JPS63214399A - メタン発酵法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は発酵の促進をはかったメタン発酵法に関するも
のである。

従来の技術 金属塩、金属酸化物塩については、いくらかのものにメ
タン発酵を促進する効果のあることが明らかになってい
る。すなわちニッケル、コバルト。

タングステン等については嫌気性微生物の微量の必須元
素であることが知られておシ、発酵促進の効果がある。

また米国ＮＡＳＡはホティアオイのメタン発酵の研究を
発表しているが、その中で水銀。

クロム等、数種の微量の重金属イオンが発酵促進の効果
をもつとしている。

発明が解決しようとする問題点 ところで従来は金属塩又は酸化物塩に効果があることが
知られているにとどまシ、それ以上の具体的な内容は不
明であった。また微量の金属塩又は金属酸化物塩の添加
も、長期間続けることによシ、発酵が不安定となってつ
いには性能の低下にいたるものであった。

そこで本発明は微量の添加で効果のある金属元素の範囲
と有効な添加量の範囲を明らかにした。

また長期間の投与によっても発酵の不安定性が表われず
、本来の発酵促進効果を発揮できる、微量の金属塩又は
金属酸化物塩の用法を明らかにしたものである。

問題点を解決するための手段 本発明のメタン発酵法は、金属塩又は金属酸化物塩とし
て１属ａ列の元素、２属ａ列の元素、第１〜第３周期の
元素及び鉄、マンガンを除く金属元素の塩又は酸化物塩
の１又は複数を発酵液に対し金属の合計として０．１〜
２０　ｆ／ｒｒ？の割合に添加すること、また発酵液中
に微量の金属塩又は金属酸化物塩と水酸化カルシウム又
は酸化カルシウムを添加することを特徴とするものであ
る。

作　　用 本発明のメタン発酵法は、上記の特定の条件下で有効に
発酵性能を増大させることができるとともに、微量の金
属塩、金属酸化物の長期投与による発酵の不安定性をな
くし長期にわたり金属塩や金属酸化物塩本来の発酵促進
効果を発揮できるのである。

実施例 微量の金属塩及び金属酸化物塩の発酵促進の一例として
塩化ジルコニウムの例を図に示す。本例は発酵液３０１
Ｌｌ中にジルコニウムとして３ｐｐｍの割合に塩化ジル
コニウムを存在させ、さらに厨芥破壊物１２を原料とし
て加え、３５℃でバッチ式の発酵を行なったものである
。縦軸に発生ＣＨ４量を、横軸に経過時間をとっている
。図よシ明らかな様に塩化ジルコニウムを加えないコン
トロール試験に対し、ジルコニウム塩の添加は明らかな
発酵促進の効果がある。

同様にして各種金属塩、金属酸化物塩に対して試験を行
なったところ、有効なものは、Ｓｃ、Ｔｉ。

Ｖ、Ｃｒ、Ｃｏ、Ｎｉ、Ｃｕ、Ｚｎ、Ｇａ、Ｙ、Ｚｒ、
Ｎｂ、Ｍｏ。

Ｔｃ、Ｒｕ、Ｒｈ、Ｐｄ、Ａｇ、Ｃｄ、Ｉｎ、Ｓｎ、Ｈ
ｆ、Ｔａ。

Ｗ、Ｒｅ、Ｏｓ、工ｒ、Ｐｔ、Ａｕ、Ｈｇ、Ｔｔ、Ｐｂ
、Ｂｉである。これは１属ｄ列、２属ａ列および第１〜
第３周期の元素ならびに鉄、マンガンを除く金属元素と
いうことになる。放射性の元素については試験していな
いが、これらは実用上無意味である。上記した有効な金
属元素は、微量の添加効果であること、また価数の変化
の考えられる元素であって、酸化還元に関与する可能性
が大きいものであると思われるが、定かでない。また鉄
、マンガンは発酵液中に多い元素であシ、そのために微
量添加の効果が出ないと考えられる。この結果は、微生
物の必須元素の考え方では理解できないものである。

またその範囲は著しく広く、かつ例外もあり、重金属の
概念だけでは包含しきれないものである。

さて以上の金属塩又は金属酸化物塩が明白な効果を表わ
す濃度は金属としてｏ、１ｙ／ｙ／よシ大の場合であ６
゜また多くの元素で金属として２０ｖ−を越えると重金
属の急性毒性の為に発酵性能の低下が観察される。した
がって有効な範囲は０．１〜２０２／−とするのが安全
である。

又６価クロム等は強い酸化力を有し、そのために毒性が
心配されるのであるが、上記程度の量では、発酵液中の
硫化物と反応し無毒化されるようである。

ところが上記の濃度範囲内であっても、長期間発酵を続
けると発酵の不安定性が表われる。すなわち一定濃度の
原料を一定の速度で供給する場合には不安定性は観察で
きないのであるが、供給を一時中止し再び開始した場合
には急激に性能が低下しやすく、また著しく発泡して発
酵ガス引抜き配管等を閉塞して事故を起こすことが多い
。供給を中止しないまでも、濃度や量に増減があった場
合も程度の差はあるが同様の現象が観察される。

さてメタン発酵微生物は酸生成菌とガス化菌に大別され
る。また酸生成菌のうちでは胞子を生成するクロストリ
ディウム属細菌が特に優勢である。

供給を中止した場合、原料が消費しつくされるために、
酸生成菌は−たん飢餓状態となる。このときクロストリ
ディウム属細菌のいくらかが胞子となるのである。次に
供給を再開したとき、クロストリディウム属細菌の胞子
はラグタイムの後に一斉に発芽して活動を再開するが、
このラグタイムの間は原料が消費されず、その分が発芽
後に上乗せされ急速に消費されることになシ、過大な原
料を供給したことと同じ結果となる。過大な供給はガス
死菌を阻害して発酵性能を低下させるのである。微量の
金属塩又は金属酸化物塩の蓄積は、クロストリディウム
属細菌の胞子化を著しく助長し、それだけラグタイム後
はよシ過大な供給を行なったことと同じことになシ、発
酵性能が低下するのである。また発芽直後の栄養細胞は
界面活性剤的性質が強く、−斉発閉時には発砲しやすい
。

一方力ルシウムは、クロストリディウム属細菌の胞子の
外壁である胞子膜の重要成分であシ、その添加は共通イ
オンの効果と同様に溶解度を低下させ、結果として胞子
膜の溶解を抑え、発芽を阻害するのである。したがって
カルシウムの添加によシ胞子の一斉発芽を抑えられ、結
果として安定性が維持される。また付随的にカルシウム
は硬度成分であって発泡を抑える性質もある。

以上のような効果を示す酸化カルシウムの濃度は約ｏ、
ｓＫｇｙ讐からである。また１０敏冒以上の添加では、
発酵液のｐＨが上昇しはじめるので、この程度が実用上
の上限である。水酸化カルシウムに代えて酸化カルシウ
ムは使用できる。その添加量は、水酸化カルシウムを添
加する場合の添加量とカルシウムのモル濃度として等し
くなるものである。塩化カルシウムは炭酸塩としてカル
シウムが沈降したあと、塩酸が生成しｐＨを下げるため
に用いることができない。炭酸カルシウムは難溶性の為
に使用しにくく実用的でない。硝酸塩は、硝酸がメタン
発酵を強く阻害するので使用できない。

発明の効果 以上の様に本発明によれば、微量の金属塩又は微量の金
属酸化物塩の有効範囲が明らかであシ、発酵促進がはか
られるとともに、水酸化カルシウム又は酸化カルシウム
の添加により発酵の不安定性を改善することができ発酵
促進の効果を長期間継続せしめるものである。

【図面の簡単な説明】 図は微量の金属塩及び金属酸化物塩の発酵促進効果を示
す特性図である。 代理人の氏名　弁理士　中　尾　敏　男　ほか１名膳通
吟閣（Ｅ）

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）発酵液中に、金属塩又は金属酸化物塩として、１
   属ａ列の元素、２属ａ列の元素および第１〜第３周期の
   元素ならびに鉄、マンガンを除く金属元素の塩又は酸化
   物塩の１又は複数を金属の合計として０．１〜２０ｇ／
   ｍ＾３添加することを特徴とするメタン発酵法。
2. （２）発酵液中に微量の金属塩又は金属酸化物塩と水酸
   化カルシウム又は酸化カルシウムを添加することを特徴
   とするメタン発酵法。
3. （３）金属塩又は金属酸化物塩として、１属ａ列、２属
   ａ列および第１〜第３周期の元素ならびに鉄、マンガン
   を除く金属元素の塩及び酸化物塩を用い、この１又は複
   数の発酵液に対し、金属の合計として０．１〜２０ｇ／
   ｍ＾３の割合に添加する特許請求の範囲第２項記載のメ
   タン発酵法。
4. （４）水酸化カルシウムの添加量を０．５Ｋｇ／ｍ＾３
   〜１０ｋｇ／ｍ＾３とする特許請求の範囲第２項記載の
   メタン発酵法。
5. （５）酸化カルシウムの添加量は水酸化カルシウムを添
   加する場合の添加量とカルシウムのモル濃度として等し
   くした特許請求の範囲第２項記載のメタン発酵法。