JPS6319359Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は積層床材に関するものであり、詳しく
は耐水性、寸法安定性、意匠性に優れた、表面に
凹凸を有する積層床材に関するものである。

表面に凹凸を有する床材は従来より種々製造さ
れており、その代表的なものとしては基材に発
泡性のゾルをコートし、半ゲル化後その表面に発
泡抑制インキを含む模様を形成し、更にその上に
透明なゾルをコートした後発泡させる方法。基
材にゾルをコートして半ゲル化させ、その表面に
模様を形成した後透明なゾルを凹凸状に施す方
法。等がある。

しかしながら、これらは何れも半ゲル化したゾ
ルの上に模様を形成し、その上に透明なゾルの層
を設けたものであるから、透明ゾルの層が薄くて
模様層の表面保護機能が充分でない、工程数が多
く使用する材料の種類が多い等の問題があつた。

又、寸法安定性を確保する為にガラス不織布を
用いた床材があるが、これは裏打ち材として用い
られるものであつてその表面に直接模様を形成す
ることはできず、ガラス不織布の上にゾルをコー
トしてから模様を施すという工程が必要となり、
寸法安定性以外は従来例およびと何ら変わる
ところはなかつた。

本考案は以上のような欠点を解消すべくなされ
たものであり、ラテツクスを含浸させたガラス混
抄紙の表面に直接に模様を形成し、更にその上に
凹凸状の透明樹脂層を設けることを特徴とするも
のである。

以上図面に従つて本考案を詳細に説明する。

まず第１図に示すように、ガラス混抄紙１の表
面に隠蔽性樹脂層２と所望の模様３を設ける。

ガラス混抄紙はラテツクスを20〜40ｇ／m²含浸
させたもので、ガラスの混抄率は10〜30％、混抄
紙としての重量は60〜120ｇ／m²のものが良い。
このようなガラス混抄紙を用いることによつて、
製造時の加熱と張力による伸縮および使用時の寸
法変化を防止することができ、また、耐水性、紙
間強度等を向上させ、柔軟性を付与することがで
きる。

このガラス混抄紙は印刷適性が良好で、何の処
理を施さなくても充分な印刷が可能であるが、ス
ーパーキヤレンダー処理を施すとその印刷適性は
更に向上する。

隠蔽性樹脂層２はガラス混抄紙やその中に含浸
された樹脂の色が模様３に悪影響を与えることの
ないように形成するものであり、酸化チタン、炭
酸カルシウム、硫酸バリウム、等の隠蔽性を有す
る体質顔料等を含む塗料やインキを、公知の方法
でコート又は印刷して形成する。この隠蔽性樹脂
層は模様３の背景色として利用することもでき
る。又、この隠蔽性樹脂層を設けることによつて
ガラス混抄紙の印刷適性は更に向上する。

模様３は通常のインキで形成し、木目柄模様、
抽象柄模様等から任意に選択することができる。

次に、前記模様３に同調した凹凸表面を有する
ようにその上に透明樹脂層４を設ける。

透明樹脂層は透明な塩化ビニル樹脂、アクリル
樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を用い
て形成し、スクリーン印刷方式等を用いて凹凸状
に施すか、あるいは全面に塗布した後に表面に凹
凸を有するエンボスロールやエンボス板を用いて
型づけするという方法を用いる。後者の場合には
ジヤツキスクリユー、コツター、カムなどを用い
てクリアランス巾を取り、エンボスロールを駆動
させてエンボスする。（同調はデフアレンシヤル
ギアー、又はコンベンロールなどを用いて位相を
ずらす方式）という、所謂クリアランスエンボス
を施すことによつて、凹凸差が大きく、かつ凹部
も凸部も充分な厚さを有する樹脂層を設けること
ができる。

この凹凸形状の凸部表面と凹部表面との間に光
沢差を設けることもできる。その方法としては、
スクリーン印刷方式を利用する場合は凹部と凸部
とを光沢の異なる樹脂で印刷すれば良く、又、ク
リアランスエンボスの場合には使用するエンボス
ロールやエンボス板の凹部表面と凸部表面の光沢
に差を与えておくことで目的が達成される。

このようにして作成されたシートを接着剤５を
介して合板等の基材６に貼合して積層床材を得
る。

なお、接着剤としてはエチレン酢酸ビニル系、
アクリル酢酸ビニル系、エポキシ系、水性ウレタ
ン系、酢酸ビニルとフエノールのコールドブレン
ド型あるいはホツトブレンド型等が使用可能であ
る。

以上のような本考案の積層床材は次のような効
果を有する。

(イ) ラテツクスを含浸させたガラス混抄紙を用い
ているので、寸法安定性、耐水性が良好であ
り、しかも印刷適性が良いので意匠性も良好で
ある。

(ロ) 模様の保護機能を有する透明樹脂層が厚いの
で、耐摩耗性に優れている。

(ハ) 透明樹脂層表面に設けられた凹凸に光沢差を
与えた場合には視覚的な凹凸感が加わり、その
凹凸効果は更に向上する。

〔実施例〕

ラテツクスを30ｇ／m²含浸させた重量80ｇ／m²
のガラス混抄紙の表面に、酸化チタンを混入した
インキを用いてベタ印刷を施し、その上に通常の
インキを用いて花柄の模様を印刷した。

次に、透明な塩ビゾルをその上に塗布して厚さ
0.25mmの層を形成し、表面に前記花柄に同調した
凹凸を有するエンボスロールを用いてクリアラン
スエンボスを施し、ゾルの層を硬化させて凹凸を
有するシートを得る。

次いで厚さ８mmの合板にエポキシ系接着剤を
150ｇ／m²塗布し、前記シートを重ねて圧着して
積層床材を得た。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の積層床材の一実施例を示す断面
図である。 １……ガラス混抄紙、２……隠蔽性樹脂層、３
……模様、４……透明樹脂層、５……接着剤、６
……基材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ラテツクスを含浸させたガラス混抄紙の表面
   に隠蔽性樹脂層と所望の模様が施されており、
   更にその上に、該模様に同調した凹凸表面を有
   する透明樹脂層が形成されたシート状物を基板
   に貼合してなる積層床材。 (2) 凸部表面と凹部表面との間に光沢差を有する
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)
   項記載の積層床材。