JPS6321506B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は固定源部材と、義歯をその上に形成で
きるようにされた頭部と、を有する歯の根管部に
固定される固定源に関する。

この種の固定源はドイツ特許第1541209号公報
に記載されている。この公報のものは固定源部材
は円筒状であり、そして頭部は六角形状をしてい
る。かかる円筒状の固定源部材は最適な固定装置
を提供するものとはならず、ゆるむ危険性があ
る。他方においてねじ切りされたねじ山を有しそ
して歯の根管部内にねじばめされて取付けられる
ような固定部材を有する固定源は公知である。か
かる場合において、前記固定部材のテーパー部の
比較的に大きな角度に起因して、挿入作業中に根
管部が破裂する危険がある。

本発明はこれらとは異り、挿入作業中に根管部
が破裂する危険なく確実な固定装置となり、しか
も所望ならばいつでも取外し出来るような歯の根
管部に固定される固定源を提供することを目的と
する。

本発明によれば、その上に義歯を形成すること
ができる頭部と、円形断面を有しているとともに
鈍い歯根部側端部を有している固定源部材とを備
えており、該固定源部材の周面には螺旋状の固定
源リブが備えられており、該リブは前記固定源部
材の周面から0.1mmから0.15mmまで突出している
とともに該固定源部材の長手方向軸線に対し70度
から80度のねじれ角を有しており、前記固定源部
材にはセメント排出用の２つの切削みぞが備えら
れている歯の根管部用固定源において、前記固定
源部材にはそれの歯根部側端部に向つて先細とな
るよう１度から５度までのテーパーが付けられて
おり、前記固定源リブは前記固定源部材の全長に
わたつて備えられており、また、前記固定源リブ
にはまるみが付けられていることを特徴とする歯
の根管部用固定源が得られる。

本発明は以下において例示の目的で、添付図面
を参照してより詳細に説明されるであろう。

第１図には固定源部材２と頭部３とを有する全
体として符号１で表示した固定源即ちアンカーが
示されている。固定源部材２は頭部３から離隔す
る方の端部すなわち歯根部側端部に向つて先細と
なるよう１度から５度までのテーパーが付けられ
ており、好ましくは２度の円錘度を有している。
固定源部材２の歯根部側端部は鋭くない、すなわ
ち鈍くされている。固定源部材２の周面にはその
固定源部材の全長にわたつて螺旋状の固定源リブ
４が備えられている。これらリブ４は固定源部材
２の長手方向軸線に対して70度から80度のねじれ
角を有し、そして最大限に動かされ得るようにま
るみがつけられている。固定源部材２に２個の長
手方向に延在する切削みぞ５（第３図で最もよく
判る）が設けられている。このみぞ５は同時に歯
科用セメントを排出するみぞとしての役割をす
る。これらみぞ５は固定源１を過大な力を使用す
ることなく歯の根管部内に挿入することを可能に
する。それ故に固定源１を根管部内に打ち込む必
要がなく、これにより根管部の破裂の危険性は防
止されるか、少くとも最小にされる。固定源リブ
４の高さはほぼ0.1mmから0.15mmである。頭部３
に４個の羽根６，７が取付けられており、上方の
３個の羽根６は下端の羽根７より大きな外径を有
する。第２図に示すように頭部３に長手方向に延
在する３個の溝８が設けられている。

しかしながら第４図でみて判るように、符号は
ここでは９と１０で表わす羽根は異なる形状とさ
れてもよい。このようにすることにより長手方向
の３個の溝１１（第２図の溝８に対応）はほぼＶ
字形の形状とされてもよい。第５図で判るように
そこで符号１２で表わされる固定源部材もまたほ
ぼＶ字形の３個のみぞ１３を有してもよい。

次に第１図を参照して固定源１の固定および固
定源１上への義歯の形成について説明する。最初
に適当な器具を使用して固定源部材２の形状に対
応するように根管部１４が整形される。ISO器具
はこの目的に適している。根管部１４は公知の根
管部充填剤１５により下方向に向けて封着され
る。しかしながらドリルで整形された根管部１４
の形状と直径とはリブ４も含めての固定源部材の
形状と直径とに対応していなければならないこと
に注意しなければならない。つづいて適当な歯科
用セメントまたは適当な材質のもの、それは密封
用の非固定タイプの固定源セメントであり、それ
が所要量だけ（非常に少量）根管部内に注入され
そして固定源がその中に挿入される。固定源部材
は次に360度を越えない例えば90度といつたある
角度だけ回動されることにより固定される。この
ような回動により固定用リブは、前記歯科用セメ
ントの一部分を移動させ、そして差込型のロツク
装置を提供する。前記リブは、単に一つの特定の
小さな角度範囲内においてのみ永久的な固着を生
じ、この固着は、セメントによつて全体的に固定
しているのではないので、年取つた人のように前
記頭部３を修正したりあるいは交換する必要のあ
る場合には、根管部または残留する歯の根部を損
傷することなく何時でもゆるめることが出来る。
公知の盛上げ剤１６がその後で頭部３のまわりに
充填される。盛上げ剤１６は補強部材としての役
目もする。その後で歯冠１７を盛上げ剤の上に取
付けることができる。

耐腐食性合金が固定源の材料として使用されて
もよい。このような場合には固定源部材に２個ま
たは３個以上のみぞを設けてもよく、一方頭部に
は必づしも４枚の羽根を設ける必要はない。より
少数のもしくはより多数の羽根が設けられてもよ
い。同様に上述した長手方向に延在する３個の溝
の代りに２個または４個の溝が設けられることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基づく固定源の第１実施例の
歯に固定された状態を示す概略的縦断面図、第２
図は第１図に示す固定源の頭部の横断面図、第３
図は第１図に示す固定源の固定源部材を形成する
部分の横断面図、第４図と第５図とはそれぞれ本
発明に基づく固定源の第２実施例の第２図と第３
図に対応する横断面図である。 １……固定源、２……固定源部材、３……頭
部、４……リブ、５，１３……みぞ、６，７，
９，１０……羽根、８……溝、１４……根管部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ その上に義歯を形成することができる頭部３
   と、円形断面を有しているとともに鈍い歯根部側
   端部を有している固定源部材２，１２とを備えて
   おり、該固定源部材２，１２の周面には螺旋状の
   固定源リブ４が備えられており、該リブ４は前記
   固定源部材の周面から0.1mmから0.15mmまで突出
   しているとともに該固定源部材の長手方向軸線に
   対し70度から80度のねじれ角を有しており、前記
   固定源部材にはセメント排出用の２つの切削みぞ
   ５，１３が備えられている歯の根管部用固定源に
   おいて、 前記固定源部材２，１２にはそれの歯根部側端
   部に向つて先細となるよう１度から５度までのテ
   ーパーが付けられており、前記固定源リブ４は前
   記固定源部材２，１２の全長にわたつて備えられ
   ており、また、前記固定源リブ４にはまるみが付
   けられていることを特徴とする歯の根管部用固定
   源。 ２ 特徴請求の範囲第１項記載の歯の根管部用固
   定源において、前記固定源部材２，１２の円錐度
   は２度である歯の根管部用固定源。 ３ 特許請求の範囲第１項記載の歯の根管部用固
   定源において、前記頭部３には３つの長手方向に
   延びている溝８と４つの羽根６，７が備えられて
   おり、一番下の羽根７は上方の羽根の直径よりも
   小さな直径を有している歯の根管部用固定源。 ４ 特許請求の範囲第３項記載の歯の根管部用固
   定源において、前記頭部３に備えられている溝１
   １及び前記固定源部材１２に備えられているみぞ
   １３はＶ字形をしている歯の根管部用固定源。