JPS63130538A - 抗酸化生体防御剤 - Google Patents

抗酸化生体防御剤

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JPS63130538A
JPS63130538A JP61277562A JP27756286A JPS63130538A JP S63130538 A JPS63130538 A JP S63130538A JP 61277562 A JP61277562 A JP 61277562A JP 27756286 A JP27756286 A JP 27756286A JP S63130538 A JPS63130538 A JP S63130538A
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streptococcus
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zinc
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Junko Matsubara
松原 純子
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明はヒトまたは動物の生体防2JrJ機構に作用す
る薬剤に関し、特に生体に対する非特異的酸化的使襲に
対して生体を防御する作用を有する薬剤に関する。
[発明の背景] 生体は環境からの様々な衝撃の中に曝されている。絶え
間なく降りかかる宇宙線、地上や建物からの放射線、日
光中の紫外線や気温の変化などの物理的刺激は言うに及
ばず、空気中の微量の汚染物質や食品中の異物の吸収に
よる化学的刺激、目に見えないウィルスやバクテリアや
カビなどの生物学的侵襲など、数えあげれば切りがない
ほどである。これらの各種の侵襲に打ち勝って生物が生
存しているのは、生体が非常に巧妙で強力な防御機構を
備えているからに他ならない。
環境からの酸化的侵襲による生体の障害機序と防IB機
構は、環境要因の差によらず基本的には共通の部分が大
きい、すなわち、放射線障害、オキシダント障害、炎症
、免疫、老化、発癌、制癌。
各種の酵素反応にはフリーラジカルの生成や活性酸素が
からんでいることが知られている。また多くの薬が人体
内で作用するとき、その代謝作用の一環としてフリーラ
ジカルが生成されることが知られている。フリーラジカ
ル生成は、・02 (スーパーオキサイドラジカル)が
、白血球の殺菌作用、ある種の酵素の活性化等に生理的
に関与していることなど一部の有用な作用を除いて、概
ね健康な組織にとって有害な要素であり、生体にはこれ
らに対する非特異的防御系が備わっているのである。こ
れを具体的に説明すると、生体が放射線やオキシダンI
・に暴露されたり薬剤の作用を受けると、これらは直接
にDNAなど生物学的に重要な物質を障害する他に、空
気中の02と反応して・02を産生したり、組織中の水
(H20)と反応し二次的に・OH(ヒドロキシラジカ
ル)など反応性の強いラジカルを生成する。・02は組
織中にあるSOD (スーパーオキサイド・ディスムタ
ーゼ)により、H2O2にされ消去される部分もある。
H2o2はカタラーゼにより水と酵素に変換されるが、
・02とさらに反応して非常に反応性の強い・OHを生
成し、色々な生体物質を攻撃する。特に、これらは脂質
ラジカルの生成を介して、生体膜の成分であるリン脂質
の不飽和脂肪酸の過酸化へと発展させる。こうした膜の
脂質に発生するフリーラジカルの連鎖反応を断ち切る役
目をするのが、ビタミンEである。脂質の過酸化を受け
た生体膜は重合反応を起こして生体膜の機能障害を来た
し、色々な生化学的反応の一時的阻害や副腎皮質系ホル
モン作用の異常をもたらす。
過酸化脂質生成による生体膜損傷を防御するのが、グル
タチオン(G S H)−ペルオキシダーゼ系(GP系
)による過酸化物の消去作用である。
このように、生体は内外から様々な酸化的侵襲を受けて
いるが、同時に生体はこれに対し、ビタミンEの作用や
、上記SOD系やGP系のようなラジカルや過酸化物の
消去作用による防御機構が働いているのである。この防
御機構が充分に作用しないと、これらの長期的形πが脳
や心臓の虚血的障害、肺の損傷や細胞の老化という一般
的現象を結果する。これら各種のラジカルが直接にDN
A分子を損傷し、発癌につながることもあるし、また多
くの化学発癌物質と中間代謝産物は、フリーラジカルそ
のものを含むか、あるいはフリーラジカルを活発化する
働きがあり、フリーラジカルとそれに随伴する各種の障
害とその防御は発癌の防御の問題でもある。
[従来の技術] フリーラジカルを有効に抑制、排除する医薬は未だ開発
されていない、脂質ラジカルの生成を阻害すると言われ
ているビタミンEの作用は、放射線防護作用などの全身
的効果でみると未だ安定した効果が得られていない、す
なわち細胞レベルで有効な作用を有する物質であっても
動物の全身的バランスを崩すような副作用が大きい場合
には医薬として使用することができないし、一般の医薬
においてもその副作用が問題となる程度以下の投与量で
使用せざるを得ない。
癌治療においては、癌細胞核の破壊を目的として放射線
照射が汎用されているが、随伴する目的箇所以外の放射
線照射による全身的副作用に対しては、殆ど対策がなさ
れていないのが現状である。
放射線を取扱う医療および各種産業においては、各従事
者の放射線被曝を防止するために種々の手段が採られて
いるが、放射線障害を予防したり、被曝を受けた場合の
障害を減弱し得る有効な薬剤は未だ開発されていない、
放射線防護物質としてはSH基を有する金離物質として
システアミン、S、2−アミノエチルインチウロニウム
、S−2−(3−アミノプロピル−アミノ)エチルホス
ホロチオイックアシド(WR−2721)等が知られて
いるが、これらは放射線障害防護効果は大きいが、細胞
毒であり副作用が非常に大きく、中毒量と有効量とに差
がなく、人体には適用し難い、また、生理的に放射線を
防護する作用のあるグルタチオンは外部から投与しても
細胞内に入り難く体内残留時間も短い(半減期2分)た
め、大量に投与しないと効果は期待できない。
[発明が解決しようとする問題点] L記の通り、フリーラジカル生成に伴なう生体の障害ま
たは損傷に対しては、前述のSOD系やGP系を主役と
する生体内の防御機構に頼るのみで、外部からこれを有
効に作用させる有効な手段は特に採られていないのが現
状である。しかしながら、特に癌治療を目的として放射
線を照射する場合のように、体内で異常なフリーラジカ
ル生成が誘起される場合には生体自身の保有する防m機
構ではまかない切れず、前述の通りの様々な機能障害を
もたらすことになる。
本発明はかかる従来技術の現状に鑑みて、放射線被曝な
ど各種の酸化的侵襲による生体の損傷を抑制することの
できる人体に適用可能な薬剤を提供することを目的とし
ている。
[問題点を解決するための手段] 本発明者は上記目的を達成するため、鋭意研究した結果
、金属蛋白であるメタロチオネイン(以下、MTという
)が、生体膜の過酸化等に起因する生体の機能障害の抑
制に寄与し得ることを見い出し、特にストレプトリジン
S産生能消失処理を施した溶血性連鎖球菌(Strep
tococcus haamolytics  :以下
、溶連菌という)と、亜鉛とを生体に投与することによ
って、生体内にMTを大量に誘起せしめ、これによって
例えば放射線障害に対する防護作用のような抗酸化生体
防御作用を生じさせることができることを見い出し、本
発明を完成させた。
すなわち、本発明は新規な抗酸化生体防御剤であり、ス
トレプトリジンS産生能消失処理を施した溶連菌および
亜鉛を有効成分として含有することを特徴とするもので
ある。
MTは、構成アミノ酸の約3分の1がシスティンで占め
られる非常にSH基に富んだ分子量約8000〜700
0の低分子蛋白質で、微生物から高等生物に至るまで各
種の生体細胞中での存在が知られている。MTは、Cd
やHgなどの重金属中毒の緩和に寄与しており、また必
須元素であるZn5度の生体内恒常性(ホメオスターシ
ス)の維持に重要な役割を演じていると推定されている
が、その生理作用については未だ明確には解明されてい
なイ(M、 Webb et al : Bioche
m、 Phar+5aco1.31゜137 (113
82)、A、 Karin : Ce1l 41.9 
(1985)) 。
また、Cd、Zn、Hg、Cuの投与によってMTが生
体組織内で誘起されることは知られているが、外部から
投与された物質によって誘導されたMTが、生体におけ
る酸化的侵襲に対する防御作用を呈すること、および溶
連菌と亜鉛を共に投与することによって顕著な効果が得
られることは木発明者が初めて見い出したことである。
溶連菌は、ストレプトリジンという溶血毒素をJ’Jf
=生する連鎖球菌の一種で、丹毒、敗血症、産じょく熱
、扁桃炎その他種々の疾病の病原菌であるが、酸素に安
定なストレプトリジンSを産生ずる能力を消失させて人
体に適用し得ることが知られている(特開昭58−79
622号公報)。
本発明に用いる溶連菌は、ストレプトリジンSを産生ず
る能力を消失させたものであれば使用可能であり、本発
明における「溶連菌」なる語は各種菌体を適宜処理した
ものを含む意味であり、例えばストレプトコッカス・ピ
オゲネスSu株(ATCC21060)、ストレプトコ
ッカス・ピオゲネスC203S株(ATCC21546
)、ストレプトコッカスφピオゲネス5−43株(AT
CC21547)、ストレプトコッカス自ピオゲネスブ
ラックモア株(ATCC21548)、ストレプトコッ
カス・エキシミリス株(ATCC21597)等を各種
処理したものを用いることができる。
これら菌体のストレプトリジンS産生能を消失させる方
法としては、生菌体を比較的高濃度のペニシリンを含む
塩類溶液例えばバーンハイマー基礎培地(BBM)に懸
濁し、30〜38℃に保持する方法(Jpn、 J、 
Exp、 Mad、 38 : 161−171 (1
966))が代表的であり、これをさらに40〜5゜°
Cで処理する方法(特公昭43−6690号公報)も用
いることができる。また、ペニシリンの代りにセファロ
スポリンCおよびサイクロセリンを用いても同様の結果
が得られる(英国特許第1153113号明細書、特公
昭45−8871号公報、同413−2874号公報)
。その他、上記工程において過酸化水素または1価アル
コールで処理することにより、生菌数の少ない製剤を得
ることもできる(特公昭55−43754号公報、特開
昭57−18621号公報)。
溶連菌の菌体を細胞壁合成が阻害されるような条件1例
えばペニシリンを含有する高張な培地で培養するか、或
いは溶連菌菌体に溶菌酵素を作用させた後にペニシリン
等の細胞壁合成阻害剤を含む培地で培養させることによ
って得られるL型菌が起炎性、発熱性および疼痛惹起性
等の欠点がないことが知られており、これも好ましい菌
体として用いることができる(特開昭58−15210
号公報)。
なお、本発明の抗酸化生体防御剤は、代表的には放射線
障害防護剤として有効であるが、溶連菌は抗腫瘍活性が
あることが知られており、癌の治療において末剤を放射
線療法の際に使用する場合には、その抗腫瘍活性の高い
ものを用いることが好ましく、この場合は上記処理に加
えて抗腫瘍活性を増強させる各種処理を加えることがで
きる。
本発明に用いる特に好ましい溶連菌は、ヒト由来A群溶
連菌ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptc
occus pyogenes)弱毒Su株をペニシリ
ンGカリウムで処理した菌体で、これを凍結乾燥した菌
体製剤はOK−432として知られている。
OK−432は上記菌体をペニシリンGカリウム(25
,000単位/ m 1以上、好ましくは27,000
〜80、C00単位/m1)を含有するバーンハイマー
基礎培地にて30〜38℃(好ましくは37℃)で10
〜30分間(好ましくは20分間)培養し、次いで30
〜50℃(好ましくは45℃)で20〜40分間(好ま
しくは30分間)培養するとともに、その間に過酸化水
素処理を行ない凍結乾燥したもので、安定剤を含む白色
または類白色で吸湿性の凍結乾燥粉末である。生理食塩
水を加えた懸濁液のpHは5.5〜7.5であり、浸透
圧比は生理食塩水に対しlである。OK−432は、ス
トレプトリジンSの産生能は認められず、原料のSu株
生菌と比較すると莢膜の消失ならびに細胞壁の部分的障
害がみられる。イヌのLD50値は36KE/kg(I
KEは乾燥菌体0.1mgに相当)である、これらOK
−432の製法、性状、生物学的特徴、毒性等の製剤的
特徴、および生理作用等については石田名香雄および星
野孝著「溶連菌製剤OK −432J Excerpt
a Medica発行(1985)を参照されたい。
本発明の抗酸化生体防御剤は、具体的にはMT誘起剤、
放射線障害防護剤として使用されるものであり、ストレ
プトリジンS産生能消失処理を施した溶連菌および亜鉛
をそのままあるいは適宜の薬理的に許容される希釈剤、
賦形剤、担体等と混合し、粉末、顆粒、錠剤、カプセル
剤、注射剤等の剤型で、経口的または非経口的に投与す
ることができる。亜鉛は、塩化亜鉛、硫醜亜鉛、酢酸亜
鉛等の水溶性塩を用いることが望ましい、投与量は抗酸
化生体防御剤としての具体的使用目的、溶連菌のMT誘
起能、投与対象、投与方法等によって大きく異なるので
特に限定することはできないが、概略1回当たり溶連菌
0.1〜50 m g / kg体重、亜鉛1〜50 
m g / k g体重、好ましくは溶連菌3〜30 
m g / k g体重、亜鉛2〜10mg/kg体重
が適量である。放射線障害を予防する目的で使用する場
合には、放射線照射の約1日前に投与しておくことが望
ましい、溶連菌と亜鉛の比率は投与方法等によってそれ
らの生体内作用機序に差が生ずることが考えられるので
厳密に限定することはできないが、概略重量比で1:5
0〜30:1の範囲であり、特にl:1〜10:1の範
囲が好ましい0本発明の抗酸化生体防御剤は、通常は溶
連菌および亜鉛の両方を含有する組成物として調製され
るが、溶連菌製剤と、亜鉛製剤とをキットにして前後し
て投与するようにすることもできる。
【作用および実施例] 以下に本発明の抗酸化生体防御剤の薬理作用をその実施
例とともに示す。
■、 ′  ゛よび1 によるMTF OK−432(中外製薬株式会社製:商品名ピシバニー
ル)および亜鉛をマウスに投与し、肝臓中のMT濃度を
定量した。またこれらを単独に投与するとともに、カド
ミウム(Cd)、マンガン(Mn)など、肝臓中にMT
を誘起合成することが知られている金属を投与してこれ
と比較した。
■L五−港 動物はJcl:ICR雄マウマウス週令および9週令)
を用い、飼料と水を自由に与え恒温環境で飼育した。第
1表に示す各種薬剤を1回投与あるいは1〜2日おきの
10回連続投与で、表中の用量と方法で投与し、20時
間後に肝臓のMTを定量した。MTの定量は小野板らの
Cd−ヘモグロビン吸着法(衛生化学 ハ: 12B−
131(1878))およびCher:anらのAg−
ヘモグロビン吸着法(Toxicol、  23 : 
11−20 (1982))によった。
m亙−1 マウスの肝臓中のMT濃度は、4週令から255週令無
処理のマウスでは通常的2〜3nmol/gであるが、
第1表に示す通り、OK−432および亜鉛を共に投与
した場合は、それらを単独に投与した場合、他の金属を
投与した場合および対照群のマウスより数倍から数十倍
の値となっており、きわめて高いMT誘起能を示した。
II 、  四9に Z   gJ/ −酸化的侵襲に
よる生体への障害機序と防御機構は、前述の通り障害を
与える要因によらず基本的には共通の部分が大きいので
、ここでは特に放射線障害を代表例として示す。
OK−432(中外製薬株式会社製:商品名ピシパニー
ル)および亜鉛をマウスに前投与し、全身へのX線閤射
を行い、照射後の死亡率を記録した。またその作用を、
それらを単独に投与した場合およびマンガンを投与した
場合と比較した。
■と五−先 動物はJcl:ICR雄マウマウス退会)を用い、OK
−432(5KE/匹)、Zn(CH3COO)2  
(5mgZn/kg体重)、MnCl2  (20m 
g M n / k g体重)を0.9%食塩水に溶解
して、OK−432単独投与およびこれと亜鉛を共に投
与する場合は腹腔内注射、亜鉛単独投与およびM n 
Cl 2投与の場合は皮下注射し、1日後に対照群とと
もに致死線量である720 radのX線を照射し、そ
の後の30日間の死亡率を記録した。
Ω±」し−盟 X線?20 rad照射後の各群マウスの累積死亡率を
第1図に示した。これによると、OK−432亜鉛投与
群は単独投与群、Mn投与群および対照群(無投与)に
比べ放射線による死亡率の大幅な減少がみられ、きわめ
て強力な放射線障害減弱作用が得られることが確認され
た。
なお、これに対してMT生成能のないMg11!等は放
射線障害減弱作用を示さなかった。
[[[、MTの′〜 ヒノ   ′ 櫂に ける ・生
体の抗酸化生体防御機構において、グルタチオン(G 
S H)−ペルオキシダーゼ系(GP系)が重要な役割
を果たしていることは前述の通りである。第2図に示す
GP系ではGSH−ペルオキシダーゼ(G P)が過酸
化物を還元するために、GSHを電子供与体として必要
とし、その結果GSHを酸化型グルタチオン(G S 
S G)に変える。酸化されたGSHすなわちG55G
は細胞外に流出しやすいので、時に細胞内のGSHが不
足する場合が当然考えられ、事実GSH低下時に放射線
感受性が増すことも観察されている( Oharaet
 at : EXP、 CE!I1. Res、 58
.182−185 (1970)、Modig at 
at : Int、 J、 Radiat、 Biol
、 22.258−288 (1971)、他)、GS
Hレベルの低下は、放射線暴露時の放射線抵抗性の減弱
の他、胃潰瘍の発生や細胞の癌化や溶血など各種の病理
的現象につながることも報告されている(Boyd a
t al: 5cience、 205.1010−1
012 (1979)、他)。
本発明者はGSHと同様にMTによってもGP反応が作
動することを確認した。以下これを詳述する。
口上フし一広 MTがGSHの存在しない条件で、GP系への電子供与
体、すなわちGSHの代役たり得るかを調べるために、
第2図に示すin vitraの系を作成した。すなわ
ち、第2図における基質t−butyl−00HのGP
による還元を、NADPH酸化系と連動させて、キュベ
ツト内の反応液中のNADPHの減少による340nm
の吸光度の変化を、ダブルビーム分光光度計で追跡した
。分光光度計の2つのキュベツト中に正確に同じ容量で
以下の薬液を充たす0反応液は、2.5mM(以下、濃
度はすべて最終濃度)のNaN3を加えた250mMの
リン酸塩緩衝液(pH7,4)を主体とし、これに、0
.3単位/ m lのGPとグルタチオン−リダクター
ゼ(GR)、5mMのt−butyio OHおよび0
.5mMのNADPHを2つのキュベツトに加えておく
、最後に片方のキュベツトにだけGSHまたはMTを添
加すると反応が開始して。
両者の吸光度の差が記録計に観測され、単位時間当りの
NADPHの減少量(反応速度)が観測される。GSH
またはMT濃度を段階的に増やすこと(titrati
on)により、GPの酵素反応のKm値(Michal
is定数)を測定できる。
徨ル益−1 第3図は、GP系にGSHでなくMTを段階的に加える
ことによってGPに対するMTのKm(直を測定したも
ノテ、図に示すLineweaver−Burkeのプ
ロットによって求められたMTのKm値は、0.1mM
付近にあることが繰り返し認められた。一方、GSHの
Km値は約4mMであった。
なお、MTは仔牛の肝臓より精製した亜鉛−チオネイン
を用いた。第2図に示した反応で、まず反応液中にGP
とGRとNADPHを入れておき、−そこにMTを加え
ても反応は開始されない、しかしこれにt−butyト
00Hを加えると第4図に示すように反応が開始する。
これはMTがGRでなくGP系の電子供与体として働い
ていることを示すものである。
細胞中のMTの濃度水準は、7〜5001Lg/g w
et tissueと広範囲にわたっているが、本発明
者による測定では正常のマウス肝臓中のMTは。
性や退会で大きな差は示さず、約201Lg/gすなわ
ち3ILM程度であり、金属投与などのストレス負荷に
より120から数11001L/g (20〜1010
0ILまで上昇した。ヒトの肝臓中のMTは動物より高
く、小野坂らは200〜550μg/gを報告している
(小野坂ら:衛生化学 銭、 173−178 (19
84)) 、本発明者の測定した銅−亜鉛−チオネイン
のGPに対するKm値は約1100pであるから、生体
においてMTが充分に誘起合成されている場合は、生理
的にこの反応が作動しうるものと考えられる。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明の抗酸化生体防御剤は、スト
レプトリジンS産生能消失処理を施した溶血性連鎖球菌
および亜鉛を共に投与して生体内においてメタロチオネ
イン(MT)を誘起せしめ、グルタチオン(G S H
)の代りにこのMTによって生体防御機能を発揮させる
ものである。したがって水剤は放射線照射等の酸化的侵
襲に対して直接的にフリーラジカル生成を抑制、排除す
るものではなく、生体膜の損傷に基づく各種の機能障害
を防御し、細胞の抵抗力と回復力を高めるものである。
特に、OK−432は抗腫瘍剤としてすでに人体に適用
されているものであり、その安全性は確認済であり、ま
た亜鉛も生体必須物質であり少量であれば害がないから
、今後増大するであろう原子力産業従事者、癌等の疾病
の診断と治療を行なう医療従事者、および望ましくない
放射線被曝を診断の目的等で受けなければならない患者
等、放射線被曝の可能性がある場合に、起こり得る放射
線障害を防止するための予防手段として、水剤を予め投
与しておけば人体内の生体防御機能を促進させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はxw7A致死線量である?20rad照射後の
OK−432投与群等のマウスの生存率を示すグラフ、
第2図はグルタチオン−ペルオキシダーゼ(GP系)に
対する銅−亜鉛−チオネインの関与を説明する反応図、
第3図はMTのGPに対する゛KmKm値のためのグラ
フ、第4図はMTのGPへの作用点を示すグラフである
。 尽−Z+rMT3 第2図

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ストレプトリジンS産生能消失処理を施した溶血
    性連鎖球菌および亜鉛を有効成分として含有することを
    特徴とする抗酸化生体防御剤。
  2. (2)前記溶血性連鎖球菌が、細胞壁合成が阻害される
    条件下にて菌体を培養して得られたものである特許請求
    の範囲第(1)項に記載の抗酸化生体防御剤。
  3. (3)前記溶血性連鎖球菌が、ペニシリン、セファロス
    ポリンC、サイクロセリンからなる群から選択される物
    質を含有する培地で菌体を培養して得られたものである
    特許請求の範囲第(1)項または第(2)項に記載の抗
    酸化生体防御剤。
  4. (4)前記溶血性連鎖球菌が、菌体に溶菌酵素を作用さ
    せた後、細胞壁合成が阻害される条件下にて培養して得
    られたものである特許請求の範囲第(1)項乃至第(3
    )項のいずれかに記載の抗酸化生体防御剤。
  5. (5)前記溶血性連鎖球菌が、菌体をペニシリンGカリ
    ウムを含有する培地に懸濁し、30〜38℃に保持し、
    次いで40〜50℃で処理したものである特許請求の範
    囲第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の抗酸化
    生体防御剤。
  6. (6)前記溶血性連鎖球菌が、前記工程中において過酸
    化水素と接触させたものである特許請求の範囲第(5)
    項に記載の抗酸化生体防御剤。
  7. (7)前記溶血性連鎖球菌が、ストレプトコッカス・ピ
    オゲネス(Streptococcus pyogen
    es)Su株である特許請求の範囲第(1)項乃至第(
    6)項のいずれかに記載の抗酸化生体防御剤。
  8. (8)前記溶血性連鎖球菌が、L型菌である特許請求の
    範囲第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載の抗酸
    化生体防御剤。
  9. (9)前記溶血性連鎖球菌が、OK−432である特許
    請求の範囲第(1)項に記載の抗酸化生体防御剤。
  10. (10)メタロチオネイン誘起剤である特許請求の範囲
    第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載の抗酸化生
    体防御剤。
  11. (11)放射線障害防護剤である特許請求の範囲第(1
    )項乃至第(10)項のいずれかに記載の抗酸化生体防
    御剤。
  12. (12)ストレフトリジンS産生能消失処理を施した溶
    血性連鎖球菌を有効成分として含有する薬剤と、亜鉛を
    有効成分として含有する薬剤とのキットからなる特許請
    求の範囲第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載
    の抗酸化生体防御剤。
  13. (13)前記亜鉛が水溶性塩として含有されている特許
    請求の範囲第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記
    載の抗酸化生体防御剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989000425A1 (en) * 1987-07-09 1989-01-26 Kabushiki Kaisya Advance Lipid peroxide content reducer

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