JPS6319035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、一般家庭で使用される一槽式遠心
脱水洗濯機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、一槽式遠心脱水洗濯機においては、第１
図に示すような構造を採つており、１は洗濯水を
受ける外槽、２は外槽１内部に設けた洗濯兼脱水
槽で、底部にパルセータ３を、側壁には水抜き用
の多数の小穴４を設けている。５はメカケース
で、洗濯時にはパルセータ３のみを、脱水時に
は、洗濯兼脱水槽２を回転するようにモータ６の
駆動力を伝達する機構を有している。また、モー
タ６は、ベルト７およびプーリ８によりメカケー
ス５に駆動力を伝達している。

９は外槽１の排水弁、１０はブレーキアーム、
１１は排水弁９およびブレーキアーム１０を引つ
張るソレノイド、１２は支持板で、外槽１，モー
タ６，メカケース５等が配設され、ロツド１３に
より外槽１４に釣支されている。１５は洗濯兼脱
水槽上部に設けられたバランサ、１６は排水ホー
スである。

さらに第２図を用いて、ソレノイド１１の動作
を説明する。ソレノイド１１は、連結部材１７を
介して排水弁９に接続されている。メカケース５
の内部にはブレーキホイール１８やブレーキバン
ド１９があり、ブレーキバンド１９は、ブレーキ
ホイール１８に対して圧接，離脱自在で、制動作
用を行なう。ブレーキホイール１８の回転は、洗
濯兼脱水槽２の回転力として伝達されている。す
なわち、ブレーキバンド１９が圧接した場合、ブ
レーキホイール１８は回転せず、洗濯兼脱水槽２
も回転しない。洗濯時は、ソレノイド１１には通
電しないので、排水弁９は、内蔵されたスプリン
グおよびブレーキスプリング２０の力で閉じてい
る。また、ブレーキホイール１８はブレーキバン
ド１９に圧接され回転しないので、洗濯兼脱水槽
２は回転せず、パルセータ３のみ回転を行ない洗
濯ができる。排水および脱水時には、ソレノイド
１１が通電され、ソレノイドのプランジヤ１１ｂ
が吸着される。これに割りピン２１で接続されて
いる連結部材１７が矢印Ａの方向へ動くことにな
る。したがつて、排水弁９が開くとともに連結部
材１７上に設けたブレーキ調整ピン２２を介して
ブレーキアーム１０を回動させ、ブレーキバンド
１９がブレーキホイール１８から離脱し、脱水動
作となる。

なお、連結部材１７には中央部に長孔２３がお
いてあり、ブレーキ調整ピン２２を移動させてブ
レーキアーム１０との位置を調整するものであ
る。また、２４はソレノイド１１のプランジヤ１
１ｂが吸着したときの保持力を増すための金属板
であり、２５はプランジヤ１１ｂが吸着するとき
の金属板２４の発生させる音を押えるための防音
用ゴムである。

ところが、この一槽式遠心脱水洗濯機は、その
問題点として、ソレノイド１１のプランジヤ１１
ｂと連結部材１７を接続するために第３図に示す
ようにプランジヤ１１ｂに丸穴２６をあけて、割
りピン２１を連結部材１７に設けた穴とプランジ
ヤ１１ｂの丸穴２６に通し、割りピン２１の先端
を広げ抜け落ちないようにしている。したがつ
て、排水弁９やソレノイド１１の修理時は割りピ
ン２１の広げられた先端をペンチ等で閉じて穴か
ら抜きとらなくてはならない。連結部材１７の付
近にはソレノイド１１，排水弁９，メカケース５
そして各種の配線があり、組み立て時や補修時に
割りピン２１を穴に通し先端を広げたり閉じたり
するような細かい作業には不向きであり、配線等
を傷付ける恐れがある。

また、プランジヤ１１ｂが吸着するときに防音
用ゴム２５を使つて騒音の低減化をはかつている
がプランジヤ１１ｂに設けた割りピン２１用の丸
穴２６が作業性向上のため割りピン２１の径より
大きい径であけられており、そのため連結部材１
７とプランジヤ１１ｂにはがたつきがあり両者の
間でソレノイド１１のプランジヤ１１ｂの吸着時
に騒音を発生させる。

さらに、ブレーキ調整ピン２２は段付きボルト
形状をしており、絶縁用の樹脂に挿入し段差部に
補強用の座金２７を装着し、連結部材１７の長丸
２３を介しナツト２８で連結部材１７に固設され
ているが、連結部材１７，ブレーキ調整ピン２
２，座金２７，ナツト２８が金属であるため、プ
ランジヤ１１ｂの吸着時の衝撃により金属音を発
生する。

考案の目的 この考案の目的は、従来の一槽式遠心脱水洗濯
機の持つていた連結部材とソレノイドのプランジ
ヤの連結方法の煩わしさを解消し、その作業を簡
単化するとともにソレノイドのプランジヤ吸着時
の騒音を減少させ、かつ部品点数および組立工数
の削減をはかり安価で低騒音の一槽式遠心脱水洗
濯機を提供しようとするものである。

考案の構成 この考案は、ソレノイドのプランジヤと排水弁
の作動部とを樹脂製連結部材で連結し、そのプラ
ンジヤ側は連結部材に切欠を設けてプランジヤの
溝に圧入嵌着するとともにその溝に吸着保持用金
属板を保持したものである。このため、プランジ
ヤと連結部材の着脱が簡単になり、金属板を同時
に保持するので部品点数を削減でき、また樹脂製
のため騒音を低減できる。

実施例の説明 この考案の一実施例を第４図ないし第７図に示
す。すなわち、ソレノイド１１′のプランジヤ１
１′ｂの先端に溝段部３３を設け、溝段部３３は
径が径Ａ，Ｂ，Ｃとなる段部３４ａ〜３４ｃより
形成される。その段部３４ｃの径Ｃの大きさはプ
ランジヤ１１ｂの吸着時の保持力を増すための金
属板２４′に設けた穴の径より若干大きくしてお
り、段部３４ａの径Ａは段部３４ｃの径に等しく
かもしくは小さくし、段部３４ｂの径Ｂは段部３
４ａの径Ａより小さくしている。金属板２４′を
プランジヤ１１′ｂに挿入後、樹脂製連結部材１
７′を段部３４ｂに嵌合させ、段部３４ｂの幅と
連結部材１７′の嵌合部の厚みはほぼ同じにして
金属板２４のがたつきを規制する。第４図のよう
に連結部材１７′のプランジヤ嵌合部は切欠２９
により形成され、その丸穴２９ａの径Ｅは段部３
４ｂと同径もしくは若干大きくしており、丸穴２
９ａの破断部３０の幅Ｄは径Ｅより小さくとる。
この破断部３０より連結部材１７′をプランジヤ
１１′ｂの段部３４ｂに圧入し嵌合させる。この
とき連結部材１７′の材質を樹脂にしているため
プランジヤ１１′ｂ吸着時の音の発生を押えるこ
とができ従来使用していた防音用ゴム２５が不要
となる。また従来のプランジヤ１１ｂに設けた割
りピン２１用の丸穴２６をあける作業が不要であ
り、割りピン２１も使用しなく部品点数の削減と
なり、さらに割りピン２１の先端を広げたり閉じ
たりする工程が組立時および補修時に不要となり
作業が簡単になる。

また、連結部材１７′上面の長孔２３′の縁部に
は微小凹凸３１を設けており、ブレーキ調整ピン
２２′をその微小凹凸３１に締付けると固定後の
移動を防ぐことができ、またブレーキ調整ピン２
２′は樹脂製の連結部材１７′を挾持しているた
め、ブレーキ時のブレーキアーム１０とブレーキ
調整ピン２２′との当接の衝撃による音の発生を
おさえることができる。

なお、３２は補強用のリブであり、また排水弁
９′の作動部と連結部材１７′との結合は同様であ
る。さらにその他の構成は第１図および第２図と
同様である。

考案の効果 以上のように、この考案によれば、従来の構造
に対し部品点数が減り組立も割りピン等を使用し
ないため組立工数を削減できてコストを下げられ
る。連結部材とプランジヤとの取り外しが楽であ
り、補修時に作業がしやすい。連結部材に樹脂を
使用するため従来のように金属同志による音の発
生をおさえ、騒音の低減化をはかれるといつた効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一槽式遠心脱水洗濯機の構造を示すた
めの横断面図、第２図はソレノイドの働きを示す
ため第１図を下から見るとともに一部断面をほど
こした部分底面図、第３図は従来の連結部材の近
辺の構成を示した一部断面をほどこした断面側面
図、第４図はこの考案の実施例を示した連結部材
の近辺の構成を示した一部断面をほどこした断面
側面図、第５図はプランジヤの先端の側面図、第
６図は連結部材の端部の側面図、第７図は第２図
に対応する部分底面図である。 ９′……排水弁、１１′……ソレノイド、１１′
ｂ……プランジヤ、１７′……連結部材、２２′…
…ブレーキ調整ピン、２３′……長孔、２４′……
金属板、２９……切欠、３１……微小凹凸、３３
……溝段部（溝）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 排水弁と、この排水弁の作動部に一端が連結
   されて中間に位置調整用長孔を形成した樹脂製
   連結部材と、この連結部材の他端に形成された
   連結用切欠を圧入嵌着させる溝を有しかつこの
   溝に吸着保持用金属板を介在して前記連結部材
   に支持させたプランジヤをもつソレノイドと、
   前記連結部材の長孔に締付保持されたブレーキ
   作動用ブレーキ調整ピンとを備えた一槽式遠心
   脱水洗濯機。 (2) 前記連結部材はその前記長孔の孔縁に摩擦用
   微小凹凸を有し、前記ブレーキ調整ピンはこの
   微小凹凸上に締付けられる実用新案登録請求の
   範囲第(1)項記載の一槽式遠心脱水洗濯機。