JPS63169354A - 切削性の優れた磁気テ−プ接触部品用アルミニウム合金 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は切削性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニ
ウム合金に関し、さらに詳しくは、例えば、ＶＴＲの上
・下シリンダ−、テープ案内用の部品に適した特性を有
する切削性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニウム
合金に関する。

［従来技術］ ＶＴＲの心臓部は、磁気テープに映像や音声の信号を磁
気記録、再生する回転磁気ヘッド部（上シリンダ−）と
、磁気テープを安定に走行させるためのテープ案内ドラ
ム（下シリンダ−）から構成されている。

これらの部品は、映像や音声を記録、再生する都度、磁
粉の付着したテープの磁性面と接触し、摩擦を繰返して
いる。従って、磁気テープを損なうことなく安定して走
行させ、再生映像や音声の精度を向上させて高品質の画
像や音声を得るために、磁気テープ接触部品用材料とし
てＡｌ−Ｃｕ−Ｍｇ系合金のＡ２２１８相当材が使用さ
れている。

しかして、磁気テープ接触部品用材料に要求される性質
としては下記のものがある。

（１）耐テープ摩耗性に優れていること。

（２）テープとの摩擦係数が小さいこと。

（３）切削性に優れていること。

（４）機械的性質が優れていること。

（５）変形能（冷間鍛造性）に優れていること。

（６）熱膨張係数が小さいこと。

そして、再生映像の精度を向上させるためには、上記諸
性質の中でも（１）耐テープ摩耗性に優れていること、
および（２）テープとの摩擦係数が小さいことが最も重
要な性質とされている。

そして、Ａ２２１８相当材はアルミニウム合金が軽量、
加工性に優れ、かつ、非磁性であることからテープ接触
部品用材料としては総体的に適合性があるが、この種材
料に求められる上記のような多くの諸性質を有するアル
ミニウム合金材は少ない。Ａｌ−Ｃｕ−Ｍｇ系合金Ａ２
２１８相当材は、鍛造または押出し等の塑性加工により
成形される切削性の比較的優れた材料であり、テープな
じみ性もよいため、酸化鉄粉末を塗布した１７２インチ
幅のテープを使う従来タイプのＶＴＲに多く使用されて
いる。

しかしながら、最近では、純金属粉末を塗布した８ｍｍ
幅のテープを使用するが、８　ｍｍＶ　Ｔ　Ｒや同種テ
ープで３　、８　ｍｍ幅テープを使用するＤＴＡ（デジ
タル・オーディオ・チープレコーグ−）等の新製品に移
りつつある。そして、これらの機種は非常に小形、かつ
、コンパクトになっていめため、シリンダー径も４０φ
、３０φであり、従来の６２φに比べると１／２になっ
ている。従って、自動旋盤で切削加工を行なう場合、ワ
ークスペースが小さくなり、切粉が工具や部品に巻き付
いて疵が付き易いという問題がある。

また、メタルテープは磁粉の密度が高いためテープ性能
はよいが、摩擦係数が大きく、材料が摩耗し易く、シリ
ンダーサイズが小さいことが、さらにこの傾向を強くす
るため、従来のＡｌ−Ｃｕ−Ｍｇ径金合金Ａ２２１８相
当材は対応できない。

そして、磁器テープとの摩擦係数が小さく、耐テープ摩
耗性の小さい従来の材料としては、Ａ４０３２相当材が
あるが、この材料はＳｉ含何潰が高いため、切削加工時
に工具が摩耗し易く、切削工程の多い小型部品の量産に
はコスト的に問題がある。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は上記に説明したような、小型部品の切削加工時
の種々の問題点に鑑み、本発明者が鋭意研究の結果完成
したものであり、即ち、上記に説明した磁気テープ接触
部品用材料として求められる諸性質を有し、特に、耐テ
ープ摩耗性に優れ、かつ、テープとの摩擦係数が小さく
、さらに、切粉分断性の良好な、例えば、ＶＴＲやＤＡ
Ｔの上下シリンダー、磁器テープ案内用の部品に適した
性質を有する切削性の優れた磁気テープ接触部品用アル
ミニウム合金を提供するものである。

７閂！ｉ叔を解決するための手段］ 本発明に係る切削性の優れた磁気テープ接触部品用アル
ミニウム合金は、 （１）　　Ｚｎ　０．３〜１．５ｗｔ％、Ｓ　１４．８
〜１２．Ｏｖｔ％、Ｃｕ　１．５〜５．Ｏｖｔ％、Ｍｇ
　０．２〜１．５ｗｔ％、Ｐｂ　０．２〜０，８ｗｔ％
、Ｓｎ　０．２〜１．５ｗｔ％を含有し、残部実質的に
Ａｌよりなることを特徴とする切削性の優れた磁気テー
プ接触部品用アルミニウム合金を第１の発明とし、 （２）　　Ｚｎ　０．３〜１．５ｗｔ％、Ｓ　ｉ　４．
６〜１２．Ｏｖｔ％、Ｃｕ　１．５〜５．０ｗｔ％、Ｍ
ｇ　０．２〜１．５ｖｔ％、Ｐｂ　０．２〜０．８ｗｔ
％、Ｓｎ　０．２〜１．５ｗｔ％を含有し、かつ、 Ｆｅ０．７ｖｔ％以下、Ｍｎ　０．７ｗｔ％以下の１種
或いは２種 を含有し、さらに、 Ｔｉ　０．２ｗｔ％以下、Ｚｒ　０．２ｗｔ％以下の１
種或いは２種 を含有し、残部実質的にＡ１よりなることを特徴とする
切削性の浸れた磁気テープ接触部品用アルミニラＪ、合
金を第２の発明とする２つの発明よりなるものである。

本発明に係る切削性の優れた磁気テープ接触部品用アル
ミニウム合金について以下詳細に説明する。

先ず、本発明に係る切削性の優れた磁気テープ接触部品
用アルミニウム合金の含有成分および成分割合について
説明する。

Ｚｎは耐テープ摩耗性を向上させ、かつ、摩擦係数を低
くする元素として重要なもので、これは　・アルミニウ
ム地に固溶することにより潤滑効果を発揮するものと考
えられ、含有量が０．３ｖｔ％未満ではこのような効果
は充分でなく、また、１，５ｗｔ％を越えて含有される
と加工性および強度を阻害する。よって、Ｚｎ含有量は
０．３〜１．５ｖｔ％とする゛。

ＳＬは耐テープ摩耗性を向上させ、摩擦係数を低くする
のに重要な元素であり、Ｓｔ含有量が４．６ｗｔ％未満
では耐テープ（特に、メタルテープ）摩耗性の向上およ
び摩擦係数を小さくするという効果は期待できず、また
、１２．０ｗｔ％を越えて含有されるとこれらの効果は
向上するものの切削性（工具摩耗性）が低下するのであ
る。よって、Ｓｉ含有量は４．６〜１２．０ｗｔ％とす
る。

ＣｕはＡｌ−Ｃｕ−Ｍｇ系の析出物を形成することによ
り強度を高め、切削性を良好にする元素であり、含有量
がｔ、ｓｗｔ％未満ではこのような効果は充分でなく、
また、５．Ｏｖｔ％を越えて含有されると耐テープ摩耗
性を低下させ、加工性（変形能）も劣化させる。よって
、Ｃｕ含有量は１．５〜５．０ｗｔ％とする。

Ｍｇは摩擦係数を小さくする元素であり、含有量が０．
２ｖｔ％未満ではこの効果は小さく、また、１．５ｖｔ
％を越える含有量では耐テープ摩耗性が劣り、変形抵抗
を高めるので加工性も低下させる。

よって、Ｍｇ含有量は０．２〜１．５ｖｔ％とする。

Ｐｂ、ＳｎはＰｂ−５ｎ共晶化合物を作り、マトリック
スに均一に分布して切粉分断性を著しく向上させる元素
であり、Ｐｂ％Ｓｎ含有量共に０．２ｖｔ％未満ではこ
の効果は小さく、また、Ｐｂ　０．８ｗｔ％、Ｓｎ　ｂ
５ｗｔ％を越えて含有されると熱間および冷間加工性が
低下し、耐蝕性も阻害する。よって、Ｐｂ含有量は０．
２〜０．８ｖｔ％、Ｓｎ含有量は０．２〜１．５ｗｔ％
とする。

Ｆｅ、Ｍｎは摩耗係数を小さくする元素であり、ＦｅＳ
Ｍｎを１種或いは２種を含有させることによって、磁気
テープとの摩擦特性が改善され、そして、凝固時にＡ　
Ｉｓ（ＭｎＦ　ｅ）の化合物を晶出し、これが摩擦特性
を向上させるものであり、含有量がＦｅ。

Ｍｎ共に０．７ｗｔ％を越えて含有させると加工性を害
し、耐蝕性にも悪影響を与える。よって、Ｆｅ含有量は
０．７ｗｔ％以下、Ｍｎ含有量は０．７ｗｔ％以下とす
る。

Ｔｉは鋳造組織を微細化し、Ｚｒは再結晶組織を微細化
し、合金の強度、加工性を向上させ、Ｔｉ。

Ｚｒ含有量がｏ、２ｖｔ％を越えても効果はあまり大き
くならず、逆に、巨大金属間化合物を晶出し、加工性、
切削性に悪影響を与える。よって、Ｔｉ含有量は０．２
ｖｔ％以下、Ｚｒ含有量は０．２とする。

次に、本発明に係る磁気テープ接触部品用アルミニウム
合金において、含有されるＳｔおよびＺｎ即ち、本発明
者の研究によれば耐テープ摩耗性を向上させ、摩擦係数
を小さくするために、Ｓｉを含有させることが極めて有
効であるという結果がでている［第１図（ａ）、第２図
（ａ）］。一般にＳｉは含有量が多い程耐摩耗性が向上
するが、一方、切削加工時に工具寿命を短かくすること
も知られており、切削性を重視する場合には耐摩耗性を
成る程度犠牲にしなければならならず、例えば、ＶＴＲ
のシリンダーも例外ではない。しかして、従来よりアル
ミニウム合金において磁気テープ接触用材料として摩擦
特性におよぼす材料因子の影響についてはあまり研究が
なされておらず、本発明者は、市販の種々の磁気テープ
の特性を調べて、磁気テープを選定し、磁気テープとア
ルミニウム合金との摩擦特性におよぼす含有成分、成分
割合について研究した。その結果、Ｚｎの含有が［第１
図（ｂ）、第２図（ｂ）］、耐耐テープ耗性を向上させ
、かつ、摩擦係数を小さくすることがわかった。このこ
と・は、ＺｎがＡｌ地に固溶することによって潤浩効蓼
をｔまたらオこンに１Ａ入ｌデニわＡ−二Ｚて、Ｓｔ含
有量が比較的少なくてもＺｎを含有させることにより、
上記の効果が得られるので、工具寿命に対して問題があ
るＳｔ含有量を抑えることができ、その結果、工具寿命
を長くし、かつ、耐テープ摩耗性に優れ、摩擦係数の小
さい磁気テープ接触部品用のアルミニウム合金としては
最適のものである。

さらに、Ｐｂ、Ｓｎを適量含有させて切粉分断性を著し
く向上させることにより、量産切削加工時の能率向上、
コストダウンに寄与するものである。

［実施例コ 本発明に係る切削性の優れた磁気テープ接触部品用アル
ミニウム合金の実施例を説明する。

実施例 第１表に本発明に係る切削性の優れた磁気テープ接触部
品用アルミニウム合金（本発明合金という。）、比較合
金の含有成分および成分割合を、第２表に各種の試験結
果について示しである。

（試験法） （１）耐テープ摩耗性 市販のＶＴＲ用磁気テープに円筒試験片を接触回転させ
摩耗量を測定した。なお、接触面のテープ磁粉が剥離し
ないようにテープ送り装置により調整した。

耐テープ摩耗　：ＷＳ テスト前の試験片の平均粗さ　：　　Ｒａ、（μ）テス
ト後の試験片の平均粗さ　：　　Ｒａｇ（μ）ＷＳ＝Ｒ
ａｏ　　Ｒａｔ （２）動摩擦係数 円筒試験片に巻付は角９０°で市販のＶＴＲ用磁気テー
プを逆恨カフ０ｇの負荷をかけて走行させ、作用荷重を
測定し、動摩擦係数を測定した。

（３）変形能 一定直径、一定高さの円筒試験片を落槌法で変形させ、
割れの発生する加工率を限界加工率とした。

（４）切削性 切削速度　　４００〜５００　ｍ／ｍｉｎ送り）　　　
　　　０．０２〜０．１ｍｍ／ｒｅｖ切込　　　　０．
０５〜０．２ｍｍ 工具　　　　ＫＩＯ片刃バイト 旋盤加工した時に切粉形状が小さく、分断する程切粉処
理性が良いとされているため、上記条件により旋削した
切粉形状を比較した。

第３図は切削性評価基準を示す模式図であり、第３図（
ａ）　（ｂ）に示す切粉の形状が最も好ましいものであ
り、第３図（ｃＸｄＸｅＸＤの形状の切粉は工具等に巻
きつくという問題がある。

第１表 残部はＡｌである。

従来合金９はＡ２２１８相当材、ＩＯはＡ４０３２相当
材である。

第２表 従来合金９、ＩＯは第１表と同じ。

この第２表から明らかであるが、本発明合金は、比較合
金および従来合金に比して、耐テープ摩耗性に優れてお
り、かつ、摩擦係数が小さく、切削性においても優れて
いることがわかる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明に係る切削性の優れた磁気
テープ接触部品用アルミニウム合金は上記の組成を有し
ているものであるから、耐テープ摩耗性に優れ、摩擦係
数が小さく、切削性にも優れ、かつ、高品質画像が得ら
れるという優れた効果を存するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は耐テープ摩耗性と摩擦係数とＳｉ
およびＺｎとの関係を示す図、第３図は切削性評価基準
を示す切粉の模式図である。 ＋　１　１’、： Ｃα）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（ｂ）乃２〕：１ ９ｉ　％　’Ｒ％　（Ｗｌ　％）　　　　　　　　　　
２７＋　’ａ勺’ｊ、　（Ｊ　％）？３π

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｚｎ０．３〜１．５ｗｔ％、Ｓｉ４．６〜１２．
   ０ｗｔ％、Ｃｕ１．５〜５．０ｗｔ％、Ｍｇ０．２〜１
   ．５ｗｔ％、Ｐｂ０．２〜０．８ｗｔ％、Ｓｎ０．２〜
   １．５ｗｔ％を含有し、残部実質的にＡｌよりなること
   を特徴とする切削性の優れた磁気テープ接触部品用アル
   ミニウム合金。
2. （２）Ｚｎ０．３〜１．５ｗｔ％、Ｓｉ４．６〜１２．
   ０ｗｔ％、Ｃｕ１．５〜５．０ｗｔ％、Ｍｇ０．２〜１
   ．５ｗｔ％、Ｐｂ０．２〜０．８ｗｔ％、Ｓｎ０．２〜
   １．５ｗｔ％を含有し、かつ、Ｆｅ０．７ｗｔ％以下、
   Ｍｎ０．７ｗｔ％以下の１種或いは２種 を含有し、さらに、 Ｔｉ０．２ｗｔ％以下、Ｚｒ０．２ｗｔ％以下の１種或
   いは２種 を含有し、残部実質的にＡｌよりなることを特徴とする
   切削性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金
   。