JPS6320875Y2 - - Google Patents

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JPS6320875Y2
JPS6320875Y2 JP1978084294U JP8429478U JPS6320875Y2 JP S6320875 Y2 JPS6320875 Y2 JP S6320875Y2 JP 1978084294 U JP1978084294 U JP 1978084294U JP 8429478 U JP8429478 U JP 8429478U JP S6320875 Y2 JPS6320875 Y2 JP S6320875Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 本考案は起動電流の低減にもとづく配電系統の
安定化をはかるとともに、圧縮機の起動を円滑な
らしめ、かつ液戻り等による圧縮機の損傷事故を
排除することが可能な空調機の能力制御装置に関
する。
周波数変換器を用いて圧縮機の能力制御をする
場合、圧縮機の効率,潤滑状態,運転騒音,その
他構造上の問題等各面を考慮して、すべての運転
期間の空調負荷に合致した適正な範囲に、圧縮機
回転数の制御範囲を設定することは誠に困難であ
る。
特にヒートポンプ式空調機、多室形空調機にお
いては、その負荷変動が一層大きい点から、圧縮
機能力を如何なる場合にも適正に制御しようとす
るのは尚更に至難である。
従来のこの種装置においては、予想される最大
負荷又はそれに近似の能力と許容最高回転数時の
能力が同等となるように圧縮機の容量が決定され
ているので、前述の理由から許容最低回転数時の
能力は予想される最小負荷よりも大きくなる結果
となつていた。
そのため、室内等の空調対象域の空調負荷が最
小の状態であれば、圧縮機はこれに対応して許容
最低回転数による最低能力運転を行うが、この場
合にあつても、前記の如く空調能力はこの最小負
荷を上廻るため、空調対象域の温度は速やかに空
調温度設定器等による設定温度に達し、センサ機
構(温度調節器)の働きで、空調運転は停止され
ることとなる。
一方、前記空調機の停止により空調負荷が増加
して、室内温度等と設定温度との所定のデイフア
レンシヤル以上の差が生ずれば、空調機はその運
転を再開するのであるが、この運転再開時の負荷
は最小であるので、圧縮機はこれと対応して許容
最低回転数で駆動を開始することとなる。
そのため、空調負荷が小さい場合、空調運転中
の圧縮機の起動停止は許容最低回転数で行なわれ
ることとなる。
そして、この起動・停止運転時および通常の起
動時を含めて最低回転数時における圧縮機の起動
には、次のような問題が生ずる。すなわち、 (イ) 圧縮機の起動を確実に行うには十分なトルク
を与える必要があるが、かかる最低回転数では
必要十分なトルクを与えることができず、圧縮
機の起動が困難となる。このことは停止直後の
再起動時のように、冷凍回路の高・低圧力差が
大きい場合に特に問題となる。この点、更に詳
細に説明すれば、たとえば電気書院編集部編
「最新電験ハンドブツク」(昭和52年10月1日
第2版第1刷発行;発行所 株式会社電気書
院)の第982〜983頁に記載されている如く、モ
ータの始動トルクTstは一般に次のような関係
式により定まる。
Tst=P/2πF1・m1V2r2/{(r1+r22+(x1+x2
2}〔N・m〕……(1) 〔但し、 P=極対数 F1=一次周波数 m1=1次相数 V=1次一相の端子電圧 r1=一次巻線の抵抗 x1=一次巻線のリアクタンス(=ω1L1) r2=二次巻線の抵抗 x2=二次巻線のリアクタンス(=ω2L2)〕 (1)式において、x1,x2はそれぞれx1=ω1L1
=2πF1L1,X2=ω2L2=2πF2L2である(但し、
ω1は一次角速度,ω2は二次角速度,L1は一次
自己インダクタンス,L2は二次自己インダク
タンス,F1は一次周波数,F2は二次周波数)。
ここで、F1とF2とは、すべりをSとするとF2
=SF1の関係を有することから、始動時にはS
=1を代入すればF2=F1(=F)となることが
わかる。
そのため(1)式において始動トルクTstは、そ
の変数をV,Fとする次のような式に書き変え
ることができる。
Tst=K1V2/F(R2+L2F2) ……(2) 〔但し、K1=Pm1r2/2π,R=r1+r2, L=2π(L1+L2)〕 一方、周波数変換器の制御方式としては、商
用電源電圧を制御対象電圧の最大値とする、電
圧/出力周波数)一定制御方式が実用上最も多
用されており、この方式にあつては前記(2)式は
更に、 Tst=K3V/R2+L2F2 ……(3) と書き換えることができる。
〔但し、V/F=K2,K1K2=K3〕 したがつて始動トルクTstは、印加する電圧
の増加に伴つて大きくなる傾向を有することが
わかる。ところで商用電源周波数である50Hzよ
りも低い周波数領域においては通常R≫LFと
なるように条件設定されているためV/F一定
の下でVを増加させた場合における(R2
L2F2)の値の増加割合はVの増加割合に較べ
て小さいことがわかる。しかして、この電圧は
商用電源電圧をその最大値とするものであり、
かつこの商用電源電圧における対応する出力周
波数は、50Hz或いは60Hzの商用電源周波数であ
る。
そのため、始動トルクTstは、商用電源周波
数(50Hz或いは60Hz)における商用電源電圧印
加時にその最大値を採り、一方、前記(電圧/
出力周波数)一定の関係より周波数変換器の最
小周波数における最小電圧時にその最小値を採
ることになる。
よつて、前記最小回転数時すなわち最小周波
数時においては始動トルクTstは圧縮機の起動
を確実に行うに十分なものとはなり得ないので
ある。
(ロ) 適正な高・低圧を維持して適正な空調能力
(冷・暖房能力)が発揮されるまでの所謂ウオ
ーミングアツプ時間が長くなる。
(ハ) 起動・停止繰返運転時に長時間最低回転数の
状態で、運転を続けると、圧縮機への油戻りが
不十分となり、潤滑不良に加えて、油が蒸発器
に溜つて蒸発器能力が低下し、その結果、圧縮
機に対し液戻りが生じて損傷事故につながる。
(ニ) 一方、かかる問題を回避すべく、周波数変換
器を有しない通常の圧縮機におけると同様、商
用電源周波数(50Hz或いは60Hz)で起動させる
如く制御した場合には、圧縮機ケーシング内で
急激な圧力低下をきたし、いわゆるホーミング
現象が激しく起こるため、油ポンプの油上り量
が増加して軸承等における潤滑性能に悪影響を
及ぼすし、油圧保護スイツチが設けられている
場合には、該スイツチが作動して起動不能とな
ることがある。また、商用電源周波数に対応す
る商用電源電圧での起動となるため、起動電流
が過大となり配電系統の安定化に支障をきたす
虞れが生ずる。
などの諸点が挙げられる。
本考案はかゝる従来装置が有する問題点に着目
して、それ等の欠陥を悉く排除し得る如き新規な
空調機の能力制御装置を提供すべく成されたもの
であり、空調負荷検知器が検出した空調負荷に対
応して周波数変換器の最小周波数より最高周波数
の間の周波数で出力させる周波数指令信号を周波
数変換器に対して出力する周波数制御器と、出力
周波数を商用電源周波数F0としての50Hz未満
でかつ前記周波数変換器の最小周波数よりも高い
所定の周波数F1に特定するとともに、出力電圧
Vを、商用電源電圧V0/商用電源周波数F0で規
定される一定のV/F値に基づいて、前記所定の
周波数F1に対応する所定の値に比例的に設定す
る周波数指令信号を前記周波数変換器に対して出
力する周波数特定器と、前記周波数変換器に対す
る周波数指令信号を、起動時から前記空調機が安
定運転状態に達するまでの所定時間は前記周波数
特定器によつて出力し、前記所定時間経過後は前
記周波数制御器によつて出力するように切換える
切換手段とを有することを特徴とする。
以下に本考案の一実施例に係る態様を添付図面
によつて詳細に説明する。
第1図は空調機能力制御装置のブロツク回路図
であり、制御対象となる圧縮機用モータMに連絡
した電源回路には出力周波数を15Hz程度の最小周
波数から80Hzまで連続的に変化し得る周波数変換
器1が介設されている。
この周波数変換器1の制御入力端に関連して、
本考案の特徴をなす周波数指令回路を設けている
が、該指令回路は空調負荷検知器2例えば温度調
節器を要素としたラインと、周波数特定器3を要
素としたラインとからなつていて、両ラインを切
換手段としてのタイマー回路5を介して前記制御
入力端に切換接続し得る回路に形成している。
温度調節器2を要素としたラインは、温度調節
器2が室温検知器の信号と室温設定器の信号とを
検出入力として温度差検出器に伝え、該温度差検
出器からは両信号の差に応じた出力を発する如き
周知の温度調節器であつて、この温度調節器2の
出力を周波数制御器4によつて出力変換すること
により周波数変換器1に室温と設定温との差、す
なわち空調負荷に応じた周波数設定を行う。
すなわち、前記温度差検出器の検出する温度差
が大なるときは周波数を高く、また温度差が小な
るときは周波数を低く設定するようになつてい
る。なお、周波数変換器1より出力される電圧に
ついては、通例多用される制御方式である(出力
電圧V/出力周波数)一定制御方式を用いて制
御するようにしており、この電圧制御指令は周波
数制御器4より出力される。
また、周波数制御器4の出力端は前記タイマー
回路5の限時閉成接点を介して周波数変換器1に
接続している。
一方、周波数特定器3を要素としたラインは、
該周波数特定器3が特定の周波数設定を行い得る
固定的又は半固定的な出力を発する回路に形成し
ていて、周波数変換器1の出力周波数を、該変換
器1の最小周波数よりも大きい20Hzから商用電源
周波数である60Hz又は50Hzのうち低い方の周波数
である50Hz未満の範囲内で好ましくは30Hz乃至40
Hzの帯域内の適宜周波数に設定する指令信号を出
力し得るようになつている。ここで、周波数変換
器1の出力電圧は、前記周知の(出力電圧V/出
力周波数)一定制御方式に基づいて、以下の如
く設定すべく周波数特定器3より指令信号が出力
される。
すなわち、商用電源周波数0において、出力電
圧は商用電源電圧V0を示すため、V/値は、
V00=K(Kは定数)となる。そして、出力周
波数1は前記した如く20Hzから50Hzの間の適宜値
を採るため、これと対応する出力電圧V1は商用
電源電圧よりも小さく、出力周波数が15Hzの場合
における対応する最小電圧Vminよりも大きい所
定の値に設定される。その結果、圧縮機用モータ
Mの起動トルクTstは、前記(3)式及びR≫Lの関
係を考慮すれば、出力電圧Vの増加に伴い大きく
なる傾向を有することから、該起動トルクTst
は、Vmin<V1<V0の関係より通常の商用電源電
圧、電源周波数駆動の場合に較べ小さなトルク
で、かつ最低回転数駆動時に較べ大きなトルクで
ある中間的トルク値を採ることとなる。
なお、周波数特定器3の出力端は前記タイマー
回路5の限時開放接点を介して周波数変換器1に
接続している。
しかして、前記タイマー回路5は、起動指令に
よつて付勢し、停止指令によつて消勢するオン・
デイレイ形タイマーであり、その設定時間を空調
機が起動してから高・低圧々力が規定値に達する
安定運転状態になるまでの所定時間即ち通常は数
分の短時限に設定するものである。すなわち、こ
のタイマー回路5は、空調機起動時から数分間は
停止指令により消勢され、その限時開成接点を閉
じるとともに、その限時閉成接点を開くことによ
り、前記周波数特定器3と周波数変換器1との電
気的接続を行い、周波数変換器1が周波数特定器
3からの周波数指令信号を受信する如く成す一
方、設定時間経過後は、前記タイマー回路5は起
動指令により付勢され、その限時開成接点を開く
とともに、限時閉成接点を閉じることにより前記
周波数制御器4と周波数変換器1との電気的接続
を行うよう切換作動して周波数変換器1が周波数
制御器4からの周波数指令信号を受信する如く成
しているのである。
上述した構成になる制御装置の具体的な運転例
を次に説明すると第2図に示すように、最小回転
数で圧縮機を起動した場合(破線により示してい
る)と、一定時間中その倍程度の回転数で起動
し、安定状態になつたときに最小回転数に切換え
た場合(実線により示している)とを比較実験し
たところ、明らかに後者の場合の方がウオーミン
グアツプ時間が短縮される結果となつた。
しかも後者の如き起動を行わせることによつて
油戻りも良好となつた。
商用周波数での運転において標準的な能力を出
す圧縮機を、種々の条件に基づき実験を重ねたと
ころ、圧縮機の効率低下、油戻りの不良限界等を
勘案した結果、具体的に起動時における圧縮機回
転数の範囲を周波数変換器1の出力周波数に置換
えて示すと、20Hzよりも高い30Hz〜40Hzの範囲が
最適であつた。
この30Hz〜40Hzの範囲が適当である理由とし
て、1つは第2図々示のように20Hz運転の場合に
比べ40Hz運転の起動の方が、ウオーミングアツプ
時間が短くなつていることである。
そして油戻りが確実に行われる配管内の冷媒流
速の下限値が30Hz付近であつて、20Hzでは問題と
なることが挙げられる。
但し、配管径を小さくすれば、20Hz程度でも必
然的に冷媒流速は大となり油戻りも良くなるが、
高能力運転時に圧損による能力低下が甚大で、効
率が低下することから、かゝる手段は避けるべき
である。
また、40Hzよりも大きくなると、変速しない従
来の圧縮機における商用周波数(50Hz又は60Hz)
での起動の場合と余り変わらなくなり、起動電流
が過大となり、しかも液戻りおよび油のホーミン
グ等が大きく現れて、却つて圧縮機にとり好まし
くない結果となる。
したがつて起動時には30Hz〜40Hzの範囲の出力
周波数で起動するのが綜合的に見て最適であると
いえる。
本考案は以上の説明によつて明らかなように、
出力周波数を連続的に変化し得る周波数変換器1
を圧縮機用モータMの電源回路に備えた空調機の
能力制御装置であつて、空調負荷検知器2が検出
した空調負荷に対応して前記周波数変換器1の最
小周波数より最高周波数の間の周波数で出力させ
る周波数指令信号を周波数変換器1に対して出力
する周波数制御器4と、出力周波数を商用電源
周波数0としての50Hz未満でかつ前記周波数変換
器1の最小周波数よりも高い所定の周波数1に特
定するとともに、出力電圧Vを、商用電源電圧
V0/商用電源周波数0で規定される一定のV/
値に基づいて、前記所定の周波数1に対応する
所定の値に比例的に設定する周波数指令信号を前
記周波数変換器1に対して出力する周波数特定器
3と、前記周波数変換器1に対する周波数指令信
号を、起動時から前記空調機が安定運転状態に達
するまでの所定時間は前記周波数特定器3によつ
て出力し、前記所定時間経過後は、前記周波数制
御器4によつて出力するように切換える切換手段
5とを有する如くした構成であるから、起動電流
を急激に上昇させることなく、しかも円滑起動を
果す上に適正な回転数で起動することによつて、
冷凍回路の高・低圧々力が逸早く正常値に達し、
適正な空調能力を発揮するまでのウオーミングア
ツプ時間が短縮されて起動特性が向上する。
さらに高速回転での起動を避け、適正回転数で
起動していることから、潤滑油のホーミング現象
が少なく、油ポンプの油上り量が不足するおそれ
も無く潤滑性能を起動時点から安定かつ良好に発
揮することが可能である。
また、停止直後の再起動に際しても、冷凍回路
の高・低圧差が大なるにも拘らず、十分なトルク
を有して起動を確実に行い、しかも起動電流を制
限して電源系統の安定化を果す効果も奏する。
特に起動完了後は空調負荷に応じた能力制御を
行つているので、効率が良いし、ランニングコス
トの低減をはかり得る利点をも有しており、本考
案は実用価置に富むところ多大な能力制御装置で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案装置例に係るブロツク回路図、
第2図は本考案と従来装置との特性比較線図であ
る。 1……周波数変換器、2……空調負荷検知器、
3……周波数特定器、4……周波数制御器、5…
…タイマー回路(切換手段)。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 出力周波数を連続的に変化し得る周波数変換器
    1を圧縮機用モータMの電源回路に備えた空調機
    の能力制御装置であつて、空調負荷検知器2が検
    出した空調負荷に対応して前記周波数変換器1の
    最小周波数より最高周波数の間の周波数で出力さ
    せる周波数指令信号を周波数変換器1に対して出
    力する周波数制御器4と、出力周波数Fを商用電
    源周波数F0としての50Hz未満でかつ前記周波数
    変換器1の最小周波数よりも高い所定の周波数
    F1に特定するとともに、出力電圧Vを、商用電
    源電圧V0/商用電源周波数F0で規定される一定
    のV/F値に基づいて、前記所定の周波数F1
    対応する所定の値に比例的に設定する周波数指令
    信号を前記周波数変換器1に対して出力する周波
    数特定器3と、前記周波数変換器1に対する周波
    数指令信号を、起動時から前記空調機が安定運転
    状態に達するまでの所定時間は前記周波数特定器
    3によつて出力し、前記所定時間経過後は前記周
    波数制御器4によつて出力するように切換える切
    換手段5とを有することを特徴とする空調機の能
    力制御装置。
JP1978084294U 1978-06-19 1978-06-19 Expired JPS6320875Y2 (ja)

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