JPS6312721A - ピツチ系炭素繊維の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は石炭系ピッチ、石油系ピッチ、高分子焼成ピッ
チ等のピッチ類から炭素繊維を製造する方法に関するも
のであシ、詳しくは繊維の取扱いを容易にすると同時に
繊維相互間の接着や融着のない高品質の炭素繊維を得る
方法に関するものである。

〔従来技術〕

ピッチ系炭素繊維は、通常、原料ピッチ会溶融紡糸し、
得られたピッチ４ａ雄を不融化処理及び炭化処理を行な
うことによって製造される。

ピッチ系炭素繊維はポリアクリルニ）　ＩＪル系等の炭
素繊維に比較して高収率で工業的有利に製造できる利点
がある反面、ピッチ繊維が極めてを 脆弱なため、ｉｏｏ個以上の多孔プ有する紡糸口金を用
いて、長時間、気相中に延伸条件下に溶融紡糸する際に
は数本の単糸切れを生じる場合がある。

一旦、単糸切れが発生すると、その部分における単糸に
は延伸力が加わらず太い未延伸糸となシ、繊維トウに巻
き込まれ繊維トウと共に集束される。未延伸糸は径が大
きいため、延伸された繊維と同程度の不融化処理では十
分に不融化されず、次工程の炭化処理の際において溶融
し、周囲の繊維を接着あるいは融着して、ケバ立ちある
いは糸束切れの原因となる。したがって、炭化処理の前
の工程において、ローラ等を用い集束された繊維トウを
解繊し、繊維トウ中に混入している未延伸糸を完全に除
去することが必要であった。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、炭化処理前のピッチｇ１．維は極めて脆
弱であるためローラ等を用いた解繊処理では糸切れやロ
ーラへの繊維の巻き付き等の不都合を生じ、また気相中
で解繊処理を行うと単糸間に静電気が生じ、取シ扱い上
も非常に問題があった。

〔問題点全解決するための手段〕

そこで、本発明者等はこれらの問題点を解決するため検
討ｆ、重ねた結果、液体中で繊維を解繊し、未延伸糸を
取り除くととにより、かかる問題点が解決されることを
見出し、本発明に到達した。

すなわち、本発明の要旨は、原料ピッチを気相中に溶融
紡糸して得られたピッチ繊維を集束径不融化処理、炭化
処理、さらに必要に応じて黒鉛化処理を行なうことによ
シピツチ系炭素繊維を製造する方法に於いて集束された
繊維トウを液体において、該繊維トウを構成する単糸単
位に解繊させることにより、該ｍ維トウ中に含有させる
未延伸糸を除去することを％徴とするピッチ系炭素繊維
の製造方法に存する。

以下本発明の詳細な説明するに、本発明に用いられる原
料ピンチとしては、コールタールピッチ、石炭液化物等
の石炭系ピッチ、原油の常圧蒸留残油、減圧蒸留残油、
またはその熱処理物、ナフサの熱分解副生タールの熱処
理物等の石油系ピンチ及び合成樹脂や天然樹脂を乾留す
ることによって得られる高分子焼成ピッチ等が挙げられ
る。

原料ピッチの溶融紡糸は通常の合成繊維の乾式性溶融紡
糸と同様に行なうことができ、特に制限はなく、溶融し
た紡糸ピッチを下向きの紡糸口金から気相中に押し出し
冷却固化させる方法を採用する。紡糸口金としては吐出
孔の孔径が０．／〜Ｏ０！南程度のものを用いる。紡糸
口金の温度は原料ピッチの種類に依存し紡糸に適当な溶
融粘度ビ考慮して決められるが、通常は２６０〜３！Ｏ
℃の範囲が適当である。紡糸口金の下には保温筒を設け
ておくと゛紡糸状悪の安定化に有効である。

保温筒の下には集束剤を添着する装置を介して回転ロー
ラが設蓋してあ〕、このローラーを１００〜／　０００
　ｒｐｍで回転させることによ）繊維に延伸をかけ糸径
を制御する。延伸は！００〜２００μのノズル孔よシ！
〜、２０μの単糸が得られるように行なわれる。本発明
でいう未延伸糸とけ延伸糸の３倍以上、たとえば糸径が
、２ＯＮｊ００μ程度のものをいり。

ピッチ繊維の集束剤としては例えばシリコーン系油剤、
高級アルコール系油剤、高ｉｌｌ旨肪酸系油剤またはこ
れらの混合物及びこれらをエマルジョン化したもの、更
には固体微粒子を添加し九ものが用いられる。具体的に
は、シリコーン油として、ジメチルポリシロキサン、フ
ェニルメチルポリシロキサン、エポキシポリシロキサン
、アミノポリシロキサン、高級アルコールとしてステア
リルアルコール、オレイルアルコール、インペンタコサ
ニルアルコール、高級脂肪酸としてステアリン酸グリセ
ライド、ポリエチレングリコールステアレート、ポリエ
チレングリコールオレート、固体倣粒子として黒鉛、カ
ーボンブラック、シリカ、酸化チタン等が拳げられる。

エマルジョン化する時に配合させる乳化剤としてはポリ
オキシエチレンラウリン酸などの非イオン系乳化剤、ア
ルキル硫酸エステルなどのアニオン系乳化剤、塩化アル
キルピリジウーなめの希釈剤としては、後記する解繊処
理に用いる液体として挙げられるものを用いるのがよい
。

また、集束剤には必要に応じ帯電防止剤が配合され、例
えば、アルキル硫酸エステルなどのア爪 ニオンＺ％第四アンモニウム塩々どのカチオン系、ベタ
インなどの両性の帯電防止剤を用いるのがよい。

これらの集束剤をピッチｔａ維１００重量部に対し、希
釈剤を除いた集束剤成分として０．１〜１００重量部、
好ましくは／〜／！重量部付着させる。

本発明において、液体中での解繊処理は集束剤の添着さ
れた不融化前のピッチ線維トウに対して行うことが好ま
しいが、必要に応じて炭化前の不融化繊維トウに対して
行ってもよい。

解繊処理に用いられる液体としては、ピッチ繊維を溶解
しないものであればよく、たとえばメタノール、エタノ
ール、フロパノール、フタノール、イソプロパツール、
エチレングリコール、セロソルブなどの炭素数／〜μの
脂肪族アルコール類、シクロペンタノール、シクロヘキ
サノールなどの炭素数３〜乙の脂環式、アルコール類、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどの炭素数３〜４のケトン類、
または水などの単一物ある込はそれらを任意の割合で混
合した液、更には、集束処理に用いた前述した集束剤ま
たは水と界面活性剤の混合物が挙げられる。界面活性剤
としては、前述したエマルジョン化において配合される
乳化剤等が用いられる。処理装置としては、槽、機等液
体が貯留又は流れを形成できるものであれば任意の形状
のものが用いられる。本発明において繊維トウの液体中
における解繊処理とは、気相中で整送される際に繊維ト
ウに付加された引張張力が消去もしくは緩和されて、繊
維トウを構成する単糸に実質的に引張張力が付加されず
、少くとも繊維トウの幅が拡大され得る状態とすること
を１汚すものであう、具体的には、第１図に示すように
処理槽／の気相中に設けられた案内バー又はローラｔを
介して繊維トウ３が液体λ中に導入され、＃＆雄トウ３
が液体λ中を通過する間に解繊処理が行われ、次いで処
：５］！！／の気相中に別個に設けられた引き出しバー
又はローラｊ′を介して引き出されることによシ行われ
る。つ′ｌ！ｌキシ明では繊維トウが液体中で単糸単位
に解繊され、幅広い帯状の状態となることが１要であっ
て、気相中でバー又はローラと簗触する際には常に集束
された状態とし得るので、脆弱な繊維を傷つけずば解繊
し、未延伸糸ｒを取シ除（ことができる。

また、液体を流動状態、例えば液体噴射ロアよシ処理槽
ｌへ繊維トウの移動方向とは逆向きに供給して、単糸を
傷つけない程度の流速で繊維トウ３と向流に接触させる
と繊維トウ３は液面に集束状態の幅の２〜１０倍程度に
帯状に広がるため、未延伸糸ｒの除去をさらに効果的に
行うことができる。その際液体の流速をあまυ大きくす
ると単糸切れ等を生ずる可態性があるので液面の流速と
“しては、１．０ｍ１分以下、好ましくはｊＯｒｎ１分
以下とするのがよい。また液体の流動状態を生じさせる
方法としては、ゆるやかな攪拌、超音波、ガス吹込み等
を用いて上下流を与えるのも効果的である。

かかる方法によシ解繊処理した後のピッチ繊維または不
融化繊維は周知の方法に従って不融化処理及び炭化処理
または炭化処理が行なわれる。例えば、不融化処理は、
繊維を酸素、オゾン、空気、窒素酸化物、ハロゲン、亜
硫酸ガス等の酸化性雰囲気下、７１０〜３６０℃の温度
に１９〜１０時間加熱することによって行なわれる。ま
た炭化処理は繊維を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲
気下、１０００−２ｊｔ００℃の温度にＯ１！分〜１０
時間加熱することによって行なわれる。

さらに黒鉛化処理を行う場合には、２３００〜３３００
℃の温度に／秒〜／時間加熱保持すればよい。また不融
化、炭化あるいは黒鉛化処理の際、必要であれば収縮や
変形等を防止する目的で、被処理体に若干の荷重あるい
は張力をかけておくこともできる。

さらに、不融化処理に際しては不融化炉の直前に乾燥機
を設け、あるいは不融化炉の最初の過程でピッチ繊維を
！０〜ｉｏｏ℃によ分〜２時間保持してピッチ繊維の水
付着量を０．／重量２以下に乾燥しておくことが望まし
い。

〔効　果〕

本発明によれば、集束された繊維トウを液体中で解繊処
理させるという簡単を操作で脆弱な繊維を傷つけること
なく、未延伸糸を除去することができるので、炭化処理
の際の部分的、局所的な溶融が防止され、高特性のピッ
チ系炭素繊維を連続フィラメント状態で安定的に大造す
ることができる。

次に本発明を実施例によシ更に具体的に説明するが本発
明はその要旨をこえない限）以下の実施例に限定される
ものではない。

実施例／〜コ タール系の紡糸ピッチを孔数１ｏｏｏの紡糸口金を用い
口金温度３３０Ｃで溶融紡糸し、得られた糸径１０μの
ピッチ繊維にシリコン油の水エマルジョンを付着させ集
束した。

線処理した。処理槽ｌ内で繊維トウは単糸単位に解繊さ
れ、未延伸糸は分離され処理槽／の底に沈積する。

ＭＩｌ、ｍトウ３を１ｍ／分の速度で処理槽／（長さ八
ｔｍ）内を通過させた繊維１００００ｍ当シに除去され
た未延伸糸及び除去されていない未延伸糸の本数を測定
し、その結果を第１表に示し念。また、処理装置ｌ内に
水面下１０ｔａの位置に水噴射ロアを設け、第１表に示
す流速で水を噴射し、繊維トウ３と向流の水流を発生さ
せ、同様の解繊処理を行った。

その結果も第１表に示す。

次いで、これらの解繊処理によシ処理槽／を通過させ六
繊維トウ３は７５０℃の空気中で３０分間保持して乾燥
し、／よ０℃よ１）３００℃まで２時間３０分を要して
昇温した後その温度に３０分間保持して不融化処理を行
った。その後アルゴン中に於いて室温よシ／μ００″′
Ｃ１で２時間ｌＯ分を要して昇温し六後その温度に７時
間保持して炭化処理を行いピッチ系炭素繊維を得た。得
られた炭素繊維について発泡融着している箇所を調べ、
その結果を第７表に示す。

〔比較例〕

実施例において液体中での解繊処理する六めの処理槽を
通過させずに集束されたピッチ繊維トウを実施例と同様
の不融化処理及び炭化処理を行った。得られ九炭素ｇｉ
雄は発泡によ）、繊維同志が融着している部分が見られ
、その発泡融着箇所の個数を第１表に示す。

第　　／　　表

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の解繊処理に用いられる装置、　の説明
図である。 ／：処理槽　　　　　コニ液体 ３：繊維トウ　　　　　≠二案内バー又はローラ！；引
き出しバー又はローラ　６；引き上げローラ７：液体噴
射口　　　ｒ：未延伸糸 タ；排水口

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）原料ピッチを気相中に溶融紡糸して得られたピッ
   チ繊維を集束剤の存在下集束し、次いで不融化処理、炭
   化処理、さらに必要に応じて黒鉛化処理を行うことによ
   りピッチ系炭素繊維を製造する方法に於いて、集束され
   た繊維トウを液体中において、該繊維トウを構成する単
   糸単位に解繊させることにより、該繊維トウ中に含有さ
   れる未延伸糸を除去することを特徴とするピッチ系炭素
   繊維の製造方法。
2. （２）繊維トウが液体中において、該繊維トウを構成す
   る単糸に実質的に引張張力が付加されていない状態で解
   繊させることを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の
   方法。
3. （３）液体が流動状態であることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項又は第２項のいずれかに記載の方法。
4. （４）繊維トウ流動状態の液体と向流で接触させること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項乃至第３項のいずれ
   かに記載の方法。
5. （５）集束された繊維トウがピッチ繊維から構成された
   ものであることを特徴とする特許請求の範囲第１項乃至
   第４項のいずれかに記載の方法。