JPS6313151Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は例えば空気調和機等の製品を包装す
る包装箱の改良に関する。

〔考案の技術的背景〕

第１図は例えば空気調和機等の製品を包装する
包装箱を示すもので、１は段ボール板によつて形
成された外箱である。この外箱１の内部には底板
２および各側板３…に沿つて底板補強部材４およ
び側板補強部材５…がそれぞれ装着されている。
これらの底板補強部材４および側板補強部材５…
はそれぞれ段ボールによつて板状に折り返し成形
されたものである。

ところで、底板補強部材４は従来、第２図に示
すように矩形状の段ボール板の各角部を隣接する
各側辺の中間部位間を結ぶ折り目６…に沿つて折
り返し、各折り返し部分ａ…の段ボール板の波目
７の方向と、残りの部分ｂの段ボール板の波目７
の方向とを交差させた状態で重ね合わされてお
り、全体の機械的強度の向上が図られるようにな
つていた。そして、この底板補強部材４は外箱１
の底板２内面と略同一寸法に形成されており、各
端縁部は外箱１の各側板３…に接する状態で装着
されていた。

〔背景技術の問題点〕

外箱１の内部に装着されている各側板補強部材
５…は底板補強部材４の上に載置されていたの
で、外箱１に上方から外力が作用した場合には、
各側板補強部材５…を介して底板補強部材４の端
縁部に集中的に圧縮力が作用する。そのため、底
板補強部材４の各端縁部の波目７が潰れ易く、各
端縁部の波目７が潰れると、各側板補強部材５…
の位置が下がるので、外箱１の各側板３…にも大
きな圧縮力が作用し、外箱１が変形するおそれが
あつた。したがつて、多数の包装箱を倉庫内等に
積み重ねた状態で保管するような場合には、外箱
１の変形によつて荷くずれが生じるおそれがあつ
た。

〔考案の目的〕

この考案は上方から作用する外力を外箱の各側
板および側板補強部材によつて略均等に受けるこ
とができ、外箱が変形するおそれを少なくして倉
庫保管時の荷くずれを防止することができるとと
もに、組立て作業および製品の積込み作業等の作
業性の向上を図ることができる包装箱を提供する
ことを目的とするものである。

〔考案の概要〕

底板補強部材の折り返し部に外方向に向けて側
板補強部材の厚さ寸法と略同寸法突出させた凸部
を設け、この底板補強部材の凸部を外箱の側板内
面に当接させて底板補強部材の周縁部位と外箱の
側板内面との間の間隙によつて側板補強部材を逃
げる逃げ部を形成することにより、底板補強部材
の端縁部の潰れを防止し、同時に底板補強部材の
浮き上がりを防止するようにしたものである。

〔考案の実施例〕

第４図乃至第６図はこの考案の一実施例を示す
ものである。第４図は包装箱全体を示すもので、
１１は段ボール板によつて形成された外箱であ
る。この外箱１１の内部には底板１２および各側
板１３…に沿つて底板補強部材１４および側板補
強部材１５…がそれぞれ装着されている。各側板
補強部材１５…は長方形状の段ボール板における
長手方向両端部がそれぞれ内方へ折り畳まれ、板
状に形成されたものである。また、底板補強部材
１４は第５図に示すように矩形状の段ボール板に
よつて板状に折り返し形成されたものである。す
なわち、矩形状の段ボール板における隣接する各
側辺の中間部位間にはそれぞれ折り目１６…が設
けられるとともに、各折り目１６…上には外方に
向かつてコ字状の切込部が設けられており、段ボ
ール板の各角部が折り目１６に沿つて折り返され
ることにより、各折り返し部ａ…の段ボール板の
波目１７の方向と、残りの部分ｂの段ボール板の
波目１７の方向とを交差させた状態で重ね合わさ
れたものである。なお、底板補強部材１４は正方
形状のものでも、また長方形状のものであつても
よく、長方形状の場合には第２図に示すように対
角位置にある何れかの１対の各角部が切欠されて
長さが調節されるようになつている。この底板補
強部材１４の各側辺部には第６図に示すように各
折り目１６上に設けられたコ字状の切込部によつ
て外方に突出された凸部１８…が形成されてい
る。この場合、各凸部１８…の長さ寸法は各側板
補強部材１５…の厚さ寸法と略同寸法に形成され
ている。したがつて、外箱１１の底板１２上に底
板補強部材１４が装着された場合には底板補強部
材１４の各凸部１８…が外箱１１の各側板１３…
の内面に当たつて、底板補強部材１４の各端縁部
と外箱１１の各側板１３…の内面との間に側板補
強部材１５…を逃げる逃げ部１９が形成されるよ
うになつている。

かくして、上記構成のものにあつては外箱１１
の底板１２上に装着された底板補強部材１４の各
端縁部と外箱１１の各側板１３…との間に形成さ
れた逃げ部１９内に各側板補強部材１５…が挿入
されているので、外箱１に上方から外力が作用し
た場合に、従来のように底板補強部材の各端縁部
の波目が潰れることがない。そのため、各側板補
強部材１５…の位置が下がることはないので、外
箱１１の上方から作用する外力を外箱１１の各側
板１３…および各側板補強部材１５…によつて略
均等に受けることができる。したがつて、外箱１
１の各側板１３…に圧縮力が集中的に加わるおそ
れがないので、外箱１１の変形を防止することが
でき、倉庫保管時における荷くずれを防止するこ
とができる。また、外箱１の各側板１３…および
各側板補強部材１５…を構成する３重の段ボール
板によつて包装箱の各側面を保護することができ
るので、側方からの外力に対しても充分に耐える
ことができるうえ、外箱１内に発泡スチロール等
のクツシヨン材を装着したものに比べて包装箱内
の製品と外箱１１との間の間隔を小さくすること
ができるので、全体の小形化が図れ、輸送時にお
ける輸送効率を高めることもできる。さらに、各
側板補強部材１５…を底板補強部材１４の凸部１
８…の上に乗せた状態で保持させているので、外
箱１１の内部に装着された底板補強部材１４の浮
き上がりをこれらの各側板補強部材１５…によつ
て防止することができる。そのため、製品の収納
時に外箱１１の内部でこの底板補強部材１４の一
側部が浮き上る状態で移動することを防止するこ
とができるので、包装箱の組立ておよび製品の収
納等の作業の作業性の向上を図ることができる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

この考案によれば、底板補強部材の折り返し部
に外方向に向けて側板補強部材の厚さ寸法と略同
寸法突出させた凸部を設け、この底板補強部材の
凸部を外箱の側板内面に当接させて底板補強部材
の周縁部位と外箱の側板内面との間の間隙によつ
て側板補強部材を逃げる逃げ部を形成したので、
上方から包装箱に作用する外力を外箱の各側板お
よび各側板補強部材によつて略均等に受けること
ができ、上方から包装箱に作用する外力による外
箱の変形を防止して倉庫保管時の荷くずれを防止
することができるとともに、外箱の内部に装着さ
れた底板補強部材の浮き上がりを各側板補強部材
によつて防止することができ、組立ておよび製品
の収納等の作業の作業性の向上を図ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は従来例を示すもので、第１
図は全体の外観を一部切欠して示す斜視図、第２
図は底板補強部材の展開図、第３図は底板補強部
材を示す斜視図、第４図乃至第６図はこの考案の
一実施例を示すもので、第４図は全体の外観を一
部切欠して示す斜視図、第５図は底板補強部材の
展開図、第６図は底板補強部材を示す斜視図であ
る。 １１……外箱、１２……底板、１３……側板、
１４……底板補強部材、１５……側板補強部材、
１９……逃げ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 段ボールによつて折り返し形成された板状の底
   板補強部材および側板補強部材が外箱の内部に前
   記外箱の底板および側板に沿つてそれぞれ装着さ
   れた包装箱において、前記底板補強部材の折り返
   し部に外方向に向けて前記側板補強部材の厚さ寸
   法と略同寸法突出させた凸部を設け、この底板補
   強部材の凸部を前記外箱の側板内面に当接させて
   前記底板補強部材の周縁部位と前記外箱の側板内
   面との間の間隙によつて前記側板補強部材を逃げ
   る逃げ部を形成したことを特徴とする包装箱。