JPS63208739A - 毛細管式分子拡散係数測定方法 - Google Patents

毛細管式分子拡散係数測定方法

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JPS63208739A
JPS63208739A JP4222987A JP4222987A JPS63208739A JP S63208739 A JPS63208739 A JP S63208739A JP 4222987 A JP4222987 A JP 4222987A JP 4222987 A JP4222987 A JP 4222987A JP S63208739 A JPS63208739 A JP S63208739A
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capillary
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Takashi Inaga
隆史 伊永
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、有機性無機性のいかんを問わず各種化学物質
を溶存した液体試料をプラグフロー(栓流)状態として
、内径約2mm以下の細管内へ層流流速下において定常
流れで流す際、注入された試料ゾーンは層流下における
速度分布プロフィールを形成しながら流れ、その時試料
ゾーンの前端と後端とに形成された砲弾状界面において
該溶存化学物質が分子拡散を起こすことに関し、該層流
上分子拡散現象を積極的に利用して細管外部から内部の
流動を乱すことなくこの現象を微細に観測することによ
り、上記溶存化学物質の分子拡散係数を精密かつ簡易に
測定しようとする方法に関するものである。
従来、化学物質の分子拡散係数測定方法としては、広大
な水槽中の静止液体の特定地点に有色の被拡散物質を滴
下し、一定時間経過後の他地点における該被拡散物質濃
度を測定する方法や、外界の影響をなるべく避けるため
太いパイプの中に充填せしめた静止液体の特定地点に有
色の被拡散物質を注入し、一定時間経過後の他地点にお
ける該被拡散物質濃度を測定する方法などが、主として
行われており流動条件下で化学物質の分子拡散係数を測
定する方法は流動現象解析の難しさもあって、実施され
ていなかった。さらに、従来の方法は長時間をかけて拡
散させたのちの被拡散物質の濃度を検出・測定する方法
であったので、外界の影響をどうしても受けやすいため
再現性にも乏しく、一つの分子拡散係数の測定に少なく
とも1年近くを有するという大がかりな仕事であった。
他方、内径約2 厘−以下の円筒細管(キャピラリー)
を用いた流通式の分析プロセスによる化学計測法が近年
分析化学分野で注目されている。すなわち、内径約2s
1以下の細管内を層流流速で流通する発色試薬含有溶液
中に、被発色物質を含有した試料溶液を断続的又は連続
的に導入し、該管内において該物質相互を反応させ、こ
れにより生成した反応物質を直接又は間接的に検出する
方法である。上記の構成において細管内を流れる発色試
薬含有溶液中に、被発色物質を含有する試料液を断続的
に注入した場合には、層流下における効果的な流動及び
拡散並びに混合などを生ずる結果、試料液を容易に試薬
液中に分散・希釈せしめ、しかもその混合及び反応の再
現性と繰り返しの精度が著しく高いという事象が本発明
者によってこれまでに知らしめられている。
すなわち、内径約21以下の内面が平滑な細管を用い、
通常の層流流量条件下(約数ml/分程度以下)におけ
るいわゆるプラグフロー(栓流)状態を形成せしめるよ
うに試料液を試薬液を注入するため、注入された試料液
は管の中心部で最も速く流れ、管壁部においては極めて
遅いか又は停滞した状態となる。このような試薬液と注
入試料液との間には、極めて細長い砲弾上の界面が形成
されていることが確認されている。試料液はこのような
界面を保ち、しかも界面積を広大に発達させながら試薬
液とともに細管内を層流状態で流れ、この間試薬液と試
料液との間で両液中の含有物質が相互に分子拡散及び混
合・反応を生じ、この反応に基づいて測定されるべき反
応物質を生ずるものである。この場合、細管を反応器と
してコイル状に巻き、かつ加熱するならば、流動の部分
的な乱れ及び反応液の粘度低下が生じて拡散及び混合が
一段と効果的に促進できることになろう。
しかしながら、上記の流通式化学計測法において試料液
の流動に細管ではなく、内径5 ■霞程度の通常の太さ
の管を用いた場合には、前記のような効果的な拡散・混
合は生じない。すなわち、管径が太いため分子拡散の寄
与が少なく、混合効果はほとんど期待できないのである
。このような分子拡散による混合効果についてさらに述
べると、流通式化学計測法においては従来の技術常識で
はこの種の計測用反応管としては使用できないとされて
きた内径約21以下の細管を用いたことにより、次に述
べるような作用効果を得ることができたものである。例
えば、反応管の内径を1−とした場合、管中心から管壁
までの距離(半径)は当然0.5 amであり、−刀物
質の分子拡散係数は概ね0.0001〜0.001 s
m2/秒程度である。このような流動系においては、た
とえ反応時間が短くても分子拡散による拡散混合が前述
の広大な試薬−試料界面において極めて効果的に起こる
ため、特別の混合器等は何ら必要としないのである。逆
に、従来技術のごとく内径5 ■程度以上の反応管を用
いた場合には、たとえ上記流通式化学計測法のごとくこ
れに試薬液を流通させ、試料液をこれに注入したとして
も、同一流量において形成される試薬−試料界面の大き
さが格段に小さくなり、しかも分子拡散係数に基づく界
面での拡散混合も効果的に生じないため、混合条件が極
めて劣悪となり、特別の混合器等を不可欠の要素として
設置しなければならないので、該発色反応の再現性や繰
り返し精度においてもそれほど良い結果は得られないの
が公知事実であった。
さらに、このような内径約2111以下の細管において
は、細管の長さに従ってこの管内に極めて高い圧力(ゲ
ージ圧で約10 kg/cta2以下程度)がかかると
いう相乗効果がある。これは流体工学系におけるいわゆ
るハーゲン・ボアズイユ式による層流流れの圧力損失が
生起するからである。この圧力損失は管内径の4乗に反
比例するため、管内径が細くなるほど効果が大きくなり
、反応管の加熱による高温化と相まって顕著に該反応を
促進するものである。この効果を内径1  +s+mの
毛細管の場合についてみると、従来技術の内径51■の
場合に比して625倍の圧力効果を生じ、その結果10
0度以上に加熱しても反応管内で内容液の沸騰が起こら
ないため、高温下での流動に対しても安定した流動が保
たれるので、精密に制御された広範な温度範囲にわたっ
て流通式化学計測法が成立するのである。
本発明者は、上述のような技術革新に基づく流通式化学
計測法の基礎並びに応用研究に当たり、キャピラリー状
細管内における流動・拡散・混合等の現象に着目し、特
に正確な流量で送液可能でしかも定常流が得られる高性
能送液装置を選定し、それに加え細管内での流れを乱す
ことなく管外部から吸光光度測定可能な検出システムを
確立し、さらに細管内層流プラグフローの理論面からも
有限要素法等の数値解析手法を用いて鋭意研究した結果
、理想的な毛細管流動装置と検出システムを開発すれば
、有色又は無色の化学物質の分子拡散係数を簡易にしか
も迅速に測定できることを見いだし、本発明を完成する
に至った。
本発明の分子拡散係数測定方法は、有色の分子拡散係数
未知の化学物質に対しては無色の流動媒体を用いればよ
いが、無色の化学物質に対しては有色の化学物質を溶解
した流動媒体を用いることで対処できる。そして、いず
れの場合も分子拡散係数が既知の化学物質をコントロー
ル試料(標準)として用い、該化学物質を溶解した注入
試料ゾーンの層流流動中における分布とそれで形成され
た細長く尖った砲弾状界面における該化学物質の分子拡
散との相互作用による該化学物質の細管内での広がり(
分散)を、吸光光度法等の手法により管内の流動状態を
乱すことなくピークとして連続的に検知・検出し、記録
されたデータからピークの幅を正確に読み取って、分子
拡散係数既知の化学物質を注入した場合のピーク幅と比
較することにより、分子拡散係数未知の該化学物質の分
子拡散係数を簡単かつ容易に測定できる方法並びに装置
システムの一例を提供するものである。
本発明に用いる正確な定常流の送液が可能なポンプとし
ては、最近普及の著しい高速液体クロマトグラフィー用
高圧低流量マイクロポンプは好適といえず、いわゆるシ
リンジポンプやマイクロフィーダーにより注射筒を機械
的にかつ精密に押して送液する方式が最も好適である。
つまり、本発明ではできるだけ理想に近い定常流を得る
必要があるが、ピストンの往復運動によるポンプではい
かなるダンピング機構を駆使しても現在の技術水準では
完全な定常流れは得られないからである。もちろん、気
体による圧送式のボンピング機構も定常流れを容易に得
ることができ、上述のような理由から本発明に好適に利
用できる。
本発明に用いるキャピラリー又は毛細管としては、透明
度の比較的高い材質のもので管内部の壁面が十分に平滑
であることが重要であり、ガラスを始めとしテフロン、
アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの円筒管
(通常のチューブ)が好適に使用できる。ただし、この
時用いるチューブは柔軟性のない剛直なものが好ましく
、柔軟性のあるチューブではポンプ等で送液する際、送
液に伴う加圧時にチューブが膨張して層流流れに乱れが
生じるので不都合である。なお装置工学的な見地からす
れば、この場合の毛細管は直線状に配置するのが定常流
を得る意味からも好適であるが、たとえ一部分を曲線状
に配置したとしても流動の再現性さえ保たれれば、本発
明の主旨を何ら損なうことなく装置化することが可能で
ある。
検出機構については、上述の毛細管の外部に吸光光度検
出機能を配置するのが最も効果的である。
すなわち、通常流通式化学計測法や高速液体クロマトグ
ラフィーで使われる管軸方向に光を透過させ光路長を長
くとるフローセルではなく、毛細管の外部管壁に密着又
は距離を置いて発光部と受光部とを一対で備えて管径方
向に配置し、毛細管内部を通過する流動媒体の持つ紫外
及び/又は可視並びに/若しくは赤外域などの色の微細
な変化を短い光路長で観測・検出するのである。この場
合、発光部としては小型のタングステンランプ、八〇ゲ
ンランプ、レーザー(半導体レーザーを含む)、発光ダ
イオードなどが使用できるが、タングステンランプ・ハ
ロゲンランプやレーザーなどは発熱するため毛細管の近
くに配置すると流動媒体の温度変化により流れの再現性
に問題が生じる恐れがあるので、光源を離して配置し光
ファイバー等を利用して管外壁まで持ってくるのが最善
の方法である。発光ダイオードは発熱がほとんどないの
で密着して配置できるが、カバーできる波長範茜が限定
されているため複数で配置する必要がある。
ただし、これらの光は円筒状の管壁においである程度屈
折するため透過光に影響を与えるが、この屈折現象は常
に再現性があるので本発明の実施効果には全く影響しな
い。レーザー光源は直進性があるため円筒状の管壁に光
を当ててもそれほど屈折せずに通過するので、本発明を
効果的に実施しうるが、比較的安価な半導体レーザーは
近赤外域の波長をカバーするものしか開発されていない
ため、現時点では実用に供するのが難しい。しかし、高
価にはなるが大容量の窒素レーザー等と色素レーザー等
とを組み合わせた波長可変式のレーザー光を用いれば、
本発明を理想に近い状態で実施できる技術情況にあろう
。なお、現時点では小型のタングステンランプを光源と
して用い、これを光ファイバーで毛細管の外壁まで伝達
せしめ、フォトダイオード又は光電子増倍管で受光する
吸光光度検出システムが本発明実施に最も効果的と思わ
れる。
試料液の注入・導入部については通常のオープンカラム
方式で一定容量をマイクロシリンジで注入するのが最も
簡便であるが、最近の技術水準からみて流通式化学計測
法で用いられ始めたハイドロダイナミック・インジェク
ション法(本流路に対して本流路よりも細いバイパス流
路を交差させて接続・、設置し、電磁弁等の作用により
瞬時に細いバイパス流路に充填していた試料液を本流路
に導入する方法)なども推奨に値する方法である。
さらに、流通式化学計測法で一般的に用いるロータリ一
式切り換えバルブを使ったサンプリングバルブやループ
インジェクターも本発明に利用できるが、この方法はあ
る程度は流れの乱れが避けられないため装置的には簡単
であるが、必ずしも推奨できる試料注入方法とはいえな
い。
本発明の分子拡散係数測定方法を実施するに当たり、キ
ャピラリ一様毛細管は原則として直線状に配置せしめる
が、この際試料液の導入部から検出部までの間は完全な
恒温に保てることが望ましく、その温度範囲は温度に対
する分子拡散係数の安定性を考慮すると、できるなら少
なくとも0.1度以内に正確かつ精密に制御できる機能
を備える必要がある。このため、恒温制御部には空気対
流式温度制御機構又は液体循環式温度制御機構などを設
け、熱電対又はマイクロコンピュータ−制御等を導入し
、確実な温度制御を行う必要がある。
ここにおいて、図面によって本発明に係る分子拡散係数
測定の一具体例を実施する場合を説明すると、第1図に
おいてマイクロフィーダー1の注射筒内に流動媒体2を
十分に入れてから毛細管流路部3に接続する。次に、試
料液注入部4から目的とする分子拡散係数未知の化学物
質を流動媒体と同一の液体に溶解した試料液5の一定容
量(約to 、pl程度)を流動媒体中へ瞬時に注入す
る。注入地点から検出地点までの移動距離が移動距離/
管内径の比で少なくとも150以上となる地点まで流動
媒体を定常流れのままで恒温制御部6の中で流動せしめ
る。検出地点は1点以上好ましくは少なくとも2点(2
点間の差を見積もるため)設け、注入地点から検出地点
までの流動に伴ない、層流速度分布及び該化学物質の持
つ分子拡散係数による注入試料ゾーンの分散の程度を検
出部7において吸光光度検出する。検出部7は光源部8
及び受光部9から構成され、その電気信号は記録部10
で記録紙上へ記録されるか、又はインターフェイス11
を介してコンピューター演算部12へ送られて処理され
る。別途、分子拡散係数が既知の化学物質を上記の流動
媒体と同じ液体中に溶解して、これを標準コントロール
試料として注入し、得られたピーク形状と比較検討(特
に注入試料ゾーンの広がり具合を表すピーク幅について
)することにより、目的とする化学物質の分子拡散係数
を極めて簡易に、迅速に、しかも精密に求めることがで
きるのである。そして、目的とする化学物質が無色の時
には流動媒体中にあらかじめ有色の化学物質を溶解して
おけば良いのである。
本発明の方法では、分子拡散係数が大きい、すなわちO
,QOl ays  7秒オーダーの場合には検出され
たピーク幅は狭くなるのに対し、分子拡散係数が小さい
、すなわち0.0001■−7秒オーダーの場合にはピ
ーク幅が広くなる。この現象は、従来から行われている
通常太さの円管を用いた分子拡散を扱う場合に見られた
注入試料の分散幅の広がりとは全く逆傾向の現象であり
、従来技術では全く類推不可能な事象である。本発明者
は、毛細管内における層流プラグフローでは、流動のご
く初期においてはプラグ注入試料の形状は対流現象によ
り制御されるが、流動が進むと本発明にかかる分子拡散
による影響が主として現れてくること、さらにその中間
の状態では対流と拡散の両方が関与していることを実験
的に確認するとともに、有限要素法を用いた円管内移流
拡散方程式の数値解析によって理論的にも上記の現象を
定量的に解明することにより、毛細管独特の流動・拡散
・混合等の特性を分子拡散係数に関し定式化することに
初めて成功した。本発明は、上記研究成果に基づき実現
せしめられるもので、精密工業・医用工業などの各種工
業分野を始めとし、流体工学・医用工学・精密機械工学
・計測工学・機器分析工学などの分野においても、その
工業的・社会的意義は極めて高いものといえる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
以下に示す実施例は本発明の効果をより良く説明するた
めのものであり、本発明の範囲を同等限定するものでは
ない。また、実施例に示される出及び百分率は特に断り
のない限りすべて重量基準によるものである。
実施例1 第1図に示すごとくの構成で本発明に基づく分子拡散係
数測定方法を実施するための装置を作製した。すなわち
、内径ll園、外径3 am、長さ500Hのガラス製
キャピラリーを試料流動部として用い、これに舌圧すイ
エンス製JP−V−W型マイクロフィーダーからなる送
液部及びオープンカラム方式の試料導入部を直線状に接
続する。試料導入部から後部のガラスキャピラリーは島
津製LC−6A型高速液体クロマトグラフィー用CTO
−6A型力ラムオーブン式恒温槽内へ直線的に設置する
。吸光光度検出部はタングステンランプと光ファイバー
で構成された杉浦製PI−150T型顕微鏡用補助照明
装置を光源部として用い、浜松ホトニクス製フォトダイ
オードを受光部として用い作製した。受光部からの電気
信号は増幅後に日本電子科学製U二228型マルチレン
ジ式記録計へ出力し、チャート紙上へ連続的に記録し、
ベースラインにおけるピーク幅から本発明にかかる分子
拡散係数を求める。
その方法をさらに詳しく述べると、第1図の装置により
分子拡散係数が未知の化学物質、例えば過マンガン酸カ
リウムの分子拡散係数を求めようとするときには、まず
当該装置の装置条件を決定するために分子拡散係数既知
でしかも化学的に安定な物質、例えばフェリシアン化カ
リウムやフェロシアン化カリウムのような物質をコント
ロール標準として用い、これを精秤して蒸留水に溶解し
たものを標準試料液とする。流動キャリヤー液体は試料
液の調整に用いたのと同じ蒸留水を用い、マイクロフィ
ーダーは約117分程度の流量で送液する。恒温槽を機
動させ、ガラスキャピラリーの試料注入部から光度検出
部までの液体流動区間は25.0+ 0.1度で精密に
温度制御する。十分に装置のウオーミングアツプをした
うえで、前述の標準試料液の10 Plをマイクロシリ
ンジでオープンカラム方式により試料注入部から導入す
る。この際再現性が十分に保たれ、しかも注入地点から
検出地点までの間で安定した定常流れ及び分子拡散を保
証するのに十分なだけの移動距離を保てるなら、一旦マ
イクロフィーダーを止めてから試料を注入し、再びマイ
クロフィーダーを動かしても本発明の主旨を損なうこと
なく、記録紙上に得られたピーク幅を用いて分子拡散係
数の測定に供しうろことが判明した。また、マイクロフ
ィーダーの流量を変化させた場合のピーク幅と移動距離
/平均流速(−平均滞留時間)との間には、両対数グラ
フ上で良好な直線関係が成立することが分かった。した
がって、分子拡散係数が異なる場合には上記直線と平行
関係が成立することになるので、1つの流速におけるピ
ーク幅からでも分子拡散係数は測定可能で、もちろん2
つ以上の流速Iこおけるピーク幅を求めて直線関係から
正確な分子拡散係数を測定することも可能であった。
このような手順で、1種ないし2種以上の標準物質を用
いて装置条件を確認したうえで、上述の過マンガン酸カ
リウムを前記と同じ蒸留水に精秤・溶解し、試料液とし
て10 pl注入する。そして、記録紙上に得られたピ
ークの形状、特にピーク幅に着目してピークデータを解
析することにより、該過マンガン酸カリウムの摂氏25
度における分子拡散係数(1,Ixlo  ta■ 7
秒)を再現性良く求めることができた。さらに、恒温槽
の制御温度を容易に変化せしめることができるので、従
来は測定に長期間を要した分子拡散係数の温度による影
響についても詳細な知見を得ることが可能と思われる。
実施例2 実施例1で使用した第1図に示した装置を用い実施例1
と同様にして、分子拡散係数が温度の影響をそれほど受
けないフェリシアン化カリウムイオン染料であるメチレ
ンブルーの分子拡散係数を測定した。流動媒体として用
いる蒸留水に和光純薬製特級試薬のメチレンブルーを溶
解して注入したところ、それまでのフェリシアン化カリ
ウム、フェロシアン化カリウム、過マンガン酸カリウム
などのような比較的分子拡散係数の大きな無機化学物質
の場合に比べ、複雑なピーク形状を呈した。
つまり、メチレンブルーは分子量の大きな有機化学物質
であり上記の物質に比べて分子拡散係数力(1オーダー
小さいため、ピークの形状が拡散支配とならず、対流と
拡散の双方が寄与したダブルピークとなったのである−
0しかしながら、これまでと同様にダブルピークのベー
スラインにおけるピーク幅を測定することによって、メ
チレンブルーの分子拡散係数を1.8xlQ  ”am
2/秒と正確に決定することに成功した。このメチレン
ブルーを始めとする各種染料は過マンガン酸カリウムの
ような反応性は有さないので、非着色化学物質の分子拡
散係数を測定する際に流動媒体中に溶解させる着色化学
物質として有用と思われる。
実施例3 実施例1及び2と同様にして、着色サブミクロン粒子か
らなる超微粒子状インクを試料として用いたところ、こ
の物質は水中でほぼ完全な分散状態を保っているとはい
え、分子状ではなく粒子状で存在しているため、本発明
で扱うような分子拡散はほとんど起こさないことを認め
た。したがって、得られたピークもテーリングの極めて
大きい対流支配のものであったため、実施例1の装置の
ままで拡散係数を測定するのは困難であった。しかし、
さらに流動距離を長くすれば拡散をある程度生起せしめ
ることも可能と思われるので、その際は拡散係数を推測
することも不可能ではない。
実施例4 実施例1〜3と同様にして第1図の装置を用いて、流動
媒体としては蒸留水3WJとエタノール1部とを混合し
た溶液を調製し、実施例3と同様にメチレンブルーを該
溶液中へ溶解したものを使用した。この混合溶液中にフ
ェリシアン化カリウム又はフェロシアン化カリウムを標
準物質として溶解したものを、試料液として1(1,、
ul注入する。次いで、分子拡散係数が未知の無機化学
物質としてヨウ素(I2)を該混合溶液中へ溶解したも
のを試料液として10 Pl注入する。得られたピーク
幅は拡散支配のものとなり、実施例1〜3で用いた蒸留
水を流動媒体とした場合に比べ、分子拡散h(より効果
的に作用していることが理解された。また、本発明によ
り得られたヨウ素の分子拡散係数は、既往の研究成果に
より得られた分子拡散係数(1,2罵to  ”tan
り秒)と良く一致することが判明した。
実施例5 第1図の装置の流動媒体として0.01%のアゾベンゼ
ン色素を溶解した着色エタノール溶液を用い、試料液と
してはベンゼン、トルエン、フェノール、0−クレゾー
ル、ナフタレン、2−ナフトール、l−ニトロソ−2−
ナフトールなどを一定量溶解したエタノール溶液を使用
した。この場合、標準物質としては実施例4で用いたヨ
ウ素が使用可能であった。試料注入量は10P1とし、
記録紙上の着色エタノール溶液の色落ち程度から、上記
物質を含む試料液を次々と注入することにより、ベース
ライン上ではなくピーク高さ値の10%値におけるピー
ク幅を求めることにより、エタノール中での該有機化学
物質の分子拡散係数を極めて簡易に測定することも本発
明の方法によれば十分可能であることがわかった。
実施例6 第1図の装置を使用し、流動媒体としては0.01%の
1−ニトロソ−2−ナフトールを溶解したベンゼン溶液
を用い、実施例5で分子拡散係数を求めた2−ナフトー
ルをコントロール用標準物質に用いた。
このベンゼンを用いる分子拡散係数測定系で求めたトル
エン、フェノール、0−クレゾール、ナフタレンなどの
分子拡散係数の値は、実施例5のエタノール系で測定し
たそれぞれの有機化学物質の分子拡散係数の値と十分比
較しうるちので、相関関係もあることがわかった。
実施例7 第1図の装置を使用し、流動媒体としてはローダミンB
を溶解した粘性のある10%グリセリン水溶液を用い、
フェリシアン化カリウムを標準物質として装置条件を調
整した。しかし、粘性のある液体を流動せしめた場合に
は、実施例3の場合と同様に十分な分子拡散が行われな
いため、無機・有機化学物質とも艮いテーリングを持つ
ピークとなり、正確な分子拡散係数を得るのが難しく、
しかもヨウ素や重クロム酸カリウムに対して得られた結
果も、既往の文献値と比べて良好とはいえなかった。
これらの実施例より、本発明にかかる分子拡散係数測定
はむしろ分子拡散がある程度起こった状態で行うほうが
好ましく、分子拡散がほとんど起こらない状態での測定
はピークのテーリングがピーク幅の測定に大きく影響す
るため良い結果を与えないので、第1図に示す装置の操
作条件はこのことを考慮して的確に決める必要があった

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)直線状に配置した細管中に層流流速の定常流れ状
    態で液体を連続的に供給せしめ、目的化学物質を上記液
    体中へ溶解せしめた液体試料の所定量を該流動液体中へ
    断続的に導入せしめ、該液体が該細管内を流動するに際
    し層流速度分布に伴って該化学物質の分子拡散を生起せ
    しめ、次いで該細管外部から該流動液体中の該化学物質
    の分散状態を連続的に検知することを特徴とする毛細管
    式分子拡散係数測定方法。
  2. (2)非着色化学物質の分子拡散係数測定においては、
    有色物質を着色剤としてあらかじめ溶解した液体を連続
    的に通液せしめ、該化学物質を溶解した液体試料の所定
    量を注入したのち、細管外部に設置した光度検出装置を
    用いて該有色物質溶解液体の色落ちを連続的に検出する
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の方法。
  3. (3)使用する細管の内径が約2mm程度以下で、かつ
    化学物質含有液体試料の導入地点から検出地点までの距
    離が該細管の内径に比して約150倍以上であり、さら
    に該細管の少なくとも該液体試料導入地点から検出地点
    までを恒温に温度制御することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載の方法。
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