JPS6317676Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は食品切断機における食品搬送装置に関
し、詳しくは、大根、きゆうり等の野菜や、果
物、海藻、チーズ、カマボコ、その他の食品を切
刻む食品切断機において最も衛生的であることを
要求される食品搬送装置の改良に関する。

食品を切断する食品切断機は、例えば実公昭50
−3588号、実開昭49−140485号、同51−23579号、
同51−45980号、同52−22491および同54−98886
号の各公報等に記載された技術として公知であ
る。

これら従来の食品切断機における食品案内装置
ないし食品搬送装置としては、次のような技術が
知られている。第１番目に、前記実公昭50−3588
号公報に記載される如く、一対の駆動ロール間に
捲装された無端搬送ベルトと、その上方に配置さ
れた食品押えベルト等の食品押え案内装置によつ
て食品を案内し、無端搬送ベルト上で食品を切断
するようにした技術があり、第２番目に、前記実
開昭49−140485号公報に記載される如き、一対の
駆動歯車に捲装されたチエーンコンベアの一方の
側壁を構成する固定板に対して、他方の側壁を構
成する移動板を接離自在に設け、チエーンコンベ
ア上で食品を切断するようにした技術があり、第
３番目に、前記実開昭51−23579号公報に記載の
如く、一対の駆動ロール間に捲装された無端搬送
ベルトと、その上方に配置された食品押えベルト
等食品押え案内装置とによつて食品を案内し、無
端搬送ベルトの後端部において食品を切断するよ
うにした技術があり、第４番目に、前記実開昭51
−12694号公報に記載される如く、一対の駆動ロ
ールに捲装された無端搬送ベルトにおいて把持片
に支持させた海苔巻を案内し、無端搬送ベルト上
で切断するようにした技術があり、第５番目に、
前記実開昭52−22491号公報に記載の如く、一対
の駆動ロール間に捲装され間欠走行する無端搬送
ベルト上から落下した食品を切断するようにした
技術があり、さらに第６番目に、前記実開昭54−
98886号公報に記載の如く、一対の駆動ロールに
捲装され間欠走行する無端搬送ベルトと該無端搬
送ベルトの走行と一致して間欠走行する無端の食
品押えベルト等の食品押え案内装置とによつて食
品を案内し、無端搬送ベルト上において食品を切
断するようにした技術がある。

これらの食品案内装置の中で、食品を高速でか
つ連続的に案内移送する手段として最も優れてい
るのは、前記第１番目、第３番目および第６番目
に記載した、食品押えベルト等の食品押え案内装
置を有する装置である。また、食品の切断刃とし
ても、第１番目、第２番目、第３番目および第４
番目の技術にみられるような回転型を用いるも
の、前記第５番目および第６番目の技術にみられ
るような上下または左右動する直動型を用いるも
の等が知られているが、細かくかつ正確に切断す
るには直動型の方が有利である。

従つて、食品を高速でかつ連続的に案内し、し
かも細かくかつ正確に切断するには、前記第６番
目の技術が最も有利である。

本考案者も該６番目の技術に属する装置につい
て、実公昭57−25827号、同57−60959号および同
57−60960号各公報に示す考案（以下、これらを
先提案考案という）を先に提案開示した。

かかる先提案考案を含めて従来公知の食品切断
機における食品搬送装置は、食品切断機架台に確
固に固定されており、かつ動力伝達機構や食品押
え案内装置等が確固に固定されているため、食品
搬送装置を食品切断機架台から取外すことは容易
ではなかつた。

しかるに、これらの食品切断機を用いて食品を
切断する場合には衛生面に十分注意をする必要が
あり、そのため従来では、固定状態のまま食品搬
送装置の無端搬送ベルト上に洗剤や殺菌剤等をか
けて拭いたり、擦つたり、或は熱湯をかけたりし
て、洗浄または殺菌を行なつていた。

しかし、従来の洗浄ないし殺菌は食品搬送装置
が食品切断機架台に固定されたりしているため、
十分ではなく、特に前記先提案考案を含む６番目
の技術に属する食品搬送装置においては、無端搬
送ベルト上に切断刃によつて形成された刻目傷内
に詰つた食品カスまでも十分に洗浄することは不
可能である。故にかかる食品カスをそのままにし
ておくと傷内に微生物や大腸菌等が繁殖して、食
品衛生上重大な問題をひきおこすおそれがあつ
た。

そこで傷内洗浄殺菌において熱湯を用いて行な
つても、傷内まで熱湯を浸透させることができな
かつたりして殺菌効果が期待できないという問題
があつた。また熱湯による殺菌効果を上げるため
に、大量の熱湯を多くの時間をかけて行なうこと
も考えられるが、これによると作業上のロスが大
きく、また無駄なエネルギーを消費することにな
り、さらに作業中にやけど等の危険を伴なう等の
問題があり、さらにまた食品切断機本体側の防錆
対策を必要とする等の問題もある。

従来、かかる問題を解決する技術として、実公
昭58−28799号公報には、搬送ベルトを周設した
ガイド板を立てて搬送ベルトを取外し可能に構成
して、該ベルトの洗浄・殺菌を行う技術が知られ
ている。

しかし、この技術はガイド板を立てる際に予め
ガイドローラーを取外す必要があるため、煩雑で
あるという欠点がある。またガイド板を立てた状
態で搬送ベルトを取外す構成であるため、搬送ベ
ルト取外し作業が比較的高所作業となり、また搬
送ベルト自体も重量があるため、確固たる足場が
ない場合には危険を伴うという欠点があつた。さ
らにガイド板自体も長いものであるため、搬送ベ
ルト取外しの際に立てると相当に高くなるので、
天井の低い建物内で使用できない欠点があつた。

そこで本考案の目的は、搬送ベルトの取外し作
業が容易であり、かつ足場等の作業環境を考慮す
る必要がなく、低い建物内でも使用できる食品切
断機における食品搬送装置を提供することにあ
る。

本考案の上記目的は、食品押え案内装置の直後
に配置された切断刃に対し該食品押え案内装置及
び切断刃の下方位置で、食品を連続的又は間欠的
に搬送する食品搬送装置において、該食品搬送装
置が下記構成を有し、前記食品押え案内装置及び
切断刃を取付けた食品切断機架台に、該架台と該
食品押え案内装置及び切断刃との間において引抜
き可能に挿入され固定される食品切断機における
食品搬送装置によつて達成される。

［食品搬送装置の構成］ 食品搬送方向の両側に左右側面板が並設され、
該両側面板の前記端部には無端搬送ベルトを掛け
られた２つのロールが回転可能に架設され、該ロ
ールの一方が駆動ロールであり、他方が遊動ロー
ルであると共に該駆動ロールには前記側面板の一
方から外側へ突出した位置で食品切断機本体に設
けられた動力伝達機構を取外し可能に連結され、
かつ該両側面板の前後端部の少なくとも一方には
食品切断機架台に対して取外し可能に固定される
固定部を有し、該両側面板の略中央部には食品切
断機架台に対して摺動可能に支持される摺動部を
有し、前記両側面板の各々が、略中央部において
二折されており、かつ二折部分が折曲げ可能な連
結機構によつて接続されている食品搬送装置。

以下、本考案の好ましい実施例を添付図面に基
き説明する。

第１図は本考案に係る食品搬送装置の一実施例
を示す斜視図、第２図は同上の食品搬送装置を食
品切断機に適用した場合を示す概略側面図であ
る。

図において、１は本考案にかかる食品搬送装置
で下記構成を有する。即ち、食品搬送方向（矢符
方向）の上流側に（前端部・食品入口側）駆動ロ
ール２が設けられ、該駆動ロール２に対向して搬
送方向の下流側（後端部・食品出口側）に遊動ロ
ール３が設けられ、該駆動ロール２と遊動ロール
３には無端搬送ベルト（マナイタベルト）４が掛
けられている。駆動ロール２にはモータ等の回転
駆動源（図示せず）からの動力伝達用スプロケツ
ト５が同軸上に設けられている。無端搬送ベルト
４の両側には、搬送方向左側に位置する左側面板
６と右側に位置する右側面板７が設けられ、該左
側面板６と右側面板７の各々はその略中央部にて
折曲可能な連結機構８により接続されている。該
連結機構８は支軸９を中心にして回動可能なヒン
ジ構造の連結板１０を有し、連結板１０に形成さ
れた止め欠き部１１が止ピン１２に嵌合すること
により連結されると共に、連結板１０の下方に
は、一端を溶接され、他端を回動可能に止ピン１
３に軸支された連結板１４が設けられて構成され
ている。

左側面板６および右側面板７の前端部は下方に
膨らんだ台部１５を有し、該台部１５に駆動ロー
ル２の着脱用溝１６が設けられている。１７は食
品搬送装置１を食品切断機架台１に固定するため
の固定部で、例えば図示のようにＬ字状に形成さ
れ、その立上がり面が駆動ロール２の軸を受けて
おり、その水平面が架台１８に固定するためのボ
ルト孔（溝）１９を有する。

なお、２０は前方側の側面カバー２７を取付け
るための蝶ネジ、２１は無端搬送ベルト４の回転
をスムーズにすると共にたるみを防止するための
遊動コロで、複数個並設されている。２２は後方
側の側面および下面食品案内板一体形カバー２８
を取付けるためのネジ孔である。

本考案の食品搬送装置１における左側面板６と
右側面板７の下端縁は前記台部１５部分を除き水
平レベルをもつており、その一部を摺動部２３と
してある。また上端縁も水平レベルをもつてい
る。

次に本考案の食品搬送装置１を食品切断機架台
１８に取付けた状態について説明するが、食品切
断機架台１８および食品切断機の構造は本考案の
要旨でないため、その概略を説明する。なお、こ
れらの構造については前記本考案にかかる先提案
考案等をも参照できる。

第２図において、食品搬送装置１は食品切断機
架台１８上に少なくとも１点（固定部１７）を固
定され、少なくとも他の１点（摺動部２３）を支
持されている。即ち、食品入口側の固定部１７で
ボルト２４によつて固定され、中間部摺動部２３
でコロ受け２５によつて下面および側面を支持さ
れている。なお、食品出口側でも食品切断機架台
１８に、ネジ孔２２に止められるボルト２６等に
よつて固定されてもよい。２９は食品押え案内装
置、３０は直動型切断刃で図示しない駆動源の回
転運動を直線運動に変換する機構を利用し上下の
直線運動を伝達して、該直動型切断刃３０を上下
動させるように構成してある。３１はチエーン等
の動力伝達機構３２をゆるめるたり、張つたりす
るためのスプロケツトで食品入口側方向へ倒すこ
とによつて動力伝達機構３２をゆるめることが可
能である。

次に、本考案の食品搬送装置１を取外す手段を
説明する。

蝶ネジ２０をゆるめて側面カバー２７を上方側
から取外すと共に、ボルト２６をゆるめて一体形
カバー２８を食品出口側から引抜く。次に、ボル
ト２４をゆるめ［またはボルト孔（溝）１９が丸
孔のときは外す］、スプロケツト３１を食品入口
側へ倒して動力伝達機構３２をゆるめ、動力伝達
用スプロケツト５から動力伝達機構３２を外し、
コロ受け２５に対して摺動部２３を摺動させるよ
うにして食品搬送装置１を食品入口側へ引抜く。
食品押え案内装置２９の位置を外れたら上方へ持
ち上げて外すことができる。外された食品搬送装
置１は第１図に示されている。

更に外された食品搬送装置１から無端搬送ベル
ト４を取外し、該搬送ベルト４のみの洗浄・殺菌
を行うには、連結板１０を止ピン１２から外し、
左側面板６、右側面板７を折り（数十度の角度）、
無端搬送ベルト４を駆動ロール２、遊動ロール３
から取外す。この場合、無端搬送ベルト４を環状
に巻いたりして熱湯にジヤブ漬けすることにより
完全殺菌が可能となる。洗浄・殺菌後、無端搬送
ベルト４を駆動ロール２、遊動ロール３間に掛
け、左側面板６、右側面板７を直線状になおし、
止め欠き部１１を止ピン１２に嵌め、食品搬送装
置１を食品切断機架台１８と食品押え案内装置２
９および直動型切断刃３０との間に差し込むよう
にして挿入し、前記操作と逆操作を行なうことに
よつて食品搬送装置１を食品切断機架台１８に固
定する。これによつて食品切断操作の準備が整つ
たことになる。

本考案によれば、食品搬送装置を手前に引抜く
構成を有するので、食品切断機から簡単にかつ安
全に取外すことができる。また食品搬送装置が略
中央部において二折される構成を有するので、搬
送ベルトの取外しが容易であると共に足場等の作
業環境を考慮する必要がなく、さらに天井の低い
建物内でも使用することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る食品搬送装置の一実施例
を示す斜視図、第２図は同上の食品搬送装置を食
品切断機に適用した場合を示す概略側面図であ
る。 図中、１は食品搬送装置、２は駆動ロール、３
は遊動ロール、４は無端搬送ベルト、６は左側面
板、７は右側面板、１７は固定部、１８は食品切
断機架台、２３は摺動部、２９は食品押え案内装
置、３０は直動型切断刃、３２は動力伝達機構を
各々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 食品押え案内装置の直後に配置された切断刃に
   対し該食品押え案内装置及び切断刃の下方位置
   で、食品を連続的又は間欠的に搬送する食品搬送
   装置において、該食品搬送装置が下記構成を有
   し、前記食品押え案内装置及び切断刃を取付けた
   食品切断機架台に、該架台と該食品押え案内装置
   及び切断刃との間において引抜き可能に挿入され
   固定される食品切断機における食品搬送装置。 ［食品搬送装置の構成］ 食品搬送方向の両側に左右側面板が並設され、
   該両側面板の前記端部には無端搬送ベルトを掛け
   られた２つのロールが回転可能に架設され、該ロ
   ールの一方が駆動ロールであり、他方が遊動ロー
   ルであると共に該駆動ロールには前記側面板の一
   方から外側へ突出した位置で食品切断機本体に設
   けられた動力伝達機構を取外し可能に連結され、
   かつ該両側面板の前後端部の少なくとも一方には
   食品切断機架台に対して取外し可能に固定される
   固定部を有し、該両側面板の略中央部には食品切
   断機架台に対して摺動可能に支持される摺動部を
   有し、前記両側面板の各々が、略中央部において
   二折されており、かつ二折部分が折曲げ可能な連
   結機構によつて接続されていることを特徴とする
   食品搬送装置。