JPS6315481Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はレンガパネルを被施工面へ取付けるた
めのレンガパネルの取付構造に関する。

本考案においてレンガパネルとは、せつ器質の
レンガ（24時間静水吸水率が１％〜10％未満のも
の）を固結剤で結合し乍ら版状に形成したもの
で、主として工場生産により夫々の目的に応じて
製造され製品化された構成材を総称したものであ
る。工場生産のほか、施工上の必要性に応じて、
現場積みによつても配筋を使用して当該レンガパ
ネルの形成は可能である。

従つて、このレンガパネルは、例えば従来の
PC版に比較して薄く、かつ軽量であつて、しか
も強度は大である上、本物のレンガの感触を味わ
うことができ、耐候性、耐火性もすぐれている。

本考案はこのようなレンガパネルを使用する場
合の取付技術、特には構造躯体への取付に関する
もので、その目的はレンガパネル主体の辺部など
の適所に予め取付部材を一体的に設け、この取付
部材を構造躯体側に対応して設けられる相手部材
に取付金具によつて取付けるレンガパネルの取付
構造を提供することにある。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。第１図は本考案におけるレンガパネル７に
使用するレンガ１の斜視図である。このレンガ１
は通常のいわゆる直方体構造を呈するレンガ型の
もののほか、それぞれの両小口面に半Ｕ字状の凹
処２，２を形成した変形のレンガがあり、またレ
ンガの積重面にはレンガを上部より下部に貫通し
た孔３が適宜間隔をおいて三ケ所開口している。
このレンガ１は、粘土質原料を成形、焼成して作
られた土木建築材料で、含水率10％未満のせつ器
質レンガである。

このレンガ１を、あらかじめ決められた目地ま
す等とともに水平の型枠（図示せず）上に多数並
置し、レンガ１に必要な配筋３０を挿通し、この
配筋３０の適所、すなわち一対の隣り合う変形の
レンガ１を組込んだ固処の半Ｕ字状の凹処２，２
で形成される個処に本考案に係る後述の取付部材
２９を配置し、固結剤６を前記型枠に流し込む。
その後型枠を分解すると、第２図に示す如く、多
数のレンガ１が固結剤６が配筋３０によつてパネ
ル化した、いわゆるレンガパネル７が取付部材２
９を一体的に設けた構造で形成される。（配筋３
０および取付部材２９の構成を省く。） なお、前記固結剤６は、含水率10％未満のせつ
器質レンガの特性に見合つた組成を有するもの
で、その基本構成としては、セメントを主剤と
し、これに適量の混和剤、砂、水、及び高流動性
付与剤を必要量添加したものを使用した。上記の
セメントとしてはポルトランドセメント、砂はメ
イソンリーサンド、混和剤は、スチレンブタジエ
ンラバー、塩化ビニリデン、錯酸ビニル及び塩化
ビニルのうちから選ばれた１種または２種以上よ
り成る組成が適する。

このように構成されるレンガパネル７に対して
構造躯体側には、施工建造物の設計段階で定めら
れた所定の部位に、前記取付部材２９に対応する
金物やアンカーボルトなどの相手部材１１を設け
ておく。

レンガパネル７の、躯体施工部への取付けは、
はじめに基準となるべきレンガパネル７を正確に
セツトしてから他のものを逐次配列して行なう
が、位置決め仮設中に転倒や破損などの事故が生
じないようにする。第２図は適宜階高におけるレ
ンガパネル７の基本的な取付構造を示しており、
第３図、第４図は、第１図に実線で示されるレン
ガ１を用いてレンガパネル７を形成する場合の取
付部材２９のの埋込み状態と、これによるレンガ
パネル７の取付構造を示す。

この場合、取付部材２９は、隣接する一対の変
形のレンガ１の孔３に通した二本の配筋３０にそ
れぞれ係合し、レンガ１の上下目地部と凹処２，
２に配設できるほぼ長円形状の連合環３１の略中
央に配設されるオネジ２９ａを有し、このオネジ
２９ａに係合するＬ字状の取付金物１６がナツト
１７の螺合により取付けられる。

従つて、取付金物１６の他端部で、構造躯体側
の相手部材１１にボルトとナツト１７の締結を行
なうことによりレンガパネル７の取付けがなされ
る。

なお、以上の構成において、アンカーボルトな
どの取付部材等、レンガパネル内に埋込む金物は
ステンレスか、または防錆処理をしたものを使用
するのが望ましい。また、レンガパネル７は、規
格化して多種類を用意し、開口（窓やドア開口な
ど）まわりなど必要に応じて補強筋で補強を行な
う。

本考案は、叙上のようにレンガパネルの適所に
一体的に設けられる取付部材は、相隣接する変形
のレンガに通した配筋にそれぞれ係合し、かつ変
形のレンガ凹処に配設される連合環と、この連合
環のほぼ中央に配設されるオネジにより構成され
ているのでレンガパネルとの結合は強固であり、
しかも、構造躯体側の対応部位に設けられる相手
部材に取付金物により連結固定するようにしたの
で、頑丈なレンガパネルに見合つた一体的な取付
構造によつてレンガパネルの躯体等への取付けが
確固にしかも迅速に行なえ、レンガパネルの使用
による建築・構築作業等を著しく能率化するとと
もに、レンガの孔には配筋が挿通してあるのでレ
ンガパネル自体の横方向への強度を増し、さらに
レンガ自体がせつ器質であるため軽量にしかも強
度を大にでき本物のレンガの風合が得られ、その
上耐候性、耐火性も優れるなどの効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案において使用するレンガの斜視
図、第２図は同じくレンガパネルの斜視図、第３
図は本考案に係るレンガパネルの取付構造の一実
施例を示す縦方向の断面図、第４図は第３図例の
ものの上面図である。 １……レンガ、６……固結剤、７……レンガパ
ネル、１１……相手部材、１６……取付金物、２
９ａ……オネジ、２９……取付部材、３０……配
筋、３１……連合環。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 材質がせつ器質より成る積重面の上下に沿つて
   必要数の孔を穿つた直方体構造の通常のレンガ
   と、同材質で同様の孔を穿ち、かつ両小口面に凹
   処を形成した変形のレンガとを備え、前記通常の
   レンガによる多数個を並設して成る前記通常のレ
   ンガと、適所に組込並設される一対の変形のレン
   ガと、これら並設されるレンガの孔に挿通した配
   筋と、相隣接する一対の変形のレンガの孔に通し
   た二本の配筋にレンガの上下目地部と変形レンガ
   の凹処に配設される連合環をそれぞれ結合し、そ
   のほぼ中央に配設されるオネジにより構成して成
   る取付部材とを、固結剤で相互に固着することに
   よつてレンガパネルの適所に適数個の取付部材を
   一体的に設けて成る版状のレンガパネルを形成
   し、さらに該レンガパネルを、構造躯体側の所定
   部位に予め設けられた相手部材に、前記取付部材
   を使用して取付金具により連結、固定して成るこ
   とを特徴とするレンガパネルの取付構造。