JPS6312488A - 生鮮物の保鮮輸送・保管方法及び保鮮梱包用シ−ト並びに保鮮梱包用段ボ−ル箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、青果物、野菜、花、鮮魚、生干魚等の鮮度
を維持しながら運搬・保管するための生鮮物の保鮮輸送
・保管方法及びその保鮮輸送に使用する保鮮梱包用シー
ト並びに保鮮梱包用段ボール箱に関する。

〔従来技術〕

青果物、野菜、花、鮮魚、生干魚等は、鮮度が価格の決
め手となるので、その保管、輸送に当っては鮮度の維持
に多くの努力が払われている。例えば、青果物であれば
、それを箱詰めした後、冷蔵庫で氷点近くにまで箱と共
に冷却し、冷温を蓄積した保冷状態において目的地にま
で輸送する方法が採られることがある。しかし、これに
よるときには、多大な設備費を要するばかりでなく、冷
蔵庫への倉入れ倉出しの労作業を要するため、どうして
も保鮮かコスト高となる欠点があった。

また、箱のなかに蓄冷剤や氷、ドライアイス等の保冷剤
を生鮮物と共に詰めることもあるが、これによるときは
、保冷剤の費用が掛かることは勿論、保冷剤により箱内
の収容スペースが狭くなる。

そのため、このような保冷剤を使用するときも保鮮輸送
コストが高くなるという欠点は避けられなく、しかも生
鮮物によっては保冷剤の影響で痛み、例えば、果物であ
れば、ドライアイスによる過剰な冷却で凍傷し、味覚が
著しく低下し商品価格を著しく喪失することがある。ま
た、氷を使用するときには、それが解氷により水となる
ため、水に生鮮物が浸ることによって鮮度が却って低ド
するという予想外の事態を招くことがあった。

〔発明の目的〕

この発明は、青果物、野菜、花、鮮魚、生干魚等の保管
・運搬に伴う上記のような鮮度維持の実情に鑑みて、潜
熱、特に水が蒸発する時の気化熱や氷が水や蒸気に変化
する時の潜熱を利用することにより、極く安価な費用に
より冷温状態を保つことができ、しかも、水を始末よく
使用し得る保鮮輸送・保管方法およびその輸送に使用す
る保鮮梱包用シートと保鮮梱包用段ボール箱を提供する
ことを目的としたものである。

〔発明の構成〕

」−記の目的を達成するためのこの発明の保鮮輸送・保
管方法の構成は、生鮮物の梱包用資材に液体を含浸させ
、液体が気化するときに吸収する気化熱により梱包資材
の温度を低下させ、保管・輸送中に前記液体の気化を継
続させて生鮮物を保冷することをその要旨とする。

また更には、生鮮物の梱包資材に液体を含浸させ、その
液体を氷らせて、固体から液体に変化する時の潜熱（融
解熱）と更に液体から気体に変化するときの潜熱（気化
熱）により、包装資材内部の温度を低下させ、輸送・保
管中に生鮮物を保冷することを特徴としている。

この発明の生鮮物の保鮮梱包用シートは、コルゲート加
工された中芯とライナーとからなる段ボールの少なくと
も一面に耐水性層を介して吸水性層を積層し、吸水性層
とその表面に散布された液体を吸収するように露出させ
てあることをその要旨とする。

また、この発明の生鮮物の保鮮梱包用段ボール箱は、段
ボール箱の外面と内面との少なくとも一面に耐水性層を
介して吸水性層を積層し、吸水性層をその表面に散布さ
れた液体を吸収するように露出させてあることをその要
旨とする。

上記において、段ボールとしては、両面段ボールばかり
でなく、例えば片面段ボール、複両面段ボール、複々両
面段ボール等を使用できるのであって、段ボールの構造
は特に制限されるものではない。

耐水性層は、プラスチック製のフィルムを段ボールの外
面に貼着することにより形成できる。その他、耐水性の
接着剤、アルミニウム等の金属箔等によっても形成でき
る。

吸水性層の形成材料としては、紙、連続気泡を有するフ
オームシート、織布、不織布、超吸水性高分子材料等を
挙げることができる。紙としては、吸水性に優れたもの
が望ましいので、クラフト紙のような組織の緻密なもの
よりも、故紙の割合が多い組織の比較的粗雑なものがよ
い。また、現在においては多量の水を吸収する高分子繊
維が開発されているので、その繊維による織布や不織布
も使用することができる。

〔保鮮梱包用シートの実施例〕

第１図ないし第６図はそれぞれ保鮮梱包用シートｓ、、
ｓ２．ｓ３．ｓ４．ｓ、、ｓ６を示したもノテあるが、
これらは代表的なものであって、これらに制限されるも
のではない。

第１図において、保鮮梱包用シートＳ、は、段ボールＦ
の表面にプラスチックフィルムからなる耐水性層２を設
け、さらに耐水性層２の表面には紙からなる吸水性層３
を設け、それぞれ接着剤により接着しである。

段ボールＦは、所謂両面段ボールであって、中芯４ａの
両面にライナー４ｂ、４ｃを貼着したものである。実際
の製造に当っては、表ライナ−４ｂの原紙に予め耐水性
層２としてのフィルムと吸水性層３とを貼着し、特殊な
コルゲートマシンにその吸水性Ｍ３付き表ライナー原紙
を繰り込ませることにより、保鮮梱包用シートＳ工を量
産できる。

吸水性層３を構成する吸水性紙には、グラフ１−バルブ
３０％、故紙５０％、プラスチック繊維２０％からなる
紙を使用した。なお、プラスチック繊維は、主として紙
力を強化するとともに、紙の形崩れおよび剥離を防止す
るために使用したものである。

第２図の梱包用シートＳ２は、段ボールＦの裏面にもプ
ラスチックフィルム５を貼着したものであって、これに
より段ボールＦは両面がら水が断たれるため、防水に万
全を期することができる。

また、耐水性層２の」二の吸水性層３は、しわ付きクラ
フト紙が、使用されている。そのため吸水性層３に散水
すると、しわの間に毛管現象により水が一時的に貯留さ
れ、それが徐々にクラフト紙に浸透して吸水するので、
単なるクラフト紙よりも吸水上が多くなる。

第３図の梱包用シー１〜８３は、段ボールＩ？の一面に
プラスチックフィルムからなる耐水性層２ａを設け、そ
の表面に高吸水性アクリル短繊維からなる吸水性層３ａ
を設けである。また、段ボールＦの他面にはアルミ箔か
らなる耐水性層２ｂを設け、耐水性層２ｂの表面にポリ
エステルのプラスチックフオームからなる吸水性層３ｂ
が設けである。

第４図の梱包用シートＳ４は、片面段ボールＦ＝７− のライナー４ｂの表面に耐水性接着剤により耐水性層２
を形成し、さらに耐水性接着剤により織布を接着しその
織布により吸水性層３を形成しである。

第５図の梱包用シートＳ、は、片面段ボールＦのライナ
ー４ｂの表面にプラスチックフィルム５を貼着し、中芯
４ａの外面にはプラスチックフィルムならなる耐水性層
２を設け、さらにその外面に不織布からなる吸収性層３
を設けである。

第６図の梱包用シートＳ６は、裏ライナ４ｄの外面にプ
ラスチックフィルム５をラミネートした両面段ボールＦ
の表ライナ４ｅに、上記第５図で示した中芯４ａと同一
構成のコルゲート材４ａ’が、不織布からなる吸水性層
３を外面に露出させて貼着しである。

このように吸収性層３を中芯４ａと共に波形に形成した
場合は、散水時に波間の空間８，８・・・に保水され、
水が次第に吸水性層３に含浸するため、吸収性能が非常
に良好である。そこで、このような波形吸収性層３を両
面段ボール（第６図）、複画固設ボール、複複画固設ボ
ール等の一面または画面に形成すれば（図示省略）、そ
の梱包用シートも有効に使用できる。

上記の梱包用シートＳ　ｉｔ　Ｓ２ｔ　Ｓ３１　Ｓ４１
５ＳＴＳ６は、中芯４ａの波進行方向に対して折り曲げ
ることができる段ボール製であるので、生鮮物の形状に
合せて包装しやすく、また、吸水性層３に水を含浸させ
、水の蒸発潜熱により生鮮物を保冷することができるが
、吸水性層３の下が耐水性層２となっていて水がその層
２で断たれるため、段ボールＦへの水の浸出を防止でき
る。また、それぞれ次ぎに記するような段ボール箱の資
材として有効に使用出きるものである。

更には、吸水性層３に水を含浸させ、その水を冷凍庫等
で一旦凍らせ、その氷が輸送中や保管中に水に変化する
際の融解熱、また更に融解して生じた水が蒸発する際の
気化熱により、生鮮物の冷却を所望時間確保することが
できる。

そして、」二記保冷効果を一層有効にするために、吸水
性層３中に水と共に食塩等の塩類を含浸させておくこと
は、生鮮物に悪影響を及ぼさない限り、より好ましいこ
とである。

〔段ボール箱の実施例〕

次に、幾つかの段ボール箱Ｃ工ＨＣａｌ　Ｃ３の実施例
について説明する。

第７図の段ボール箱Ｃ１は、Ａ−１形の段ボール箱であ
って、側壁９ばかりでなく、内フラップ９ａ、９ａや外
フラップ９ｂ、９ｂにも、外面に吸収性層３が露出され
、吸収性層３の下に耐水性層２を設け、それで段ボール
Ｆへの水の浸出を断っである。

この段ボール箱Ｃ□の使用例について説明すると、例え
ば、りんご、めろん、レタス等の生鮮物を輸送する場合
に、生鮮物を箱詰めした後、トラックや貨車等に積載す
る前か、あるいは積載した後において、段ボール箱Ｃ□
にホースで散水して水を振り掛ける。そうすると、外面
の吸水性層３に水が含浸するため、輸送中に水が蒸発し
、その蒸発潜熱により段ボール箱Ｃ１内が冷却され、吸
水性層３が乾燥するまで箱Ｃ□内が保冷される。

特に、トラック等が走行するときに受ける風を吹き込め
ば、蒸発が促進され、さらに低温に保冷される。

第８図の段ボール箱Ｃ２は、Ｂ−１形の段ボール箱であ
って、前記の段ボールＣ１とは逆に、内側に吸水性層３
が耐水性層２を介して積層されている。

この場合は、生鮮物の梱包により吸水性層３からの水分
の蒸発が抑制されるため、蒸発潜熱による温度低下は少
ないが、段ボール箱Ｃ２内の空気が常に水分の飽和状態
に保持されるため、水分が減少して萎れやすい葉類、例
えば、はうれん草、白菜等、さらには花類等の輸送に適
している。

従来は、それらの生鮮物を新聞紙で包んでそれに水を含
浸させることにより萎れないように輸送していたので、
包むための手数を要したが、この段ボール箱Ｃ２の場合
は、単なる箱詰めと散水との軽作業で生鮮物の保冷梱包
をなし得る。

なお、特に低温の保冷が必要なために、中に氷を入れて
おいても、解氷により発生する水が吸水＝１１＝ 性層３に吸収され、広い面積に亘って蒸発するので、解
氷による水の不始末を防止できる。また、次の実施例の
ように、箱の外側にも吸水性層を積層すれば、この層か
らの水の蒸発潜熱が多量に期待され、保冷を充分になし
得る。

第９図の段ボール箱Ｃ３は、身１０と蓋１１とからなる
段ボール箱であって、身１０と蓋１１との両方において
、内外両面にそれぞれ吸水性層３ａ、３ｂが耐水性層２
ａ、２ｂを介して積層されている。そのため、前記した
ように、葉類や花類の保鮮輸送・保管に特に適している
。また、側壁９の数個所に切り抜きにより窓孔１２と扉
１３を設け、窓孔１２を開くことにより内側の吸水性層
３からの水の蒸発を促進し、内部の蒸れを防止できるよ
うにしである。

また、このように窓孔１２を設けておけば、生鮮物を箱
詰めにした後、冷蔵庫に倉入れし多段積み状態において
窓孔１２から内部への冷気を入れることが出きるので、
内外両面の吸水性層３ａ、３ｂに水を氷結または氷温状
態に冷却させ、より低温において保冷輸送ができ、鮮魚
の保管・輸送にも適する。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明方法によれば、生鮮物の
梱包資材に液体を含浸させ、液体が気化するときに吸収
する潜熱（気化熱）により梱包資材の温度を低下させ、
保管・輸送中に前記液体の気化を継続させて生鮮物を保
冷するので、液体に入手しやすい水を使用することによ
り極く安価な費用で生鮮物の保鮮輸送・保管ができ、し
かも、水が吸収されているため、溜り水や流れ水となる
ような不始末を防止できるという優れた効果がある。

また吸水性層に含浸させた液体を一旦冷凍庫等で凍らせ
れば、融解熱に加えて気化熱の吸収も利用できるので、
生鮮物の保冷をより長時間に亘って確保することができ
る。

その場合にも含浸液体に塩分を含有させておけば、氷結
も容易となり、効率よくなる。更に吸水性層に、水に触
れて熱量を吸収する薬品を含浸又は塗布しておけば、水
を掛けることにより、一層の保冷効果を得ることができ
る。逆に水に触れて発熱する薬品を含浸又は塗布してお
けば、水を掛けることにより保温効果を得ることができ
る。

また、この発明の保鮮梱包用シートによれば、吸収性層
が耐水性層を介して積層されているため、段ボール類で
あっても、含水による強度の劣化が防止され、また、中
芯の波進行方向に対して折り曲げることにより生鮮物を
その形状にあわせて包装しやすいので、上記方法の実施
に極めて有効である。

また、この発明の保鮮梱包用段ボール箱によれば、同様
に含水による強度の劣化が防止されることは勿論、保冷
と気密により生鮮物の萎れを有効に防止できるため、前
記方法を実施する一部に極めて有効であるという優れた
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図はそれぞれこの発明の実施例を示す
段ボールの断面図、第７図ないし第９図はそれぞれこの
発明の実施例を示す段ボール箱の一部切欠した斜視図で
ある。 Ｃ０，Ｃ２，Ｃ３・・・保鮮梱包用段ボール箱Ｆ・・・
段ボール ｓｌ、　ｓ２．　ｓ３．　ｓ４．　ｓ５．　ｓ６・・・
保鮮梱包用段ボール２．２ａ、２ｂ・・・耐水性層

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）生鮮物の梱包資材に液体を含浸させ、液体が蒸発す
   るときの潜熱（気化熱）により梱包資材内部の温度を低
   下させ、輸送・保管中に生鮮物を保冷することを特徴と
   する生鮮物の保鮮輸送・保管方法。 ２）生鮮物の梱包資材に液体と共に食塩等の塩分を含浸
   させておくことを特徴とする特許請求の範囲第１項記載
   の生鮮物の保鮮輸送・保管方法。 ３）生鮮物の梱包資材に液体を含浸させ、その液体を氷
   らせて、固体から液体に変化する時の潜熱（融解熱）と
   更に液体から気体に変化する時の潜熱（気化熱）により
   、包装資材内部の温度を低下させ。 輸送・保管中に生鮮物を保冷することを特徴とする生鮮
   物の保鮮輸送・保管方法。 ４）生鮮物の梱包資材に液体と共に食塩等の塩分を含浸
   させておくことを特徴とする特許請求の範囲第３項記載
   の生鮮物の保鮮輸送・保管方法。 ５）コルゲート加工された中芯とライナーとからなる段
   ボールの少なくとも一面に耐水性層を介して吸水性層を
   積層し、吸水性層をその表面に液体を吸収するように露
   出させてあることを特徴とする生鮮物の保鮮梱包用シー
   ト。 ６）段ボール箱の外面と内面との少なくとも一面に耐水
   性層を介して吸水性層を積層し、吸水性層をその表面に
   液体を吸収するように露出させてあることを特徴とする
   生鮮物の保鮮梱包用段ボール箱。