JPS6317919B2 - - Google Patents

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JPS6317919B2
JPS6317919B2 JP10921283A JP10921283A JPS6317919B2 JP S6317919 B2 JPS6317919 B2 JP S6317919B2 JP 10921283 A JP10921283 A JP 10921283A JP 10921283 A JP10921283 A JP 10921283A JP S6317919 B2 JPS6317919 B2 JP S6317919B2
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JP
Japan
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aluminum alloy
treatment
pattern
acid
oxide film
Prior art date
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JP10921283A
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JPS602694A (ja
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Yutaka Oota
Masaki Tsuboi
Shozo Yamamoto
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YKK Corp
Original Assignee
Yoshida Kogyo KK
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Publication date
Application filed by Yoshida Kogyo KK filed Critical Yoshida Kogyo KK
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Publication of JPS602694A publication Critical patent/JPS602694A/ja
Publication of JPS6317919B2 publication Critical patent/JPS6317919B2/ja
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  • Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
  • Electrochemical Coating By Surface Reaction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、時効硬化性能を有するアルミニウム
合金(純アルミニウムは除く)の表面に、木目
調、プリント調等の各種装飾模様を鮮明に生成で
きる表面処理方法に関するものであり、さらに詳
しくは、アルミニウム合金の表面に不完全時効硬
化処理操作、機械的操作、電気化学的操作を巧み
に組み合わせて施すことにより、極めて簡単な方
法で、アルミニウム合金表面に濃淡差のある美麗
な着色模様を生成できると共に耐食性のある着色
皮膜を形成できるアルミニウム合金の模様付け表
面処理方法に関するものである。
従来技術とその問題点 従来、アルミニウム材の表面に、人工時効硬化
処理を利用して着色模様を生成させる方法として
は、特開昭53−83941号が知られている。この技
術は、アルミニウム材の素材表面に所望の模様入
りシートを付着し、これを通常の条件下で人工時
効硬化処理した後、冷却前または後に前記模様入
りシートを取除き、次いでそのアルミニウム材を
陽極として電解着色処理を行なうことによつて、
アルミニウム材の表面に着色模様を生成させる方
法である。そして、この方法における着色模様の
生成機構は、時効硬化処理中にアルミニウム材に
模様入りシートの付着している部分と付着してい
ない部分とに加熱による結晶構造の差異をもたら
すことによつて、その後の電解着色時に模様を生
成させるものである。
しかしながら、この技術は以下の不具合を有す
る。
(a) 時効硬化処理炉内は、左右、上下、前後の各
端部と中央部の温度が必ずしも均一でなく、温
度差があるため、得られる製品の模様のコント
ロールが難かしい。
(b) アルミニウム材の熱伝導は非常に良好である
ので、模様入りシートの付着部分と付着してい
ない部分との温度差を出すことに困難性を伴な
う。従つて、鮮明な濃淡差のある着色模様の生
成は困難であり、また、例えば斑点模様、水玉
模様、木目調模様等の小さな模様をアルミニウ
ム材に表出させることは困難である。
(c) 模様入りシートを付着する工程、及び脱着す
る工程が必要であり、また、押出形材の形状毎
に模様入りシートを用意しなければならないの
で、極めて作業性が悪く、得られる製品もコス
ト高になる。
また、他の模様付き酸化皮膜の形成方法として
は、特公昭43−6365号に記載の方法が知られてい
る。この技術は、Al−Mn−Mg系合金の組成を
特別に選定したアルミニウム合金を使用し、該ア
ルミニウム合金を展伸加工し、該加工工程中また
は加工後に特別の熱処理を加え、その後陽極酸化
処理することにより、アルミニウム合金表面に
Al−Mn二元化合物の析出に起因するコントラス
トのある黒白模様を生成させる方法である。
この方法によつて得られる模様は、その形態が
全くランダムであり、任意の模様が得られないと
共に、その模様も黒白のコントラストに限定され
るため、装飾性のある美麗な着色模様が依然とし
て得られないという不具合を有する。
発明の目的 従つて、本発明の目的は、アルミニウム合金の
表面に美麗な木目調、プリント調等各種所望の着
色模様を生成できるアルミニウム合金の模様付け
表面処理方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記目的と関連して、耐
食性、耐侯性、耐摩耗性等各種性能に優れると共
に、濃淡差のある着色コントラストの良好な着色
模様の生成と、アルミニウム合金への機械的強度
の付与を一連の工程で生産性よく行なえるアルミ
ニウム合金の模様付け表面処理方法を提供するこ
とにある。
発明の構成 本発明は、押出成型後のアルミニウム合金に、
従来から一般に行なわれている押出成型後の完全
時効硬化処理に代えて、不完全時効硬化処理を施
し、その後機械的操作による下地模様を施した
後、該アルミニウム合金に酸化皮膜改質処理を含
む電気化学的着色処理を施すことにより、これら
各処理の相剰作用によつて、前記下地模様部分と
背景(下地模様部分以外の部分)との間に着色の
濃淡差が生じ、アルミニウム合金の表面に前記下
地模様が鮮明に表出するという知見に基づくもの
である。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、 (A) 押出成型後のアルミニウム合金に不完全時効
硬化処理施をし、 (B) 次いで、該アルミニウム合金表面に機械的操
作による下地模様を施し、 (C) しかる後、前記アルミニウム合金に常法によ
り陽極酸化皮膜を形成し、 (D) 続いて硫酸、リン酸、クロム酸等の無機酸及
び/又はシユウ酸等の有機酸浴中で交流電解し
て前記陽極酸化皮膜を二重皮膜構造に改質した
後、 (E) 該皮膜に電解着色処理を施す という構成を採用するものである。
また、本発明に係る第2の発明は、酸化皮膜改
質工程が前記第1の発明の(D)の工程と異なり、 (A) 押出成型後のアルミニウム合金に不完全時効
硬化処理を施し、 (B) 次いで、該アルミニウム合金表面に機械的操
作による下地模様を施し、 (C) しかる後、前記アルミニウム合金に常法によ
り陽極酸化皮膜を形成し、 (D)′ 続いて硫酸、リン酸、クロム酸等の無機酸
及び/又はシユウ酸等の有機酸浴中で前記アル
ミニウム合金を陰極に接続して直流電解して上
記酸化皮膜を改質した後、 (E) 電解着色処理を施す という構成を採用するものである。
発明の態様 次に、前記本発明の各工程及びその態様につい
て詳細に説明する。
(A) 不完全時効硬化処理工程 まず、押出成型後のアルミニウム合金(以下、
アルミ合金と略称する)の押出形材に、不完全時
効硬化処理を施す。
この時効硬化処理は、アルミ合金が完全時効に
至らない条件で行なう。
時効硬化処理について説明すると、例えばアル
ミ合金A−6063S材の場合、時効硬化温度と時間
との合金の硬度に及ぼす影響は第1図に示すとお
りである。すなわち、いずれの時効硬化処理温度
においてもある時間経過後に硬度は最大値とな
り、この段階の時効硬化を完全時効硬化と定義す
る。従つて、不完全時効硬化とは、この段階に達
する以前の時効硬化を意味する。
第1図は高温時効あるいは人工時効の状態を示
すが、ここでいう不完全時効はこれのみに限られ
ず、室温時効あるいは自然時効をも含むものであ
る。従つて、極端なことをいえば、長期間放置し
て自然時効してもよい。しかし、通常は作業性等
の点から人工時効硬化処理を施すことが好まし
く、この場合、アルミ合金の材質によつても相違
するが、一般に155〜195℃の温度条件で20分〜8
時間行なうとよい。不完全時効硬化処理の時間と
温度の適正範囲を第2図に示す。特に第2図に示
す斜線部の条件が好ましい。
(B) 下地模様形成工程 前記のように、不完全時効硬化処理されたアル
ミ合金の押出形材(時効硬化処理直後の高温状態
の押出形材でもよいし、冷却後の常温の押出形材
でもよい)に、次に機械的操作により下地模様を
施す。
機械的操作とは、酸、アルカリによる食刻など
化学的処理以外の全ての操作を含む。
この下地模様は、例えば、砂、鉄粉等を吹き付
けるブラスト法、水等の液体を高圧で噴射する高
圧噴射法、ブラシによりアルミ合金表面を傷付け
るブラシ法、レーザー光線を照射するレーザー光
線法、エンボス版ロールを使用するローラー法、
型プレスにより圧刻するプレス法等の各種機械的
操作手段によりアルミ合金表面に施される。
より具体的に説明すれば、例えば作業性の向上
を狙い、アルミ合金の押出金型と同形状で一定間
隔のクリアランスのある金型もしくは金枠(治
具)に、例えば柾目模様間隔に高圧噴射の噴射溝
(穴)を設け、水または研摩剤等を噴射しながら
連続的に表面調整(下地模様付与)することによ
り、複雑な形状の凹凸部にも下地模様を施すこと
ができる。この場合、所望の連続模様(例えば、
印刷の如く長く通つた柾目の間隔、ぼかしに変化
のある模様等)を容易に付与できる。また、上記
高圧噴射に代えて、金型もしくは金枠内部に、例
えば柾目模様間隔に金属またはセラミツクの爪状
の治具を配設し、これによつて一定圧力でアルミ
合金形材をこする方法も採用できる。
また、不完全時効硬化処理されたアルミ合金形
材を、キズもしくはヒズミを与える装置、例えば
エンボス版ロールにて任意の模様に圧刻すること
により、柾目、板目、文字、絵等の所望の模様が
容易に形成でき、装飾性をより高めることができ
る。さらに、パネル関係においては、型プレスに
よる圧刻もでき、複雑な任意の模様を付与でき
る。
その他、形材形状との相剰効果法として、押出
成型の段階で型材自体に模様状に凹凸を付け、金
属、セラミツク、カーボン等で表面をこすること
によつても、模様を付与できる。
下地模様の形成手段は、以上の方法のみに限定
されるものではなく、アルミ合金の形材表面に作
業性の良い方法で装飾性のある模様状の表面調整
ができる方法であればよい。
この下地模様の形成は、前記不完全時効硬化処
理及び後述する電気化学的着色処理、特に酸化皮
膜改質処理との相剰作用により、着色模様表出の
下地乃至核となるものであり、キズ部の凹部深さ
は表面調整(下地模様形成)の不可欠要素ではな
く、外観上合格となる程度のダイスマーク以内で
充分であり、その後の酸化皮膜生成後の状態にお
いても、顕微鏡による観察でもそのキズによる性
能低下は全く認められない程度のものである。ま
た、ヒズミを与えた部分も同様であり、性能の低
下は全くない。
なお、押出成型直後の材料に機械的操作により
模様を形成する場合、材料の硬度がかなり軟かい
ので形状不良となる可能性があるが、本発明で
は、前記下地模様の形成は不完全時効硬化処理後
に行なうので、このような心配は殆んどない。
(C) 陽極酸化皮膜形成工程 前記各工程を経たアルミ合金を、通常の方法に
より脱脂、水洗、必要に応じてスマツト除去等の
処置を施した後、周知の陽極酸化処理を施し陽極
酸化皮膜を形成する。
すなわち、周知の無機酸及び/又は有機酸の電
解液、例えば硫酸、クロム酸、リン酸等、あるい
はこれらの混酸、シユウ酸、マロン酸等あるいは
これらのまたは無機酸との混酸などを含有する電
解液中で、直流もしくは交流またはこれらに類似
の電流波形を使用して、前記アルミ合金を陽極酸
化処理する。陽極酸化処理の印加電圧、印加時間
等は常法通りで充分である。
(D),(D)′ 酸化皮膜改質工程 前記のようにして得られたアルミ合金表面の酸
化皮膜を、以下に述べるいずれかの方法によつて
改質する。酸化皮膜改質処理法としては、交流電
解改質法と陰極直流電解改質法とがあり、それぞ
れ本出願の第1の発明と第2の発明とに対応す
る。
この酸化皮膜改質処理は、模様のコントラスト
をより鮮明に表出させる目的で行なう工程であ
り、この条件としては、前記陽極酸化処理の電解
液と同じ電解質あるいはそれに後述する金属塩等
添加剤を加えたもの、または異なる電解質でもよ
いが、この電解液中で交流またはそれと同等の効
果のある波形で電解処理するか、陰極直流電解す
る。
以下、各方法について説明する。
(D) 交流電解改質法 硫酸、リン酸、クロム酸等の無機酸またはシユ
ウ酸等の有機酸からなる電解液中で、アルミ合金
に交流またはこれと同等の性質を有する電流波形
を通電することにより、前記酸化皮膜を二重皮膜
構造に改質する。電解条件は常法の通りで充分で
あるが、好ましくは5〜30V、1〜30分の条件で
行なう。
この交流電解による2次陽極酸化処理は、着色
皮膜の生成を目的とするものではなく、前記酸化
皮膜処理と相俟つて二重皮膜構造の酸化皮膜を生
成させるものである。
すなわち、前記陽極酸化処理によりアルミ合金
表面にはバリヤー層を介して多孔質層が生成する
が、上記交流電解によつて、酸化皮膜の微孔のバ
リヤー層に近い先端部で皮膜溶解が生じ、微孔先
端部が分岐した状態となつて、表面部とバリヤー
層に近い部分とで微孔の状態が異なる二重構造の
酸化皮膜となる。
この二重皮膜構造の生成によつて、その後の着
色処理により形成される着色模様は、下地模様部
分と背景との着色濃淡差が顕著になり、着色模様
のコントラストがより鮮明になる。
(D)′ 陰極直流電解改質法 上記交流電解改質法方朋で用いるのと同じ硫
酸、リン酸、クロム酸等の無機酸及び/又はシユ
ウ酸等の有機酸からなる電解液中で、前記酸化皮
膜が形成されたアルミ合金を陰極に接続して、直
流またはこれと同等の性質を有する電流波形を使
用して、前記アルミ合金を通電処理する。
この通電処理により、アルミ合金表面の酸化皮
膜に溶解作用が生じるが、この際、下地模様部分
と他の部分(背景)とで電流の流れる量が違うた
め、両者間の皮膜の質に違いが出る。その結果、
その後の着色処理によつて着色模様のコントラス
トがより顕著となる。
電解液の濃度、印加電圧、時間等は常法の通り
で充分であるが、好ましくは3〜20V、20秒〜10
分の条件で行なう。
(E) 着色処理工程 前記(D)交流電解改質法または(D)′陰極直流電解
改質法のいずれかの方法によつて改質された酸化
皮膜を、次いで、無機金属塩を含む電解液中で交
流電解または直流陰極電解して着色皮膜を形成す
る。無機金属塩としては、例えばニツケル、コバ
ルト、クロム、銅、カドミウム、チタン、マンガ
ン、モリブデン、スズ、マグネシウム、銀、鉛等
の硫酸塩、塩酸塩、シユウ酸塩、酒石酸塩、クロ
ム酸塩、リン酸塩等、従来周知の各種塩が使用で
き、また電解条件も常法通りで充分である。
該着色処理によつて、アルミ合金表面に耐食性
や耐侯性等、各種性能に優れた着色皮膜が形成さ
れると共に、前記下地模様部分(キズもしくはヒ
ズミ部)が背景(模様の付いていない部分)より
も濃く着色され、機械的操作によりアルミ合金表
面に施された下地模様が着色模様として表出す
る。
このように着色処理されたアルミ合金は、必要
に応じて塗装工程へ送られ、周知の方法により塗
装処理、焼付処理される。アルミ合金の合金成分
によつては、前記陽極酸化処理工程あるいはさら
に酸化皮膜改質工程、着色処理工程の後もしくは
前における熱風炉での乾燥によりアルミ合金の完
全時効が困難な場合があり、このような場合に
は、塗装後の焼付により完全時効にまで達するの
で、塗装・焼付処理を行なうことが好ましい。ま
た、このような場合には、アルミ合金の押出成型
工程の焼付炉での時効硬度をある程度まで上げて
おくことも一つの方策である。
素 材 本発明では純アルミニウムは除かれるが、各種
アルミニウム合金が使用できる。アルミニウム合
金は、焼入れや焼もどしにより強度を高める合
金、すなわち主要添加物としてCu,Mg+Si、Zn
+Mg等を添加したものが好適例として挙げられ
るが、これだけに限定されるものではなく、また
添加元素、加工硬化、熱処理条件等の組合せによ
つて、着色模様の色調、模様のコントラストを調
整できる。また、熱処理効果を高め処理時間の短
縮を図るために、添加元素量を変えることもでき
る。例えば、Al−Mg−Siの合金において、ある
いはMg−Si−Fe合金において、添加量の組合せ
によつて、例えば過剰Siとすることにより、時効
硬化を促進することができる。従つて、色調、模
様のコントラスト、処理工程の作業性改善等を目
的として、その処理工程、条件に合つた合金成分
のアルミニウム合金を用いることができる。
発明の効果 以上のように、本発明に係るアルミニウム合金
の模様付け表面処理方法によれば、不完全時効硬
化処理、機械的操作による下地模様の形成、陽極
酸化処理、酸化皮膜改質処理、及び着色処理の各
工程の相剰作用により、前記下地模様部分と背景
との間に着色濃淡差が生じ、アルミニウム合金表
面に、耐食性、耐侯性、耐摩耗性等各種性能に優
れると共に、木目調、プリント調等各種所望の美
麗な着色模様を生成できる。当然のこと乍ら、こ
のような効果は上記各工程の相剰作用によるもの
であり、特に酸化皮膜改質工程が付加されている
ことにより、着色模様のコントラストがより鮮明
であると共に着色性に極めて優れた着色模様が得
られる。
さらに、本発明の方法によれば、着色模様の生
成が一連の工程で生産性よく行なえるという利点
の他に、アルミニウム合金への機械的強度、特に
強度の付与も、従来の押出成型後の完全時効硬化
処理によらず、前記不完全時効硬化処理と、前記
陽極酸化処理工程等における熱風炉での乾燥、あ
るいはさらに塗装焼付処理の利用によつて行なう
ため、省エネルギーの観点からも有利である。
また、下地模様がそのまま着色コントラスト模
様として現出するため、表面処理工程のラツキン
グ形態は横吊り及び縦吊りのいずれでもよく、特
に新しい技術を付加しなければならない要素もな
く、現在標準化されている方法でも充分対処でき
るという利点がある。
また、本発明に従つて処理したアルミニウム合
金形材は、下地模様付与によつても性能低下は全
くなく、顕微鏡による酸化皮膜あるいは着色模様
の観察によつても欠陥は全く認められず、各種試
験においても電解着色による着色形材と何ら変わ
らず、同用途、すなわち内外装の限定なく自由に
選択使用できる。
実施例 実施例 1 押出成型後のアルミニウム合金(A−6063S)
形材を、170℃×5hrの条件で不完全時効硬化処理
し、その直後に、該アルミニウム合金形材表面
に、高圧噴射装置を使用して1200Kg/cm2の条件で
水を噴射せしめて下地模様を形成した。しかる
後、該アルミニウム合金形材を、脱脂、エツチン
グ、スマツト除去し、次に19W/V%の硫酸水溶
液中に浸漬し、電流密度1.2A/dm2(電圧約
12.5V)、液温21℃、35分間の条件で陽極酸化処
理して、約11μmの陽極酸化皮膜を形成した。続
いて、酸化皮膜改質処理として、前記陽極酸化処
理浴と同濃度、同温度条件にて、対極カーボンに
て、電流密度2.8A/dm2(電圧約7.8V)で7分
間交流電解を行ない、その後着色処理として、長
さ200mm、幅150mm、高さ150mmの容器でカーボン
対極を容器の一方端に置いたものを電解着色用装
置として用い、長さ150mm、幅70mm、厚さ1.3mmの
前記アルミニウム合金形材を、カーボン対極との
極間距離180mmに設定して、下記の組成から成る
液温16℃の電解液中に浸漬して、初期電流密度
1A/dm2、10Vの印加電圧で5分交流電解した
ところ、前記下地模様部分が背景に比較して濃い
めに着色されて、きれいな黄土色の装飾模様が表
出した。
電解液浴組成:硫酸 40g/ 三チオン酸ナトリウム 1g/ 硫酸第1錫 4g/ 実施例 2 実施例1の酸化皮膜改質処理を、電流密度
1A/dm2(電圧約5V)で2分間アルミニウム合
金形材を陰極に接続して直流電解した以外は、実
施例1と全く同じ方法で前記アルミニウム合金形
材を処理したところ、該形材表面の下地模様部分
と背景との間に濃淡差のあるきれいな黄土色の装
飾模様が表出した。
実施例 3 押出成型後のアルミニウム合金(A−6063S)
形材を常温まで冷やした後、170℃×3hrの条件で
不完全時効硬化処理し、次いで常温まで冷やした
後、該アルミニウム合金形材表面に、10mm/sec
の速度にて、周波数3.0KHz、16Aのレーザー光線
を照射し下地模様を形成した。その後、該アルミ
ニウム合金形材を脱脂、エツチング、スマツト除
去し、該形材を18W/V%の硫酸水溶液中に浸漬
し、電流密度1.1A/dm2(電圧約12V)、液温20
℃、時間30分の条件で陽極酸化し、約10μmの陽
極酸化皮膜を形成した。次に、酸化皮膜改質処理
として、実施例2と同じ装置、濃度浴にて、電流
密度1,2A/dm2(電圧約6V)で1分30秒アル
ミニウム合金形材を陰極に接続して直流電解し
た。次に、着色処理として、実施例1と同様な装
置を使用し、下記の組成を有する浴温20℃の電解
液中に浸漬して、11Vの印加電圧で5分30秒交流
電解したところ、下地模様部分が背景に比較して
かなり濃く着色して、鮮明なオリーブ色の装飾模
様となつた。
電解液組成:硫酸 20ml/ 硫酸ニツケル 30g/ 硫酸第1錫 5g/ クレゾールスルホン酸 10g/ 実施例 4 押出成型後のアルミニウム合金(A−6063S)
形材を160℃×7hrの条件で不完全時効硬化処理を
施し、次いで一旦常温にまで冷却した後、該アル
ミニウム合金形材表面に凹凸状のカーボンを接触
させて下地模様を形成した。しかる後、該アルミ
ニウム合金形材を脱脂、エツチング、スマツト除
去し、次に19W/V%の硫酸水溶液中に浸漬し、
電流密度1.2A/dm2の(電圧約12.5V)、液温21
℃、35分間の条件で陽極酸化処理して、約11μm
の陽極酸化皮膜を形成した。続いて、酸化皮膜改
質処理として、前記陽極酸化処理浴と同濃度、同
温度条件にて、対極カーボンにて、電流密度
2.8A/dm2(電圧約7.8V)で7分間交流電解を
行ない、その後着色処理として、実施例1と同様
な装置を使用し、下記組成からなる液温20℃の電
解液中に浸漬して、15Vの印加電圧で2分間、該
アルミニウム合金形材を陰極にして直流電解した
ところ、前記下地模様部分が背景に比較してかな
り濃く黒茶色に着色して、鮮明なブロンズ色の装
飾模様を表出した。
電解液組成:硫酸ニツケル 30g/ 硼酸 20g/ 硫酸アンモニウム 15g/ PH 4.5 実施例 5 実施例1の下地模様形成処理として、肉厚約
0.1mmのステンレス板を食刻して約30μmの凹凸の
ある模様状エンボス版を作り、これを模様部が形
材表面に接触するようにアルミニウム合金形材上
に載置し、その上からローラーにて圧刻して、該
アルミニウム合金表面に下地模様を形成する以外
は、実施例1と全く同じ方法にて前記アルミニウ
ム合金形材を処理したところ、該形材表面に下地
模様部分と背景との間に濃淡差のあるきれいな装
飾模様を表出した。
実施例 6 押出成型後のアルミニウム合金形材(A−
6063S)を常温にまで冷却した後、190℃×2hrの
条件で不完全時効硬化処理し、次いで、高温のま
まステンレスカツトワイヤー(粒度100)を6.4mm
φのノズルより空気圧2Kg/cm2で噴射し、下地模
様を形成した。次いで、脱脂、エツチング、スマ
ツト除去し、該形材を17W/V%の硫酸水溶液中
に浸漬し、電流密度1.2A/dm2(電圧約12.5V)、
液温20℃、時間35分の条件で陽極酸化し、約
10.5μmの陽極酸化皮膜を形成した。つぎに、酸
化皮膜改質処理として、電流密度1.2A/dm2
(電圧約6V)で1分30秒アルミニウム合金形材を
陰極に接続して直流電解した。次ぎに、着色処理
として、実施例1と同じ容器にて、下記の組成を
有する浴温28℃の電解液中に浸漬して、11Vの印
加電圧で3分交流電解したところ、サンドプラス
トを当てた面のみが黒茶色となり、一方、サンド
プラストを当てない面は淡茶色となり、形材の面
により着色の異なる美麗な形材となつた。
電解液組成:硫酸ニツケル 25g/ 硫酸マグネシウム 15g/ 硫酸アンモニウム 30g/ 硼酸 20g/ チオ硫酸アンモニウム 1g/ PH 5.5 比較例 1 実施例1において、酸化皮膜改質処理を除いた
以外は実施例1と同様の処理をしたところ、淡黄
色となり、下地模様部分が背景と比べわずかに濃
く着色されたが、実施例1に比べはるかに不鮮明
であつて、およそ模様と呼べるものではなかつ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図はアルミニウム合金(A−6063S)の硬
度に及ぼす時効硬化処理温度と処理時間の影響を
示すグラフであり、第2図は不完全時効硬化処理
の時間と温度の適正範囲を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) 押出成型後のアルミニウム合金に不完全
    時効硬化処理を施し、 (B) 次いで、該アルミニウム合金表面に機械的操
    作による下地模様を施し、 (C) しかる後、前記アルミニウム合金に常法によ
    り陽極酸化皮膜を形成し、 (D) 続いて硫酸、リン酸、クロム酸等の無機酸及
    び/又はシユウ酸等の有機酸浴中で交流電解し
    て前記陽極酸化皮膜を二重皮膜構造に改質した
    後、 (E) 該皮膜に電解着色処理を施す ことにより、前記下地模様をアルミニウム合金表
    面に鮮明に表出させることを特徴とするアルミニ
    ウム合金の模様付け表面処理方法。 2 (A) 押出成型後のアルミニウム合金に不完全
    時効硬化処理を施し、 (B) 次いで、該アルミニウム合金表面に機械的操
    作による下地模様を施し、 (C) しかる後、前記アルミニウム合金に常法によ
    り陽極酸化皮膜を形成し、 (D′) 続いて硫酸、リン酸、クロム酸等の無
    機酸及び/又はシユウ酸等の有機酸浴中で前記
    アルミニウム合金を陰極に接続して直流電解し
    て上記酸化皮膜を改質した後、 (E) 電解着色処理を施す ことにより、前記下地模様をアルミニウム合金表
    面に鮮明に表出させることを特徴とするアルミニ
    ウム合金の模様付け表面処理方法。
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