JPS6317541Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、クラウンとベツドとの間にアプライ
トを介装し、前記アプライトに案内されて上下動
可能なスライドを配置し、このスライドを、昇降
駆動装置により上下動させるように構成し、前記
ベツドの上面と前記スライドの下面との間には複
数のステーシヨンを円環状に形成し、一つのステ
ーシヨンにて加工された被加工物を逐次次のステ
ーシヨンへと移送する環状のフイードバーを設け
たロータリトランスフアプレスに関するものであ
る。

本考案の目的とするところは、駆動装置をベツ
ドに内蔵して全体をコンパクト化し得、しかもフ
イードバーの間欠送り装置を簡素化し得ると共
に、間欠送りの設定角度を任意に変更し得るロー
タリトランスフアプレスのトランスフア駆動装置
を提案する点にあり、以下その一実施例を図面に
基づいて説明する。

第１図〜第６図において、１はベツド２上の中
央部に配設した横断面多角形状のアプライトで、
その上部にはクラウン３が配設してある。４は前
記アプライト１に上下動可能に案内されるスライ
ドで、その形状はアプライト１に外嵌する多角筒
状に形成してある。５はスライド４の昇降駆動装
置で、クラウン３上に配設した主電動機６と、ク
ラウン３の上部に回転可能に取付けた水平方向の
駆動軸７と、この駆動軸７に取付けたフライホイ
ールおよびクラツチ８と前記主電動機６とを連動
する巻掛伝動具９と、前記駆動軸７に歯車機構を
介して連動する一対の主軸１０と、この主軸１０
に連動して昇降するロツド１１とからなり、この
ロツド１１の下端を前記スライド４に連結してい
る。１２は各工程用のプレス型を取付けたボルス
タで、その数はプレス工程数や設備の大きさなど
により変更される。実施例では45度として一定角
度置きに８箇所のステーシヨンＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，
Ｅ，Ｆ，Ｇ，Ｈを設定し、素材搬入ステーシヨン
Ａ、加工ステーシヨンＢ，Ｃ，Ｄ，Ｅ，Ｆ，Ｇ、
製品搬出ステーシヨンＨとしているが、搬入・搬
出ステーシヨンＡ，Ｈを加工ステーシヨンに兼用
してもよい。なお素材搬入ステーシヨンＡの外側
には材料供給装置１３が設けられる。１４はフイ
ンガー（図示せず）を取付けた環状のフイードバ
ーで、前記駆動軸７側から取出した動力により前
記アプライト１の周りにおいて昇降動ならびに正
逆回転動を行なう。前述した駆動軸７側からの動
力の取出しは、前記クラウン３に該駆動軸７に連
動する横方向の出力軸１５を設け、この出力軸１
５に歯車箱１６を介して連動する縦方向のユニバ
ーサルジヨイント１７を設け、このユニバーサル
ジヨイント１７の下端を、ベツド２に縦方向に配
設した入力軸１８に連動している。この入力軸１
８は第６図〜第９図に示すように、駆動ピニオン
１９と、遊び歯車２０と、従動歯車２１とを介し
て回転軸２２に連動し、この回転軸２２には送り
カム２３とリフトカム２４とが取付けられてい
る。

次に前記送りカム２３を基にした間欠送り装置
を第８図から第１５図に基づいて説明する。前記
回転軸２２に平行な支軸２５に送りカムレバー２
６の基端が揺動可能に取付けてあり、この送りカ
ムレバー２６の中間に前記送りカム２３に接当可
能な送りカムフオロワ２７が取付けてある。そし
て前記支軸２５とは離れて旋回軸２８がプレス中
心２９上においてベツド２側に回転可能に取付け
られ、この旋回軸２８の下端に揺動リンク３０の
中間が固着されている。揺動リンク３０の一端は
前記送りカムレバー２６の先端に連杆３１を介し
て連絡され、また他端は送りカムフオロワ２７を
送りカム２３に圧接すべく付勢する拘束シリンダ
３２に連絡されている。前記旋回軸２８の上端に
は旋回レバー３３の基端が固着され、以つてこの
旋回レバー３３はプレス中心２９の周りで正逆旋
回可能となる。この旋回レバー３３と前記フイー
ドバー１４との間に、設定角度変更用の伝動機構
３４が設けられる。すわち旋回レバー３３の先端
には縦軸３５が回転可能に取付けられている。こ
の縦軸３５の上端にはスプライン嵌合３６を介し
て第１遊星歯車３７が抜き差し可能に取付けてあ
る。この第１遊星歯車３７は抜き差し作用により
上下二段のレベルを変更可能であつて、夫々の位
置において対向咬合する歯車が設けられる。すな
わち第１２図に示すように第１遊星歯車３７が上
位にあるときに対向咬合する上位扇形歯車３８が
前記アプライト１側に固定され、そしてこの状態
から第１３図に示すように上下向きを変えて第１
遊星歯車３７が下位にあるときに対向咬合する下
位扇形歯車３９が前記旋回レバー３３に固定され
ている。前記縦軸３５の中間には第２遊星歯車４
０が固着され、この第２遊星歯車４０に常時咬合
する内歯歯車４１が揺動リング４２に取付けられ
ている。この揺動リング４２はフイードバー１４
の下方においてアプライト１に外嵌され、その揺
動は、前記アプライト１から連設した支持部材４
３に取付けてなる内面案内用ローラ４４と上下面
案内用ローラ４５とにより案内される。前記揺動
リング４２から複数本のピン４６が立設され、こ
のピン４６はフイードバー１４の昇降を許すべく
該フイードバー１４を貫通している。

次に前記リフトカム２４を基にしたリフト装置
を第１６図〜第２０図に基づいて説明する。前記
回転軸２２に平行な支軸４７にリフトカムレバー
４８の中間が揺動可能に取付けてあり、このリフ
トカムレバー４８の一端に前記リフトカム２４に
接当可能なリフトカムフオロワ４９が取付けてあ
る。前記リフトカムレバー４８の他端に対向させ
て、水平方向のラツク軸５０が配設してあり、こ
のラツク軸５０は一対の支持部材５１によつて、
その長さ方向に往復移動可能となる。そしてラツ
ク軸５０の前端と前記リフトカムレバー４８の他
端とを連結レバー５２により連絡すると共に、該
ラツク軸５０の後端を、リフトカムフロオワ４９
をリフトカム２４に圧接すべく付勢する拘束シリ
ンダ５３に連絡している。両支持部材５１間にお
いてラツク軸５０の上面にはラツク５４が形成さ
れており、これに咬合するピニオン５５が、前記
旋回軸２８をさけるように横架されたリフト駆動
軸５６の一方端部に固着してある。このリフト駆
動軸５６の両端近くには夫々駆動ピニオン５７が
固着され、これら駆動ピニオン５７に咬合する従
動ピニオン５８が遊転可能に配設してある。夫々
の駆動ピニオン５７ならびに従動ピニオン５８
は、その側部に昇降のみ可能に配設した昇降ラツ
ク軸５９Ａ，５９Ｂのラツク６０Ａ，６０Ｂに咬
合している。両端部において夫々対向する昇降ラ
ツク軸５９Ａ，５９Ｂの上端間には昇降台６１が
取付けられ、この昇降台６１の昇降ラツク軸取付
部の両外側には前記フイードバー１４の下面を支
持する支持ローラ６２が取付けられ、また取付部
の両内側にはフイードバー１４の上面を押える押
圧ローラ６３が取付けられている。これによりフ
イードバー１４は、180度変位した二箇所を昇降
台６１側で案内されることになる。

プレス作業は次のようにして行なわれる。すな
わちスライド４の上昇中に材料供給装置１３を介
して被加工物素材がステーシヨンＡに搬入され、
またステーシヨンＨから加工完了した製品が搬出
される。そしてスライド４の下降により各ステー
シヨンＡ〜Ｈで、またはステーシヨンＢ〜Ｇでプ
レス作業が行なわれる。次のスライド４の上昇中
に各ステーシヨンの被加工物は、上昇するフイー
ドバー１４のフインガーにより保持され、そして
フイードバー１４の一定角度（45度または90度）
の往回転によりそれぞれ次のステーシヨンに搬送
される。次いでフイードバー１４の下降により搬
出された被加工物が夫々のステーシヨンに渡され
る。このとき再度前述したような素材の搬入と被
加工物の搬出とが行なわれる。次いでスライド４
が下降することにより各ステーシヨンでのプレス
作業が行なわれるが、このときフイードバー１４
は一定角度（45度または90度）だけ復帰動し、フ
インガーは元の位置に戻つている。

次のフイードバー１４の動作を説明する。回転
軸２２とともに送りカム２３とリフトカム２４と
が回転される。すると第８図、第９図において送
りカムレバー２６が支軸２５の周りで揺動され、
連杆３１と揺動リンク３０とを介して旋回軸２８
がプレス中心２９の周りで正逆回転する。この正
逆回転角度は一定（45度）であり、したがつて旋
回レバー３３がプレス中心２９の周りで一定角度
の往復旋回動を行なうことになる。ここで第１１
図、第１２図に示すように第１遊星歯車３７が上
方に位置して上位扇形歯車３８と咬合していると
する。すると旋回レバー３３の揺動により第１遊
星歯車３７は上位扇形歯車３８に咬合しているこ
とから回転する。すなわち縦軸３５は旋回揺動し
ながら回転することになる。この縦軸３５と共に
第２遊星歯車４０も回転するものであり、したが
つて第２遊星歯車４０と咬合する内歯歯車４１を
取付けてなる揺動リング４２は、旋回レバー３３
の揺動量に第２遊星歯車４０の回転量を加えた範
囲、すなわち45度旋回の旋回レバー３３に対して
倍の90度の範囲に亘つて往復旋回することにな
る。この揺動リング４２の旋回力はピン４６を介
してフイードバー１４に伝達され、以つてフイー
ドバー１４はプレス中心２９の周りに90度の正逆
回転を行なうことになる。これにより90度置きの
ステーシヨンＡ，Ｃ，Ｅ，Ｇを利用したプレス作
業が遂行される。第１３図に示すように第１遊星
歯車３７が下方に位置して下位扇形歯車３９と咬
合しているとする。ここで下位扇形歯車３９は旋
回レバー３３側に取付けてあることから縦軸３５
は該旋回レバー３３側に固定された状態になる。
したがつて縦軸３５に取付けた第２遊星歯車４０
は非回転状態で内歯歯車４１と咬合し、以つて揺
動リング４２は旋回レバー３３と等しい範囲、す
なわち45度の範囲で往復旋回することになる。こ
れにより全てのステーシヨンＡ〜Ｈを利用したプ
レス作業が可能となる。またリフトカム２４の回
転により第１６図〜第２０図においてリフトカム
レバー４８が支軸４７の周りで揺動され、その揺
動は連結レバー５２を介してラツク軸５０の押し
引き動に代えられる。この押し引き動はラツク５
４とピニオン５５とを介してリフト駆動軸５６の
正逆回転に代えられる。このリフト駆動軸５６の
回転により駆動ピニオン５７と従動ピニオン５８
とを互いに逆方向に回転させ、以つてラツク６０
Ａ，６０Ｂを介して昇降ラツク軸５９Ａ，５９Ｂ
を同時に且つ同方向に昇降させる。この昇降ラツ
ク軸５９Ａ，５９Ｂと一体の昇降台６１が昇降す
ることから、支持ローラ６２と押圧ローラ６３と
を介してフイードバー１４が所定量だけ昇降され
ることになる。なおリフト装置側においてフイー
ドバー１４の旋回は、支持ローラ６２と押圧ロー
ラ６３とによる支持構成によつて許されるもので
あり、また間欠送り装置側においてフイードバー
１４の昇降は、該フイードバー１４に対するピン
４６の昇降構成によつて許されるものである。

以上述べたように本考案によると、間欠送り装
置とリフト装置とをベツドに内蔵して全体をコン
パクトに構成することができ、しかもフイードバ
ーの間欠送りは、プレス中心上に配設した旋回軸
と該フイードバーとを旋回レバーで連結すること
より行なうことから、間欠送り装置は簡素化する
ことができる。さらに旋回レバーとフイードバー
との間に設定角度変更用の伝動機構を設けること
により、旋回レバーが一定角度旋回するものであ
りながらフイードバーの旋回量を変更することが
でき、以つて例えば全てのステーシヨンを利用す
るプレス作業と、１つ置きのステーシヨンを利用
するプレス作業とを使い分けることができる。さ
らに伝導機構においては、第１遊星歯車を上下逆
にするだけでフイードバーの送り量（送り角度）
を変更することができる。さらにフイードバーは
リフト装置により、昇降できるため、凹凸のある
成形ができ、特に深絞り加工に適している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は正面
図、第２図は側面図、第３図は平面図、第４図は
第１図における−断面図、第５図は要部の概
略正面図、第６図は同概略側面図、第７図は第６
図における−断面図、第８図〜第１５図は間
欠送り装置を示し、第８図は横断平面図、第９図
は第８図における−断面図、第１０図は同
−断面図、第１１図は伝動機構部の横断平面
図、第１２図は第１１図における−断面図、
第１３図は第１２図における要部の変化図、第１
４図は第１１図における−断面図、第１５図
は第１２図における−断面図、第１６図〜第
２０図はリフト装置を示し、第１６図は横断平面
図、第１７図は第１６図における−断面図、
第１８図は同−断面図、第１９図は同−
断面図、第２０図は同XI−XI断面図である。 １……アプライト、２……ベツド、３……クラ
ウン、４……スライド、５……昇降駆動装置、１
３……材料供給装置、１４……フイードバー、２
２……回転軸、２３……送りカム、２４……リフ
トカム、２６……送りカムレバー、２７……送り
カムフオロワ、２８……旋回軸、２９……プレス
中心、３３……旋回レバー、３４……伝動機構、
３５……縦軸、３７……第１遊星歯車、３８……
上位扇形歯車、３９……下位扇形歯車、４０……
第２遊星歯車、４１……内歯歯車、４２……揺動
リング、４６……ピン、４８……リフトカムレバ
ー、４９……リフトカムフオロワ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クラウンとベツドとの間にアプライトを介装
   し、前記アプライトに案内されて上下動可能なス
   ライドを配置し、このスライドを、昇降駆動装置
   により上下動させるように構成し、前記ベツドの
   上面と前記スライドの下面との間には複数のステ
   ーシヨンを円環状に形成し、一つのステーシヨン
   にて加工された被加工物を逐次次のステーシヨン
   へと移送する環状のフイードバーを設けたロータ
   リトランスフアプレスにおいて、前記ベツド内
   に、送りカムとリフトカムとを取付けた回転軸
   と、前記送りカムを基にしてフイードバーを設定
   角度内で往復移動させる間欠送り装置と、前記リ
   フトカムを基にしてフイードバーを所定量昇降さ
   せるリフト装置とを設け、前記間欠送り装置は、
   プレス中心上に配設され且つ送りカムに連動して
   正逆回転する旋回軸と、この旋回軸に取付けた旋
   回レバーと、この旋回レバーとフイードバーとの
   間に設けた設定角度変更用の伝動機構とから構成
   し、さらに前記伝導機構を、旋回レバーの先端に
   回転可能に取付けられた縦軸と、この縦軸の上部
   スプライン部に取外し可能に外嵌されると共にア
   プライト側に固定された上位扇形歯車に咬合され
   た第１遊星歯車と、旋回レバー側に固定されると
   共に第１遊星歯車を上下逆に前記スプライン部に
   外嵌させたときに第１遊星歯車に咬合するように
   された下位扇形歯車と、前記縦軸の下部に固定さ
   れた第２遊星歯車と、アプライト周囲でかつフイ
   ードバーの下方位置で揺動自在に設けられた揺動
   リングと、この揺動リングに固定されると共に前
   記第２遊星歯車に咬合された内歯歯車と、前記揺
   動リングの複数箇所から立設されると共に上端が
   前記フイードバーに上下方向でのみ移動を許すよ
   うに挿通されたピンとから構成したことを特徴と
   するロータリトランスフアプレスのトランスフア
   駆動装置。