装置。