JPS6320728B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はこんにやくの製造時に袋詰めされた熱
処理前ゾル状のこんにやく包装体を加熱コンベア
ーへ載せるために、予め多数個を捕捉配列させる
装置に関するものである。

「従来の技術」 こんにやくの製造においては機械化が進み、少
人数で多数個の生産が可能となりつつある。この
ような製造現場においては、まず、こんにやく芋
を潰してこれに調味料、ゲル化剤等を添加し、次
いでこれを透明なビニール袋中に入れて、コンベ
アーで搬送し、加熱浴中を通過する加熱コンベア
ーに移して熱湯中を通し凝固させるのである。

これらの工程中、加熱コンベアーへ移す作業は
これまで相変らず人手に頼らざるを得なかつた。
それは、こんにやくを潰してゾル状とし、これ
を袋詰めする装置と加熱浴への浸漬装置とが同期
化出来なくて別個に運転せざるを得ないので、そ
の間に人が介在するしか解決方法が無かつた。
ゾル状こんにやく包装体が不定形で搬送コンベア
ーへ移した場合に変形し、加熱がそのまま行なわ
れると外形の不定形な製品が得られ商品価値を落
とす等の理由によるものであつた。このような理
由によつて、加熱コンベアーの前に２〜３人の作
業者が居て、搬送コンベアーによつて次々と送ら
れてくるゾル状こんにやくの包装体を手で持つ
て、加熱コンベアーのトレーに設けられているほ
ぼこんにやく形状の多数の仕切りの中へ移し変え
ていたのである。このトレーは加熱コンベアーの
進行につれて順次送られてくる。その都度作業員
はこれに不良品の生じないよう細心の注意を払い
ながら多数個を詰める必要があつた。

「発明が解決しようとする問題点」 この作業は煮えたぎつている加熱釜の近くであ
るから、高温高湿で作業環境としては形容し難い
程に悪い。多忙の上に室内環境が烈悪であるから
長時間の作業も出来ず、何らかの解決が要望され
ていた。

これを解決するための種々の試みがこれまでな
されているが、包装体がぐにやぐにやの不定形で
機械によつて把持すると困難かつ変形が著しくな
り不適当で、また、コンベアーによつてランダム
に送られてくるので、加熱コンベアーへ総てを移
すことが出来ない等の理由から機械化が成功しな
かつたのである。

被搬送物が本発明が対象とする熱処理前こんに
やく程には柔らかくない物品の場合には、コンベ
アーの進行方向から他の方向へ移す操作について
は、商品の変形という難点が無いため、コンベア
ー自体をローラーコンベアーを採用したり、単に
進行方向に直角の方向へ送り出すアーム等が設け
られることによつて（例えば実公昭49−6954号、
実公昭55−10344号）解決できる。しかし、本発
明においては異方向へ移すために送つている時
も、また所定の数が揃うまでの間、待機している
時も、更に、搬送コンベアーから加熱コンベアー
へ送られる際にも、商品が変形したり、包装袋に
シワの付くことが許されない。そこで、既存の装
置の転用や改良では従来の難点を解決することが
できなかつたのである。

「問題点を解決するための手段」 本発明は上記難点の解決手段を求めて種々検討
した結果、ここにベルトコンベアー上での捕捉配
列といつた新規な手段を見出だし、ここに無人化
の目的を達成したのである。

その結果、本発明は次のような特徴を有したも
のとなつている。すなわち、熱処理前こんにやく
の変形し易い包装体１を搬送するベルトコンベア
ー２側方に後方を装置本体へ軸支しかつ垂直方向
のシリンダー５によつて上下方向に回動可能とし
た水平方向のシリンダー８を設け、前記ベルトコ
ンベアー２に沿つて所定間隔に複数の前記水平方
向シリンダー８を設けてこれらにストツパー板３
を設け、そのストツパー板３より食品包装体の進
入方向前部でベルトコンベアー２の所定場所に検
知器７を設け、その検知器７が前記包装体１の通
過を検知したとき、包装体１の通過ごとに最先の
ものから順次ストツパー板３をベルトコンベアー
２上に前記垂直方向シリンダー５によつて配設
し、複数の包装体をその底面を前記ベルトコンベ
アー上で摺動させて一定の方向へ揃えた状態で所
定間隔に捕捉配列し、前記複数の水平方向シリン
ダー８の同時進出によつて加熱コンベアー９方向
へ捕捉配列された包装体を送ることを特徴とする
熱処理前こんにやく包装体の捕捉配列装置であ
る。

「作用」 このような構造としたことによつて、ゾル状の
熱処理前こんにやくの包装体は加熱コンベアーの
トレーが一度に多数個を供給することを必要とし
ていることに対して、所定間隔に搬送ベルトコン
ベアー上へ底面をベルトコンベアー上面へ摺動さ
せながらストツパー板により進行を停止して並
ぶ。それと同時にこんにやく包装体は摺動しなが
らストツパー板３へその一辺が添つて、総てのも
のが同一方向へ揃つた状態となり、そのまま加熱
コンベアー上へ機械力により安全に載せることが
出来る。

「実施例」 第１図は本発明のこんにやく包装体の捕捉配列
装置１０を備えた移送装置の平面図であり、第２
図は同装置の正面図、第３図は右側面図である。

これらの図において、ゾル状熱処理前こんにや
くの包装体１が搬送されてくるベルトコンベアー
２は後端部のみが表わされており、省略した前端
部はゲル状こんにやくを袋中へ充填するための充
填機の近くにある。このベルトコンベアー２の上
部には所定間隔で鈎状のストツパー板３が多数枚
配設されている。各ストツパー板３は上下に回動
可能に軸４で軸支されており、回動はシリンダー
５の伸縮ロツド６とストツパー板３が取り付けら
けているシリンダー８とを連結したことによる。
ストツパー板３は多数個配設しており、これらが
それぞれ一個宛の熱処理前こんにやく包装体１を
捕捉するのである。

そのために、ベルトコンベアーの所定位置に検
知器７が設けられている。検知器７はこの例では
光電管が用いられており、包装体１の通過により
光が遮られるのを検知する。ここで最初の包装体
１が通過した場合に最も検知器７から遠く離れた
最先のストツパー板３ａが直ちにベルトコンベア
ー２上に回動して配備される。この時、他のスト
ツパー板３ｂ〜３ｆは起立状態で、ベルトコンベ
アー２上へ降りていないので包装体１はストツパ
ー板３ａの位置まで進みここで捕捉されるのであ
る。次に同様に他の加熱前こんにやく包装体がベ
ルトコンベアー２によつて運ばれてくると、検知
器７によつて通過が検知され、２番目のストツパ
ー板３ｂが倒れてベルトコンベアー２上に配設さ
れる。このようにして順次こんにやく包装体１が
ストツパー板３によつて捕捉される。

ストツパー板３によつて進路を遮られているゾ
ル状の加熱前こんにやく包装体１は、その底面を
ベルトコンベアー２状で摺動しながら、しだいに
ストツパー板へ一辺が添つて、一定の方向へ揃え
られると共に、底面のシワも無くなつて、加熱コ
ンベアー９上への移行が不良品の生じない状態で
容易に行える。ストツパー板３ａ〜３ｆの総てに
熱処理前こんにやく包装体が捕捉されると、スト
ツパー板を水平方向に進退可能に取り付けている
シリンダー８が作動し、加熱コンベアー９の方向
へと包装体１を送るのである。

ストツパー板３の作動に上記実施例ではシリン
ダーを用いたが、本発明では他に例えばモーター
やクランク機構を用いて回動又は水平方向への進
退によつて必要時にベルトコンベアー２上にスト
ツパー板３を配置させるとか、こんにやく包装体
１を加熱コンベアー９方向へ移動させることも出
来る。

「発明の効果」 このような構造としたことにより、ベルトコン
ベアー上に載つて送られてくるゾル状のこんにや
く包装体は、複数のストツパー板の個々に順次最
先のものから捕えられ、しかも、底面をベルトコ
ンベアー上面で摺動しながら所定個数が揃うまで
移動を停止して待機し、その間にストツパー板へ
その一辺が添つて同一方向へ揃うと共に、底面が
平滑化されてシワの無い状態となるので、一度に
多数個を収容しなければならない加熱コンベアー
のトレーへの移し変えを、不良品の生じない状態
で一斉に人手に頼ることなく行うことができるこ
ととなつたのである。よつて、無人化を達成し、
かつ商品価値の高いこんにやく製品が得られるこ
ととなつたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の熱処理前こんにやく包装体の
捕捉配列装置を備えた移送装置の平面図であり、
第２図は同装置の正面図、第３図は右側面図であ
る。 １……熱処理前こんにやくの包装体、２……ベ
ルトコンベアー、３……ストツパー板、４……
軸、５，８……シリンダー、６……伸縮ロツド、
７……検知器、９……加熱コンベアー、１０……
熱処理前こんにやく包装体の捕捉配列装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 熱処理前こんにやくの変形し易い包装体１を
   搬送するベルトコンベアー２側方に後方を装置本
   体へ軸支しかつ垂直方向のシリンダー５によつて
   上下方向に回動可能とした水平方向のシリンダー
   ８を設け、前記ベルトコンベアー２に沿つて所定
   間隔に複数の前記水平方向シリンダー８を設けて
   これらにストツパー板３を設け、該ストツパー板
   ３より食品包装体の進入方向前部でベルトコンベ
   アー２の所定場所に検知器７を設け、該検知器７
   が前記包装体１の通過を検知したとき、包装体１
   の通過ごとに最先のものから順次ストツパー板３
   をベルトコンベアー２上に前記垂直方向シリンダ
   ー５によつて配設し、複数の包装体をその底面を
   前記ベルトコンベアー上で摺動させて一定の方向
   へ揃えた状態で所定間隔に捕捉配列し、前記複数
   の水平方向シリンダー８の同時進出によつて加熱
   コンベアー９方向へ捕捉配列された包装体を送る
   ことを特徴とする熱処理前こんにやく包装体の捕
   捉配列装置。