JPS6318198B2 - - Google Patents

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JPS6318198B2
JPS6318198B2 JP57120133A JP12013382A JPS6318198B2 JP S6318198 B2 JPS6318198 B2 JP S6318198B2 JP 57120133 A JP57120133 A JP 57120133A JP 12013382 A JP12013382 A JP 12013382A JP S6318198 B2 JPS6318198 B2 JP S6318198B2
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JP
Japan
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tone
tone plate
rod
fiber
plate
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JP57120133A
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JPS5910996A (ja
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Shuichi Sawada
Shigeo Suzuki
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Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
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Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、シロホン、マリンバ、ビブラホン
などの打楽器に用いられる楽器用音板に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
従来より上記打楽器の音板には、ホンジユラス
ローズ、オノオレ、パドツクなどの木材やガラス
繊維強化樹脂、カーボン繊維強化樹脂などの繊維
強化樹脂が用いられている。ところが、木材より
なる音板では、まろやかで深みのある音色が得ら
れるものの、天然物であるため均質な製品を得る
ことが困難であり、かつ気象条件等によつて音色
の音階が変化する欠点がある。これに対し、繊維
強化樹脂よりなる音板では、気象条件等によつて
音色、音階が変化することがなく、また均一な製
品が得られ、さらに振動エネルギーの内部損失が
小さく音がよく伸びるという利点があるが、音質
感が非常に冷めたく硬いという欠点がある。この
ため、繊維強化樹脂と木材とを音板の厚み方向や
幅方向に積層した音板が提案されているが、木材
を使う以上音質の不安定性を解消すべくもなく、
さらには繊維強化樹脂製音板の特長である音の伸
びの良さを損うこともあつた。
この発明は上記事情に鑑みてなされたもので、
繊維強化樹脂製音板に特有の音の伸びの良さと、
木製音板が有する柔らかく、温みのある音色とを
併せ持つ繊維強化樹脂からなる楽器用音板を提供
することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は、上記問題点を解決するために提供さ
れたもので、強化用繊維を音板の一方向に配向さ
せた繊維強化樹脂からなる楽器用音板において、
棒状の穴(空洞)を上記強化用繊維の配向方向に
対して平行に設けるとともに、上記配向方向に直
交する断面での棒状の穴の断面積の総和を音板の
断面積に対して5〜60%としたことを特徴として
いる。
〔実施例〕
以下、図面を参照してこの発明の一実施例を詳
細に説明する。
第1図は、この発明の音板の一例を示すもので
ある。この音板1は、ガラス繊維、カーボン繊維
などの強化用繊維を音板1の長手方向に配向させ
てエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの
樹脂中に埋設して形成された繊維強化樹脂2から
なり、さらに多数の径を異にする棒状の穴3……
がその軸線を強化用繊維の配向方向に対して平行
にして繊維強化樹脂2中に設けられ、しかも音板
1の長手方向に対して直交する断面での棒状の穴
3……の断面積の総和が音板1の断面積の5〜60
%とされているものである。なお、上記繊維強化
樹脂2のヤング率は、成分およびその配合比を適
宜選択することによつて好ましくは2000Kg/mm2
上とされる。
上記棒状の穴3の長さは音板1の長手方向の長
さよりも短く形成されるが、棒状の穴3は、繊維
強化樹脂2に設けられた状態で、音板1の長手方
向の一方の端面から他方の端面まで連続していて
もよく、音板1の一方の端面に露出し、音板1の
途中で終つていてもよく、さらには音板1の途中
から始まり途中で終つていてもよく、自由であ
る。また、棒状の穴3の数および径も特に限定さ
れるものではないが、上記断面積の比によつて左
右され、できれば細径の棒状の穴3を多数配設し
た方が音板1の機械的強度の低下が少なく好都合
である。
なお、この音板1を製造するには、一旦繊維強
化樹脂2の音板1を作つたのち、音板1の長手方
向に沿つてドリル、レーザビーム、ウオータジエ
ツトなどによつて穴あけ加工を施す方法や、細径
のワイヤの表面に離型剤を塗布して強化繊維と同
様に樹脂液中に埋め、樹脂の硬化後、ワイヤを引
き抜く方法などが適用される。
また、棒状の穴3の形成方法として中空細径金
属パイプ、中空糸などの中空体を用いることも可
能である。
しかして、このような構成の音板1にあつて
は、繊維強化樹脂製音板に特有の音の伸びの良さ
と木製音板に特有の柔らかく木質感に溢れた音色
とを併せ持つものとなる。以下、その理由を説明
する。
音板の如き梁を振動させた時の共振周波数n
は、一般に次式で表わされる。
n:n次共振周波数、E:ヤング率、ρ:密
度、an:モード定数、:長さ、h:厚み、
G:剪断弾性率 さて、1次、2次などの低次モードでは、an
が小であり、Tはほぼ1になる。このため、共振
周波数nはE/ρに比例することになる。とこ
ろが、4次、5次などの高次モードでは、anが
大となり、さらに、E/Gが大のときはTは1よ
りかなり大きくなり、このためnは低くなつて
しまう。逆にE/Gが小のときはTが1に近くな
り、nは低くならない。すなわち、高次モード
では、nはE/Gに大きく影響を受け、E/G
が大ではnが低くなり、E/Gが小ではnは低
くならない。
ところで、この発明の音板1は、上述のよう
に、音板1の長手方向にヤング率の低い棒状の穴
3……を配向させたものであるので、音板1の長
手方向のヤング率(E)は棒状の穴3……のない
繊維強化樹脂のヤング率と同一であるが、音板1
の厚み方向の剪断弾性率(G)は低下する。した
がつて、棒状の穴3……のない繊維強化樹脂の音
板とこの発明の音板とを比較すると、Eは同一で
あるが、E/Gはこの発明の音板1の方が大きく
なる。
この点を詳述すると、撓み変形は、曲げ撓み変
形と剪断撓み変形の合計で示され、Eが小さいと
曲げ撓みの寄与が増大しGが小さいと剪断撓みの
寄与が増大する。
ここで、E,Gは、単一材料の場合は引張弾性
係数、剪断弾性係数の値そのものと等しく、また
内部に異種材を入れて複合化した構造の場合の
E,Gは、それと同等の外形で同等の曲げ撓み剛
性、剪断撓み剛性をもつ単一材料部材に置換えた
として、その時の曲げ撓み剛性及び剪断撓み剛性
から逆算されるみかけの引張弾性係数、剪断弾性
係数を意味する。
ところで、この発明の音板1は上述のように音
板1の長手方向にヤング率の低い棒状の穴3を配
向させて埋め込んだものであるが、音板素材の
E,Gを各々Eo,Goとし低ヤング率埋め込み複
合材のみかけE,Gを各々Ec,Gcとすると、内
部の棒状の穴に剪断の応力集中が生じる。
ところが、この発明の複合体(音板)の場合、
全体の撓みの中の剪断撓みの寄与が増加するた
め、みかけのG即ちGoからGcへの低下が著し
く、EoからEcへの低下を大きく上まわるゆえに、
Eo/Go<Ec/Gcとなつてこの発明の場合E/G
比は増大する。
さらに、素材の繊維強化樹脂、埋込み用低ヤン
グ率棒状の穴、両者の複合体、のヤング率、密度
を各々Eo,Eb,Ec、及びρo,ρb,ρcとし、棒状
の穴の断面積が総断面積に占める割合をαとする
と、複合則から近似的に Ec=Eb・α+Eo(1−α) ρc=ρb・α+ρo(1−α) と示され、従つてEc/ρcはEo/ρoとほぼ変らな
い。
よつて、この発明の音板1のE/Gが大きいた
め、E/ρが関係する低次モードの周波数は変化
しないが、E/Gが関係する高次モードの周波数
は低下することになる。これをグラフで示すと第
2図および第3図のようになる。第2図はこの発
明のE/Gが大きい音板1の共振周波数の分布ス
ペクトルであり、第3図は一般の棒状の穴3……
のないE/Gが小さい音板の共振周波数の分布ス
ペクトルである。図からも明らかなように、この
発明の音板1では高次共振周波数が低周波数側に
かたよつて存在することになり、柔らかな音色が
得られることがわかる。
また、第2図および第3図を比較すると、第2
図のこの発明の音板1の高次倍音の音圧レベルが
高次側にゆくにしたがつて急激に低下しているこ
とがわかる。この現象も音板1の音色に柔らかな
木質感を付与する効果がある。この理由をつぎに
説明する。上述のように、E/Gが大きくなる
と、高次モードでの音板1の微少部分の変形が曲
げ変形から剪断変形に移行し、これに伴つて剪断
損失による振動エネルギーの損失が大きくなる。
この結果、高次モードでの減衰が大きくなり、高
次倍音の音圧レベルが低下することになる。
さらに、この発明の音板1のEは、棒状の穴3
……のない繊維強化樹脂製音板のEと同一であ
り、またE/ρもほぼ同一となるので、棒状の穴
3……のない繊維強化樹脂製音板と同様に曲げ損
失にもとづく低次倍音の減衰が少なく、さらに低
次モードでの剪断変形が微かであるので剪断損失
による低次倍音の減衰も微かであり、このためこ
の発明の音板1は棒状の穴3……のない繊維強化
樹脂製音板と同様に音の伸びが良いことになる。
したがつて、音板1を形成する繊維強化樹脂2
の中に棒状の穴3……を強化用繊維の配向方向と
平行に設け、棒状の穴3……の断面積の総和を音
板1の断面積に対して5〜60%とすることによつ
て、音板1のGが好ましい程度に低下し、これに
よつて音の伸びの良さと柔らかく木質感に溢れた
音色とを併せ持つた音板1が得られることにな
る。そして、上記断面積の割合が5%未満となる
と、Gが好ましい程度にまで十分に低下せず、し
たがつて目的とする木質感が得られず、60%を越
えるとGが低下しすぎて低次モードでの減衰が大
きくなり、音の伸びが悪化する。
また、この音板1においては、棒状の穴3……
が、強化用繊維の配向方向と平行に配されている
ので、棒状の穴3……と強化用繊維の交わりまた
は干渉がない。この点、もし強化用繊維と棒状の
穴3……が平行でないとすると、棒状の穴3と強
化用繊維が空間的に干渉しあう。つまり、空気穴
の中に繊維が露出することになる。こうなると、
繊維が、樹脂の中に確実に固定された状態ではな
くなる。これに対し、この音板1のように、棒状
の穴3……と強化用繊維が平行であると、両者は
干渉することがなく、繊維は棒状の穴の中にほと
んど露出しない。よつて、強化用繊維は樹脂の中
に確実に固定される。
このように、この音板1の場合、繊維強化樹脂
としての強度が安定していて、予定した強度のも
のが得られる上、強度の低下やばらつきがのおそ
れがない。したがつて、強い打撃にも耐えられ
る。例えば、マーチング用の楽器の場合、屋外で
使われるので十分な音量が要求され、耐水性とと
もに、強打に耐える十分な強度が必要であるが、
上記の音板1は、この要求に十分に応えるもので
ある。
また、上記音板1は、強化用繊維が樹脂中に確
実に固定され、棒状の穴内にほとんど繊維が露出
しないことから、繊維同士が接触して打撃時にこ
すれて摩擦損失を生じ、それにより音の減衰が早
くなつてしまう、というようなことがなく、伸び
のある音が得られる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、この発明の楽器用音板
は、繊維強化樹脂製音板に固有の音の伸びの良さ
と木製音板に特有の柔らかく温かみのある木質感
に富む音色を併せ持つものとなり、優れた音響特
性を示す。また、木材の如き天然物を一切用いて
いないので、均一な品質の音板を大量に製造する
ことができるとともに気象条件等によつて音色や
音階が変化することがなく、常に安定した音を発
するものとなる。
特に、この発明によれば、強化用繊維の配向方
向に対して平行に棒状の穴を配しているので、棒
状の穴と強化用繊維の交わりまたは干渉がなく、
強化用繊維が樹脂の中に確実に固定される。よつ
て、強度の安定した、ばらつきのない、強い打撃
にも耐えられ音板を得ることができる。また、強
化用繊維が樹脂中に確実に固定されることから、
繊維同士が接触して打撃時にこすれて摩擦損失を
生じ、それにより音の減衰が早くなつてしまう、
というようなことがなく、伸びのある音が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の音板の例を示す一部断面視
した斜視図、第2図はこの発明の音板を発音させ
た時の周波数スペクトルを示すグラフ、第3図は
一般の繊維強化樹脂製音板を発音させた時の周波
数スペクトルを示すグラフである。 1……音板、2……繊維強化樹脂、3……棒状
の穴。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 強化用繊維を音板の一方向に配向させた繊維
    強化樹脂からなる楽器用音板において、棒状の穴
    を上記強化用繊維の配向方向に対して平行に設け
    るとともに、上記配向方向に直交する断面での棒
    状の穴の断面積の総和を音板の断面積に対して5
    〜60%としたことを特徴とする楽器用音板。
JP57120133A 1982-07-10 1982-07-10 楽器用音板 Granted JPS5910996A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP57120133A JPS5910996A (ja) 1982-07-10 1982-07-10 楽器用音板

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JP57120133A JPS5910996A (ja) 1982-07-10 1982-07-10 楽器用音板

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Publication Number Publication Date
JPS5910996A JPS5910996A (ja) 1984-01-20
JPS6318198B2 true JPS6318198B2 (ja) 1988-04-18

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ID=14778781

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Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63163398A (ja) * 1986-12-25 1988-07-06 ヤマハ株式会社 音板
JPS63163397A (ja) * 1986-12-25 1988-07-06 ヤマハ株式会社 音板
JP2533031B2 (ja) * 1991-12-27 1996-09-11 ティーポール株式会社 スケ―ル除去剤組成物

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS50110620A (ja) * 1974-02-08 1975-08-30
JPS559504A (en) * 1978-07-05 1980-01-23 Toray Industries Sound plate musical instrument

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