JPS6311248B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「発明の目的」 （産業上の利用分野） 本発明は、陶磁器素体の段積体をローラコンベ
ヤにより搬送するにあたつて、該ローラコンベヤ
の上流側に位置付けられたチエーンコンベヤ等の
搬送装置において、該搬送装置の路面と前記段積
体の底面との間に敷板を介挿させることのでき
る、新規な装置に関するものである。

（従来の技術） ローラコンベヤは、被搬送物相互の送りピツチ
を拡縮調節したり、被搬送物を必要に応じて滞留
させたりすることが可能なコンベヤである。該ロ
ーラコンベヤは、タイルの製造工程中等におい
て、素焼タイル、焼成用匣鉢、その他これに類す
る陶磁器素体を、プレス成形機から乾燥窯又は焼
成窯の台車待機位置まで搬送する過程等に配置さ
れていた。

ところで、前記陶磁器素体は、その搬送能率を
向上させるため、複数個を相互に積し重ねた段積
体としている。しかし該段積体は、陶磁器素体の
積み重ね個数に伴つて重心位置が高くなり、振動
等に対して不安定なものとなる。このため、該段
積体をローラコンベヤによりじかに搬送させる
と、該段積体の進行側下端縁が、一定ピツチおき
に並設された各ローラに衝突しやすくなり、ロー
ラ間に引つ掛かつたり、倒壊したりして、ローラ
コンベヤを渋滞錯綜させていた。また、段積体の
最下段に位置する陶磁器素体が破損して、以後の
使用に耐えぬ不良品となることもあつた。

従来、これを防止するために、陶磁器素体の底
面積よりも一回り大きな木製敷板に段積体を載
せ、この状態で段積体をローラコンベヤにより搬
送させていた。即ち、この作業は、ローラコンベ
ヤの上流側搬送装置において、段積体を路面上か
ら手操作により一旦持ち上げておき、該路面に敷
板を敷き、しかる後、該敷板上に前記段積体を降
ろすようにするものであつた。

（発明が解決しようとする問題点） 従来の作業は、被搬送物たる段積体が破損し易
いものであることから、これを持ち上げる者と搬
送装置上に敷板を敷く者との二人が協同して行つ
ており、多大な手間と労力を要していた。しか
も、段積体の持ち上げ時には、その段積状態を不
揃いなものとして、以後の搬送状態を一層不安定
なものとしてしまつていた。

本発明は、上記の如き事情に鑑みてなされたも
のであつて、搬送装置の路面上に載置状態にある
段積体に対して、敷板を自動的に介挿できるよう
にした、ローラコンベヤ搬送用の全く新規な敷板
介挿装置（以下、本件装置という）を提供するこ
とを目的とする。

「発明の構成」 （問題点を解決するための手段） 本件装置の要旨とするところは、２条の平行な
循環搬路上に素焼タイル、焼成用匣鉢、その他の
陶磁器素体が積み重ねられた段積体を載置して該
段積体を搬出端部に後続されたローラコンベヤへ
搬送する搬送装置に対してその搬送経路中の任意
箇所に設置される敷板介挿装置であつて、前記搬
送装置の循環搬路上に載置された段積体に対して
該搬送装置の両側方に対向設置された押圧板が相
寄移動する挟持機構と、該挟持機構を昇降台上に
設置し該昇降台を基台上で上昇させて前記挟持機
構により押圧保持された段積体を前記搬送装置の
循環搬路上に浮上させる持上機構と、前記挟持機
構により押圧保持された段積体の底面に対向する
如く前記持上機構の昇降台上に設置され該昇降台
の上昇時に前記搬送装置の両循環搬路相互間で搬
路上面と略々同一平面に位置付けられる敷板装填
部を備え前記搬送装置の側方に設置された敷板収
納部から敷板介挿路に沿つて敷板を一枚あて取り
出し該敷板を前記搬送装置の一方の循環搬路が交
差する切欠部を跨いで前記敷板装填部へ移載させ
る敷板装填機構とから成る点にある。

（作用） 本件装置は挟持機構と敷板装填機構と持上機構
とから構成されており、搬送装置の搬送経路中で
あれば任意の箇所に設置できるものである。本件
装置の稼動順序にしたがつて、各機構の作用を説
明すると次の通りである。

搬送装置は、チエーンベルト、ゴムベルト等の
循環経路が２条平行架設されて成るものであつ
て、その搬出端部にはローラコンベヤが後続され
ている。該搬送装置によつて本件装置に搬入され
た段積体は、その搬送方向に沿う両側面が挟持機
構により対向押圧され、保持状態となる。次に該
段積体は、持上機構の稼動により、搬送装置の路
面上方へと挟持機構ごと上昇される。一方、挟持
機構の上昇と共に、敷板装填機構の敷板装填部も
上昇されている。該敷板装填部の上昇位置は、搬
送装置における循環搬路の搬路面上面と略々同一
となつている。この状態で敷板装填機構が稼働
し、前記搬送装置の側方に設置された敷板収納部
から、一枚の敷板が取り出され、該敷板は敷板介
挿路に沿つて搬送装置へ接近する如く摺動され
る。該敷板は、搬送装置の一方の循環搬路が交差
する切欠部を跨いで、前記敷板装填部へ移載され
るようになる。そして、持上機構の昇降台が下降
すると、まず、敷板が搬送装置上に載置され、続
いて該敷板上に前記段積体が降ろされる。この状
態で挟持機構による押圧保持が解除され、搬送装
置の再稼働により、敷板上に載せられた段積体
は、後続のローラコンベヤと搬送されてゆく。

（実施例） 以下本発明を、その実施例を示す図面に基づい
て説明すると次の通りである。

第１図は本件装置を示す斜視図である。本件装
置は、長方形状に枠組みされた基台８と該基台８
より一回り小さな昇降台９とを主体とする持上機
構４に対して、該持上機構４の昇降台９上に挟持
機構２及び敷板装填機構７が設けられて成る。第
４図は本件装置が設置された状況を示す平面図で
ある。本実施例では、搬送装置３の搬出端部寄り
箇所に本件装置が設置されている状態を示してあ
るが、本件装置の設置箇所は、その搬送経路中で
あれば任意である。該搬送装置３は、２条の循環
搬路３ａ，３ａが互いに平行架設されて成るもの
（第１図参照）であつて、その搬出端部にはロー
ラコンベヤ２５が後続されている。搬送装置３及
びローラコンベヤ２５は、プレス成形機２３等か
ら、乾燥窯又は焼成窯（図示省略）内を走行する
台車２４の待機位置にわたつて、陶磁器素体が積
み重ねられた段積体１を搬送するようになつてい
る。なお、第１図に示したように、本実施例で
は、前記搬送装置３の循環搬路３ａに、環状のチ
エーンベルトを用いてある。

持上機構４は、搬送装置３の下方部において、
その昇降台９の長手方向が、白抜き矢符で示す如
き搬送装置３の搬送方向と直交する如く関係付け
られて、設置されている。昇降台９は、四個のエ
アーシリンダ１０，１０，１０，１０によつて、
台８の上部で昇降するように成されている（図面
では昇降台９が上昇した状態を示す）。

挟持機構２は、前記持上機構４において、その
昇降台９上の、搬送装置３と交叉する位置に設け
られている。該挟持機構２は、前記搬送装置３の
搬送方向と直交して対向進退する押圧板１８，１
８を主体として成る。押圧板１８相互の各対向面
には、段積体１に対して寸法誤差や接触時の衝撃
等を吸収するゴム板１９が貼着されている。該挟
持機構２を第１図中から抽出して第２図に示す。
前記押圧板１８は、前記持上機構７の昇降台９上
に立設された支持体２０に対して、２本のガイド
バー１７，１７により摺動可能に保持されてい
る。また該支持体２０には、押圧シリンダ１６が
固定されており、そのピストンロツド１６ａ先端
が、前記押圧板１８の裏面に接続されている。な
お、図面手前側の支持体２０は、Ｌ字状脚２１，
２１によつて昇降台９の両外側から立設されてい
る。

第１図に示すように、敷板装填機構７は、敷板
５用の引出爪体１３ａ及びその駆動系と敷板収納
部６とから成る。

まず、敷板収納部６について説明する。敷板収
納部６は、前記持上機構７の昇降台９上におい
て、前記挟持機構２とは反対寄りの側に設置され
ている。該敷板収納部６は、四本の縦枠材６ａ
と、各縦枠材６ａの下端部に、昇降台９の長手方
向に平行して溶着された底枠材６ｂとにより箱組
みされたものであつて、敷板５の複数枚を段積み
状に収納する。該敷板収納部６は、前記持上機構
７の基台８上に固定されたものであるが、図面の
繁雑を避けるために、その固定構造は図示省略し
た。

ところで、前記挟持機構２の両押圧板１８，１
８の間、即ち、その押圧空間の下方には、昇降台
９に立設された支柱１５，１５，………を介し
て、二本のアングル材２２ａ，２２ａが相互に内
方に向かつて平行架設されており、これが敷板装
填部２２と成されている。すなわち、該敷板装填
部２２は、前記持上機構７の昇降稼働により、搬
送装置３の両循環搬路３ａ，３ａ間で昇降する。
敷板装填部２２の設置高さは、前記持上機構４の
下降待機時に、搬送装置３の路面よりも下方に没
し、上昇時には路面上部に浮上する高さである。
また、上昇時の敷板装填部２２は、前記敷板収納
部６の下端位と同じ高さとなつており、両者間に
は敷板介挿路１４が架設されている。

次に、引出爪体１３ａ及びその駆動系について
説明する。引出爪体１３ａは、前記敷板収納部６
に収納された敷板５，５，………のうち、最下段
の敷板５ａに係合する如く走行台１３に立設され
ている。該引出爪体１３ａの駆動系は、前記昇降
台９内に平行架設された二本のガイドバー１２，
１２と、該ガイドバー１２，１２に挿嵌された前
記走行台１３と、該走行台１３用の駆動シリンダ
１１とから成る。従つて、駆動シリンダ１１を縮
退させると、走行台１３が昇降台９の長手方向に
沿う如く摺動し、引出爪体１３ａは、敷板収納部
６から敷板介挿路１４を介して敷板装填部２２へ
敷板５ａを移載する。

このようにして成る本件装置の稼働状況を説明
する。

搬送装置３は、段積体１が本件装置に搬入され
ると適宜の検知信号を得て停止する。段積体１
は、その搬送方向に沿う両側面が挟持機構２の押
圧板１８，１８により対向押圧され、保持状態と
なる。そして持上機構７の昇降台９が上昇する。
段積体１は、搬送装置３の路面上方へと挟持機構
２ごと上昇される。このとき、敷板装填機構７も
同時に上昇されており、その敷板装填部２２及び
引出爪体１３ａが、搬送装置３の路面と持上状態
の段積体１との上下空間内へ、敷板収納部６にお
ける最下段の敷板５ａをスライドさせ得る高さに
位置付けられている。そして該敷板装填機構７の
駆動シリンダ１１が縮退する。このため、敷板収
納部６から取り出された一枚の敷板５ａは、敷板
介挿路１４に沿つて摺動し、搬送装置３の一方の
循環搬路３ａが交差する切欠部を跨いで敷板装填
部２２へと引き出される。該敷板装填部２２は、
搬送装置３の路面上部に浮上しているので、この
状態で持上機構７が下降すると、敷板５ａが搬送
装置３上に載置されるようになり、続いて該敷板
５ａ上に段積体１が降ろされるようになる。最後
に、挟持機構２による保持が解除されると同時
に、搬送装置３が再稼働して、敷板５ａ上に載せ
られた段積体１が、後続のローラコンベヤへと搬
送される。

（別態様の検討） 搬送装置３とローラコンベヤとの接続部分に、
段積体１相互を更に積み重ねて柱状にする積層装
置（図示省略）を設置させる場合は、本件装置に
おいて、段積体１の搬送個数を数個おきに稼働さ
せるようにすれば、ローラコンベヤにおいて搬送
される柱状積層体の最下部にだけ敷板を敷いた状
態とすることが可能である。また、第３図に示す
如く、敷板収納部６は、ストツクした敷板群５，
５，………を、その肉厚ピツチで上昇させ、その
上部から一枚あて取り出すようにしたものであつ
てもよい。このように、本件装置の構成及び形状
は、実施の態様に応じて適宜変更可能である。

「発明の効果」 以上の説明で明らかなように、本発明に係るロ
ーラコンベヤ搬送用の敷板介挿装置によれば、人
手による敷板の介挿作業が不要となり、段積体に
おける段積状態を悪化させるおそれもない。その
うえ、本件装置は、搬送装置に対して何等改造を
加えるようなことはないから、従来より既設の搬
送装置に対して、簡単に設置することが可能とな
るばかりでなく、その搬送経路中の任意位置に設
置できるものである等、幾多の優れた利点を有し
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本件装置を一部省略して示す斜視図、
第２図は前記第１図の省略部を示す斜視図、第３
図は敷板収納部の別態様を概略して示す側面図、
第４図は本件装置の設置状況を示す平面図であ
る。 １……段積体、２……挟持機構、３……搬送装
置、３ａ……循環搬路、４……持上機構、５，５
ａ……敷板、６……敷板収納部、７……敷板装填
機構、１４……敷板介挿路、２２……敷板装填
部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ２条の平行な循環搬路上に素焼タイル、焼成
   用匣鉢、その他の陶磁器素体が積み重ねられた段
   積体を載置して該段積体を搬出端部に後続された
   ローラコンベヤへ搬送する搬送装置に対してその
   搬送経路中の任意箇所に設置される敷板介挿装置
   であつて、前記搬送装置の循環搬路上に載置され
   た段積体に対して該搬送装置の両側方に対向設置
   された押圧板が相寄移動する挟持機構と、該挟持
   機構を昇降台上に設置し該昇降台を基台上で上昇
   させて前記挟持機構により押圧保持された段積体
   を前記搬送装置の循環搬路上に浮上させる持上機
   構と、前記挟持機構により押圧保持された段積体
   の底面に対向する如く前記持上機構の昇降台上に
   設置され該昇降台の上昇時に前記搬送装置の両循
   環搬路相互間で搬路上面と略々同一平面に位置付
   けられる敷板装填部を備え前記搬送装置の側方に
   設置された敷板収納部から敷板介挿路に沿つて敷
   板を一枚あて取り出し該敷板を前記搬送装置の一
   方の循環搬路が交差する切欠部を跨いで前記敷板
   装填部へ移載させる敷板装填機構とから成ること
   を特徴とするローラコンベヤ搬送用の敷板介挿装
   置。