JPS6313786Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は高粘性、高揺変性の流体を充てんする
カートリツジ容器の構造に関する。

（従来例の構成とその問題点） 従来、グリース（油脂と無機フイラーの混合
物）や構造接着剤（有機樹脂と無機フイラーの混
合物）は作業性を向上させるため特定のカートリ
ツジ容器に充てんされている。しかしながらこれ
ら混合物は長期間の保存によつて油脂または有機
樹脂と無機フイラーが分離して初期目的の性状が
得られないという問題があつた。従つて、使用に
あたつては使用の直前に再撹拌したり、早期使用
に努めたりしていたため作業性が悪いことと、こ
れら材料を使用した製品の品質を悪くするなどの
問題があつた。

（考案の目的） 本考案は、高粘性でしかも高揺変性の流体を充
てんするカートリツジ容器において、該容器に撹
拌効果を持たせ吐出物を均一に被塗布物に塗布す
ることを目的とする。

（考案の構成） 本考案は、底部に吐出口を有し、内部上方に下
方に向け移動する落しぶたを有するカートリツジ
において該カートリツジ底部に異なるメツシユの
網を重ねて配し、網と落しぶたとの間に高粘性、
高揺変性の流体を収容することを特徴とするカー
トリツジ容器である。

（実施例の説明） 図は高揺変性の接着剤を充てんした本考案によ
るカートリツジ容器の断面図である。落しぶた３
はカートリツジ容器１の内部上方に有り、接着剤
２の減少とともに下降する。使用にあたつてはカ
ートリツジ容器１の上部から落しぶた３の全面に
圧縮空気で押出すかまたは機械的に落しぶた３を
加圧して吐出口４から接着剤を押し出す。この
時、接着剤は異なつたメツシユの網５，６を通過
し、撹拌効果が得られ、分離物は再度撹拌され正
常な性状に復帰する。そのため吐出物は常に同じ
性状で均一なものが得られる。網が一重のときは
単なる通過だけにとどまり撹拌効果が弱く、２重
以上にすること、メツシユの異なつたものを使用
することによつて撹拌効果が増大するものであ
る。

内径50mmのポリエチレン容器で底部に吐出口と
上部に落しぶたがあるカートリツジ容器に粘度が
800ポイズ（20rpm、25℃）でチクソ係数が7.0
（2rpm／20rpm比）の接着剤を充てんし、容器上
部から２Kg／cm²で押さえ間欠的に吐出させた。容
器底部には30メツシユの網を直径30mmにして入れ
その上に30メツシユの網を同径にして入れてい
る。一回の吐出量を５mgとして20000回吐出させ
たが全回均一な吐出ができた。しかも吐出物に分
離のごとき現象はみられなかつた。

（比較例） （実施例）と同じ容器と接着剤を使用し、網を
取りはずした従来のもので実施したところ、
12000回目で分離物の吐出がみられた。

（考案の効果） 本考案はグリースや接着剤をデイスペンサー方
式で吐出させるための容器に関し、これら高粘度
高揺変性物質に起り得る分離現象を簡単な容器の
改造によつて解決することができた。すなわち、
異なるメツシユの網を２重以上重ねて底部に配す
ることによつて吐出直前に撹拌され均一な物質と
することである。これにより従来、使用直前に撹
拌したり、長期保存をするのではなく製造直後に
使用したり、多大の制約を受けていたことが解決
でき、制約条件の解消、製品の安定化など作業性
ならびに品質の飛躍的向上がはかれる。さらに本
考案における撹拌、混合装置は、構造が簡単で且
つ廉価であるという生産上優れた利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案によるカートリツジ容器の断面図。 １……カートリツジ容器、２……接着剤、３…
…落しぶた、４……吐出口、６……網。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カートリツジ容器の底部に吐出口を有し、内部
   上方に下方に向けて移動する落しぶたを有する高
   揺変性流体用カートリツジにおいて、このカート
   リツジ底部に異なるメツシユの網を重ねて配し、
   網と落しぶたとの間に上記流体を収容する如くな
   したことを特徴とするカートリツジ容器。