JPS6320628B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明はウエブ面とフランジ面とよりなる山形
鋼を効率良く正確に切断することを可能とした山
形鋼の切断方法に関するものである。

＜従来の技術＞ 現在、例えば船体のフレーム等の構造材に大量
の形鋼が使用されているが、その中でも山形鋼或
いは不等辺山形鋼に対するガス切断加工は困難で
あり、これを解決するために従来も例えば特開昭
51−21283号公報に示される如く１本のガス切断
トーチを使用して三次元切断を行う方法が開発さ
れている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 然し、上記切断方法を実施した場合にはフラン
ジ面切断後にウエブ面の切断へ移行する際のトー
チ角度変換機構の複雑さや切断工程に於ける時間
のロス等があり、且つフランジ面とウエブ面との
直交部または直折部に於いて二重切断、或いは切
断線の食い違いが発生する等の欠点があつた。

本発明は上記欠点に鑑み開発された全く新規な
技術に関するものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 上記問題点を解決する本発明の手段は、山形鋼
をウエブ面が水平にかつフランジ面が垂直になる
如く載置し、かつこれ等のウエブ面とフランジ面
とに夫々専用のガス切断トーチを配して山形鋼の
ウエブ面とフランジ面とを別々に切断する切断方
法に於いて、山形鋼の背面線とテンプレート台の
基線とを合致せしめると共に山形鋼のウエブ面と
フランジ面との切断線を実寸で対称的に展開した
線図を前記テンプレート台に表示し、更に該線図
をフオトアイを用いて倣いながらフランジ面の切
断をウエブ面の切断より先に行うことを特徴とし
た山形鋼の切断方法に関するものである。

＜作用＞ 本発明は上述の如く、ガス切断すべき山形鋼を
ウエブ面を水平に且つフランジ面を垂直に、同時
に該山形鋼の背面線とテンプレート台の基線を合
致して載置し、また前記ウエブ面及びフランジ面
とを夫々切断するための専用ガス切断トーチを配
設し、更にフランジ面とウエブ面との連続した切
断線を展開した線図をテンプレート台に表示する
と共に該線図をフオトアイによつて倣いながら先
ずフランジ面を切断し続いてウエブ面を切断する
ようにしたので、フランジ面の切断線とウエブ面
の切断線とが食い違うことが無く、且つフランジ
面に対する切断とウエブ面に対する切断とを連続
して正確に実施することが出来る。

＜実施例＞ 以下本発明に係る切断方法の一実施例を図によ
り具体的に説明すると、第１図及び第２図は山形
鋼切断の典型的な切断例を例示したものであつ
て、第１図は山形鋼の外面に罫書、或いはガス切
断を行う場合の例を示し、また第２図は山形鋼の
内面に罫書、或いはガス切断を行う場合の例を示
している。

図に於いて、１は山形鋼の素材、２はガス切断
加工された部材、３は切断部を示し、ａは山形鋼
に於ける巾広のウエブ面を、またｂは巾狭のフラ
ンジ面を夫々表示している。

次に第３図は本発明の切断方法の原理を説明す
る図であつて、山形鋼の素材１はウエブ面ａが水
平に、フランジ面ｂが垂直になる如く載置されて
おり、前記フランジ面ｂに対応して、このフラン
ジ面ｂのみを切断するためのガス切断トーチ４が
配設され、切断線５に沿つてフランジ面ｂの切断
を行いスクラツプ６を切除し得る如く構成されて
いる。またウエブ面ａに対応して、このウエブ面
のみを切断するためのガス切断トーチ７が前記ガ
ス切断トーチ４とは別個に配設され、切断線８に
沿つてこのウエブ面ａを切断し得る如く構成され
ている。

第４図は本発明の切断方法を実施するための説
明図であり、第５図はこの切断方法を実施するこ
とが出来るガス切断装置の概略説明図である。

図に基づいて本発明の切断方法を説明すると、
第４図及び第５図に於いて、山形鋼の素材１は切
断定盤１１上にウエブ面ａを水平に且つフランジ
面ｂを垂直に、同時に後述するテンプレート台２
３の基線２４と素材１の背面線２５とを合致させ
て載置されている。前記切断定盤１１上に山形鋼
の素材１を載置するには、例えば切断定盤１１の
所定位置にテンプレート台２３の基線２４に対応
する背面線の位置を明示しておき、該背面線の位
置と素材１の背面線２５を合致するようにすれば
良い。

そしてこのときの座標系は素材１の長手方向を
ｘ軸とし、ウエブ面ａ上でｘ軸に直交する方向を
ｙ軸とし、またフランジ面ｂ上でｘ軸に直交する
方向をｚ軸として設定されている。

また１２はガス切断装置であり、座標のｘ軸方
向に平行に設けられた走行レール１３に沿つて移
動することが出来るように構成されている。この
ガス切断装置１２には座標のｙ軸に平行なクロス
レール１４と、座標のｚ軸に平行な昇降レール１
５とが夫々所定位置に設けられており、前記クロ
スレール１４には切断トーチ７が、また昇降レー
ル１５には切断トーチ４が夫々走行可能に装着さ
れている。

第４図に於いて、２１はフオトアイトレーサー
であり、このフオトアイトレーサー２１による倣
い原理は例えば特公昭53−43470号公報等により
良く知られたものである。

次に２２は倣い型の線図であつてテンプレート
台２３上に表示されたものであり、一般には白い
面に黒書され、光の反射の識別を容易にしたもの
が用いられる。２４はテンプレート台２３に設け
た基線であり、山形鋼の素材１の背面線２５、即
ち山形鋼のウエブ面ａの背面とフランジ面ｂの背
面との交叉線と合致するものである。そして前記
線図２２は基線２４を境として一方の側、即ちテ
ンプレート台２３の２３ａ側にフランジ面ａを切
断するための切断線を、他方２３ｂ側にウエブ面
ｂを切断するための切断線を夫々原寸で展開した
状態に描かれている。従つてフランジ面ａとウエ
ブ面ｂとを連続して切断する場合には、図に示す
ように１本の線図２２として描かれるものであ
る。

また２６は切断トーチ４のｚ方向の移動を制御
するためのコントローラであり、２７は切断トー
チ７のｙ方向の移動を制御するためのコントロー
ラである。更に、２８はレールであつて前記テン
プレート台２３を載置してｘ方向への移動を案内
するためのものである。

次に前記線図２２を用いて山形鋼を切断する方
法に付いて詳細に説明する。

２２ａはフランジ面ａを斜めに切断するための
線であり、フランジの端面２９ｂと線２２ａの開
始点２２ｂとは略一致して形成されている。フオ
トアイトレーサー２１は線図２２の開始点２２ｂ
から倣いを開始し、その後線２２ａに沿つて倣い
を進行する。このときフオトアイトレーサー２１
の移動はｘ軸及びｚ軸の各方向に分解されて夫々
の方向に対応した移動量と移動速度とが検出され
る。そしてｘ軸に対応した移動量と移動速度とは
ガス切断装置１２に伝達されて図示しない駆動装
置によつてガス切断装置１２を走行レール１３に
沿つて移動させ、ｚ軸に対応した移動量と移動速
度とはコントローラ２６を介して図示しない駆動
装置に伝達され、該駆動装置によつて切断トーチ
４を昇降レール１５に沿つて移動させ、両者の合
成移動により線２２ａに対応したフランジ面ｂに
対する切断線２９ａを形成することが出来る。

次にフオトアイトレーサー２１が線２２ｃに至
ると切断トーチ４は該線２２ｃに沿つてＸ方向に
フランジ面ｂを切断し、続いて２２ｄに沿つてフ
ランジ面ｂをｚ方向に切断する。この線２２ａ，
２２ｃ，２２ｄの連続した切断によりフランジ面
ｂには切断線２９ａが形成されると共にスクラツ
プ６が切除される。引き続きフオトアイトレーサ
ー２１は線２２ｅから線２２ｆに沿つて倣いを継
続するが、ここでフランジ面ｂは既にスクラツプ
６が切除されているために切断トーチ４による切
断は行われない。

また特に線２２ｅ或いは２２ｆの経路上に特定
のマークを設け、フオトアイトレーサー２１がこ
のマークを検出することによつて切断トーチ４に
対する酸素及び燃料ガスの供給の遮断、及び切断
トーチ７に対する酸素及び燃料ガスの供給の開始
等を制御し、更にコントローラ２６とコントロー
ラ２７に対する伝達信号の切り換え等を制御する
ように構成することが可能である。

上記の如く構成することによつて、切断トーチ
７は直ちに切断に入ることが出来、フオトアイト
レーサー２１が線２２ｇを倣つてテンプレート台
２３の２３ｂ側の領域、即ちウエブ面ａの切断領
域に入ると、フオトアイトレーサー２１の移動は
ｘ軸及びｙ軸の各方向に分解され夫々の方向に対
応した移動量と移動速度とが検出され、前記フラ
ンジ面ｂに対する切断の場合と同様にｘ方向に対
応した移動量と移動速度とガス切断装置１２に伝
達され、またｙ方向に対応した移動量と移動速度
とがコントローラ２７を介して図示しない駆動装
置に伝達され、該駆動装置により切断トーチ７を
クロスレール１４に沿つてｙ方向に移動させる。
そして両者の合成によつて線２２ｇに対応した切
断線２９ｇがウエブ面ａに形成される。

以上のようにして山形鋼のフランジ面ｂとウエ
ブ面ａとを連続して切断することが出来、このと
きフランジ面ｂに対する切断線２９ａとウエブ面
ａに対する切断線２９ｇとを連続線として形成す
ることが出来る。

以上説明した実施例に於いて、フランジ面ｂを
切断する場合に切断トーチ４を昇降レール１５に
沿つてｚ方向に移動するようにしたが、例えば第
６図に示すような切断トーチ４の案内機構を構成
して切断することも可能である。

第６図は山形鋼の素材１のフランジ面ｂを切断
するための切断トーチ４の案内機構を示した説明
図であり、図に於いて、３１はフレーム、３２は
減速機構等を有するモーターであつて昇降キヤリ
ツジ３３を垂直方向（第４図に於けるｚ方向）に
移動させるためのものである。３４はスクリユー
シヤフトであり、垂直に設けられて前記モーター
３２によつて駆動されるように構成されており、
３５はスクリユーシヤフト１１に並列された案内
レールである。

上記構成に於いて、モーター１０はフオトアイ
トレーサー２１が線図２２を倣つて移動する際の
ｚ方向の移動量及び移動速度に対応して駆動され
るものであり、そして昇降キヤリツジ３３は前記
モーター３２によつて駆動されるスクリユーシヤ
フト３４により、案内レール３５に沿つてｚ方向
に移動し得るように構成されている。

３６は減速機構等を有するモーターであつて横
行キヤリツジ３７を水平方向（第５図に於けるｘ
方向）に移動させるためのものである。３８はフ
レーム３１に水平に軸着されたスクリユーシヤフ
ト、３９はこのスクリユーシヤフト３８に並列し
てフレーム３１に固定された案内レールである。

上記構成に於いて、モーター３６はフオトアイ
トレーサー２１が線図２２の切断線を倣つて移動
する際のｘ方向の移動量及び移動速度に対応して
駆動されるものであり、そして横行キヤリツジ３
７は前記モーター３６によつて駆動されるスクリ
ユーシヤフト３８により、案内レール３９に沿つ
てｘ方向に移動し得るように構成されている。

更に、４０は操作盤であつてガス分配部４１に
設けられた酸素及び燃料ガスのバルブの開閉を操
作するためのものである。ガス分配部４１はガス
切断トーチ４に酸素及び燃料ガスを分配供給する
ものであつて、前記各ガスを適切な圧力と流量と
をもつて供給するための調整バルブと、開閉バル
ブとによつて構成されている。また４２は図示し
ない供給源より酸素、燃料ガス及び電気を供給す
るための供給ホースである。更に４３はガス切断
トーチ４を昇降キヤリツジ３３に取付固定するた
めのホルダーである。

上記の如く構成された案内機構は第５図に於け
る切断トーチ４の昇降レール１５と置換すること
が出来、この場合には第４図に示す線図２２の基
線２４のフランジ面ａの切断領域（２３ａの領
域）を単独で切断することが出来る。

前述の実施例に於いて、テンプレート台２３を
案内レール２８上に設けたが、この場合フオトア
イトレーサー２１をガス切断装置１２上に設ける
ことによつてｘ方向の移動を直接ガス切断装置１
２に伝達することが出来る。またテンプレート台
２３をガス切断装置１２に一体的に内装して、既
に説明したようにｘ、ｙ、ｚ方向の移動量及び移
動速度を検出し、この検出結果に応じてガス切断
装置１２、切断トーチ４、切断トーチ７の夫々を
独自に駆動するように構成することも出来る。

何れにしても本発明の要旨はテンプレート台の
位置とガス切断装置との関係にあるものでは無
く、山形鋼素材のフランジ面とウエブ面との切断
を連続して正確且つ確実に行う為に、夫々の面に
対応した切断トーチを配置し、フランジ面とウエ
ブ面とに連続した切断線を基線と背面線とを合致
させた状態にして展開し、この展開された切断線
をフオトアイトレーサーによつて倣うことで連続
切断を可能にしたことにあるものである。

前述の実施例に於いて、開先切断については特
に説明していないが、切断トーチに所定の角度を
与えて切断することは既に周知の技術であり、切
断トーチの旋回、或いは傾斜角度の付与等の機能
を付加することによつて実施することが出来る。

＜発明の効果＞ 以上詳細に説明したように、本発明の切断方法
は既に詳述せる如き構成と作用とを有するので、
等辺山形鋼であると不等辺山形鋼であるとを問わ
ず、フランジ面の切断とウエブ面の切断とを連続
して正確且つ確実に行うことが出来、然も両面の
切断線の交点に於ける不連続部が発生することが
無く、またフランジ面の切断をウエブ面の切断よ
りも先行して行うのでウエブ面を切断する際には
フランジ面が切除されているため切断開始を円滑
に行うことが出来、更にフランジ面の切断線とウ
エブ面の切断線とを実寸を持つて描くことが出来
るので、容易に線図を得ることが出来る等の特徴
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は山形鋼の説明図、第３図は
本発明の原理を示す説明図、第４図は本発明の切
断方法を実施するための説明図、第５図は本発明
を実施するガス切断装置の概略説明図、第６図は
切断トーチの案内機構の例を示す説明図である。 １は山形鋼の素材、２は切断加工された部材、
３は切断部、４，７は切断トーチ、５，８は切断
線、６はスクラツプ、１１は切断定盤、１２はガ
ス切断装置、１３は走行レール、１４はクロスレ
ール、１５は昇降レール、２１はフオトアイトレ
ーサー、２２は線図、２２ａ，２２ｃ乃至２２ｇ
は線、２３はテンプレート台、２４は基線、２５
は背面線、２６，２７はコントローラ、２８はレ
ール、２９ａ，２９ｂは切断線、３２，３６はモ
ーター、３３は昇降キヤリツジ、３４，３８はス
クリユーシヤフト、３５，３９は案内レール、３
７は横行キヤリツジ、４０は操作盤、４１は分配
部、４２は供給ホース、４３はホルダー、ａはウ
エブ面、ｂはフランジ面である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 山形鋼をウエブ面が水平にかつフランジ面が
   垂直になる如く載置し、かつこれ等のウエブ面と
   フランジ面とに夫々専用のガス切断トーチを配し
   て山形鋼のウエブ面とフランジ面とを別々に切断
   する切断方法に於いて、山形鋼の背面線とテンプ
   レート台の基線とを合致せしめると共に山形鋼の
   ウエブ面とフランジ面との切断線を実寸で対称的
   に展開した線図を前記テンプレート台に表示し、
   更に該線図をフオトアイを用いて倣いながらフラ
   ンジ面の切断をウエブ面の切断より先に行うこと
   を特徴とした山形鋼の切断方法。