JPS6315533Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は潤滑油中の金属粉、ごみ、カーボン等
を取り去るために使用するエンジン用オイルフイ
ルタの取付構造に関する。

（従来の技術） このオイルフイルタはフイルタエレメントの交
換が容易なようにシリンダブロツクの外側面に取
付けられており、シリンダブロツク内の給油孔か
ら供給される潤滑油を受入れ、これを濾過した
後、シリンダブロツク内のメインギヤラリに送り
出すように構成れている。

そして前記オイルフイルタは、実開昭56−
127809号公報や実開昭56−94808号公報に例示さ
れるように、シリンダブロツクのオイルフイルタ
支持座に直付け用の管ボルトを介して取付けられ
ている。この管ボルトの両端部にはネジが形成さ
れていて、その一端部のネジを利用して管ボルト
をシリンダブロツクに螺着固定し、管ボルトの他
端部のネジを利用してオイルフイルタを螺着して
いる。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように構成される従来例においては、シ
リンダブロツクに対するオイルフイルタの取付位
置が定まり、融通性が無いため、同一エンジンで
車体の相違する自動車に同一の取付構造によつて
オイルフイルタを取付けることがエンジンレイア
ウト上困難になる場合がある。例えばキヤブオー
バ車とボンネツト車とではエンジンレイアウト上
シリンダブロツクに対するオイルフイルタの取付
位置を管ボルトの軸方向に異ならしめたいという
要請があるが、従来の例ではこの要請に応えるた
めシリンダブロツクを変更しなければならなかつ
た。又一般のエンジンにターボチヤージヤを装備
する場合にも、オイルフイルタの取付位置やター
ボチヤージヤへの給油通路などの関係で、シリン
ダブロツクを変更する必要がある場合がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記従来例の欠点を改善し、汎用性の
あるエンジン用オイルフイルタの取付構造を提供
することを目的とし、オイルフイルタのオイル出
口とシリンダブロツク内のメインギヤラリを連通
し、シリンダブロツクに一端が、オイルフイルタ
に他端が夫々螺合される管ボルトによつて、オイ
ルフイルタをシリンダブロツクのオイルフイルタ
支持座に直接取付けることが可能なエンジン用オ
イルフイルタの取付構造において、基端部に前記
管ボルトと同一のシリンダブロツクに対する螺合
手段を有すると共に先端部が円周平滑外面となり
且つ前記メインギヤラリに潤滑油を導く管内通路
を有する管継手をシリンダブロツクに螺着する一
方、前記管内通路とオイルフイルタのオイル出口
とを連通する通路及びオイルフイルタのオイル入
口とシリンダブロツク内に形成した給油孔とを連
通する通路とを備え、且つ前記管ボルトと同一の
オイルフイルタに対する螺合手段を備えると共に
前記管継手の先端部に挿脱可能に嵌合する嵌合凹
部を備えたスペーサを、シリンダブロツクの前記
オイルフイルタ支持座にボルト付けし、且つこの
スペーサに前記オイルフイルタを螺合したことを
特徴とする。

（実施例） 図示する実施例はターボチヤージヤを装備した
エンジンに適するように構成したものに係る。シ
リンダブロツク１のメインギヤラリ２に連通する
管継手取付孔１２には雌ネジ１３を形成し、この
雌ネジ１３に管継手４の基端部に形成した雄ネジ
１４を螺合させることによつて、管継手４をシリ
ンダブロツク１に螺着固定している。この管継手
４は直管状に形成され、その先端部１５外周は円
周平滑面に形成されている。前記雌ネジ１３は従
来の直付け用管ボルトと螺合するものでもあり、
従つて前記管継手４の雄ネジ１３は前記直付け用
管ボルトと同一の雄ネジである。又シリンダブロ
ツク１のオイルフイルタ支持座３０は、オイルフ
イルタ５の取付座２０を直接着座させることがで
きるように形成されている。

前記管継手４には第１図及び第２図に示すよう
なスペーサ１１が挿脱可能に嵌合されている。こ
のスペーサ１１の中心には前記管継手４の管内通
路３とオイルフイルタ５のオイル出口６とを連通
する通路（以下第２通路と称す。）７を貫設して
あり、且つ管継手４の先端部１５に嵌合する嵌合
凹部１６を前記第２通路７に同心に形成してい
る。２９は前記先端部１５と前記嵌合凹部１６と
の間をシールするために、前記先端部１５に嵌着
したＯリングである。なお、前記先端部１５と前
記嵌合凹部１６とは、挿脱可能で且つ回動自在に
嵌合しており、スペーサ１１の挿脱作業が容易で
あると共に、スペーサ１１の管継手４まわりの回
動位置の位置決めも極めて容易になり、後述する
スペーサ１１の前記オイルフイルタ支持座３０へ
のボルト付け作業も容易となる。

前記スペーサ１１には、前記第２通路７の周囲
に位置するよう、オイルフイルタ５のオイル入口
８とシリンダブロツク１内に形成した給油孔９と
を連通する通路（以下第１通路と称す。）１０を
貫設している。又前記スペーサ１１の基部にフラ
ンジ部１７を設け、ここに左右１対のボルト孔１
８を設けると共に、このフランジ部１７がシリン
ダブロツク１のオイルフイルタ支持座３０に着座
するようにしている。更に前記スペーサ１１の中
心先端部に突設した突管部１９にはオイルフイル
タ５の取付座２０の中心に形成した螺孔２１に螺
合する雄ネジ２２を形成している。この雄ネジ２
２は前記直付け用管ボルトの雄ネジと同一のもの
である。

かくして前記スペーサ１１は、その嵌合凹部１
６を管継手４の先端部１５に嵌挿させると共に、
前記ボルト孔１８に挿通した左右１対のボルト２
３をシリンダブロツク１の螺孔２４に螺合させる
ことによつて、前記管継手４に嵌合した状態でシ
リンダブロツク１のオイルフイルタ支持座に取付
けられる。又スペーサ１１の突管部１９の雄ネジ
２２にオイルフイルタ５の前記螺孔２１を螺合さ
せることにより、オイルフイルタ５をスペーサ１
１に螺着固定することができる。

前記オイルフイルタ５はその取付座２０の中央
にオイル出口６を、周辺部に複数のオイル入口８
を有し、内部にフイルタエレメント２５を備えて
いる。そして、オイルポンプ（図示せず）より圧
送されてきた潤滑油は給油孔９、スペーサ１１の
第１通路１０、オイルフイルタ５のオイル入口８
を経てオイルフイルタ５内部に入り、フイルタエ
レメント２５を通過する間に濾過される。濾過さ
れた潤滑油は、オイルフイルタ５のオイル出口６
よりスペーサ１１の第２通路７、管継手４の管内
通路３を経てメインギヤラリ２に入り、各部に送
られる。

本実施例は、上記構成に加えて、スペーサ１１
のラジアル方向に第２通路７に連通するオイル導
出孔２６を設け、このオイル導出孔２６より導管
（図示せず）を経てターボチヤージヤ（図示せず）
の潤滑部に潤滑油を送ることができるように構成
している。従来例であれば、シリンダブロツク１
に前記オイル導出孔２６に相当する孔を穿設する
必要があつたが、本実施例ではこのような穿設作
業が不要になるという利点がある。

上記実施例に示すスペーサ１１はターボチヤー
ジヤを装備したエンジンに適する位置にオイルフ
イルタ５を取付けるために使用されているが、タ
ーボチヤージヤを装備しない一般のエンジンに適
する位置にオイルフイルタ５を取付けるために
は、スペーサ１１を使用せず、前記管ボルトを用
いてオイルフイルタ５を直付けし、シリンダブロ
ツク１のオイルフイルタ支持座３０に直接着座さ
せればよい。この場合は、管継手４を直付け用管
ボルトに変更しなければならないが、ターボチヤ
ージヤを装備したもの、装備しないものの両者共
通に、同一のシリンダブロツク１を使用すること
ができる。

本考案は上記実施例に示すほか、キヤブオーバ
車とボンネツト車との間で、同一のシリンダブロ
ツク１を使用して、オイルフイルタ５のシリンダ
ブロツク１に対する取付位置を変更する場合など
にも利用できる。

（考案の作用、効果） 本考案は上記構成を有するので、次のような作
用、効果を奏することができる。

シリンダブロツクに対するオイルフイルタの
軸方向取付位置をスペーサの有無によつて変更
させることができ、この場合シリンダブロツク
のオイルフイルタ支持座、管継手螺着用の螺孔
が共通使用でき、従来例の如くシリンダブロツ
クを変更させる必要がない。従つてオイルフイ
ルタの取付位置が異なるエンジン間においても
シリンダブロツクを共通使用でき経済的であ
る。

前記スペーサは前記管継手に嵌合すると同時
にシリンダブロツクにボルト付けされるように
構成され、且つ前記管継手に対しスペーサは挿
脱可能、回動位置の位置決め自在に嵌合してい
るので、スペーサのシリンダブロツクへの取付
作業が容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の縦断平面図（第１図
下部のスペーサの断面は、ボルト孔を通らない断
面である。）、第２図はそのスペーサの斜視図であ
る。 １……シリンダブロツク、２……メインギヤラ
リ、３……管内通路、４……管継手、５……オイ
ルフイルタ、６……オイル出口、７……通路、８
……オイル入口、９……給油孔、１０……通路、
１１……スペーサ、１４……雄ネジ１４（螺合手
段）、１６……嵌合凹部、２２……雄ネジ（螺合
手段）、３０……オイルフイルタ支持座。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オイルフイルタのオイル出口とシリンダブロツ
   ク内のメインギヤラリを連通し、シリンダブロツ
   クに一端が、オイルフイルタに他端が夫々螺合さ
   れる管ボルトによつて、オイルフイルタをシリン
   ダブロツクのオイルフイルタ支持座に直接取付け
   ることが可能なエンジン用オイルフイルタの取付
   構造において、基端部に前記管ボルトと同一のシ
   リンダブロツクに対する螺合手段を有すると共に
   先端部が円周平滑外面となり且つ前記メインギヤ
   ラリに潤滑油を導く管内通路を有する管継手をシ
   リンダブロツクに螺着する一方、前記管内通路と
   オイルフイルタのオイル出口とを連通する通路及
   びオイルフイルタのオイル入口とシリンダブロツ
   ク内に形成した給油孔とを連通する通路とを備
   え、且つ前記管ボルトと同一のオイルフイルタに
   対する螺合手段を備えると共に前記管継手の先端
   部に挿脱可能に嵌合する嵌合凹部を備えたスペー
   サを、シリンダブロツクの前記オイルフイルタ支
   持座にボルト付けし、且つこのスペーサに前記オ
   イルフイルタを螺合したことを特徴とするエンジ
   ン用オイルフイルタの取付構造。