JPS631963Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は一般家庭において使用する電気掃除機
用吸込具に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来の電気掃除機の吸込具は、吸気力だけで塵
埃を吸引するようにしていたため、狭い溝の底や
隅にたまつた塵埃，面に付着した塵埃などはどう
しても吸い取ることが出来ないという欠点を有し
ていた。これを解消するため、掃除機の排気を吸
込具まで導びいて被掃除部に吹き付け、塵埃を一
旦舞い上がらせてから吸い込む手段もあるが、こ
の場合は、長い排気導管が必要となり構成として
大がかりとなり、また操作性を低下する問題もあ
つた。さらに上記手段で吸込具に至る排気流量を
制御するものもあるが、排気導管が長く、その通
気抵抗が大きいため、的確な制御ができなかつ
た。

さらに実公昭54−38786号公報に記載されてい
るようにタービンと連係して排気フアンを設け、
この排気フアンによつて吹き付け気流を生起する
ものも見られる。しかし、このものでは排気フア
ンによる吹き付け空気量の調整ができず、非常に
使い勝手が悪いものとなつていた。

考案の目的 本考案はこのような従来の問題を解消するもの
で、狭い溝の底や隅にたまつた塵埃，面に付着し
た小塵埃も確実に吸い取ることを目的とするもの
である。

考案の構成 ブラシによつて周囲を包囲した吸込室と、一方
に上記吸込室に連通する通気口を、他方に掃除機
の吸引側に連通される接続口をそれぞれ有するタ
ービン室と、このタービン室に隣設されるととも
に、上記吸込室へ向け吹出方向を設定したノズル
およびダンパーにより開口度が制御される空気取
り入れ口を設けたフアンケーシングと、タービン
室に内設され、通気口を介して流入する吸気流に
より回転するタービンと、このタービンと連係し
てフアンケーシング内に配設した排気フアンとを
備えたものである。

吸込具使用時、吸気流によつてタービンが回転
し、これに伴つて排気フアンも駆動される。した
がつて、空気取り入れ口から流入した外部空気は
ノズルより被掃除面に吹き付けられる。その結
果、被掃除面の塵埃は一旦舞い上げられて吸引さ
れる。またダンパーによりフアンケーシングにお
ける空気取り入れ口の開口度を変化することでノ
ズルを介しての空気吹き付け量を容易に制御でき
る。この場合、フアンケーシングの空気取り入れ
口の開口度を変化するだけでよいところから、的
確な空気吹き付け量制御ができるものである。

実施例の説明 以下その実施例を添附図面とともに説明する。
第１〜４図において、１は通気口２から入つて来
る吸気流により回転するタービン、３はそのター
ビン１の回転力を排気フアン４に伝える回転軸、
５は回転軸３の軸受、６は座金、７は排気フアン
４を締つける左ネジのナツト、８は軸９を中心に
首振りを行い掃除機の延長管と接続する接続口、
１０はタービン１を覆い、かつ軸受５を支える下
部軸受ホルダー１１と、上部軸受ホルダー１２を
形成した上蓋１３とを有したタービン室、１４は
通気口２と細長く伸びた吹きつけノズル１５の挿
入口１６を有し毛足の長いブラシ１７を全周に植
え付けた吸込室、１８はタービン室１０より突出
形成した接続口８のホルダである。１９は空気取
り入れ口２０および先の吹きつけノズル１５を有
し、排気フアン４を覆うフアンケーシングで、こ
れはビス２１により間に上蓋１３をはさんでター
ビン室１０に締めつけられている。２２は空気取
り入れ口２０に設けたダンパーである。

上記構成において動作を説明すると、まず掃除
機本体の吸込力により通気口２から入つて来る吸
気の勢いでタービン１が回転する。そしてその回
転力は回転軸３によりタービン室１０の外部にあ
る排気フアン４に伝達される。排気フアン４の回
転により空気取り入れ口２０から空気が入り、吹
きつけノズル１５から空気流が吹き出す。吹きつ
けノズル１５から吹き出した空気流により被掃除
面の狭い溝の底にたまつた塵埃や面に付着した塵
埃等、吸気力だけでは吸い取ることが出来なかつ
た塵埃を一度空気流で空中に舞い上がらせ、それ
から吸い取ることが出来る。

塵埃に対する影響力は、吸気力よりも空気力の
吹きつける力の方が大きいため、吸気力だけでは
吸い取ることが出来なかつた塵埃も空気流の吹き
つけと吸気が同時に、しかも同じ場所で起こるこ
とにより確実に吸い取ることが出来る。そして、
この空気流の吹きつけ力が大きければ大きい程塵
埃は掃除面から離れやすく、塵埃の吸込み効率は
向上する。しかし吹きつけ力が強すぎると吸気の
力がとどかないうちに掃除面から塵埃を吹き飛ば
してしまう。本実施例では、吸込室１４の全周に
毛足の長いブラシ１７を植えつけたことにより、
塵埃が周りに飛び散るのを防いでいる。また吹き
つけノズル１５を細長く伸した形状にしたことに
より、排気流の吹きつけ力を拡散させることなく
一ケ所に集め、吹きつけ力を向上させることがで
きる。

さらにダンパー２２を回動して空気取り入れ口
２０の開口面積を可変し、空気取り入れ量を制御
すれば、上記吹きつけ力を強弱切換えることもで
きる。

考案の効果 以上のように本考案は空気の吹きつけにより塵
埃をうき上がらせてから吸引するようにしたの
で、吸塵特性が非常によく狭い溝等にたまつた塵
埃も確実に吸引できるものである。また空気の吹
きつけにより被掃除面より塵埃を遊離するもので
あるから、回転ブラシを用いたもののように同被
掃除面が傷ついたりすることもない。さらにフア
ンケーシングにおける空気取り入れ口の開口度を
制御することで吹きつけ空気量を変化できて、被
掃除条件に応じた的確な掃除ができるとともに、
フアンケーシングの空気取り入れ口を直接制御す
るものであるから、吹きつけ空気量の変化が確実
となり、使い勝手を大いに高め得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す吸込具の斜視
図、第２図は断面図である。 １……タービン、４……排気フアン、８……接
続口、１０……タービン室、１５……ノズル、１
７……ブラシ、１９……フアンケーシング、２０
……空気取り入れ口、２２……ダンパー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブラシによつて周囲を包囲した吸込室と、一方
   に上記吸込室に連通する通気口を、他方に掃除機
   の吸込側に連通される接続口をそれぞれ有するタ
   ービン室と、このタービン室に隣設されるととも
   に、上記吸込室へ向け吹出方向を設定したノズル
   およびダンパーにより開口度が制御される空気取
   り入れ口を設けたフアンケーシングと、タービン
   室に内設され、通気口を介して流入する吸気流に
   より回転するタービンと、このタービンと連係し
   てフアンケーシング内に配設した排気フアンとを
   備えた電気掃除機用吸込具。