JPS6314652Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カフスボタン、バツクル、ブロー
チ、ペンダントの装身具に於て、適宜装飾用宝石
をポイント的に固定するための宝石固定装置に関
するものであつて、宝石に対する極めて良好なる
固定作用が奏されると同時に、光線が宝石の上面
側から下面側に透過可能とすることに依りその光
輝性の良化を図つたことを特徴とするものであ
る。

従来のこの種装身具に於ける装飾用宝石の取付
けは、装身具基材に凹孔を穿設すると共にこれに
接着剤を介して埋め込む如くして固定することが
通例であつた。然し乍ら、このような方式である
と、製造時に接着剤が宝石表面に付着し易く、そ
のための後処理が極めて煩雑であるばかりでな
く、装身具基材の表面から宝石を取付けたもので
あるため、接着部が剥れて取れ易いと云うような
弊害を伴うことを余儀なくされた。更に、このよ
うに宝石を埋め込むような形態であると、宝石の
上面から当つた光線が下面側に抜けないため、全
体が暗い感じとなり、宝石本来の光輝性が損なわ
れてしまうものであつた。

本考案は上述した如き在来に於ける問題点の解
消化を図つたものである。

第１図は本考案をカフスボタンに対して実施し
た状態を示したものであつて、本考案は主として
このように宝石をワンポイント的に取付けるため
の装置に関するものである。

図に於て、Ａは装身具の基材であつて、その所
要箇所には、ダイヤ、ルビー、ジルコニア等の宝
石Ｂを下面から収容するための宝石収容用空所１
が形成されている。該空所１は収容する宝石Ｂの
径と等しい内径を有すると共に、その上面開口部
には収容する宝石の抜け出しを阻止するための内
向き縁１ａが形成されている。該内向き縁１ａは
第９図に示す如く空所１の上面開口部に全周的に
形成する以外、第１０図に示す如く所要数の突起
状内向き縁１a′とするように成しても良い。ま
た、図示の実施例において、内向き縁形成部分が
基材Ａの表面から突出されているが、適宜外装板
を基材Ａの表面に重合貼着することに依り該突出
は面一状にかくされることとなる。更に、このよ
うな突出部を形成することなく基材Ａの肉厚内に
すべて形成するようにしても良い。

２は上述した宝石収容用空所１の下面側に連設
した抑え板嵌込み用空所であつて、該収容用空所
１より大きな内径を具えたものである。

３は上記嵌込み用空所２内にしつくりとかつ下
面が面一状となるように嵌合させるための抑え板
であつて、該抑え板３は、宝石Ｂの下方部分をし
つくりと嵌合突出させるための取付け案内孔３ａ
を中心部に開設しかつ宝石Ｂの直径より内輪の外
径を有する宝石支持用板部３ｂと、該支持用板部
３ｂの外周に複数放射状に連設した放射状突片３
ｃとから成るものである。

すなわち、収容用空所１内に収容された宝石Ｂ
は、該空所１の下面側に嵌め込まれた抑え板３を
介して、該抑え板３の取付け案内孔３ａにその下
方部分をしつくりと嵌合突入させた状態でその支
持固定が成され、この時、宝石Ｂはその下面側か
ら見た場合第３図に示す如く各放射状突片３ｃの
互いの臨接間隔の基部部分Ｐからその外周の部分
が露出状態となり、従つて、宝石の上面から当つ
た光が該基部部分Ｐから透過可能とされることと
なる。

尚、上記抑え板３の取付け用空所２内に対する
嵌合状態での固定手段は、接着剤若しくは半田付
け等適宜手段であつて可とし、また、この部分は
装身具の裏面側となるため、外観的配慮はそれほ
ど要しないものである。また、該抑え板３に於け
る放射状突片３ｃは第３図及び第６図に示す如く
四つとする以外、第８図に示す如く三つ等、その
数は複数であれば適宜なものであつて可とする。
更に、該抑え板３は第５図に示す如き平板状のも
の以外、第７図に示す如くやや下向きに彎曲させ
て弾力性を具備させ、これに依り宝石Ｂに対する
弾性的圧接を図るように構成しても良い。

本考案は、所望の装身具基材Ａの所要箇所に、
上面開口部に適宜内向き縁を形成してなる宝石収
容用空所１を形成すると共に、該収容用空所１の
下面側にこれより大径の抑え板嵌込み用空所２を
連設し、更に、宝石Ｂの下方部分をしつくりと嵌
合突出させるための取付け案内孔３ａを中心部に
開設しかつ宝石Ｂの直径より内輪の外径を有する
宝石支持用板部３ｂの外周に放射状突片３ｃを複
数個放射状に連設して成る抑え板３を、上記嵌込
み用空所２内にしつくりと嵌合固設し、上記収容
用空所１内に収容された宝石Ｂはその下方部分が
上記取付け案内孔３ａにしつくりと嵌合突入され
てその支持固定が成されると共に上記放射状突片
３ｃの互いの臨接間隔の基部部分から該宝石Ｂの
外周部分が露出されるように構成したことを特徴
とする装身具に於ける宝石固定装置を要旨構成と
するものである。

本考案は上記の如き構成を採用したから、宝石
が装身具基材Ａの表面側から脱落する恐れを絶無
とするばかりでなく、宝石Ｂはその下方部分が抑
え板３の取付け案内孔３ｃにしつくりと嵌合突入
された状態でその支持固定が成され、かつ該案内
孔３ａは抑え板３の中心部に開設したものである
から、取付けられた宝石は該案内孔３ａを介して
少しも傾きのない正確なる垂直状態での固定目的
が極めて容易に達成化される。

更に本考案は、抑え板３に於ける宝石支持用板
部３ｂを宝石Ｂの直径より内輪の外径を具えたも
のとしその外周に複数の放射状突片３ｃを連設す
るように構成してあるから、収容用空所１内に収
容された宝石Ｂは、各放射状突片３ｃの互いの臨
接間隔の基部部分Ｐからその外周の部分が下面側
から露出させられることとなり、従つて、宝石Ｂ
に対する照射光線が透過し、宝石Ｂの個有する光
輝性を充分発揮させることとなる。

本考案は以上のように構成至簡にして卓越した
実用的効果を奏するものであるから、その利用価
値はとみに高いものである。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものであつて、第
１図は本考案を施したカフスボタンの装飾部分を
示す正面図、第２図は第１図に於けるＸ−Ｘ線部
分の拡大断面図、第３図は同Ｘ−Ｘ線部分の拡大
底面図、第４図は装身具基材に形成した本考案の
要部を示す断面図、第５図は本考案に於ける抑え
板の側面図、第６図は同上平面図、第７図は同抑
え板の他の実施例を示す縦断面図、第８図は同抑
え板のもう一つの他の実施例を示す平面図、第９
図は本考案に於ける宝石の抜け出し阻止用たる内
向き縁を全周的に形成した場合の実施例を示す平
面図、第１０図は同内向き縁を突起状に形成した
場合の実施例を示す平面図である。 Ａ……装身具の基材、Ｂ……宝石、１……宝石
収容用空所、１ａ……内向き縁、１a′……突起状
内向き縁、２……抑え板嵌込み用空所、３……抑
え板、３ａ……取付け案内孔、３ｂ……宝石支持
用板部、３ｃ……放射状突片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 所望の装身具基材Ａの所要箇所に、上面開口
   部に適宜内向き縁を形成してなる宝石収容用空
   所１を形成すると共に、該収容用空所１の下面
   側にこれより大径の抑え板嵌込み用空所２を連
   設し、更に、宝石Ｂの下方部分をしつくりと嵌
   合突出させるための取付け案内孔３ａを中心部
   に開設しかつ宝石Ｂの直径より内輪の外径を有
   する宝石支持用板部３ｂの外周に放射状突片３
   ｃを複数個放射状に連設して成る抑え板３を、
   上記嵌め込み用空所２内にしつくりと嵌合固設
   し、上記収容用空所１内に収容された宝石Ｂは
   その下方部分が上記取付け案内孔３ａにしつく
   りと嵌合突入されてその支持固定が成されると
   共に上記放射状突片３ｃの互いの臨接間隔の基
   部部分から該宝石Ｂの外周部分が露出されるよ
   うに構成したことを特徴とする装身具に於ける
   宝石固定装置。 (2) 宝石収容用空所１の上面開口部に全周的内向
   き縁１ａを形成して成る実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の装身具に於ける宝石固定装置。 (3) 宝石収容用空所１の上面開口部に所要数の突
   起状内向き縁１a′を形成して成る実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の装身具に於ける宝石固
   定装置。