JPS6286142A - 切削性に優れ、かつ、磨擦特性の優れた磁気テ−プ接触部品用アルミニウム合金材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優れた磁気テ
ープ接触部品用アルミニウム合金材に関し、さらに詳し
くは、磁気テープの磁性面が直接接触する部品として、
例えば、ＶＴＲの上・下シリング−、テープ案内用の部
品に適した特性を有する切削性に優れ、かつ、摩擦特性
の優れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材に関
する。

［従来技術Ｉ Ｖ　Ｔ　Ｒｎ７１”、％−宮Ｋｉ士−盾ｒ子−ゴＬ二Ｉ
叡イＴ信号を五は気記録、再生する回転磁気ヘッド部と
、磁気テープを安定に走行させるためのテープ案内ドラ
ムから構成されている。

これらの部品は、映像を記録、再生する都度、磁粉の付
着したテープの磁性面と接触し、摩擦を繰返している。

従って、磁気テープを損なうことなく安定して走行させ
、再生映像の精度を向上させて高品質の画像、即ち、色
むらのない、鮮明度の高い画像を得るために、磁気テー
プの改善および磁気テープ接触部品用材料の改善が強く
要望されている。

しかして、磁気テープ接触部品用材料に要求される性質
としては下記のものがある。

（１）耐テープ摩耗性に優れていること。

（２）テープとの摩擦係数が小さいこと。

（３）（蔑械的性質が優れていること。

（４）切削性（工具寿命、切削仕上げ性）に優れている
こと。

（５）変形能（冷開鍛造性）に優れていること。

（６）熱膨張係数が小さいこと。

そして、再生映像の精度を向−ヒさせるｔこめには、上
記諸性質の中でも（１）耐テープ摩耗性に優れているこ
と、および（２）テープとの摩擦係数が小さいことか最
も１要な性質とされている。

これらの諸性質を有するような磁気テープ接触部品は従
来においても種々提案されているので、以下従来の磁気
テープ接触部品用材料につり・て説明する。

ＶＴＲのテープ接触部品として、表面にＣｒｐｚ−ドメ
ンキを施した銅合金、オー久テナイト系ＳＵＳ材、セラ
ミックコーティング、アルマイト被覆を施したアルミニ
ウム鋳物材等があるが、品質の向上、生産性の向上１こ
難がある。

従来、耐摩耗性に重点をおいた合金としては、ＡＩ−Ａ
ｌ−３ｉ−Ｃｕ−合金のＡ　４０３２相当材がよく知ら
れている。また、アルミニウム合金が軽量、加工性に優
れ、かつ、非磁性であることからテープ接触部品用材料
としては総体的に適合性があるが、上記のＡ　Ｉ−Ｓ　
ｉ　　Ｃｕ　　Ｍ　ｇ系合金は、優れた耐摩耗性および
８！械的強度を損なうことなく、この系の合金としては
優れた切削性を具備させたことにより、ＶＴＲのテープ
接触部品用材料として好結果が得られてはいるが、硬質
の初晶Ｓｉ粒子が剥離して磁気テープを損傷するという
問題がある。また、切削加工時の切削刃の寿命、加工面
の表面粗さ、仕上げ寸法精度において充分ではないとい
う問題もある。

［発明が解決しようとする問題、α］ 本発明は上記に説明したような、従来におけるＶＴＲの
磁気テープ接触部品用材料の種々の問題点に濫み、本発
明者が鋭意研究の結果完成したものであり、即ち、上記
に説明した磁気テープ接触部品用材料として求められる
諸性質を有し、特に、切削性（工具摩耗）に優れ、かつ
、耐テープ摩耗性に優れ、テープとの摩擦係数の小さい
、例えば、ＶＴＲの上・下シリングー１磁記テープ案内
用の部品に適した性質を有する切削性に優れ、かつ、摩
擦特性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金
材を提供するものである。

本発明に係る磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材
は、 （１）　　Ｚｎ　０．２〜１．５ｗｔ％、Ｓ　ｉ　４．
６−１２．Ｏｕ＋Ｌ％、Ｃｕ　２．０〜５，０ｗｔ％、
Ｍｇ　０．２−１，５ｗｔ％を含有し、残部実質的にＡ
ｌよりなるアルミニウム合金展伸材のマトリ・ンクス中
に金属間化合物、共晶化合物からなる析出物、晶質物を
含む第二相粒子が平均粒子径１０μ以下、粒子間隔１０
μ以下で分散していることを特徴とする切削性に優れ、
かつ、摩擦特性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニ
ウム合金材を第１の発明とし、 （２）　　　　Ｚｎ　　０．２−１，５ｕ＋し％、　Ｓ
　ｉ　　４，６−１２．０ＩＩＩｔ％、Ｃｕ　２，０−
５．０ｗｔ％、Ｍｇ　０．２〜１．５ｗｔ％を含有し、
かつ、 Ｆｅ　０．７ｕ＋ｔ％以下、Ｍｎ　００７ｕ＋ｔ％以下
の１種或いは２種 を含有し、さらに、 Ｔｉ　０．２ｕ＋ｔ％以下、Ｚｒ　０．２ｕ＋Ｌ９６以
下の１種或いは２種 ＋／１ｂ＋ｌ　　ｘａ立ｖ”ｉｉ’　Ｍ　ｂｈ　ｌ−Ａ
ｌ　）　ＩＩ　？？入フル≧ニウム合金展伸材のマトリ
ックス中に金属間化合物、共晶化合物からなる析出物、
晶出物を含む第二相粒子が平均粒子径１０μ以下、粒子
間隔１０μ以下で分散していることを特徴とする磁気テ
ープ接触部品用アルミニウム合金材を第２の発明とする
２つの発明よりなるものである。

本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優れた磁
気テープ接触部品用アルミニウム合金材について以下詳
細に説明する。

先ず、本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優
れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材の含有成
分および成分割合について説明する。

Ｚｎは耐テープ摩耗性を向上させ、かつ、摩擦係数を低
くする元素として重要なもので、これはアルミニウム地
に固溶することによｉ）潤滑効果を発揮するものと考え
られ、含有量が０．２ｗｔ％未満ではこのような効果は
充分でなく、また、１．５ｗＬ％を越えて含有されると
加工性および強度を阻害する。よって、Ｚｎ含有量は０
．２〜１．５ｗｔ％とする。

Ｓｉは耐テープ摩耗性を向上させ、摩擦係数を低くする
のに重要な元素であり、Ｓｉ含有量が４．６ｗｔ％未満
では耐テープ摩耗性の向上および摩擦係数を小さくする
という効果は小さく、また、１２、Ｏｕ＋ｔ％を越えて
含有されるとこれらの効果は向上するものの切削性が低
下するのである。よって、Ｓｉ含有量は１．０〜４．５
ｗｔ％とする。

ＣｕはＡｔ　　Ｃｕ　　Ｍｇ系の析出物を形成すること
により強度を高め、切削性を良好にする元素であり、含
有量が２．０ｗｔ％未満ではこのような効果は充分でな
く、また、５，０ｗｔ％を越えて含有されると耐テープ
摩耗性を低下させ、加工性（変形能）も劣化させる。よ
って、Ｃｕ含有量は２．０〜５，０ｗｔ％とする。

Ｍｇは摩擦係数を小さくする元素であり、含有量が０．
２＋ｕＬ％未満ではこの効果は小さく、また、１．５ｗ
ｔ％を越える含有量では耐テープ摩耗性が劣り、変形抵
抗を高めるので加工性も低下させる。

よって、Ｍｇ含有量は０．２〜１．５ｗｔ％とする。

ＦｅＳＭｎは摩耗係数を小さくする元素であり、Ｆｅ、
Ｍｎを１種或いは２種を含有させることによって、磁気
テープとの摩擦特性が改善され、そして、凝固時にＡｌ
６（ＭｎＦｅ）の化合物を晶出し、これが摩擦特性を向
上させるものであり、含有量がＦｅ、Ｍｎ共に０．７ｗ
ｔ％を越えて含有させると加工性を害し、耐蝕性にも悪
影響を与える。よって、Ｆｅ含有量は０．７ｗｔ％以下
、Ｍｎ含有量は帆７ｗＬ％以下とする。

Ｔｉは鋳造組織を微細化し、Ｚｒは再結晶組織を微細化
し、合金の強度、加工性を向上させ、Ｔ１、Ｚｒ含有量
が０．２ｕ＋Ｌ％を越えても効果はあまり大きくならず
、逆に、白太金属開化合物を晶出し、加工性、切削性に
悪影響を与える。よって、Ｔｉ含有量は咀２−Ｌ％以下
、Ｚｒ含有量は０．２とする。

次に、本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優
れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材において
、含有されるＳｉおよびＺｎの効果についてさらに具体
的に説明する。

即ち、本発明者の研究によれば耐テープ摩耗性を向上さ
せ、摩擦係数を小さくするために、Ｓｉを含有させるこ
とが極めて有効であるという結果がでている［第１図（
ａ）、ｆＪＳ２図（ａ）１゜一般にＳｉは含有量が多い
程耐摩耗性が向上するが、一方、切削加工時に工具寿命
を短かくすることも知られており、切削性を重視する場
合には耐摩耗性を成る程度犠牲にしなければならならず
、例えば、■ＴＲのシリンダーも例外ではない。しかし
て、従来よりアルミニウム合金において磁気テープ接触
用材料として摩擦特性におよぼす材料因子の影響につい
てはあまり研究がなされておらず、本発明者は、市販の
種々の磁気テープの特性を調べて、磁気テープを選定し
、磁気テープとアルミニウム合金との摩擦特性におよぼ
す含有成分、成分割合について研究した。その結果、Ｚ
ｎの含有が［第１図（ｂ）、第２図（ｂ）１、耐テープ
摩耗性を向上させ、かつ、摩擦係数を小さくすることが
わかった。このことは、ＺｎがＡＩ地に固溶することに
よって潤滑効果をもたらすことによると考えられ、この
Ｚｎの外にＰｂ、Ｓｎの低融点金属も同様の効果を示す
がＰｂ、ＳｎはＡＩに殆んど固溶しないので、耐蝕性を
阻害することになるのでＺｎと代替はできない。そして
、Ｓｉ含有量が比較的少なくてもＺｎを含有させること
により、上記の効果が得られるので、工具寿命に対して
問題があるＳｉ含有量を抑えることができ、その結果、
工具寿命を長くし、かつ、耐テープ摩耗性に優れ、摩擦
係数の小さい磁気テープ接触部品用のアルミニウム合金
としては最適のものである。

この合金材は製造条件を管理することにより、アルミニ
ウム合金展伸材のマトリックス中に金属間化合物、共晶
化合物からなる析出物、晶出物を含む第二相粒子が平均
粒子径１０μ以下、粒子間隔１０μ以下に分散させるこ
とができ、このような微細均一な！ｆｌｔ！ｌＬとする
ことにより、より安定した高品質の磁気テープ接触部品
が製造できる。

そして、平均粒子径１０μおよび粒子間隔１０μを夫々
越えるような組織では摩擦係数が安定せず、テープ走行
性が悪く、また、耐テープ摩耗性および工具摩耗にも悪
影響をお上ｉｒす。

このような、本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特
性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材を
製造する方法について以下簡単に説明する。

本発明に係る磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材
の含有成分および成分割合のアルミニウム合金を、溶解
時には共晶化合物を＠細に分散させるために７ラツクス
処理を行ない、また、鋳造する時には溶湯濾過により酸
化物の除去を行なう。

このような処理を行なうことによって、最終的にマトリ
ックス中の粒子を微細、均一に分布させることができる
。

次いで、均質化処理を行なって、鋳造によ１）晶出した
粒子をマトリックスに拡散させて？ａ！ａ、均一に分布
させると共に、強度に寄与する硬化元素を固溶させる。

この処理温度は４２５〜４９５℃の温度で２〜４８１−
１ｒ行なうのがＵましい。

次に、鋳塊マ）　ＩＪフックス中共晶化合物、金属間化
合物、酸化物を破壊して微細化効果を得るために、押出
比４（押出前の断面積／押出後の断面積）以上において
押出し、押出温度は２５０〜４８０℃の温度が好ましく
、２５０℃末編の温度では変形抵抗が高くなるので押詰
りの原因となり、また、４８０℃を越える温度では押出
し割れを生じる。

さらに、寸法精度を出すために抽伸加工を行ない、さら
に、粒子の分散は均一になる。

このようにして得られた押出加工材、抽伸加工材は磁気
テープ接触部品の形状にするために、通常は冷開鍛造を
行なうのであるが、複雑な形状の場合には熱間鍛造を行
なう。この加工により粒子はさらに均一に分散する。

以上のような製造工程により粒子を微細、均一に分散さ
せた後、所定の硬度を得るために焼入れ、怪厚ｌ−処Ｉ
１１！ヲ行ｔｒｙｙ　Ｍ削！ｍ　Ｔ　１．−　）　１１
Ｘａ　％　％　−ｑ”接触部品に仕上げるのである。

また、上記の製造方法以外に、微粒子を得る方法として
押出加工の代りに圧延加工を行なうこともでき、この場
合の加工条件は押出条件と同程度がよい。

また、径が７０馳φ以下の小径の連続鋳造棒等は、鋳造
時の冷却速度が著しく速く、ｆｉｉＩＬの晶出物寸法が
充分に微細であるので、均質化処理だけを行なって鍛造
加工することによっても同等の特性を得ることがでとる
。

さらに、第３図にＳｉ含有量と切削性１（○印）および
耐テープ摩耗性２（Δ印）について説明すると、・印お
よびム印の本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性
の優れた磁記テープ接触部品用アルミニウム合金材が、
切削性と耐テープ摩耗性に優れていることがわかる。

［実施例１ 本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優れた磁
気テープ接触部品用アルミニウム合金材の実施例を説明
する。

実施例１ 第１表に本発明に係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性の
優れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材（本発
明合金という。）、比較合金、従来合金の含有成分およ
ゾ成分割合と各種の試験結果について示す。

（試験法） （１）耐テープ摩耗性 市販のＶＴＲ用磁気テープに円筒試験片を接触回転させ
摩耗量を測定した。なお、接触面のテープ磁粉が剥離し
ないようにテープ送り装置により調整した。

耐テープ摩耗　：ＷＳ テスト前の試験片の平均粗さ　：　　Ｒａ、（μ）テス
ト後の試験片の平均粗さ　：　　Ｒａ、（μ）ＷＳ＝Ｒ
ａ０　Ｒａ。

（２）動摩擦係数 円筒試験片に巻付は角９０°で市販のＶＴＲ用磁気テー
プを通張カフ０ｇの負荷をかけて走行させ、作用荷柔を
測定し、動摩擦係数を測定した。

（３）変形能 一定直径、一定高さの円筒試験片を落槌法で変形させ、
割れの発生する加工率を限界加工率とした。

実施例２ 例Ｉ Ｚｎ　０．６ｕ＋ｔ％、Ｓｉ　５，６ｗｔ％、Ｃｕ　４
，０ｗｔ％、Ｍｇ　０１６ｗｔ％を含有［７、残部実質
的にＡｌであるアルミニウム合金材。

例２ Ｚｎ　０．６ｕ＋Ｌ％、Ｓｉ　７，１＋ｕＬ％、Ｃｕ　
３．９ｔｕｔ％、Ｍｇ　０．５ｗＬ％を含有し、残部実
質的にＡｌであるアルミニウム合金材。

このような含有成分および成分割合のアルミニウム合金
を、溶解１時に７ラソクス処理を行ない、さらに、鋳造
時に濾過処理を行ない、２００■φの鋳塊を造塊した。

この鋳塊を４７０℃の温度で２４８ｒの均質化処理を行
なっｔこ後、４５０°Ｃの温度で６３＋ｎｍφの棒に押
出加工を行なった。

この押出棒を３８０°Ｃの温度で２４Ｉ−Ｔｒの軟化処
理を行ない、６０Ｉｌ１ｍφまで抽伸加工を行ない、さ
らに、３８０°Ｃの温度で２Ｈ「の軟化処理後、冷間鍛
造により磁気テープ接触部品に成形加工しこの部品を５
１０’Ｃの温度で１）１ｒ加熱後水冷して、１７０　’
ＣＸ　１０　Ｈｒの人工時効処理を行なった後に切削加
工により仕上げた。

例３ Ｚｎ　０．６ｗｔ％、Ｓｉ　７．３＋ｕｔ％、Ｃｕ　３
，９ｕ＋Ｌ％、Ｍｇ０．５ｕ＋ｔ％を含有し、残部実質
的にＡｌであるアルミニウム合金材。

この含有成分、成分割合のアルミニウム合金を鋳造のま
ま、４５０　’Ｃの温度で６０ｍｍφの棒に押出加工し
、切削により磁気テープ接触部品に荒加工した。

この部品を５１０°Ｃの温度でＩＨｒ加熱後、水冷して
１？Ｏ’ＣＸ１０Ｈｒの人工時効処理を行なった後、切
削加工によ１）仕上げた。

これらのアルミニウム合金材の組織の影響について第２
表に示す。

二の第１表および第２表から明らかであるが、本発明に
係る切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優れた磁気テープ
接触部品用アルミニウム合金材は、比較合金および従来
合金に比して、耐テープ摩耗性に優れており、かつ、摩
擦係数が小さく、機械的性質においてら優れていること
がわかる。

［発明の効果］ 以」二説明したように、本発明に係る切削性に優れ、か
つ、摩擦特性の優れた磁気テープ接触部品用アルミニウ
ム合金材は上記の調成を有しているものであるか呟耐テ
ープ摩耗性に優れ、摩擦係数か小さく、切削性にも優れ
、かつ、高品質画像が得られるという優れｔこ効果を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は耐テープ摩耗性と摩擦係数とＳｉ
およびＺｎとの関係発示す図、第３図は８１含有量と切
削性および耐テープ摩耗性の関係を示す図である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｚｎ０．２〜１．５ｗｔ％、Ｓｉ４．６〜１２．
   ０ｗｔ％、Ｃｕ２．０〜５．０ｗｔ％、Ｍｇ０．２〜１
   ．５ｗｔ％を含有し、残部実質的にＡｌよりなるアルミ
   ニウム合金展伸材のマトリックス中に金属間化合物、共
   晶化合物からなる析出物、晶出物を含む第二相粒子が平
   均粒子径１０μ以下、粒子間隔１０μ以下で分散してい
   ることを特徴とする切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優
   れた磁気テープ接触部品用アルミニウム合金材。
2. （２）Ｚｎ０．２〜１．５ｗｔ％、Ｓｉ４．６〜１２．
   ０ｗｔ％、Ｃｕ２．０〜５．０ｗｔ％、Ｍｇ０．２〜１
   ．５ｗｔ％を含有し、かつ、 Ｆｅ０．７ｗｔ％以下、Ｍｎ０．７ｗｔ％以下の１種或
   いは２種 を含有し、さらに、 Ｔｉ０．２ｗｔ％以下、Ｚｒ０．２ｗｔ％以下の１種或
   いは２種 を含有し、残部実質的にＡｌよりなるアルミニウム合金
   展伸材のマトリックス中に金属間化合物、共晶化合物か
   らなる析出物、晶出物を含む第二相粒子が平均粒子径１
   ０μ以下、粒子間隔１０μ以下で分散していることを特
   徴とする切削性に優れ、かつ、摩擦特性の優れた磁気テ
   ープ接触部品用アルミニウム合金材。