JPS63151445A - 防寒又は防水性着衣用生地 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、防寒又は防水性の着衣用生地に関するもの
である。この発明の目的とするところは、一般の布製着
衣用生地と同様に柔軟性に富み軽量であって、且つ不透
水性の着衣用生地を提供することにある。

（従来技術） 柔軟性に富み軽量であって、且つ不透水性の着衣用生地
は、潜水用着衣、防寒用着衣を作るのに適している。こ
のような生地で作られた着衣は、既に販売されている。

その生地は、クロロプレンゴムを発泡させて得られたシ
ートの片面又は両面に、メリヤス又はジヤージーから成
る生地を貼り合わせたものである。その生地は、不透水
性とするためにクロロブレンゴムを含んでいるところ、
クロロプレンゴムが引裂強度に乏しく、また老化しやす
いために生地は日光又は風雨に曝らされると、破れやす
くなるという欠点があった。また、発泡したクロロブレ
ンゴムシートの片面だけにメリヤス又はジヤージーを貼
り合わせた生地では、ゴム面を肌がわに向けて着用する
ことが多かったが、そのようにするとゴム面の滑りが悪
く、滑りを良くするためにはパウダーを使用しなければ
ならず、また着用中にゴムが肌に密着して肌にかぶれを
生じるという欠点があった。

クロロプレンゴムが老化するのを防ぐために、カーボン
ブラックを充填材として混合することが行なわれた。し
かし、カーボンブラックを混合しても、引裂強度と耐老
化性はこれを大きく改善することができなかった。それ
ばかりでなく、カーボンブラックを混合すると、色が黒
色に限定されて、自在な、色を出すことができない、と
いう欠点を新たに生じた。

また、従来のゴム製生地は、ゴムが引裂強度に乏しく老
化しやすいためにゴム層を厚くし、両面にメリヤス又は
ジヤージー生地を貼り合わせる必要があった。ゴム層を
厚くシ、両面にメリヤス又はジヤージー生地を貼り合わ
せると、生地としては厚手のものとなり、また柔軟性が
失なわれることを避は得なかった。その結果、生地はサ
ーフィン用か潜水用着衣には使用可能であるが、一般の
衣服には向かないものとなった。

（発明が解決しようとする問題点） この発明は、ゴム製発泡体に伴なう老化性及び柔軟性の
欠点を改良し、一般用の着衣としても使用可能な生地を
提供しようとするものである。

この発明者は、上記欠点の改良のために、ゴムに代えて
合成樹脂を使用しようと企てた。ところが、一般に、合
成樹脂には堅いものが多く、ゴムのように柔軟なものが
少ない。従って、ゴムを合成樹脂に代えることは容易で
なかった。この発明者は、柔軟になると思われる合成亥
脂を選んで、ゴムのような柔軟性と伸縮性を現出させよ
うとして、種々の実験を試みた。その結果、酢酸ビニル
含有量がとくに多い酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂、
具体的に云えば、酢酸ビニル含有量が４０−５２重量％
の酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂を用いると、ここに
ゴムに代わるような柔軟弾性を示すものが得られること
を見出した。この発明は、このような知見を端緒として
完成されたものである。

（問屋を解決するための手段） この発明者は、さらに実験を重ねた結果、酢酸ビニル含
有量が多い上記酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂（以下
、これを共重合樹脂という）を用いただけでは、まだ柔
軟性が不足するので、さらにこれに少量の天然ゴム又は
特定の合成ゴムを添加すべきことを見出した。また、こ
の発明者は、このように共重合樹脂を用いると、クロロ
プレンゴムを単独で用いた場合とは違って老化し難くな
り、カーボンブラックを混合しなくても良好な物性を示
し、従って着色自在となり、また着色が鮮明となること
を見出した。さらに、この発明者は、共重合樹脂とゴム
との配合割合は、共重合樹脂９〇−６０重量部に対し、
ゴム１０−４０重量部の割合にするのが好都合であるこ
とを見出した。

さらに、上述のようにして得られた共重合樹脂とゴムと
の混合物は、これをよく混練し、これを従来のゴム単独
で用いた場合と同様に、発泡させるべきことを確認した
。その発泡倍率は５−２０倍とするのが適当であること
を確認した。このように発泡させると、この組成物は老
化し難いものであるため、発泡物をシートにした場合に
、シートの片面に補強用としてメリヤス又はジヤージー
生地を貼り合わせるだけで、着衣用生地として使用でき
るものとなり、従って両側にメリヤス又はジヤージー生
地を必要としないために、着衣用生地として軽量で柔軟
性に富んだものとなることを確認した。この発明は、こ
のような確認に基づいてなされたものである。

この発明は、酢酸ビニル含有量が４０−５２重量％の酢
酸ビニル・エチレン共重合樹脂９０−６０重量部と、天
然又は合成ゴム１０−４０重量部との組成物を、５−２
０倍に発泡させた独立気泡型発泡シートの少なくとも片
面に、メリヤス又はジヤージー生地を貼り合わせてなる
、防寒又は防水性着衣用生地を提供するものである。

この発明では酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂、すなわ
ち共重合樹脂を用いる。その共重合樹脂は、今まで広く
使用されて来た酢酸ビニル・エチレン共重合樹脂よりも
、酢酸ビニル含有量の多いことを特徴としている。すな
わち、一般の共重合樹脂は、酢酸ビニル含有量が５ない
し２６重量％であるが、この発明で使用する共重合樹脂
は酢酸ビニル含有量が４０−５２重量％と高いのである
。

この発明では、共重合樹脂とともに、天然又は合成ゴム
を用いる。用いることのできる合成ゴムは、１−２又は
１−４結合のもので、例を挙げると、ポリブタジェンゴ
ム、インプレンゴム、スチレン・ブタジェンゴム等であ
る。

この発明では、共重合樹脂とゴムとの混合割合を重量で
、前者９０−６０部に対し後者Ｎｏ−４０部とする。こ
の割合は実験から定めたものである。

すなわち、共重合樹脂が９０部より多く、従ってゴムが
１０部より少なくなると、得られた組成物が柔軟性に乏
しくなり、逆に共重合樹脂が６０部より少なく、従って
ゴムが４０部より多くなると、組成物が老化しやすくな
るとともに、機械的強度とくに引裂強度が低下するに至
り、何れも満足な結果が得られないからである。この組
成物は、共重合樹脂とゴムとを単に混合しただけではな
くて、加熱下によく混練し、均一の組成としたものであ
る０ この発明では、共重合樹脂とゴムとの組成物を発泡させ
るために、発泡剤を用いる。発泡剤としては、組成物の
軟化点以上で分解してガスを発泡する固体化合物を用い
る。その固体化合物は、ゴム用又は合成樹脂用の発泡剤
として既に知られてい名ものを用いる。例えば、ジニト
ロソペンタメチレンテトラミン、又はアゾシカ−ボンア
ミドを用いることかで肴る。発泡剤の量は、上述のよう
な組成物１００重量部に対し５−２０重量部とする。

この発明では、共重合樹脂の発泡を容易にするために、
発泡剤と並んで架橋剤を加え、そのほか活性剤や可塑剤
をも添加する。架橋剤としては、ジクミルパーオキサイ
ドのような有機過酸化物を用いる。活性剤としては、例
えばジエチレングリコールを用い、可塑剤としてはジオ
クチルフタレートを用いる。それらの量は、上記の樹脂
組成物１００重量部に対し、架橋剤を０．７−１４重量
部、活性剤を０．５−２重量部、可塑剤を１５−５重量
部とするのが適当である。

この発明では、必要に応じて樹脂組成物に対し、充填材
、着色剤を加えることができる。充填材としては、例え
ばタルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、白艶華
、ホワイトカーボン等を樹脂組成物１００重量部に対し
１−４０重量部を加えることができる。着色剤は任意の
染顔料を加えて、任意の色を付与することができる。

上述のような種々のものを加えられた共重合樹脂とゴム
との混合物は、これをよく混練してまず一様な組成物と
する。そのためには、これらの混合物をロール又は押出
機に投入し、加熱下に混練する。こうして得られた一様
な組成物を−Ｈシート状に成形する。シート状態では、
組成物はまだ発泡していない状態にある。その後、得ら
れたシートをプレスに入れて、前記の混練温度より高い
温度に加熱して、発泡剤を分解させ、次いでプレス圧を
除くことによってシートを発泡させる。こうして、５−
２０倍に発泡したシートを得る。このうちでも、発泡倍
率としては１０−１２倍に発泡させるのが適当である。

この発泡シートは独立気泡型のものであって、水及び空
気を通さない性質を持っている。発泡倍率を５−２０倍
に限定した理由は、その範囲内の発泡倍率のものが、適
当な機械的強度と、軽さと、弾性とを示すからである。

こうして得られた発泡シートを次いでアンニーリングす
る。アンニーリングは、発泡シートを８０−１００°Ｃ
に６０−１２０分間加熱して行なう。

このとき、発泡シートはある程度収縮する。その収縮は
、体積として１０部％以下に押さえる。アンニーリング
した発泡シートはその後衣料用としては１〜５顛の厚さ
に、ブーツ用内張材としては６〜１２ｆｌの厚さにスラ
イスされる。

スライスされた発泡シートは、少なくともその片面にメ
リヤス又はジヤージーの生地が貼り合わされて、この発
明に係る防寒又は防水性着衣用化。

地とされる。貼り合わせには接着剤が用いられる。

接着剤としては、ネオプレン系のゴムからなる接着剤が
適している。

メリヤス又はジヤージー生地は、一般に、伸縮自在なも
のであって、しかも充分な機械的強度を持っている。と
ころが、この生地は水及び゛空気を自在に透過させる。

そこで、この生地に上記スライスした発泡シートを貼り
合わせる七、発泡シートが独立気泡型のものであるため
に、得られた貼り合わせ物は水及び空気を透過させない
ものとなり、また断熱性のものとなる。しかも、この貼
り合わせ物は、充分な柔軟性と伸縮性とを持っている。

従って、防寒又は防水性の着衣用生地として用いるのに
適している。

（発明の効果） この発明に係る防寒又は防水性の着衣用生地は、樹脂と
して酢酸ビニル含有量が４０−５２重量％の酢酸ビニル
・エチレン共重合樹脂を用い、しかも共重合樹脂９０−
６０重量部に対し、天然又は合成ゴムを１０−４０重量
部の割合で混合して組成物としたから、クロロプレンゴ
ムを単独で用いたものに比べて、老化し難く、また機械
的強度とくに引裂に対する抵抗性にすぐれ、発泡が容易
である。従って高倍率に発泡させ得るものとなり、しか
もゴムと同様の柔軟弾力性を示すものとなる。

このように組成物が老化し難いので、これを発泡シート
とした場合にもその両面を被覆する必要がなく、片面だ
けをメリヤス又はジヤージー生地で補強すれば足りるの
で、貼り合わせ物とした場合の厚みを小さくすることが
できる。従って、柔軟な着衣材料として使用できる。さ
らに、片面被覆で足りるので、発泡シートの着色面を露
出させることができ、従って美麗となる。また、発泡シ
ートの滑りがよいので、発泡シートを直接肌に触れるよ
うに使用しても着脱が容易である。また、発泡が容易で
あるので、高倍率に発泡させることができ、従って両面
にメリヤス又はジヤージーを貼り合わせた場合にも軽い
着衣材料とすることができ、さらに片面だけにメリヤス
又はジヤージー生地を貼り合わせれば足りるので、一層
軽い着衣材料とすることができる。さらに、発泡シート
は独立気泡型のものであるから、通気性及び透水性がな
く、従って水中で充分な浮力を示し、また防寒及び防水
性を持っている。従って、この発明に係る貼り合わせ生
地は、防寒又は防水性の着衣用生地としてすぐれ、さら
に気泡のために浮上しやすいから、救命具用生地として
用いることもできる。

とくに、この発明に係る生地は、潜水用衣服、サーフィ
ン、魚釣り又はスキー用防寒具、魚釣り浮き用衣服、雨
よけ、防寒用手袋、ライフジャケット、ライダーウェア
・−、インナーウェアー、防寒用ブーツの内張材等色々
なものを作るのに適している。

（実　施　例） 次に実施例を述べて、この発明に係る生地の詳細を述べ
る。以下で単に部というのは重量部の意味である。

実施例 酢酸ビニル含有量が４５重量％の酢酸ビニル・エチレン
重合体１００部に、合成ゴムとしてインプレンゴム２５
部と、発泡剤としてジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン１１部と、架橋剤とじてジクミルパーオキサイド１部
と、活性剤としてジエチレングリコール２部と、可塑剤
としてジオクチルフタレート３部と、柔軟剤としてサン
エイドＬＰ（三新化学社製）８部と、充填材としてタル
ク５部とを混合した。

この混合物を６０℃でロールを用いてよく混練し、この
混練物を１〜２ｆｌの厚みのフィルムとし、このフィル
ムを所望の厚みに重ね合わせて素練りシートとした。こ
の素練りシートは未発泡である。

この素練りシートをプレスに挾み１５０Ｋｇ／ｃ！Ｉ！
の圧力の下に１７０℃に２４分間加熱したのち、その圧
力を解いて発泡させた。こうして、体積で約１０倍に発
泡し、厚み３５ｆｌの発泡シートを得た。

この発泡シートを１００℃で１５時間アンニーリングし
た。その後、シートを１〜ｔ２．ｍの厚みにスライスし
た。スライスしたシートをメリヤス生地にネオプレン系
接着剤で片面接着して、この発明に係る着衣用生地を得
た。この生地は、とくに潜水服を作るに適していた。

この生地は、クロロプレンゴムを使用した従来の生地に
比較すると、強度とくに引裂強度が大きく、同じ程度の
強度のものでは重量が約半分となり、表面の滑りがよく
、肌の接触感もよくて、着衣用生地としてすぐれていた
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 酢酸ビニル含有量が４０−５２重量％の酢酸ビニル・エ
   チレン共重合樹脂９０−６０重量部と、天然又は合成ゴ
   ム１０−４０重量部との組成物を、５−２０倍に発泡さ
   せた独立気泡型発泡シートの少なくとも片面に、メリヤ
   ス又はジヤージー生地を貼り合わせてなる、防寒又は防
   水性着衣用生地。