JPS6318677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は複数枚のタイルを織布、不織布等の帯
状の連結用部材で連結してなり、現場で床や壁等
に貼着する場合に、前記連結用部材を取り外すこ
となく、そのまま貼着作業に供することのできる
タイルユニツトに使用するタイルに関するもので
ある。

一般に複数枚のタイルを織布、不織布等の帯状
連結部材で連結してなるタイルユニツトは、第１
図及び第２図に示すように、複数枚のタイル１を
所定の目地間隙をおいて配列し、しかる後に例え
ば縦列の目地部上において、該目地間隙よりも幅
の広い帯状の連結用部材２をモルタル等の接着剤
３を介してタイル１に貼着することにより構成さ
れている。ところが、帯状の連結用部材２を配列
後のタイル１に貼着する場合には、両者の結合を
強固にする目的から連結用部材２を圧着する必要
があり、この圧着時に上記接着剤３が連結用部材
２より食み出して硬化することがあつた。このた
め硬化後の食み出した接着剤３ａがタイルユニツ
トを積層して輸送する場合等に、隣接するタイル
ユニツトの各タイル表面を疵つける欠点があり、
また外観上の見栄えも悪くなるという欠点があつ
た。

そこで本考案は従来の上記欠点に鑑みてこれを
改良除去したものであつて、所定の目地間隙ｍを
もつて配列された複数枚のタイルを幅ｎの帯状の
連結用部材で連結して１つのユニツトとするタイ
ルユニツトにおいて、各タイル裏面の少なくとも
１組の対向する２辺の側周端縁から、（ｎ−
ｍ）／２の寸法と略々等しい寸法だけ内側へ寄つ
た位置に、側周端縁に沿つた溝を形成し、連結用
部材より食み出した接着剤を前記溝で収容するこ
とにより、食み出した接着剤のタイル裏面への拡
散を防止するようにしたタイルユニツト用のタイ
ルを提供せんとするものである。

以下に本考案の構成を図面に示す実施例に基づ
いて説明すると次の通りである。

第３図乃至第６図は本考案の第１の実施例を示
すものである。この第１の実施例はタイル４の裏
面４ａにおいて、全側周端縁４ｂ乃至４ｅから所
定距離ｌだけ離れた位置で、該全側周端縁４ｂ乃
至４ｅに沿つて幅ｔ、深さｈの接着剤拡散防止用
溝５を連続して穿設したものである。タイル裏面
４ａの上記ｌの部分は、第５図及び第６図に示す
ように、織布、不織布等の帯状連結用部材２が貼
着される部分であり、このｌは目地間隙ｍと連結
用部材２の幅ｎとによつて決定される。ｌは第６
図に示す如く、帯状連結部材２の幅ｎから目地間
隙ｍを引いた寸法の1/2程度であればよい。すな
わち、（ｎ−ｍ）／２である。これは、連結用部
材２とタイル裏面４ａとの接触面において、連結
用接着剤の食み出し方向終端位置を意味するもの
である。これであれば、所定の目地間隙ｍをもつ
て配列した各タイル４を帯状連結用部材２で連結
してタイルユニツトＡを構成する場合であつて
も、第６図に示すように、帯状の連結用部材２
は、タイル裏面４ａの前記ｌの部分にのみ貼着さ
れることになり、連結用部材２を強固に圧着して
モルタル等の接着剤３が食み出しても、自重によ
り該食み出した接着剤３ａは溝５内に収容されて
硬化するので、タイル裏面４ａよりも第６図にお
いて上方に突き出ることがない。従つて、運搬時
等にタイルユニツトＡを積層しても、従来のよう
に連結用部材２から食み出して硬化した接着剤３
ａは、隣接するタイルの表面を疵つけることがな
く、しかも溝５内に収容されるので、タイル裏面
４ａに拡散することがなく、外観上の見栄えもよ
い。更にこの実施例のものは、溝５をタイル４の
全側周端縁４ｂ乃至４ｅの近傍に設けているの
で、タイル４を配列する場合に、タイル４の縦と
横とを注意して揃える必要はなく、縦と横とを注
意して揃える必要はなく、縦と横とを混同して
も、連結用部材２を貼着するためのタイル裏面４
ａの部分ｌは、いずれの方向にも形成されてお
り、問題ではない。すなわち、タイル配列時の方
向性が自由である。

接着剤拡散防止用の溝５は、第７図に示す第２
の実施例のように、対向する１組の側周端縁、例
えば４ｂ，４ｄの近傍に設ける構成であつてもよ
い。但しこの場合にはタイルユニツトを構成する
に際し、溝５の方向を帯状連結用部材２の貼着方
向と同方向に揃える必要がある。その他の作用効
果については前記実施例と同じである。

第８図及び第９図は接着強度を向上させるため
に、裏足６を設けたタイル７に本考案を適用した
第３の実施例である。このタイル７は、タイル裏
面７ａの中央部領域全体を凹ませて、該凹部８に
適宜間隔で裏足６を突出させており、また凹部８
とタイル側周端縁７ｃ，７ｅの外部とを連通する
脱気溝９を有する。この脱気溝９は、施工時に、
凹部８内に篭る空気を外部へ排出することにより
タイル裏面全面のモルタル等との馴染みをよくし
接着強度を高めんとするものである。接着剤拡散
防止用の溝５を設ける構成並びにこれによる効果
は前記第１の実施例と同じであるのでここでの説
明は省略する。

以上説明したように、本考案は、所定の目地間
隙ｍをもつて配列された複数枚のタイルを幅ｎの
帯状の連結用部材で連結して１つのユニツトとす
るタイルユニツトにおいて、各タイル裏面の少な
くとも１組の対向する２辺の側周端縁から、（ｎ
−ｍ）／２の寸法と略々等しい寸法だけ内側へ寄
つた位置に、側周端縁に沿つた溝を形成し、連結
用部材より食み出した接着剤を前記溝で収容する
ことにより、食み出した接着剤のタイル裏面への
拡散を防止するようにしたから、タイルユニツト
を構成する場合に、帯状の連結用部材から食み出
した接着剤は拡散防止用の溝に自重で収容される
ことになり、その拡散を防止することができる。
このため、運搬時等に際してタイルユニツトを積
層しても上記食み出して硬化した接着剤は隣接す
るタイル表面を疵つけることがなく、また妄りに
拡散しないので外観上の見栄えもよくなる等の利
点がある。これにより、品質の向上並びに購買意
欲の促進が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のタイルユニツトの底面図、第２
図は第１図の−線断面図、第３図乃至第９図
は本考案に係るもので、第３図は第１の実施例を
示すタイルの底面図、第４図は第３図の−線
断面図、第５図は第３図のタイルで構成したタイ
ルユニツトの底面図、第６図は第５図の−線
断面図、第７図は第２の実施例を示すタイルの底
面図、第８図は第３の実施例を示すタイルの底面
図で、第９図はその−線断面図である。 ４，７……タイル、２……帯状の連結用部材、
４ａ，７ａ……タイル裏面、４ｂ乃至４ｅ，７ｅ
乃至７ｅ……側周端縁、５……溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定の目地間隙ｍをもつて配列された複数枚の
   タイルを幅ｎの帯状の連結用部材で連結して１つ
   のユニツトとするタイニユニツトにおいて、各タ
   イル裏面の少なくとも１組の対向する２辺の側周
   端縁から、（ｎ−ｍ）／２の寸法と略々等しい寸
   法だけ内側へ寄つた位置に、側周端縁に沿つた溝
   を形成し、連結用部材より食み出した接着剤を前
   記溝で収容することにより、食み出した接着剤の
   タイル裏面への拡散を防止するようにしたことを
   特徴とするタイルユニツト用のタイル。