JPS6314850A - 耐摩耗性セラミツク溶射被膜のなじみ性能改善方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は耐摩耗性セラミック溶射被膜のなじみ性能改善
方法に係り、特に保油性が高く、耐摩耗性に著しく優れ
たセラミック被膜のなじみ性能を改善し、その応用範囲
を大幅に拡張する方法に関するものである。

［従来の技術］ 機械部品や各種装置の構成材料は、十分な機械的強度以
外に、使用目的に応じた耐摩耗性、耐食性等の特性を備
えていることが必要となる。しかして、耐摩耗性の高い
材料は、多くの場合靭性が低いなど、１種類の材料では
２以上の特ｌを同時に具備せしめることは容易ではない
。

そこで、部材表面に耐摩耗性の高い材料を被覆する表面
処理法が種々開発されている。

このような表面処理方法には、メッキ、はうろう引き、
蒸着、溶射、肉盛り爆接、など各種のものが知られてい
る。このうち、溶射法によれば、部材表面に金属やセラ
ミックスなどを溶融状態にし高速度で基板に衝突させ被
膜を形成させるものであるところから、各種の金属やセ
ラミックス或いはこれらを複合したサーメットの被膜を
形成できる。そして、例えば部材表面に、セラミックを
溶射した場合には、被膜の硬度が高いところから耐摩耗
性を高めることができる。また、セラミック溶射は、形
成される被膜が適度な空孔を有するため潤滑油を保持し
易い、オオ料の選択の自由度が大きい、大型部品にも適
用が容易である、などの優れた特徴を有する。

［発明が解決しようとする開運点コ セラミック溶射被膜は上記のように優れた特性を有する
反面、摩耗量が少ない上、塑性変形能が小さいことから
、偏当りがなかなか解消できない。そのため、摺動する
相手方部材とのなじみ性能が金属材料に比し劣り、著し
い場合には相手方部材の焼損、表面破壊、異常摩耗を引
きおこす。

このようなことから、セラミック溶射被膜は、優れた特
注を有するにもかかわらず、応用範囲が制限されるとい
う不具合があった。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の方法は、上記従来の問題点を解決し、セラミッ
ク溶射被膜のなじみ性能を改善するものであって、 基材表面にセラミック粉末を溶射して形成したセラミッ
ク被膜の表面に、該セラミックよりも低硬度の又は該セ
ラミックよりも型性変形性の大きい材料を溶射した後、
表面を平滑化処理することを特徴とする耐摩耗性セラミ
ック溶射被膜のなじみ性能改善方法、 を要旨とするものである。

以下に本発明を図面を参照して詳細に説明する。

第１図（ａ）〜（Ｃ）は本発明の詳細な説明する基材表
面部の断面図である。

本発明の方法においては、まず、基材１の表面に常法に
従って、セラミック粉末を溶射して耐厚耗性のセラミッ
ク被膜２を形成する。この場合、セラミック溶射材料と
しては、ＴｉＯ２等の酸化物、Ｓ　ｉ　Ｃ，Ｃｒ３Ｃ２
等の炭化物、ＴｉＮ等の窒化物、その他珪化物、硼化物
等が挙げられる。

なお、このセラミック被膜２を形成するにあたり、基材
１とセラミック被膜２との接着性を改善するために、予
め適当な中間層を設けても良い。

次いで、このセラミック被膜２の表面に、なじみ性能改
善のための材料を溶射して被覆膜３を形成スる（第１図
（ａ））。本発明において、このなじみ性能改善のため
に溶射される材料はセラミック被膜２のセラミックより
も低硬度の材料又は型性変形性の大きい材料であって、
具体的には、鉄、銅、錫、クロム、モリブデン、タング
ステン等の金属、ＷＳ２、Ｍｏ３２等の硫化物、Ｆｅ５
０＋等の酸化物、リン化物又はこれらの混合物等が挙げ
られる。更に、これらの金属又は化合物とセラミックス
との混合物も使用できる。特に上記金属又は化合物とセ
ラミックスとの混合物を用いた場合には、なじみ性能改
善のための被覆膜３とセラミック被膜２との接着性が良
好となり極めて良好である。

この被覆膜３の溶射厚さには、特に制限はなく、使用目
的に応じて適宜決定される。一般には、この厚さがあま
りに薄すぎるとなじみ性能の改善効果が低く、逆に５す
ぎるとセラミック被膜２との接着性の関係で剥離が生じ
る恐れがあり、しかも摩耗量が多くなりすぎるという不
都合が生じる。

次いで、この被覆膜３を形成した後、仕上げ加工として
、その表面を研削、研磨する等の方法により平滑化処理
する（第１図（ｂ））。

平滑化処理した後の表面は、第１図（ｂ）に示す如く、
一部がなじみ性能の良い材料の被覆膜３の面で残部がセ
ラミック被膜２の面、あるいは全面がなじみ性能の良い
材料の被覆膜３の面となる。

［作用］ 本発明の方法により得られる被膜面では、なじみ性能の
良い材料の被覆膜３の部分の変形と摩耗により、初期摩
耗時の偏当りによる局所的な高圧は回避される。

しかして、使用を継続することにより、表面部が摩耗し
て、第１図（Ｃ）の如く、セラミック被膜２の面が表面
に露出することとなるが、このときには既に偏当りはな
くなり、面圧は均一化されているので、焼損、表面破壊
、異常摩耗といった事故をおこすことなく、使用を長期
間継続することが可能となる。

［実施例コ 以下に実施例について説明する。

実施例１ 第１図（ａ）に示す如く、１０ｃｍＸ１０ｃｍの大きさ
の鋼製基板１の表面に、本発明に従フてＣｒ２Ｏ３粉末
をプラズマ溶射して３００μｍ　Ｆ！さの被膜２を形成
し、更にこの上にＭＯ粉末をプラズマ溶射して１００μ
ｍ厚さの被覆膜３を形成した。

次に表面を約８０μｍ研磨して、第１図（ｂ）に示すよ
うな一部がＣｒ２Ｏ３面、残りがＭＯ面の表面となるよ
うに仕上げ処理を施した。

このものについて、下記の方法に従ってそのなじみ性能
を試験した。結果を第１表に示す。

試験方法 ビン・オン・ディスク型の摩擦試験機によって、摩擦係
数を観察しながら、上記の被覆膜同志を摺り合わせた。

摩擦係数はすべり始めでは高く、やがて定常状態に落ち
付く。定常状態の摩擦係数に対して０．０１以内になっ
た時点をもってなじみ点とし、実験開始からのすべり距
離によフてなじみ性を評価した。即ち、この距離が短い
程なじみ性は良い。なお、潤滑剤として鉱油を用いた。

実施例２ セラミック粉末としてＴｉｃを用い、なじみ性能改善の
ための材料としてＣｕを用いたこと以外は実施例１と同
様にして被膜を形成し、そのなじみ性能を試験した。結
果を第１表に示す。

比較例１，２ なじみ性能改善のための材料を溶射しなかったこと以外
は実施例１，２と同様にして被膜を形成し、そのなじみ
性能を試験した。結果を第１表に示す。

第１表 第１表より、本発明の方法によれば耐摩耗性セラミック
溶射被膜のなじみ性能を大幅に改善できることが明らか
である。

［発明の効果］ 以上詳述した通り、本発明の耐摩耗性セラミック溶射被
膜のなじみ性能改善方法は、基材表面にセラミック粉末
を溶射して形成したセラミック被膜の表面に、該セラミ
ックよりも低硬度又は該セラミックよりも塑性変形性の
大きい材料を溶射した後、表面を平滑化処理するもので
ありて、耐摩耗性セラミック被膜のなじみ性能を大幅に
改善し、偏光りによる焼損、表面破壊、異常摩耗といっ
た事故の発生を防止することができる。

このため、本発明の方法によれば、耐摩耗性セラミック
の応用範囲を大幅に拡大することができ、その工業的有
用性は極めて高い。

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）〜（ｃ）は本発明の詳細な説明する基材表
面部の断面図である。 １・・・基材、　　　　　２・・・セラミック被膜、３
・・・被覆膜。 第１図 （ａ）　　　　　（ｂ） （Ｃ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）基材表面にセラミック粉末を溶射して形成したセ
   ラミック被膜の表面に、該セラミックよりも低硬度の又
   は該セラミックよりも塑性変形性の大きい材料を溶射し
   た後、表面を平滑化処理することを特徴とする耐摩耗性
   セラミック溶射被膜のなじみ性能改善方法。