JPS6317441Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、内視鏡の弯曲操作にあたり、操作部
を保持する側の手で操作ができ片手操作を可能と
するようにした着脱自在の補助ノブに関するもの
である。周知のごとく内視鏡は可撓性を有する体
腔内挿入部を患者の体腔内に挿入して患部の観察
や処置を行なうものである。この内視鏡は各種の
操作を手元で行なう操作部本体と、体腔内に挿入
される体腔内挿入部などからなつている。操作部
本体には、接眼部、弯曲操作ノブ、鉗子挿入口、
鉗子起上ノブ、送気・送水ボタン、吸引ボタンな
どが配設され、挿入部を患者の体腔内に挿入し、
弯曲操作ノブを操作して、挿入部の先端に位置す
る先端部の観察窓、照明窓などが患部へ向かうよ
う先端弯曲部を弯曲させている。消化管用の内視
鏡では、一般に、上下方向弯曲用と、左右方向弯
曲用の２つの弯曲操作ノブが操作部本体の同軸上
に配置されており、一般に操作部を握つた手で、
２つの弯曲操作ノブを操作することが難かしいた
め、他の手で操作することを前提として操作部に
近い内側の弯曲操作ノブを大きく、外側の弯曲操
作ノブを小さく構成してある。

ところが、現実の使用状態によれば、検査中の
生検時における鉗子の使用や造影時における造影
チユーブの使用中には右手で鉗子や造影チユーブ
を操作するため、右手が塞がり、第２図に示すよ
うに左手で２つの弯曲操作ノブを操作しなければ
ならないことになる。この左手操作によれば、操
作部本体に近い内側の弯曲操作ノブに比べ外側の
弯曲操作ノブが小さいため、左手の指が外側の弯
曲操作ノブに届く難く操作がやりづらいという欠
陥があつた。特に大腸のように管腔が長く屈曲が
ある部位の検査をする場合は、第３図に示すとこ
ろからも判るように挿入が非常に難しく、挿入部
を何度も押したり引いたり、あるいは捻じること
をしなければならないが、この操作を助手の介助
なく一人で行なう場合には、右手で挿入部の可撓
管を握つて押したり引いたり捻じつたりし、操作
部本体を把持する左手の手指で２つの弯曲操作ノ
ブを操作しなければならず、両手操作を標準とし
て構成され、配設された２種の弯曲操作ノブを操
作することは使用上大きな問題となつていた。

本考案は、検者の使用目的に応じ２つの弯曲操
作ノブを片手の手指で操作できるようにしたもの
である。片手の手指で２つの弯曲操作ノブを操作
する場合、操作部本体より遠くに位置する第２の
弯曲操作ノブの外周の突起が、操作部本体に近い
第１の弯曲操作ノブの外周の突起と同時またはよ
り大きく突出しておけば、左手で操作部本体を握
りつつ、左手の親指や人差指などで外側に位置す
る第２の弯曲操作ノブを操作することが可能とな
る。この点に着目してなされた本考案に関し、以
下図に示した実施例によつてその要旨を詳述す
る。

第１図は一般的な内視鏡の概略斜面図であつ
て、１１は操作部本体、１２はその先端に連なる
挿入部であり、挿入部１２の先端には弯曲部１３
及び先端部１４が続いて設けられている。１５は
操作部本体１１の後端に位置する接眼部、１６は
鉗子挿入口、１７は鉗子起上ノブ、１８は操作部
本体１１に光を導くライトガイドである。２１は
操作部本体１１より遠い部分に位置する弯曲操作
ノブ、３１はそのロツクレバー、２２は操作部本
体１１に近い側の弯曲操作ノブで３２はその弯曲
レバーである。第２図は、左手の片手操作によつ
て２種の弯曲操作ノブ２１，２２を操作しようと
している状態を示した斜視図であり、外径の小さ
な弯曲操作ノブ２１は、操作部本体１１から遠い
位置を占め、而も外径が小さく造られているため
に操作し難いことが理解されよう。第３図は第１
図示の内視鏡の挿入部１２を大腸ｃに挿入して使
用する状態を概略的に示したものであり、屈曲の
多い大腸に対し挿入部１２を挿入してゆく際の困
難と挿入後の弯曲部１３に対する操作性を示すも
のである。本考案の弯曲操作用補助ノブは、第１
図及び第２図に示す弯曲操作ノブ２１に装着され
て使用される。第４図及び第５図に示した実施例
では、補助ノブ４１は合成ゴムでできており、外
側の弯曲操作ノブ２１と嵌合する装着面の側を弯
曲操作ノブ２１に取り付けた時、容易に離脱しな
いよう内拡形のテーパ面としてある。この補助ノ
ブ４１の突起ａ，ａを結ぶ長さは内側の弯曲操作
ノブ２２の突起間の回転直径と同じ程度かまたは
より大きくして片手操作が可能な大きさにしてあ
る。この場合第７図や第８図に示す実施例の補助
ノブ４２や４３のように、外側の弯曲操作ノブ２
１の形状に対し非相似形の形状にしてもよい。例
えば、最もよく使用される突起ｂだけを大きく突
出させたり、四角形状の４カ所の突起を６カ所に
増やし、六角形状の弯曲操作用の補助ノブに変え
ることもできる。

第６図は、第４図及び第５図に示した本考案に
係る補助ノブを弯曲操作ノブ２１に装着した状態
を示す内視鏡操作部本体とその近傍の側面図であ
り、この場合補助ノブ４１の装着によつて、その
外径は弯曲操作ノブ２２の外径より大きくなさ
れ、操作部本体１１に近い側に位置する弯曲操作
ノブ２２と同様に操作部本体１１を保持する側の
手の手指が補助ノブ４１の突起ａに掛かり易くし
てある。第９図に示す補助ノブの実施例は、全体
を４４で示す補助ノブは４４ａ及び４４ｂで示す
２部分に分たれ、これらはその一部で蝶番４４ｃ
によつて軸着されている。４４ｄは軸着他端に設
けられた係合用フツクであり、４４ｅは同フツク
４４ｄが係合するための溝である。第４図以下第
８図に示した補助ノブは何れも適度の弾性をもつ
ように合成ゴム等で造られ、装着時には装着面を
適当に拡開しながら嵌め込まれ、自体の弾性収縮
によつて弯曲操作ノブ２１に装着保持させたが、
第９図に示したものは、弯曲操作ノブ２１の外形
に合わせた凹み縁部を以つて囲まれる装着面４
４′を具えており、弯曲操作ノブ２１の両側より
開脚部分４４ａ，４４ｂを以つて挾着して装備さ
れる。挾着装備の後は、係合用フツク４４ｄを溝
４４ｅに係合して脱落しないように保持される。

以上述べるように弯曲操作ノブ２１に装着され
て使用される本考案の補助ノブによれば、検査中
の生検鉗子や造影チユーブの使用時等、片手操作
を必要とされる場合には、前以つて本考案の補助
ノブを取り付けておくことにより操作すべき弯曲
操作ノブの形状、大きさを事実上変えることがで
きる。特に、大腸検査時は、検者によつて助手が
介助したり、一人で挿入したり、挿入手技が異な
る場合があるが、一人で挿入する場合でも補助ノ
ブによつて、検者の好みの形状に弯曲操作ノブを
変えることができ、検査を迅速に行え、かつ被検
者の苦痛も軽減できる。又、大きな病院等では同
一内視鏡を複数の検者が使用する場合があるが、
検者によつて手の大きさ、内視鏡の操作手技が異
なつたりするが、補助ノブによつて各検者が操作
しやすい弯曲操作ノブに変えて使用することが可
能となる。更に２つの手で内視鏡を操作する場合
でも、挿入部を握つた手で弯曲操作ノブを操作す
ると、挿入部を体内に出し入れした時に付着した
粘液等が、弯曲操作ノブにも付着することとなり
好ましくないが、本考案の補助ノブを取り付けて
おけば、使用後補助ノブを取り外し洗浄すればよ
く、内視鏡の弯曲操作ノブに代えて、本考案の補
助ノブを洗浄することになるので極めて簡単に所
要の洗浄作業が行なえるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な内視鏡を示す概略斜面図、第
２図は内視鏡の操作部本体を把持する左手の手指
で弯曲操作ノブを回している態様を示す概略斜面
図、第３図は消化管用内視鏡を用いて大腸検査を
する場合の挿入状態を示す概略図、第４図及び第
５図は、本考案補助ノブの実施例を示すもので第
４図は中央縦断面図、第５図はその斜面図、第６
図は補助ノブ装着状態を示す内視鏡要部の側面図
第７図及び第８図は別の実施例を夫々示す平面
図、第９図はまた別種の実施例を示す平面図であ
る。 １１……操作部本体、２１，２２……弯曲操作
ノブ、４１，４２，４３，４４……弯曲操作用の
補助ノブ、ａ，ｂ……突起、ｃ……大腸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 体腔内に挿入される可撓性挿入部を弯曲させ
   るために、操作部本体に対し共軸上に配設され
   た上下方向の弯曲用ノブと左右方向の弯曲用ノ
   ブのうち、操作部本体から遠い外方に位置する
   ノブに対し着脱され、操作部本体に近い内方に
   位置するノブの外周突起の突出端が回動する回
   動半径と同等或いはそれよりも大きな回動半径
   を与える外周突起若しくは外形を具えているこ
   とを特徴とする内視鏡の弯曲操作用補助ノブ。 (2) 前記補助ノブが、弾性部材で形成され、弯曲
   操作用のノブに対する装着用の嵌合面が脱外を
   妨げる向きの傾斜面を具備していることを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の
   内視鏡の弯曲操作用補助ノブ。 (3) 前記補助ノブが、内視鏡の操作部本体に配設
   された弯曲操作用のノブの外形々状とは異なる
   非相似形によつて形成されることを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第(1)項に記載の内視鏡
   の弯曲操作用補助ノブ。 (4) 前記補助ノブが、一部において弯曲操作用の
   ノブの外方に向けて突出した形状に形成されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第(1)項に記載の内視鏡の弯曲操作用補助ノブ。 (5) 前記補助ノブが、その外周の一部で蝶着され
   た２部分より成り、該蝶着部を中心に開閉する
   ２部分により弯曲操作用のノブを挾着してこれ
   を弯曲操作用のノブに装着すべくなした実用新
   案登録請求の範囲第(1)項に記載の内視鏡の弯曲
   操作用補助ノブ。